続・人間老いやすく、学成りがたし: #生物
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2023/07/27

「イシクラゲ」って、最強の生物なの?世の中、見た目によらないです。

 7月25日の朝日新聞デジタルで、「「えっアレが?」 クマムシ級にものすごく耐えるヤツは足元にいた」という記事が出ています。

 「最強の生物」としてはクマムシが有名ですが、クマムシと双璧を成す「最強生物」が「イシクラゲ」なんだそうです。

 「イシクラゲ」って、庭とかでよく見る海藻みたいな緑色のヤツで、晴れていればパリパリのコブみたいな感じですけど、雨が降ると水分を吸ってブニョブニョになって、スベるアレでらしいです。

 「パリパリになった状態でも、休眠状態として生きて」、「パリパリだと、100度を超える高温やマイナス100度以下の低温、たいていの生物が死ぬ強い紫外線や放射線にも耐える」という、とんでもなくスゴイやつなんだそうですが、とてもそうには見えないです。世の中、だんだん見た目じゃわからないものが多くなってきました。

2023/07/19

男女の分業についての固定観念をくつがえしてくれる発見は、いかに我々がジェンダーバイアスにとらわれているかを示してくれます。

  7月16日の朝日新聞デジタルに、「「男が狩り」「女は採集」は誤解? 9千年前のペルーに女性ハンター」という記事が出ています。

 「米カリフォルニア大の研究チームは2020年、ペルーのアンデス高地の約9千年前の遺跡で、ハンターと見られる10代後半の女性の遺体が見つかったと発表」、それを受けて、同チームが「アメリカ大陸の近い時代の遺跡から見つかった400人以上の記録を改めて分析したところ、狩猟具とともに埋葬された27人のうち、4割にあたる11人が女性だったことを突き止めた」との論文を、米科学誌「サイエンス・アドバンシズ」に掲載したことを紹介するものです。

 狩猟採集社会における男女の分業については、1960年代にカナダや米国の人類学者らが出版した論文集「Man the Hunter(狩猟者である男性)」などをきっかけに支持されるようになり、各地に残る現代の狩猟採集社会の研究も進み、この主張に沿った男女の分業を示す報告が増えましたが、一方で狩りをする女性は例外的な存在と考えられてきました。しかし、”Female hunters of the early Americas”と題するこの論文によると、「学者たちは、私たちの種の進化の過去において、現代のジェンダー行動がどの程度存在していたのかを理解することに長い間取り組んできました。多くの研究は、現代のジェンダー概念が過去のジェンダー概念を反映していないことが多いという主張を支持しています」、「初期の狩猟採集民が経験した生態学的条件は、女性と男性の両方が幅広く参加する大物狩猟経済に有利に働いていたであろうことが示唆されています」、「アメリカ大陸の初期の女性が大物狩猟者であったことを明らかにしています」とされています。

 現代においても男性よりも運動神経の優れた女性は多くいますし、特に当時のような狩猟の能力が重要視される時代においては、男性だろうと女性だろうと、狩りがうまい人間が狩猟を行うことで食料が確保されたわけですから、当たり前なはずなのですが、現代のジェンダーバイアスにとらわれていると、こういう事実も見逃す、もしくは否定することになってしまいがちですので、このような発見は我々にとって非常に良い情報です。

2023/06/29

「朝比奈 龍勢・昆虫館」がオープン!

 6月24日に、藤枝市岡部町に「朝比奈 龍勢・昆虫館」がオープンしました。

 道の駅「玉露の里」の敷地内に、昨年まであった「ふるさと世界の昆虫館」が閉館してから約1年ちょっとですが、リニューアルされて、「龍勢ゾーン」と「昆虫ゾーン」を持つ施設となりました。

 「ふるさと世界の昆虫館」は、世界のカブトムシや蝶の標本がたくさんあって、かなり評判が良かった施設ですが、同じ朝比奈でもあり、県の無形民俗文化財でもある「朝比奈龍勢」なので、施設の有効利用ということでしょう。

 「朝比奈 龍勢・昆虫館」としてのオープンを機に、豪族・朝比奈氏の居城「朝比奈城」と、当時から狼煙として使用されていたといわれる朝比奈龍勢をモチーフにした御城印が発売されました。購入できるのはここだけで、ブルーを基調としたカッコいい御城印です。1枚300円です。

2023/06/19

医薬品でも脂肪肝を治療できるようになるかもしれないんです!

