続・人間老いやすく、学成りがたし: #博物館・美術館
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2023/08/31

国立科学博物館の関東大震災100年企画展「震災からのあゆみ―未来へつなげる科学技術―」、オンラインコンテンツだけでも十分良いです。

  9月1日から11月26日までの期間、国立科学博物館で、関東大震災100年企画展「震災からのあゆみ―未来へつなげる科学技術―」が開催されます。

 ホームページでの情報によると、第1会場では第1章「1923年 関東地震とその被害 -関東大震災-」、第2章「関東大震災からの復興-災害に強いまちづくり-」、第3章「100年間の地震・防災研究 -災害に負けない国へ-」、第2会場では「震災に備える」、特設会場「災害を展示する -伝え方の歴史-」などの展示が行われます。

 また第1会場では、国立科学博物館が収蔵する震災当時の写真10点の、カラー化前とカラー化後の写真が展示されます。

 さらに、オンラインコンテンツとして、「デジタルツインでたどる関東大震災直後の航空写真(β)」と、「企業資料から読み解く関東大震災 経済を支えていた企業はそのとき」が用意されています(もう一つは準備中)。航空写真も良いですが、「企業資料から読み解く関東大震災 経済を支えていた企業はそのとき」では、火災が広がっていく様子がわかる資料や帝国データバンク史料館『震災手記』が読めたりしますので、展示会場に直接行けなくても、個人的にはこれらだけでもかなり十分な感じがします(「在京罹災埼玉県人救護団バラックを訪れた渋沢栄一」1923年11月17日のカラー化された写真だけでも、かなりおもしろいです)。

2023/08/17

国立博物館は、その国のアイデンティティじゃないの?

 8月12日の朝日新聞社説は、「博物館の苦境 国は当事者意識を持て」というタイトルで、国立科学博物館が、標本や資料を収集・保管する費用にあてるため、クラウドファンディングで寄付を募り、わずか9時間で目標の1億円に達したことを受けての社説です。

 博物館は、「過去を起点に現在や未来の社会のありようを考える」ための資料を集め、次世代へ引き継ぐ非常に重要な役割を持っているわけで、つまりその国が何たるかを語る材料がそろっている施設ということであるのですが、そのような施設が資金不足ってどういうこと?って感じです。

 わずか9時間で目標の1億円に達し、8月11日までに約6億円が集まっているという事実は、まだ一般国民は捨てたものではないということがわかり、ほっとした感がありましたが、逆に国は何をしているのか?という怒りがこみ上げてきます。

 「日本を代表する博物館が光熱費を工面できず、寄付に頼らざるをえないという帰結を政府はいったいどう考えているのか。」、「6割の館で資料購入にあてる費用が全くないとの調査結果もある。収蔵庫が不足し施設は老朽化が進む。学芸員には専門性が求められるのに、非正規雇用も多い。」、「政府は博物館に観光の中心になれと旗を振るが、最低限の活動もままならないのに、なぜそれが可能なのか。」など、社説にもいろいろ書かれていますが、「国が果たすべき役割について真剣に考えてもらいたい。」というのは、まさにその通りです。

 ただ、ある意味このようなものですら、もはや行政に頼る時代ではないのかもしれません。行政に頼らなければ維持できないとなれば、この先も常に存続が危ぶまれる状況が続く可能性があるわけですから、今回クラウドファンディングという新しい資金の調達方法が見いだせて良かったのかもしれません。

2023/07/20

千葉市立加曽利貝塚博物館で、スマートグラスを利用した情報表示ガイダンスシステムに関する実証実験が行われます。

  明日7月21日に、日本最大級の貝塚を有する千葉市立加曽利貝塚博物館で、メガネ型の情報端末“スマートグラス”を利用した情報表示ガイダンスシステムに関する実証実験が実施されます。

 この実験は、大日本印刷株式会社(DNP)がスマートグラスの内蔵カメラで撮影する画像情報から利用者の位置情報を算出するVPS(Visual Positioning System)技術や、リアルとバーチャルが相互に影響し合う空間等を構築するMR(Mixed Reality:複合現実)技術を活用して行うものです。この情報表示ガイダンスシステムにより、実際の博物館内で鑑賞する人の位置に合わせて、貝塚の断面や竪穴住居の柱、土器等の情報を重ねて、スマートグラスで立体的に表示する“場所に応じたMR”のサービスが提供されるそうです。

