続・人間老いやすく、学成りがたし: #デジタル
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2023/09/17

ヨーロッパの「アナログ回帰」、ちょっと早いなぁ。

 9月13日のCOURRIER JAPONに、「デジタル教材先進国のスウェーデンでも デジタル機器は学習に悪い?─欧州で始まった学校の「アナログ回帰」という記事が出ています(プレミアム記事なので一部しか読めませんが、無料会員になると月2本まで見れるようになるので、無料会員になると良いかもしれません。ちなみに私は無料会員なので、月2本まで見れるのですが、他にも見たい記事が結構あって、プレミアム会員に登録してしまいそうですが😅)。

 「スウェーデンでは、約1年前に就任したロッタ・エルホルム学校教育大臣のもとで、学校の授業における「紙の書籍や手書き」への回帰が進んでいると英紙「ガーディアン」などが報じ」、「ドイツでも同様の議論があり、一定の学年以下の授業でデジタルデバイスを使わない方針を掲げる学校もあ」り、「オランダでも、学校へ持ち込むデジタル機器について大幅な制限が検討されていると報じられた」とのことです。

 これらの国々では日本よりもかなり早くデジタル機器が学校に導入されているので、その結果、「読解力の低下」が指摘されていて、「セビリア大学の教育心理学者パブロ・デルガドらの研究では、限られた時間で説明文を読む場合には紙のほうが優れていること、および、デジタルテキストに慣れたデジタルネイティブ世代であっても、デジタルテキストの読解力が高くなるわけではないことが示された」ことなどもあり、「紙への回帰」が予定されているわけです。

 「『スマホ脳』で有名なスウェーデンの精神科医アンデシュ・ハンセンも、クーリエ・ジャポンによるインタビューのなかで、抽象度が高い内容の文章は紙で読んだほうが理解度が高まるという研究結果を挙げている」とのことなのですが、一方で「デジタルを「唯一の悪者」扱いすることには賛否ある」ようですが、やっと本格的になりつつある日本は、どうすればよいのか?ですよね。特に高校では来年やっと3学年がそろうという学校も多いだろうと思われるので、これからという感じのところも多いと思われます。まぁ、とりあえずはデジタル機器使用の実践を積み重ねながら、ヨーロッパの様子見というところですかね。

2023/09/12

専門職の人手不足をAIに代替させるのは、難しいでしょうね。

 9月6日の朝日新聞デジタルに、「AI導入の落とし穴 人手不足の学校や児相で「本末転倒なDX」も」という記事が出ています。

 「学校や自治体で、一人一人の子どもの個人データを連携させたり、それをもとにAIに虐待のリスクを判定させたりする取り組みが進」んでいて、「現場からは人手不足や縦割りの解消にと期待する声」があるとのことですが、「データ化を進めたからといって必ずしも楽にはなるとは限らない」という横浜市立大の先生のコメントが出ています。

 「国や事業者は、「人手の少なさをデータ化と自動化でカバーできる」などとして各自治体にシステムの導入をすすめ」ていて、「職員が足りておらず負担を減らしたい自治体は、それに乗りやすい」のが現実ですが、記事にもあるように「ごく単純なプロセスの手間を省くDX(デジタル化)なら一定の効果はあるでしょう」が、「子どもに関わる複雑なプロセスで専門職の人手が足りていないところをAIに代替させようとしても、人手が足りないまま済ませるのは難しい」のが事実だと思います。

 自治体は机上の計算で物事を判断する場合が多いですが、実際に人がかかわる作業は計算通りにはいかないのはもちろん、特に専門職が行うようなことは、まだまだデータ化しきれるものではなく、専門職ならではのコツがあったりしますし、日常的にその分野にかかわっているから気がつくことなども多いわけです。ですから、それをAIに代替させようにもAIが学習できるデータになっていないことも多く、AIのそこまではまだいっていないわけです。やはりある程度人を配置しないとならない部分はあるわけで、それを安易にAIで代替させようとすると、かえって混乱してマイナスになってしまう可能性があるのですが、自治体などはなかなかそこまで考えないというか、危機管理不足というか、まぁどうにならないと気が付かず、ただ何かあっても自分たちが悪くないと思うという、最も人間らしいところがあるんです。仕方ないですけどね。

2023/09/07

自国の言語だけで文化やエンタメを楽しみ、学問もできる国であることは、誇っても良いのでは?