 6月15日の朝日新聞デジタルに、「脂肪肝、薬で防げるかも? NASH発症に重要な遺伝子を発見」という記事が出ています。

 「肥満などに伴う非アルコール性脂肪肝炎(NASH)の発症に重要な役割を果たしている遺伝子を、京都大、大阪大などの研究チームがマウス実験で突き止めた。この遺伝子が働くのを抑える化学物質をマウスに与えると、肝硬変への引き金となる線維化や炎症を抑制できた」ということなのですが、実験の結果、「マイクロRNA(miR)―33b」という遺伝子が、肝細胞の中にあるコレステロールを外に出すのを邪魔することがわかり、「この遺伝子が働くのを抑える化学物質(人工核酸)をつくるのにすでに成功している」というのですから、これは朗報です。

 マウスでの実験とはいえ、脂肪肝の原因を突き止めただけではなく、その治療薬までできているのですから、人への臨床応用をめざすして、一日でも早く、運動や食事療法だけでなく、医薬品で脂肪肝を治療できるようになることが期待されます。

2023/04/26

これってクジラ?福岡県糸島市の深江城崎遺跡から、クジラの絵を描いた弥生土器が発見される!

 4月25日の朝日新聞デジタルに、「クジラ描かれた弥生土器発見 2例目 でも捕鯨は盛んじゃなかった?」という記事が出ています。

 福岡県糸島市の弥生時代後期の遺跡である深江城崎遺跡から、クジラの絵を描いた弥生時代の土器が見つかったということを紹介する記事です。「クジラを描いた弥生時代の土器が見つかったのは長崎県壱岐市の原の辻遺跡に続き、国内で2例目」だということなのですが、土器に描かれたクジラとされる絵の拡大写真を見ると、クジラと言われればクジラに見えますが、ちょっとほっそりしているような気がして、イルカだと言われればそう見えなくもありません。

 胴体にモリが刺さっていて、「クジラという自然資源の恩恵にあずかり、再び、その恩恵にあずかることができるように祈りが表現されたもの」とされています。

 原の辻遺跡からはクジラの骨などが見つかり、出土した土器に舟が描かれており、壱岐では当時から捕鯨が盛んだったことがわかっているのですが、糸島周辺では捕鯨が盛んだったという記録は残っていないとのことなのですが、糸島や壱岐の周辺は対馬海流に沿ったクジラの回遊ルートだということなので、やはり絵はクジラなんでしょうね。

 この弥生絵画土器を、今日4月26日から7月17日まで、伊都国歴史博物館で特別公開されます。

2023/04/19

「放流しても⿂は増えない」、良かれと思って行った人為的な介入が、生態系の振る舞いに予期せぬ影響を与えてしまう。

 4月18日の朝日新聞デジタルに、「「放流に悪影響の懸念」論文に反響 著者が伝えたいもう一つのこと」という記事が出ています。

 北海道大学、アメリカのノースカロライナ⼤学などの研究チームが、「⿂のふ化放流は多くの場合で放流対象種を増やす効果はなく、その種を含む⽣物群集を減らすことを明らかに」した研究論文”Intentional release of native species undermines ecological stability”(2023 年 2⽉7⽇公開の「Proceedings of the National Academy ofSciences」誌に掲載)で明らかにした内容をもとに書かれた記事です。なお、「放流しても⿂は増えない」という結果の詳細については、2月9日に北海道大学が出したプレスリリースに詳しく書かれていますので、”Intentional release of native species undermines ecological stability”を読まなくても、概要はつかめます。

 上記プレスリリースによると、この研究で明らかになったポイントは、

・理論・実証分析の双⽅から、河川における放流が⿂類群集に与える影響を検証。

・放流は種内・種間競争の激化を促し、多くの場合で群集構成種を⻑期的に減らすことを解明。

・⿂類資源の回復には、河川等の⽣息環境の改善等の別の抜本的対策が求められることを⽰唆。 

の3つですが、良かれと思って行った人為的な介入が、生態系の振る舞いに予期せぬ影響を与えてしまうことはよくあることで、結果的に自分たちの首を絞めることになるわけです。人類のおごりに対する警告でしょうか。

2023/03/15

こういうのこそ、大学らしいですね。福井県立大「恐竜学部」、2025年春の開設目指す!