<情報表示ガイダンスシステムの実証実験のポイント>

1.所定の位置で自動的に解説等のコンテンツを表示

 スマートグラスの内蔵カメラで取得した展示物等の画像によって利用者の位置を特定するため、これまで必要だった位置特定用のマーカー等の設置が不要です。スマートグラスをかけて所定の場所で展示物を観ると、該当する解説コンテンツ等が速やかにスマートグラスに表示されます。今回の実証実験では、加曽利貝塚博物館内の貝層断面の展示を観ると、周囲に掘られた調査区の様子がMRで表示され、発掘当時の現場にタイムスリップできます。

2.現実の世界とCG等のコンテンツを違和感なく配置

 バーチャルに表示するCG等の解説コンテンツを、スマートグラスを通したリアルな空間上の最適な位置に、高い精度で配置できます。そのため、解説コンテンツ等が現実世界と一体化しているような自然な表示が可能になり、利用者の直観的な理解や満足度の向上につながります。今回の実証実験では、「加曽利E式土器」展示ケースの前で4点の土器の3次元(3D)CGをMRで表示します。実物の展示では観ることができない土器の裏側などを好きな角度から鑑賞できます。また、「大形建物跡」の展示の前では、MRで床に表示する竪穴住居跡の上に柱を再現することで、建物の大きさなどをわかりやすく伝えます。

 この実証実験をふまえて、今後は博物館・美術館に加え、企業や自治体等のショールームでの製品・サービスや施設・観光スポット等の紹介等にも展開していくとのことです。

2023/07/02

浜松市が、徳川記念財団の所蔵品を展示する施設を作る⁉

 6月27日の各紙の県内版に、浜松市の大河ドラマ館跡地に徳川記念財団の所蔵品を展示する施設を計画するとの報道が出ています。

 「どうする家康」がかなり盛り上がっていますので、その延長線上で今回の話題になったのではないかと勝手に想像しますが、浜松市には既に浜松市博物館がありますし、12市町村が合併しているので浜松市博物館分館として他にも多くの資料館があるのですが、さらに新しくつくろうということです。

 文化財を重視しているのは大変ありがたいことですが、徳川記念財団の所蔵品って、かなり重要なものもあるので、大河ドラマ館をリニューアルした程度ではダメですから、かなりちゃんとした展示施設をつくる必要があります。そうなると、また新しい箱物…ということになるので、批判する向きもあるでしょう。また、博物館での所蔵品の紛失問題があっただけに、これでまた新しいものをつくって大丈夫か?って思ってしまいます。箱物をつくるなら、それをきちんと管理するために人も増やす必要があると思うのですが、そこまでのことを考えるとかなり???ですね。

 また、せっかく重要な文化財を保存展示する箱物をつくるのならば、今のご時世、公文書の保存も考えてほしいですね。浜松市は中央図書館の郷土資料室がかなり充実していましたので(図書館リニューアル後は、「調査支援室」という名称になりましたが)、これをベースに公文書館類似施設くらいにはなれるのではないかと思うのですが。

2023/06/24

朝日新聞の記事、表現がちょっと正確じゃないので、俗説を信じちゃう人、いそうだなぁ

 6月19日の朝日新聞デジタル静岡版に、「どうして家康、粗食の大御所が最後に暴食 謎の1日ジオラマで再現」という記事が出ています。

 藤枝市郷土博物館6月3日から開催されている「徳川家康と田中城~家康の天下取りを支えた西駿河の人々とゆかりの資料~」で展示されているジオラマを紹介する記事で、何のジオラムかというと、家康が田中城にタカ狩り来た際に、夕食に出たタイの天ぷらをたくさん食べて、激しい腹痛を訴え、それが家康の死因だとされる俗説を表現したものです。