 9月2日の朝日新聞デジタルに、「AIがあれば英語教師は不要に? 「革命的」と語る言語学者の活用法」という記事が出ています。

 立命館大学生命科学部の山中司教授への英語の学習に関してのインタビュー記事なのですが、

「社会言語学的に言えることは、日本語が思っているよりもパワフルだということです。例えば、国内で英語を話せなくて困ったことがあったかと聞いてもあまりないわけです。テレビでは朝から晩まで日本語が流れ、本屋に行っても日本語の本だらけです。でも実はこういう国は少なくて、夜に字幕なしで英語のドラマが放送されたり、ベストセラーの上位は英語で書かれた本だったりというのが海外では普通にあるんです。

 つまり、自国の言語だけで文化やエンタメを楽しみ、学問もできるという国は実は意外と少ない。英語にはかなわないけれど、パワフルな日本語があるためガツガツしなくても済んでしまうんです。」

と述べられていて、これはかなり誇れることなのではないかと思うわけです。

「日本人にとって英語は母語ではなく、割り切りも必要です。(中略)中学レベルの英語で話せるはずだと分かるのに簡単な言い回しが出てこない。英語力が足りないというより、母語話者(ネイティブ)じゃないからです。」

と述べられているように、英語を自由に操れる必要はないわけで、そもそもネイティブのようにはなれない(そのようになれる人もごく一部いるでしょうが)わけですし、言葉は道具ですから、なんとか通じれば良いんです。機械翻訳やチャットGPTがあるのですから、それをとことん利用して、それで話が通じれば良いのです。生成AIの登場で「少なくとも読み書きは、ネイティブに肩を並べられ」るとのことなのですから、機械翻訳やチャットGPTなどは積極的に使えば良いと思います。通じるか通じないかではなく、本来はその中身が重要なのですから。

2023/08/31

国立科学博物館の関東大震災100年企画展「震災からのあゆみ―未来へつなげる科学技術―」、オンラインコンテンツだけでも十分良いです。

  9月1日から11月26日までの期間、国立科学博物館で、関東大震災100年企画展「震災からのあゆみ―未来へつなげる科学技術―」が開催されます。

 ホームページでの情報によると、第1会場では第1章「1923年 関東地震とその被害 -関東大震災-」、第2章「関東大震災からの復興-災害に強いまちづくり-」、第3章「100年間の地震・防災研究 -災害に負けない国へ-」、第2会場では「震災に備える」、特設会場「災害を展示する -伝え方の歴史-」などの展示が行われます。

 また第1会場では、国立科学博物館が収蔵する震災当時の写真10点の、カラー化前とカラー化後の写真が展示されます。

 さらに、オンラインコンテンツとして、「デジタルツインでたどる関東大震災直後の航空写真(β)」と、「企業資料から読み解く関東大震災 経済を支えていた企業はそのとき」が用意されています(もう一つは準備中)。航空写真も良いですが、「企業資料から読み解く関東大震災 経済を支えていた企業はそのとき」では、火災が広がっていく様子がわかる資料や帝国データバンク史料館『震災手記』が読めたりしますので、展示会場に直接行けなくても、個人的にはこれらだけでもかなり十分な感じがします(「在京罹災埼玉県人救護団バラックを訪れた渋沢栄一」1923年11月17日のカラー化された写真だけでも、かなりおもしろいです)。

2023/08/27

「日本史用語翻訳グロッサリー・データベース」、勉強に使えます。

  東京大学史料編纂所が、「日本史用語翻訳グロッサリー・データベース」を公開しています。

 「日本史用語翻訳グロッサリー・データベース」とは、外国語で日本史研究を行う際の補助ツールとして、前近代日本史に関する史料用語・研究概念などの外国語訳・説明を集成し、検索可能にしたものです。2023年7月現在、英語約18,000件、フランス語約1,800件、ドイツ語約6,300件が登録されています。