  3月14日の朝日新聞デジタルに、「国内初、福井県立大が「恐竜学部」を開設へ 恐竜博物館と連携も」という記事が出ています。

 「恐竜・地質学科の1学科を設け、その中に恐竜・古生物コースと地質・古環境コースが」置かれ、「定員は1学年30人」で、「2025年春の開設を目指す」とのことです。

 こういうのこそ、大学です!今の時代に「卒業したら、どこに就職できるかな」とか考えない、純粋に学問のおもしろさだけを追求する学部を開設しようというところが、単純におもしろいという想いだけで大学に進学して、大学院まで行ってしまった自分としては、とても好感が持てます。

 県立恐竜博物館と連携するってことは、本物に触れることもできるわけですし、勝山市北谷町にある国内最大の恐竜化石発掘現場にも行くことができるらしく、化石発掘や発掘化石のクリーニングなどの技術を実地で学ぶこともできるということです。

 これだけ恐竜に特化して勉強すれば、世界中の恐竜化石発掘現場でも即戦力になれるでしょうから、逆に就職なんて気にしなくても大丈夫だと思います。

2023/02/14

東海大海洋学部博物館の海洋科学博物館が、2023年度5月以降も入館できるようになりました。

  老朽化のため、3月末で営業を終了する海洋科学博物館でしたが(残念ながら、自然史博物館は閉館)、5月以降も事前予約制で入館できることになりました(海洋科学博物館ホームページの2月10日のお知らせでアナウンスされました)。

 4月1日から予約サイトの運用が開始される予定で、個人客は来館日の1か月前から予約がとれるようになります(だから、実際の見学は5月から。学校の団体は3か月前からです)。

 見学エリアは1階のみで、入館者数は1時間100名が上限ですが、無料で見学できます。開館日は基本的に木、金、土、日ですが、夏休みに入る7月20日~8月いっぱいは毎日OKです(開館日程表はこちら)。

 ただ、開館日は11月3日以降はしばらく無く、2024年3月17日が1日示されているのみなのですが、その後は閉館ということになっちゃうんでしょうか?

2023/02/01

奈良公園の鹿って、独自の存在だったんですね。

  1月31日の朝日新聞デジタルに、「奈良公園の鹿に独自の特徴 千年超の歴史、DNAと資料でしかと確認」という記事が出ています。

 福島大、山形大、奈良教育大の研究チームにより、奈良公園(奈良市)の鹿が、遺伝的に独自性が高い存在であることが分かり、アメリカ哺乳類学会( The American Society of Mammalogists )の学会誌『Journal of Mammalogy』に掲載されたとのことです。論文のタイトルは、”A historic religious sanctuary may have preserved ancestral genetics of Japanese sika deer(Cervus nippon)”歴史的な宗教保護地区がいにしえの ニホンジカの遺伝子系統を守ってきた可能性がある)。この概要は、奈良教育大学が、「【プレスリリース】「奈良のシカ」の起源に迫る ―紀伊半島のニホンジカの遺伝構造とその形成過程―」として、ホームページに掲載しています。