 これを紹介する朝日新聞の文章が、「夕食に出たタイの天ぷらを気に入り、何度もおかわりしたところ、夜半に激しい腹痛を訴えその後死に至った。」となっていて、さらに藤枝市博物館のジオラマも、家康がタイの天ぷらを食べて腹痛を訴えた「その波乱の一日をジオラマで再現した。口をあけて天ぷらを食す場面から一転し、床に伏す家康の姿をリアルに描く。」というもののようなので、まるでタイの天ぷらを食べて腹痛を訴え、その後に亡くなったのが、1日の出来事であるかのような、ミスリードを呼ぶのではないかと思ってしまいます。「家康の死因はタイの天ぷらの食べすぎによる」という俗説を裏付けるものとなってしまいかねませんんね。

 しかし、当時の記録によると、家康が腹痛を訴えたのが、元和2年1月22日丑の刻(午前2時)、そして田中城の御殿で3日間静養し、1月24日に駿府へ戻るも、腹痛は治まらず、4月17日巳の刻(午前10時頃)に駿府城において没しているわけで、死因がタイの天ぷらの食べすぎならば、腹痛を起こしてからかなり時間が経ってから亡くなっているのは不自然で、近年では死因は胃がんだとされています。

 でも、朝日新聞のこの記事を見て、「やっぱり家康はタイの天ぷらで死んだんだ。」と思う人が出そうだなぁ。文章は正確に書かないといけませんね。

2023/06/22

伊豆の国市で、新たな文化財展示施設を建設する方針が固まったようですね。

 6月16日の朝日新聞デジタル静岡版に、「貴重な文化財、市民に身近に 静岡・伊豆の国市が展示施設建設へ」という記事が出ています。

 伊豆の国市は2005年4月に伊豆長岡、大仁、韮山の3町が合併してできた市ですが、市内には弥生時代後期に始まる複合遺跡である山木遺跡があり、出土した遺物のうち239点は国の「重要有形民俗文化財」に指定されています。それらの遺物は2017年に韮山郷土史料館が閉館して以来、伊豆の国市郷土資料館として伊豆の国市立中央図書館2階に展示されていましたが、伊豆の国市には山木遺跡にも多くの文化財がありますから、図書館の2階ではどうしても手狭でしたので、2025年度末までに新たな文化財展示施設を建設する方針が固まったようです。

 「合併特例債を使って25年度末までに建設する。このタイミングを逃せば未来永劫できない。私の使命であり、絶対にやり遂げる」と、市長がおっしゃっているので、よほどのことが無い限り、伊豆の国市に新たな資料館(もしくは博物館)ができるわけで、大変喜ばしいことです。

 報道によると、新たに建設する文化財展示施設は、韮山文化センター周辺で、伊豆箱根鉄道韮山駅近くを候補地として検討しているとのことで、駅近でアクセスが良い場所であるのは、とても良いことです。今から作るわけですから、できれば公文書を保存する公文書館を併設した複合施設だと、なお良いのですが。

2023/06/20

「ふるさとちば古写真デジタルアーカイブ」、こういうのを作っておくことは大事ですね。

 千葉県立中央博物館で、「ふるさとちば古写真デジタルアーカイブ」が公開されています。

 千葉県誕生150周年記念事業として、同館が所蔵する古写真約200枚とともに、一般から応募のあった古写真を、同デジタルアーカイブで紹介しています。古写真を通じて千葉のあゆみを振り返り、その記録と記憶を未来へ残していくことを目的としたアーカイブサイトが、「ふるさとちば古写真デジタルアーカイブ」です。

 過去の出来事をさぐる方法として、写真ほど様々な情報を読み取れる資料はありません。最近は簡単に動画が撮れるようになったので、その情報量は写真を上回りますが、150年前を語る動画はありませんし、数から言えば写真の方が多いですから、写真は情報の宝庫です。

 「人々はどんな服装をして、何を食べ、どんな場所で暮らしていたのか。どうやって生計を立て、何に娯楽を求めていたのか。そんな人々の生活の一端を、写真からは知ることができます」。また、「写真そのものに記録された情報だけでなく、その写真にまつわる記憶もまた、未来へ残していきたい」宝です。