 単純に、日本史用語がどういう訳語になるのかということを調べることができるだけでもおもしろいですが、既存の外国語訳・説明を集成しているため、訳語がいくつかあるので、それらの訳語を読み比べることで、用語の本質的な意味を考えたりすることもできます。これが意外と勉強になります。

 今後もこのデータベースは充実されていくとのことなので、使っていくことで、いろいろな勉強ができますね。

2023/08/25

「バーチャル名鉄名古屋ステーション」、8月25日から9月3日までの期間限定!ただ、アプリ配信の遅れで公開が遅れていますが…。

  「バーチャル名鉄名古屋ステーション」で、名鉄名古屋駅がメタバース空間上に再現されます。メタバースを使った事業可能性を検証するのが目的だそうですが、鉄道ファンにとっては、そのような崇高な目的はともかく、自宅のパソコンで名鉄名古屋駅が再現されるってだけで、興奮ものです😍

 コンテンツは、「DJブース案内体験」、「"迷駅"ストーリーコレクト」、「名鉄ライブラリ」があります。

 「DJブース案内体験」は、通常は駅係員しか入ることができない運転室(通称:DJブース)に入室し、列車の運行に関するアナウンスをする体験です。あの名鉄名古屋駅の案内アナウンスに挑戦できますよ。

 「"迷駅"ストーリーコレクト」は、行先·種別ごとに乗車位置が異なることから、"迷駅 "と呼ばれることもある名鉄名古屋駅を再現した空間内を探索し、名鉄の駅や電車にまつわる小話(ストーリー)を集める体験です。

 「名鉄ライブラリ」は、バーチャル名鉄名古屋ステーション内にある、名鉄電車や駅に関する写真を展示する空間です。

 これらが無料で体験できます。ただ、現在パソコンへインストールするアプリ配信の遅れで公開が遅れています。公開の情報は、バーチャル名鉄名古屋ステーション(公式アカウント)とホームページで知らされるそうなので、興味のある方はチェックしておいてください。

2023/08/05

出版の電子化、進むと利用には便利ですが、保存という観点では難しいです。

  8月4日の朝日新聞社説は、「本を読む権利 切なる声にこたえたい」というタイトルです。

 先月芥川賞に決まった市川沙央さんが、芥川賞の会見で述べた「ちょっと生意気なことを言いますけれど、各出版社、学術界でなかなか電子化が進んでいません。障害者対応をもっと真剣に早く取り組んでいただきたいと思っています」を受けての社説です。

 電子書籍は、紙の本のような重さがなく、文字を拡大して読める利点があったり、画面の自動読み上げ機能を使って本を「聞く」ことも可能だったりとメリットがあり、市川沙央さんがいうように、障害のある人にとっては「本を読む権利」が満たされるわけで、大変良いことです。

 社説には、電子化は中小の出版社では追加コストなどがあるとし、手間がかかることや流出への懸念が背景にあるとしていますが、現在は本を作る際は、ほとんどDTPですから、基本的にはデジタルデータで作成するわけです。したがって中小でもコストがかさむどころか、昔に比べれば安くなっているはずです。もちろん、最初からデジタルデータで作成しているので、手間がかかるわけもありません。確かにデジタルデータなので、流出は懸念されますが、それさえ十分な対策をとれば、やたらと流出することも多くないと考えられます(まったく流出しないということはおそらくないですが)。

 むしろ問題になりそうなのは、保存の観点です。紙の本のようにデジタルデータの入ったメディアをその辺にほっておけば、数年後にはおそらく読むことはできないでしょう。保存メディアの媒体自体の保存年限や、保存メディアそのものが旧式になることによる読み取る機械が無くなってしまう可能性、またデジタルデータを読みこむためのソフトが古くなってしまうとかで、結局読めなくなる可能性が高いわけです。今時フロッピーディスクなんて一般にないでしょ?図書館は困りますが、出版社にとれば、むしろ最新版に買い直ししてくれる可能性が高まるので、悪いことではないはずです。

 「従来の商慣行はバリアフリーの要請を退ける理由にはならないはずだ。出版界にはより積極的な行動を求めたい。」としている朝日新聞さん、自分のところは電子化、進めているの?