 上記の「研究成果のポイント」によると、

人間活動がニホンジカに与えた影響を検証するために、古くから人間活動の盛んだった紀伊半島の集団を複数の遺伝マーカーで解析しました。

・その結果、紀伊半島には奈良公園、東部、西部の大きく3 つの遺伝的なグループが存在していることが明らかとなりました。

 ・最も遺伝的な独自性が高い奈良公園のグループは、1000年以上前(推定最頻値で約1400年)から周辺集団と交流が無いと推定されました。

 ・以上のことから、奈良公園のニホンジカは、狩猟や開拓によって周辺の集団が消滅するなかで、保護によって1000年以上も維持されてきたことが明らかになりました。

 今までの解釈では、奈良公園のシカは768年に造営された春日大社の神様だからということだったのですが、1400年前となると、奈良に遷都した710年より前、6世紀ごろの古墳時代~飛鳥時代ということで、そんな古くから(当時はまだ奈良公園の影も形もない場所ですが)奈良公園周辺のシカは、人によって守られてきたということなわけです。奈良に都ができてからシカが棲むようになったのではなく、すでにシカが棲みついている場所に都を作ったということになりますが、それって何故なのでしょう?新たな謎ですね。

2022/12/11

200万年前のグリーンランドには、豊かな生態系があった⁉

  今日12月11日の朝日新聞デジタルに、「200万年前の極地に豊かな生態系 「最古」のDNA分析で明らかに」という記事が出ています。有料記事なので、全部読めませんが、ネタ元は『Nature』なので、そちらから詳細を読むことができます。

 『Nature』2022年12月8日号のCover Storyとして出ている「失われた世界:太古の環境DNAが明らかにした200万年前のグリーンランドの生態系の性質」という文章が、もと論文ですね。

 北極に近いグリーンランド北部の、泥や石英からなる約200万年前の地層から、堆積物サンプルを採取し、当時の生物のDNAを抽出し、そこからポプラ、シラカバ、ツガなど100種類以上の植物のDNA片が確認され、中には現代のグリーンランドの気温では自生しないものも含まれ、動物では、ガンやウサギ、ネズミ、トナカイ、カブトガニの仲間や、氷河期で絶滅したとされるゾウの仲間「マストドン」のものも見つかったということです。

 こうした証拠から、現在は極砂漠となっているグリーンランドのこの地域が、現代より11~17°C温暖であったことが裏付けられたということです。また、これまでは永久凍土で見つかった約100万年前マンモスが最古のDNA情報でしたが、今回はさらに古い約200万年前のDNA情報が得られたということも大きな成果です。

 上記のリンク先には、Full Textへのリンクもありますので、詳細を知りたい方は、ご一読ください。

2022/11/26

静岡市の海洋文化施設の落札者が決定しました。

 静岡市が、2026年までに清水港に整備を予定している海洋文化拠点施設「海洋・地球総合ミュージアム」(仮称)の計画について、落札者が決定しました。

 ただ、提案書類の提出があったのは、乃村工芸社(本社・東京)を代表企業とする9社からなる1グループのみです。計画概要は、以下の通りです。

 建築面積:約3,100㎡、延床面積:約8,477㎡、階数:5階、
 高さ:約23.6m、構造:RC造一部S造 

 「提案概要」を見ると、建物のイメージは正面が大きくガラス張りのエントランスで、2階と4階に展示エリアがあり、2階に水量1,700トンの「駿河湾沖合大水槽」が設置されるようですが、この水槽がメインですね。


 東海大学の海洋科学博物館が閉館してしまい、静岡市に水族館がない状態なので(松坂屋静岡店の「スマートアクアリウム静岡」はちょっと違う感じなので。そう言えば、「スマートアクアリウム静岡」の「静岡 御城印・魚朱印巡り」の開催期間が延長されました。)、新しい水族館ができるのは、個人的にはうれしいですね。

2022/01/25

「オシリカジリムシ」、発見される!!

  今日1月25日のNHKニュースに、鹿児島大学が「オシリカジリムシ」を発見したと報道されています。

 鹿児島県出水市の干潟で採集した「チワラスボ」と呼ばれるハゼの仲間の尻びれについていた小型の甲殻類が、新しい科の新種と結論づけられ、学名は発見場所の不知火海で見つかったことから「コレフトリア・シラヌイ」と名付け、和名については、あごを使って尻びれにかじりつくような姿から「オシリカジリムシ」と命名したとのことです。


 生物って、まだまだ新しい発見があるんですね。先日このブログでコメントした「ヨコヅナイワシ 」とかもそうですけど、特に海の生物はおもしろいですね。日テレの桝アナウンサーが研究に戻るのも、納得できます。