 「過去と今を見比べる」「写真で振り返る年表」などのほか、エリアや年代ごとに写真を見ることができます。

2023/06/02

「鉄砲の玉」から、いろいろなことがわかります。

 5月28日の朝日新聞デジタルに、「武田軍を破った「設楽原の戦い」 鉄砲玉が示す徳川家康の独立性」という記事が出ています。

 織田・徳川連合軍と武田軍が戦った「長篠・設楽原の戦い」は、織田・徳川連合軍が鉄砲を使って武田の騎馬軍団を破った戦いとして有名ですが、近年の研究から武田方も鉄砲があり、そもそも武田の騎馬軍団と呼べるような部隊はなかったなど、従来の見解とはかなり変わってきていますが、鉄砲が勝負の決め手になったことは間違いありません。

 織田・徳川連合軍が使った鉄砲は3千丁、武田軍は500~1千丁といわれていますが、記事によると、鉄砲の数の差というよりは、「玉の数と火薬の量」が大きなポイントだったようです。

 「長篠・設楽原の戦い」の合戦跡にたつ愛知県新城市の市設楽原歴史資料館の周辺では、17個の鉄砲玉が見つかったいて、そのうちの3個は徳川軍が自ら調達した鉛でつくったものと考えられるようで、鉄砲玉の原料となった鉛の成分を分析した結果、家康の時代に鉛などの鉱石を産出していた新城市内のものと成分が一致したということです。

 また、設楽原では、外国産の鉛と成分が一致する玉も3個見つかっており、戦国時代には外国産の鉛を入手できるのは大阪・堺を押さえていた織田信長ぐらいで、火薬も南蛮貿易で堺からだったため、信長の助けがなければ、家康も調達ができなかったと考えられ、そこから信長と家康の関係性がわかるわけです。

 このように、1個の鉄砲玉から、他のいろいろな史料とともに検討することで、様々なことがわかるところが、歴史学の醍醐味ですね。

2023/05/17

「博物館浴」の効果を考えれば、赤ちゃんもリラックスするかも。

  5月16日の朝日新聞デジタルで、「赤ちゃんと美術館はダメ? 行きにくさを解消した「びじゅつあー」」という記事が出ています。

 一昨日15日にこのブログに書いた「博物館浴」の効果があるのならば、もしかしたら、赤ちゃんにもリラックス効果があるかもしれないですよね。まぁ、何が影響しているのか分からないので、赤ちゃんにも効果が出るのか分かりませんが、少なくともお母さんにはリラックス効果があるはずで、お母さんがリラックスしていれば、赤ちゃんもリラックスするでしょうから、結果的には良い効果が出るのではないかと考えますが、どうでしょうか。

 ヨーロッパに行くと、小学生よりも小さい子どもが美術館に結構いて、絵をかいたりしているのを見たことがあります。赤ちゃん連れのお母さんを見かけたこともあったような気がします。やっぱりヨーロッパはこういうところはすごいなぁと思った記憶がありますから。

 美術館って、絵だけでなく、いろいろな造形物もあるわけで、小さい子どもでも案外楽しめるものもあるはずですし、もちろんよくわからなくても素晴らしい情操教育になりますよね。これからの日本は間違いなく子どもが減るんです。でも、その子どもたちに頼らざるを得ないわけです。良い教育を受けさせてあげましょうよ。子どもを産んでくれるお母さんたちに感謝も意味でも、美術館に子連れで来て、リラックスしてもらえるようにしたら良いと思いませんか?

2023/05/15

「博物館浴」って、何が良い効果をもたらすのでしょうか?

  5月12日の朝日新聞デジタルで、「「博物館浴」の効果、まじめに癒やしを測定 名大で学生8人が実験」という記事が出ています。

 博物館の展示鑑賞後、「怒り」「抑うつ」「緊張」など、ネガティブな状況を示す数値が下がり、ポジティブな「活気」の数値は上昇、血圧は、3回目の測定で最高血圧が下がり最低血圧が上がって、いずれも正常値に近づいたという結果となり、数値から見ると交感神経と副交感神経のバランスが良く、リラックス効果がうかがえ、若者にメンタルヘルスケアの効果があることが示唆されるという分析がされています。

 これは、何が良い効果をもたらしているのでしょうか?博物館や美術館のような静かな場所?それとも、展示物を鑑賞するという行為?あるいはそれらの総合的な効果?展示内容は影響しないのか?