2023/07/25

小学校が先行していますが、中学、高校は追いついていないので、よけいに矛盾する。

 7月23日の朝日新聞デジタルに、「授業が変わった 取り組む内容、子どもが決める GIGA構想3年目」という記事が出ています。

 一斉授業を減らし、一人一台端末を活用して、個別の学びを実践している小学校の事例を紹介する記事です。このような動きは端末の整備が先行した小学校で進んでいて、実践自体もなかなかおもしろいものになっていますが、中学校へ行くとどうなるでしょうか?なかには小学校同様にかなり様々な実践をしている中学校もありますが、小学校での学びが活かされる授業が、どれほどの中学校で実践できているでしょうか。同様に高校はどうでしょうか。あるいは高校受験でこのようなものが反映されている受験があるでしょうか。

 もちろん、新しい学習指導要領が進んで、高校でも従来とかなり違う科目が行われ、観点別評価も導入されてきていますが、いわゆる普通高校では相変わらず一斉授業が多いのではないでしょうか。そもそも大学入試が、科目は変われど、インプットしたものを、いかに正確にアウトプットするかの形式の試験スタイルは変わっていないので、小学校で個別の学びをやってきても、中学、高校とあがるにしたがって、以前のスタイルの授業が多くならざるを得ないというのが現実なのではないかと思います。

 「学ぶことは本来楽しいはず」、「学校は本来楽しい場所のはず」を取り戻そうと小学校がかんばっていても、上に上がるほど矛盾していくのって、やりきれないですね。やはり、一度現在の学校制度をゼロにして、作り直す必要があろうと思います。

2023/07/22

「頭痛ーる(ずつーる)」、これって良いかも。

 7月21日の朝日新聞デジタルに、「雨が降ると頭が痛くなる? 迷信ではない「気象病」 アプリが人気」という記事が出ています。

  昔から、「雨が降ると頭が痛くなる」という話がありますが、そのような「気象病」の発症を予測できるアプリが出ていてます。その気象病予測ができるアプリ「頭痛ーる(ずつーる)」が、とても人気を集めているということです(リンク先はパソコン用ですが、スマホ用アプリもあります)。正直知らなかったのですが、リンク先にもあるように、「頭痛ーる」は10周年なんだそうです。

 自分が「気象病」かどうかがわかる簡単なセルフチェックのあるのですが、以前から天気が崩れる前などに時々頭痛がしたり、やや頭がすっきりしない時があったのですが、チェックしたら、「気象病の可能性が高いです」と出てしまいました😭

 そんなわけで、アプリを入れてみました。

 「気象病」のアプリなので、もちろんお天気アプリとして使えますし、「気象病」の知識について、いろいろ出ています。記事には「「頭が痛いのに、『頭痛ーる』によると気象病ではなさそうだ」という人が病院に行き、他の病気を発見した」事例もあるようです。オジサンなんで今年の暑さは結構来ていますし😵、痛いのはつらいので、これからしばらく使って様子を見たいと思います。 

2023/07/21

「Web OYA-bunko」が大リニューアル!

  「大宅壮一文庫」の記事検索システムが、大規模にリニューアルされました。

 ①テスト版として公開していた冊子版「大宅壮一文庫雑誌記事索引総目録」の1987年以前のデータが統合され、1888年~現在までの約140年分の約732万件のデータが一括検索できるようになりました。

 ②レスポンシブデザインを採用したことで、パソコン対応が前提だったものが、スマホ&タブレット操作に完全対応し、デザインも一新されて見やすくなりました。

 ③ユーザインターフェイスを全面的にリニューアルし、複数の人物・職業を一括検索できるようになりました。

 リニューアルを記念して、7月24日(月)から期間限定ワンコイン(500円)検索し放題キャンペーン」を開始します。これは個人賛助会員未加入者も利用できます。雑誌の検索では「大宅壮一文庫」に勝るものはありませんし、オンライン受付記事複写サービスで記事コピーの取り寄せも可能ですから、このキャンペーンで試してみて、良ければ個人賛助会員になるってのもアリです。

2023/07/20

千葉市立加曽利貝塚博物館で、スマートグラスを利用した情報表示ガイダンスシステムに関する実証実験が行われます。

  明日7月21日に、日本最大級の貝塚を有する千葉市立加曽利貝塚博物館で、メガネ型の情報端末“スマートグラス”を利用した情報表示ガイダンスシステムに関する実証実験が実施されます。

 この実験は、大日本印刷株式会社(DNP)がスマートグラスの内蔵カメラで撮影する画像情報から利用者の位置情報を算出するVPS(Visual Positioning System)技術や、リアルとバーチャルが相互に影響し合う空間等を構築するMR(Mixed Reality:複合現実)技術を活用して行うものです。この情報表示ガイダンスシステムにより、実際の博物館内で鑑賞する人の位置に合わせて、貝塚の断面や竪穴住居の柱、土器等の情報を重ねて、スマートグラスで立体的に表示する“場所に応じたMR”のサービスが提供されるそうです。

<情報表示ガイダンスシステムの実証実験のポイント>

1.所定の位置で自動的に解説等のコンテンツを表示

 スマートグラスの内蔵カメラで取得した展示物等の画像によって利用者の位置を特定するため、これまで必要だった位置特定用のマーカー等の設置が不要です。スマートグラスをかけて所定の場所で展示物を観ると、該当する解説コンテンツ等が速やかにスマートグラスに表示されます。今回の実証実験では、加曽利貝塚博物館内の貝層断面の展示を観ると、周囲に掘られた調査区の様子がMRで表示され、発掘当時の現場にタイムスリップできます。

2.現実の世界とCG等のコンテンツを違和感なく配置

 バーチャルに表示するCG等の解説コンテンツを、スマートグラスを通したリアルな空間上の最適な位置に、高い精度で配置できます。そのため、解説コンテンツ等が現実世界と一体化しているような自然な表示が可能になり、利用者の直観的な理解や満足度の向上につながります。今回の実証実験では、「加曽利E式土器」展示ケースの前で4点の土器の3次元(3D)CGをMRで表示します。実物の展示では観ることができない土器の裏側などを好きな角度から鑑賞できます。また、「大形建物跡」の展示の前では、MRで床に表示する竪穴住居跡の上に柱を再現することで、建物の大きさなどをわかりやすく伝えます。

 この実証実験をふまえて、今後は博物館・美術館に加え、企業や自治体等のショールームでの製品・サービスや施設・観光スポット等の紹介等にも展開していくとのことです。

2023/07/15

くずし字資料の自動テキスト化や現代語訳、英訳が実現しつつあります。

 人文学オープンデータ共同利用センター(CODH)が、「つくし」プロジェクトのウェブページを公開しました。

 くずし字資料の大規模テキスト化に基づき、全文検索技術の開発や大規模言語モデル(Large Language Model:LLM)へ展開し、人工知能(AI)ツールを開発・利用しつつ、くずし字資料の自動テキスト化や現代日本語や英語翻訳などが実現しつつあります。

 『絵本江戸桜』に対して、AIを用いた自動テキスト化/翻訳の実験が行われ、その結果を見ることができます。「AIくずし字認識」はAIで自動生成したものであって、人間による確認や修正は行っていないため、多少おかしな部分がありますが、「現代文翻訳」と「英語翻訳」はいい線いっていると思います。そうは言っても「AIくずし字認識」も、おかしな部分は明確にわかるので、そこだけ注意すれば、使えるのではなないでしょうか。

 AIくずし字認識アプリである「みを」が出た際には、夢かとも思いましたが、まさか自動テキスト化や現代語訳、英訳までできる世の中になるとは…。昔のマンガの話が、少しずつ現実化してきています。

2023/07/07

日本語の生成AIを開発するってことが、とても大事なことです。

 7月4日に、国立研究開発法人情報通信研究機構から「日本語に特化した大規模言語モデル(生成AI)を試作~日本語のWebデータのみで学習した400億パラメータの生成系大規模言語モデルを開発~」との発表がありました。