 今回の記事で読める範囲からは、そこまで分かりませんが、博物館や美術館を、知的な刺激や学びなどのために訪れる場所ではなく、心身の健康と幸福感をもたらす資源ととらえるとなると、その存在意義は非常に大きないものとなるわけで、おそらく結果は今後論文などの形で公表されることになるでしょうから、ぜひ詳細を知りたいです。

2023/05/06

博物館は学びの場としてだけでなく、市民の交流やにぎわいの場、楽しむ場でありたいですね。

 5月3日の朝日新聞デジタルで、「国宝・重文のラベルより自分の引き出しで 博物館長が語る楽しみ方」という記事が出ています。

 九州国立博物館長による博物館の楽しみ方のレクチャーで、要約すると、いろいろなものをしっかり見て、引き出しをたくさん作って比較ができるようになると、博物館を楽しめるようになるというお話です。確かにたくさんのものを見て知っていることは大事で、特に良いものを多く見ておくというのが大切です。

 自分で楽しめるようになるというこの方法は王道だと思いますが、一方で博物館自体が楽しい場所になるというのもありだと思います。同じ5月3日の朝日新聞デジタルに、「すべり台やクライミングも 来館者伸ばす歴史博物館 福岡県大野城市」という、「市民ミュージアム 大野城心のふるさと館」の事例が紹介されています。

 記事に出てくる7mのクライミングウォールは、大野城跡の「百間石垣」の一部を原寸大で再現し、その高さを楽しみながら体感できるものですが、これのために来館する人も少なくないとのことですが、「とにかく1回来てもらうこと。リピーターも大切だが、新規開拓しないと博物館は先細りになるだけ。ふつうの人がおもしろいと思うことをやって、すそ野を広げないと」との館長さんのコメントは、まさにその通りだと思います。楽しければ、人は来ます。人が来ないと始まらないわけですから、とにかく来てもらえるように、博物館側がいろいろやってみるという姿勢は非常に素晴らしいことで、特に遊びの要素を取り入れたことは、着眼点が良いと思います。遊びながらいろいろなことを覚えて、それが学びにつながる、小さなころはそうやっていろいろなことを身に付けたはずです。それを考えれば、遊びの中に学びが潜んでいるように工夫するというのは、良いやりかたなのではないかと思います。学校の教育も一緒ですね。見習おうと思います😅

2023/05/05

山形大学附属博物館が、山形のまちの「記憶」を公開する「山形アーカイブ」を公開しています。

 山形大学附属博物館が、山形大学附属博物館をはじめとする山形県内の史料保存機関や、山形大学の学生で組織する「まちの記憶を残し隊」が集めたまちの「記憶」を一堂に公開するデジタル・アーカイブ「山形アーカイブ」を公開しています。

 山形アーカイブの構成は、以下のようになっています。

1.山形大学附属博物館

・三浦新七関連絵葉書:山形市出身の実業家で経済史家、政治家の三浦新七が、1903年(明治36)からのドイツ留学時代に収受した絵葉書2119点。

・地図:江戸時代から昭和戦前期の山形中心市街地の地図と、初代山形県令が建設した栗子新道の鳥瞰図が計15点。

・絵葉書:山形県、特に七日町など山形中心市街地の写真が印刷された絵葉書が計627点。

・絵画:1885年(明治18)に刊行された石版画集『三島県令道路改修記念画帖』で、『花魁』や『鮭』で知られる、日本で最初の「洋画家」といわれる高橋由一が原画を担当。

・写真:1868年(明治元)、東北地方で初めての写真館を山形七日町に開業し、1880年(明治13)には、山形県令三島通庸より「山形県御用写真師」に任命され、山形県庁、各郡役所、師範学校など 三島の土木事業の成果の数々を撮影した、山形写真術の祖・菊地新学が撮影した写真8点と、2004年に発行した『山形大学附属博物館50周年記念 明治の記憶 三島県令道路改修記念画帖』に掲載した現状写真111点。

2.山形市郷土館が所蔵する写真140点、絵葉書12点、文書38点、絵画11点、錦絵「済生館」の版木を含むその他5点。

3.最上義光歴史館が所蔵する、最上義光ゆかりの「備前国住長船祐定作、天文六年八月日」の銘を持つ脇差を含む刀剣類20点。

2023/04/26

これってクジラ?福岡県糸島市の深江城崎遺跡から、クジラの絵を描いた弥生土器が発見される!