 「ChatGTP」を始め、「生成AI」に開発は海外が先行していますが、日本語でも答えてくれるとは言え、日本人にしてみれば学習用データが英語に偏ったものよりは、やはり日本語に特化したものの方が圧倒的に良いはずです。明治の日本が欧米に追い付けたのも、外国語を日本語に訳して、日本語でいろいろなことを考えられるようになったからです(何と言っても「philosophy」を「哲学」と訳したくらいですから、当時の知識人の素晴らしさは半端ではありません。その点では最近は外国語をそのまま使っていて、場合によっては意味が十分分からない状況でも、なんとなくそれっぽく使用している例も見られますが、本当はそれではダメです)。そのような意味で言えば、「日本語に特化した大規模言語モデル」をつくるということは、今後諸外国と渡り合っていくためには重要なことだと思います。

 今後は、「学習用のテキストについて、日本語を中心として更に大規模化していきます。また、現在、GPT-3と同規模の1,790億パラメータのモデルの事前学習に取り組んでおり、適切な学習の設定等を探索していく予定です。さらに、より大規模な事前学習用データ、大規模な言語モデルの構築に際し、既に述べたポジティブ、ネガティブの両方の要素に関して改善を図るとともに、WISDOM X、MICSUS等既存のアプリケーションやシステムの高度化等に取り組む予定です。加えて、NICTでは、まだ誰も考えておらず、Web等にも書かれていない、具体的で「尖った」将来シナリオや仮説をテキストとして生成し、対話システムによるブレインストーミング等で活用するための研究を実施してきましたが、このような研究においても今回開発した日本語大規模言語モデル等を活用していく予定です」と、大変頼もしい内容までも計画されているようです。

2023/07/05

夏休みの各種作文コンクールで、子どもが「生成AI」を使ったら、じっくり読んでも分からないだろうなぁ。

 7月1日の朝日新聞デジタルに、「小中高生のコンクールで相次ぐ「生成AI禁止」 使用どうチェック」という記事が出ています。

 夏休みに小中高生が取り組む作文などの各種コンクールの要項などが学校現場にたくさん届いていると思いますが、そのなかで生成AIの使用を禁止する動きが相次いでいるということを紹介しています。

 実際自分でもChatGPTを使って見ましたが、書かせる内容にもよりますが、「変だ!」と感じる文章ができあがってくることは、ほとんどありません。多少、「あれ?」と思うものもありますが、実際に生徒に書かせてもおかしな文章はよくあるので、むしろそれよりも出来が良かったりします。そこから言えば、確かにコンクールで「生成AI」を使われても、分からないだろうと思います(生徒によっては、普段のその子の文章よりもよく書けていて、「アヤシイ」と思う場合はあるかもしれませんが、疑わしいと思うか、今回はがんばったんだなぁと思うかの判断は難しいですね)。

 「自分で考えて書いてもらうのが趣旨」だからと言って、「禁止」というルールにしておいても使われてしまう可能性もありますし、あくまでも子どもたちの良心を信じるしかないわけで、それを疑うのならば、「生成AI使用禁止」をうたうより、方向性がはっきりするまでの間、コンクール自体をやめた方が良いのではないかと思います。そもそも今までも誰かが手伝うということもあったわけで、それが過去に受賞作品になっていなかったのかどうかは分からないわけですから(親が手伝った作品が、都道府県レベルで賞をとってしまったという事例が、親戚の中にはいるのですが…)、コンクールを開催する以上、リスクは避けられないですよね。昨日の文科省のガイドラインでは、対応できないですね。

2023/07/04

「暫定的なガイドライン」って、これでは現場はどうすれば良いのか分からない…。

  今日7月4日、文科省から「初等中等教育段階における生成AIの利用に関する暫定的なガイドライン」が公表されました。

 「暫定的なガイドライン」って、タイトルからしてなんだかなぁって感じですね。まぁ、夏休み前に出そうということで、あまり十分に時間がとれなかったというのはわかりますが、学校現場としては、どうすれば良いのか、よくわからない内容です。結局は各学校での判断ということなのでしょうね。

 「「生成AIを近い将来使いこなすための力を意識的に育てる姿勢は重要」とし、生成AIにすべてを委ねるのではなく、自分の判断や考えが重要であることを子どもたちに理解させることが必要だ」と強調していますが、だいだいは楽なほうに流れますよね。

 7月4日づけの朝日新聞デジタルに、「授業に生成AI、手探りの学校現場 「使ったことない」戸惑う教員も」という記事が出ていて、「チャットGPTの仕組みや適切な使い方などを教えたうえで実践に移り、出た回答をそのまま成果物としないことや、回答に誤りがないか確認して自分の言葉でまとめる重要性についても指導」している授業をやられている先生が紹介されていますが、教員がそう言っても、現実はどうでしょうか。教員が言うとおりにやる生徒もいるでしょうけど、もちろんそうじゃない生徒もいてます。このような指導内容ですと、いわゆるできる生徒は教員の指導に従うでしょうが、やや学力の低い生徒は(こういう子たちこそ、本当はちゃんとやってもらいたいにもかかわらず)、出た回答をそのまま成果物とし、回答に誤りがないか確認しない可能性が高いでしょうね。

 今度、ガイドラインはブラッシュアップされていく予定ですが、「生成AI」の使い方で、学力に差が出てくるようになる気がします。つまり、「出た回答をそのまま成果物とせず、回答に誤りがないか確認して自分の言葉でまとめる」ことができる生徒は学力が高い生徒で、それができない、またはやらない生徒は学力が低いというふうになるんじゃないかなぁ。

2023/06/28

デジタル・シティズンシップ教育が学校で広がることは良いことですが、学校だけではなく、国民全体が学ぶべきだと思います。

 6月23日の朝日新聞デジタルに、「ネットいじめ起きる前に… 広がるデジタル・シティズンシップ教育」という記事が出ています。

 欧米などで広がったデジタル・シティズンシップ(DC)教育は、米国で普及している教材では、学ぶテーマとして、メディアバランス▽プライバシーとセキュリティー▽オンライントラブル▽メディアリテラシーなど6領域が設定されています。

 子どもたちがデジタル社会の善き担い手になることをめざすために学校教育でデジタル・シティズンシップ教育が広がることは良いことなのですが、これって子どもだけではなく、大人たちも、デジタル技術の利用を通じて、社会に積極的に関与し、参加していく必要があることから、もっと多くの人が学ぶべきことなのではないかと思います。

 総務省で、『家族で学ぶデジタル・シティズンシップ』というガイドブックが出されています。「子どもたちはネットで様々な困りごとやジレンマにも遭遇します。大人の想像をはるかに超えた経験をしている子どもたちに、大人は、どのように接したら良いのでしょう?」とガイドブックにはあるのですが、このガイドブックのように子どもたちへの接し方を学ぶ必要があるのも事実ですが、「ネットで様々な困りごとやジレンマにも遭遇」しているのは子どもだけではありませんよね。

 「学校での教育・指導だけでなく、生活場面のなかでもまわりの大人たちが、デジタル・シティズンシップについて理解を共有」するためにも、大人もデジタル・シティズンシップを学ぶ必要があると思います。

2023/06/20

「ふるさとちば古写真デジタルアーカイブ」、こういうのを作っておくことは大事ですね。

 千葉県立中央博物館で、「ふるさとちば古写真デジタルアーカイブ」が公開されています。

 千葉県誕生150周年記念事業として、同館が所蔵する古写真約200枚とともに、一般から応募のあった古写真を、同デジタルアーカイブで紹介しています。古写真を通じて千葉のあゆみを振り返り、その記録と記憶を未来へ残していくことを目的としたアーカイブサイトが、「ふるさとちば古写真デジタルアーカイブ」です。

 過去の出来事をさぐる方法として、写真ほど様々な情報を読み取れる資料はありません。最近は簡単に動画が撮れるようになったので、その情報量は写真を上回りますが、150年前を語る動画はありませんし、数から言えば写真の方が多いですから、写真は情報の宝庫です。

 「人々はどんな服装をして、何を食べ、どんな場所で暮らしていたのか。どうやって生計を立て、何に娯楽を求めていたのか。そんな人々の生活の一端を、写真からは知ることができます」。また、「写真そのものに記録された情報だけでなく、その写真にまつわる記憶もまた、未来へ残していきたい」宝です。