 4月25日の朝日新聞デジタルに、「クジラ描かれた弥生土器発見 2例目 でも捕鯨は盛んじゃなかった?」という記事が出ています。

 福岡県糸島市の弥生時代後期の遺跡である深江城崎遺跡から、クジラの絵を描いた弥生時代の土器が見つかったということを紹介する記事です。「クジラを描いた弥生時代の土器が見つかったのは長崎県壱岐市の原の辻遺跡に続き、国内で2例目」だということなのですが、土器に描かれたクジラとされる絵の拡大写真を見ると、クジラと言われればクジラに見えますが、ちょっとほっそりしているような気がして、イルカだと言われればそう見えなくもありません。

 胴体にモリが刺さっていて、「クジラという自然資源の恩恵にあずかり、再び、その恩恵にあずかることができるように祈りが表現されたもの」とされています。

 原の辻遺跡からはクジラの骨などが見つかり、出土した土器に舟が描かれており、壱岐では当時から捕鯨が盛んだったことがわかっているのですが、糸島周辺では捕鯨が盛んだったという記録は残っていないとのことなのですが、糸島や壱岐の周辺は対馬海流に沿ったクジラの回遊ルートだということなので、やはり絵はクジラなんでしょうね。

 この弥生絵画土器を、今日4月26日から7月17日まで、伊都国歴史博物館で特別公開されます。

2023/03/24

奈良県立万葉文化館で、万葉集関連情報検索システム「万葉百科」が公開されました。

 『万葉集』全20巻漢字本文、読み下し文、現代語訳などのテキストデータをはじめ、人物名や詠まれた動植物、地名など万葉の時代に関する情報をデータベース化した万葉集関連情報検索システム「万葉百科」が公開されました。

 キーワード検索、歌番号検索、巻1から順に見れる巻番号検索、時代や部立(雑歌・相聞・挽歌)などを組み合わせた万葉集詳細検索など、さまざまな情報を横断して簡単に検索することできて、『万葉集』のテキストデータだけでなく、奈良県立万葉文化館の美術品・古典籍・図書の所蔵情報や、全国の万葉歌碑の情報などもあわせて収録されています。

 特定の目的を持って利用するのではなく、なんとなく万葉集ってどんな感じなのか見てみようという向きには、巻番号検索で、順番に見てみると良いと思います(例えば、巻1-1の一番最初に出てくる雄略天皇の歌の検索結果はこんな感じです)。そうすると、歌碑の存在や、その歌のキーワードになる言葉、関連する美術品を確認できるので、いろいろ勉強になります。高校の古典の授業や歴史の授業なんかで利用できそうですね。

2023/02/26

「にしてつバース」、Android OS と公式サイトでの サービス提供を、ぜひ早くお願いします!

 2月25日に、インターネット上の仮想空間「メタバース」に、日本初となる鉄道・バスの博物館「にしてつバース」がオープンしました。

 「にしてつバース」は、西日本鉄道などが開発し、無料開放されていてます。専用のサイトやアプリからアクセスでき、「鉄道ミュージアム」「バスミュージアム」の2つがあり、自身の分身である「アバター」を操作して見て回ることができるようになっています。列車とバスでそれぞれ1種類ずつ、体験乗車もできて、運転席に入り、ドアの開閉などの操作が可能です。最大で128人が同時に接続できるとのことですが、アバター同士でのやりとりはできないようです。ただし、現時点ではサービスの対象となる OS は iOS(iPhone・iPad 等)のみで、Android OS と公式サイトでのサービス提供時期については、決まり次第、公式サイトで発表されるとのことです。

 また、同時に「にしてつNFTギャラリー」もオープンしました。メタバースミュージアム展示車両のNFTカード12種類(「電車カード」だけでなく、西鉄バスも「バスカード」として初登場)あり、販売期間は3月31日までです。1枚10,000円とかなり高いですが、商品を購入すると、販売価格として指定された日本円と同額のLINE MoneyまたはLINE CashがLINE Pay残高から差し引かれ、LINE NFTサービスおよびLINE BITMAX Wallet サービスを通じて視聴・鑑賞をすることが可能となります。