 「過去と今を見比べる」「写真で振り返る年表」などのほか、エリアや年代ごとに写真を見ることができます。

2023/06/10

アメリカの連邦最高裁判所では、すべての口頭弁論の記録を保存しているんですね。日本とは大違い。

 米国国立公文書館(NARA)が、アメリカ連邦最高裁判所の音声記録をデジタル化し、公開したことを発表しました。

 アメリカ連邦最高裁判所が、すべての口頭弁論の記録を開始したのは1955年10月で、音声記録は1955年10月から1972年12月までのブラックシリーズ、1972年12月から2005年 6月27日までのレッドシリーズ、2005年10月3日から2020年5月31日までのゴールドシリーズの3つの口頭弁論のシリーズで構成されています。

 連邦最高裁判所の音声記録は、NARAのカタログで、裁判日、事件番号、事件名のキーワード等で検索できます。現在国立公文書館カタログで聞くことができる有名な事件には、画期的な公民権判決である1967年のラビング対バージニア(Loving et ux. v. Virginia)、ナチスによって家族から盗まれ、オーストリア政府美術館に展示されていた5枚の絵画の回収を求めて、マリア・アルトマンが米国地方裁判所でオーストリアを相手に民事訴訟を起こす権限を与えられたとする2004年のオーストリア共和国対アルトマン(Republic of Austria v. Altmann)などがあります。 

 「定められた保管期限を過ぎたら、捨ててしまう方が基本である」という考え方で、例外的に保存するものについては「資料または参考資料となるべきもの」ということにして、「特別保存」と呼んで保存し、それ以外は「保存するスペースがないから」ことを理由に廃棄する日本に比べれば、記録を保存するという考え方がまったく違うんですね。

2023/06/09

これぞ「デジタル公文書館」、「大分市デジタルアーカイブ~おおいたの記憶~」

 6月1日に、「大分市デジタルアーカイブ~おおいたの記憶~」が一般公開を開始しました。

 「大分市歴史資料館・大分市美術館・大分市民図書館が所蔵する資料、市内に所在する国・県・市指定の文化財、市内各地を写した古写真・絵葉書など、約1,500件の文化資源が閲覧できるようになってい」るということです。

 「スペシャルコンテンツ」では、高精細Webギャラリー公開システム「Gaze-On」を利用した「御城下絵図」の高精細画像、先端技術(3D技術)により撮影された360度自由な視点で閲覧が可能な、絵巻物「御城下絵図」の高精細画像、「国崩し(大砲)」や「華南三彩貼花唐草文五耳壺」の3Dモデルも公開されています。

 また、『大分市史』や合併前の自治体市も、PDFで張り付けてあります。

 これだけのコンテンツがそろっていれば、リアルな「公文書館」に匹敵するか、もしかしたらそれ以上かもしれません。まさに「デジタル公文書館」です。リアル公文書館が無い自治体が目指す、一つの形かもしれません。お金、どれくらいかかってるのかなぁ。

2023/06/08

東京音楽大学が、伊福部昭コレクションのデジタルアーカイブと目録を公開しました。

 東京音楽大学が、伊福部昭コレクションデジタルアーカイブ目録を公開しています。

 2023年5月31日が、伊福部氏の109回目の誕生日に当たることから、この日にデジタルアーカイブと所蔵目録 (OPAC) の公開を始め、学外者を含めた利用者に向けて、資料の閲覧と複写の提供を始めました。

 今回は、寄贈された資料のうち、手稿譜や手書き原稿、伊福部昭本人の書き込みがある楽譜などをデジタル化しています。作曲家として有名な伊福部氏は、東京音楽大学の学長も務めており、その関係から東京音楽大学付属図書館が、およそ1200点の資料寄贈を受けたわけということです。

 作曲家として有名といいつつ、伊福部氏の曲で知っているのは、「ゴジラのテーマ」だけですが😅、ドシラー、ドシラーで始まるあの音楽は耳から離れませんよね。目録で「ゴジラ」と検索したら、「ゴジラタイトル : ゴジラパート譜1954年版」というのがヒットしました。他にも統一標題に「ゴジラ vs デストロイア」、「ゴジラ vs モスラ」、「ゴジラ vs メカゴジラ」なんてもあります。