2023/02/14

東海大海洋学部博物館の海洋科学博物館が、2023年度5月以降も入館できるようになりました。

  老朽化のため、3月末で営業を終了する海洋科学博物館でしたが(残念ながら、自然史博物館は閉館)、5月以降も事前予約制で入館できることになりました(海洋科学博物館ホームページの2月10日のお知らせでアナウンスされました)。

 4月1日から予約サイトの運用が開始される予定で、個人客は来館日の1か月前から予約がとれるようになります(だから、実際の見学は5月から。学校の団体は3か月前からです)。

 見学エリアは1階のみで、入館者数は1時間100名が上限ですが、無料で見学できます。開館日は基本的に木、金、土、日ですが、夏休みに入る7月20日~8月いっぱいは毎日OKです(開館日程表はこちら)。

 ただ、開館日は11月3日以降はしばらく無く、2024年3月17日が1日示されているのみなのですが、その後は閉館ということになっちゃうんでしょうか?

2023/02/10

学芸員の資格を取っても、正規での就職先が少ないので、認定試験が隔年になってもあまり支障がない気がしますが…。

 2月8日の朝日新聞デジタルに、「学芸員資格の認定試験が隔年に 「取得の機会が減る」と関係者は反発」という記事が出ています。

 試験を受けて資格を得る人が少ない現状をふまえ、学芸員の資格を認定する試験が2024年度以降、隔年の実施に減らす見直しを含む博物館法施行規則の一部を改正する省令が10日に公布されることを受けて、「取得機会を減少させる」と関係者が反発しているとの内容ですが、毎年約1万人前後が取得しているとされる学芸員資格は、大半が大学で博物館に関する科目の単位を取ることで資格を得ていて、今回の改正で、現行の「毎年少なくとも各1回」から「少なくとも2年に1回」に減らす認定試験は、「筆記試験は毎年100人前後、審査は50人前後が出願している」とされています。

 確かに「2年に1回」となることで単純に取得機会が減ることは事実ですが、毎年約1万人前後が取得しているとされる国家資格である学芸員資格は、正規の就職先が少なく、非常勤の学芸員が多いのが現状であることを考えると、資格をとってもそれを活用できるチャンスは少なく、学芸員になりたくて資格を取っても、あっても非常勤での勤務では、資格を取る意義があまりない感じがしてしまいます。学芸員の就職先がすぐに増えることはないにしても、せめて非常勤ではなく正規の採用があれば、学芸員資格の取得機会が減ることに対してなりたい人から文句が出そうですが、現状ではそれもあまりないでしょうね。専門職の国家資格なのに、そもそも専門職であることがあまり重要視されていないのですから、関係者が文句をつけるのは(専門職であることを重要視するよう訴えていることは知っていますが)そこじゃないですし、パブコメを経て公布されることになったわけですから、いまさら感は否めないですね。

2023/01/18

東京国立博物館創立150年記念バーチャル展示「エウレカトーハク!◉89」が開催‼

  1月17日から、東京国立博物館創立150年記念バーチャル展示「エウレカトーハク!◉89」が開催されています。一部は昨年の11月29日から先行して公開されていましたが、17日から完全公開です。

 東京国立博物館所蔵の国宝89点を、「国宝を《知る》」「国宝に<親しむ>」「国宝と《つながる》」の3つのパートで、異なった観点から紹介する展示会です。なお、この展覧会は、メタバースプラットフォーム「cluster」を活用したものなので、ワールド・イベントへ入室するためには、「cluster」をダウンロードして、インストールする必要があります。

 1月17日からは第1部「国宝を《知る》」が始まっていて、89件の国宝を時代に応じて分けられた4つの部屋で、分野や時代など、「彩り」・「うた」・「素材」・「季節」などのキーワード毎に表示して鑑賞し、日本美術や国宝の特長の解説を楽しめ、凸版印刷が東京国立博物館との共同プロジェクトで制作したVR作品の映像の一部を活用し、作品画像と合わせて表示することで、実物を鑑賞するだけでは体験できない作品の楽しみ方を初心者にも分かりやすく伝えています。

 2月7日からは、第2部「国宝に<親しむ>」が始まります。三次元CGで2つの国宝の世界観を表現したもので、「松林図屛風」をテーマとしたバーチャル展示室1、「八橋蒔絵螺鈿硯箱」をテーマとしたバーチャル展示室2が用意されます。

 3月3日からは、第3部「国宝と《つながる》」です。現代アーティストが新しい感覚で東京国立博物館所蔵の国宝作品を再解釈し、表現したアート作品を鑑賞することで、日本美術の魅力を再発見できるもので、アート作品はNFTとして、特設サイトのリンクから購入可能です。

 また、バーチャル展示室でオリジナルのNFT参加証明(NFTAirdrop)が無料でもらえます。NFTAirdropは、3つのパートごとにオリジナルのデザインが施され、それぞれのパートの展示公開に合わせて合計3つ配布されるとのことです。

 ちょっと見てみましたが、メタバースって、なんかすごいですし、おもしろいですよ。

2023/01/13

今日1月13日、静岡市歴史博物館が全面開館‼

  今日1月13日、静岡市歴史博物館がグランドオープンしました。昨年から、1階のみが無料開放されていましたが、これで全面開館となったわけです。

 グランドオープンに合わせて様々なイベントが行われますが、やはりメインとなるのは、開館記念企画展「徳川家康と駿府」ですね。この企画展の目玉は、チラシの表紙にも出ている、家康が元服にあたり今川義元から贈られた「紅糸威腹巻」と、晩年に着用した「「伊予札黒糸威胴丸具足(歯朶具足)」の復元模型ですね。可能な限り、当時と同じ技法で制作したものなんだそうです。

 この企画展は2月26日まで、一般1,000円、高校生・大学生・市内70歳以上700円、市外小中学生250円(市内在住・通学の小中学生は、こどもカード等提示で無料)となっています。この金額で、基本展示も見ることができるのですが、基本展示だけの料金は一般600円、高校生・大学生・市内70歳以上420円、市外小中学生150円なので、数百円プラスするだけで企画展が見れるのですから、得です。

2023/01/08

「徳川家康と田中城」のアニメ、見てみたいですね。

  1月5日の中日新聞デジタル静岡版に、「家康アニメ、田中城出陣 藤枝の博物館、14日から公開」という記事が出ています。

 田中城がある藤枝市の藤枝市郷土博物館が、徳川家康と田中城の縁を描いた短編アニメ「徳川家康と田中城」を作成したとのことです。

 田中城は、天文6年(1537年)に駿河今川氏によって徳一色城として築かれますが、永禄13年(1570年)の武田氏の駿河侵攻により、武田信玄に攻め落とされ、馬場信春が改修して田中城に改名します。この際、現在に残る輪郭式に改修されたわけです。そして、この城は三河の徳川氏に対抗する駿河西部の城砦網の要として重要視されます。

 天正10年(1582年)の甲州征伐の際、徳川勢により攻められますが、城将の依田信蕃が頑強に抵抗し、主家の武田勝頼の死後まで守り抜きますが、武田家を離反した重臣穴山梅雪の書状を示して、成瀬正一らが説得したことで開城しました。中日の記事によると、このことがアニメの前半部分になっているようですね。

 慶長12年(1607年)に家康が駿府城に移って「大御所政治」を展開するようになると、たびたび鷹狩で田中城を訪れたとされ、元和2年(1616年)1月にも鷹狩で田中城を訪れたさいに、茶屋四郎次郎に供されて鯛の天ぷらを食し、これが家康の死因とする説がありますが、実際に家康が亡くなったのは4月なので、現在では「鯛の天ぷら」説ではなく、「胃がん」説が主流になっていますが、大御所時代に鷹狩で田中城に訪れたことがアニメの後半に出てくるようですね。

 アニメは10分余りのようですが、アニメを楽しめるように150インチの大型スクリーンが新設されたとのことなので、14日から公開されるということで、大河ドラマがやっている間は公開されていると思いますので、一度見に行きたいですね。