続・人間老いやすく、学成りがたし: 6月 2023

2023/06/30

今回の決議で、どの程度「公共図書館」「学校図書館」の改革が進むでしょうか。

  公益財団法人 文字・活字文化推進機構等が活字文化議員連盟、学校図書館議員連盟に宛てて提出した「公共図書館の改革に関する要望書」「学校図書館の改革に関する要望書」を受けて、6月15日に活字文化議員連盟、学校図書館議員連盟の合同総会が開催されました。

 「公共図書館の改革に関する要望書」は、

1)市民サービスの向上に資するため、公共図書館における会計年度任用職員制度や指定管理者制度の運用の効果と課題について検証すること。

2)図書館職員の非正規雇用率を大幅に改善し、同一労働・同一賃金の原則を確立するとともに、国・自治体の責務で司書研修会等への参加を促すこと。

3)司書養成課程において、読書バリアフリーに関する講義の受講機会を促進し、障害者サービスのノウハウの蓄積と継承に取り組むこと。

4)全国の公共図書館に読書バリアフリー法基本計画が求めるアクセシブルな書籍の紹介コーナーを設け、子どもたちが多様な読書媒体と出会える環境を整えること。

5)公共図書館は、地域書店からの図書購入を優先し、装備作業は地域の福祉施設と連携して障害者雇用の拡大など、循環型地域経済の施策を進めること。

6)「公共図書館のあり方等に関する協力者会議(仮称)」を設置し、デジタル時代の公共図書館の将来像について検討すること。

を要望した結果、1)から5)をふまえた内容に取り組むとの決議がなされましたが、何故6)は拾ってもらえなかったんでしょうか?活字文化議員連盟があるから、それで良いということなんでしょうか?まぁ、いくつも組織があったところで、意味はないですが…。

 「学校図書館の改革に関する要望書」は、

1)1校専任の学校司書配置に必要な財政措置を実施するとともに、学校司書は教職員の一員であるという共通理解を深め、職員会議や研修への参加をうながすこと。
2)非正規の学校司書は、短期雇用の契約、低い賃金、雇い止めなど不安定な勤務状態のもとにあり、その労働条件の抜本的改革に資するため、現状調査を実施すること。
3)対話型Al「チャットGPT」の急速な普及など、情報環境の激変に対応して、子どもの情報リテラシーを育てるため、新たな図書資料の拡充を促進すること。
4)全国の小・中・高校の図書館に、バリアフリー図書の展示コーナーを設置するほか、特別支援学校の図書資料の整備・充実を促進すること。
5)特別支援学校の図書資料の不足は、障害者サービスに対する知識やノウハウの未熟にあり、読書バリアフリーに必要な知識と技術を習得した学校司書の養成を図ること。

を要望した結果、1)から5)をふまえた内容に取り組むとの決議がなされ、さらに「2)各自治体は、 学校図書館図書整備等5か年計画に基づく地方財政措置(図書資料購入費、新聞購入費、 学校司書配置費、 図書資料更新費)の予算化を促進し、 学校図書館の質的向上を図ること。 また、 各地方議会においては、 図書整備費等に関する予算化の状況を的確に把握し、 積極的にその活用を促すこと。」が追加されて、自治体及び地方議会に対してより働きかけを行うことが示されました。予算の問題が追加されたことは大きいと思います。

 奇しくも、活字文化議員連盟、学校図書館議員連盟とも会長は静岡県選出の国会議員ですが(活字文化議員連盟会長は上川陽子先生、学校図書館議員連盟会長は、塩谷立先生)、どの程度要望が実現するのか、この後の動きが気になりますね。

2023/06/29

「朝比奈 龍勢・昆虫館」がオープン!

 6月24日に、藤枝市岡部町に「朝比奈 龍勢・昆虫館」がオープンしました。

 道の駅「玉露の里」の敷地内に、昨年まであった「ふるさと世界の昆虫館」が閉館してから約1年ちょっとですが、リニューアルされて、「龍勢ゾーン」と「昆虫ゾーン」を持つ施設となりました。

 「ふるさと世界の昆虫館」は、世界のカブトムシや蝶の標本がたくさんあって、かなり評判が良かった施設ですが、同じ朝比奈でもあり、県の無形民俗文化財でもある「朝比奈龍勢」なので、施設の有効利用ということでしょう。

 「朝比奈 龍勢・昆虫館」としてのオープンを機に、豪族・朝比奈氏の居城「朝比奈城」と、当時から狼煙として使用されていたといわれる朝比奈龍勢をモチーフにした御城印が発売されました。購入できるのはここだけで、ブルーを基調としたカッコいい御城印です。1枚300円です。

2023/06/28

デジタル・シティズンシップ教育が学校で広がることは良いことですが、学校だけではなく、国民全体が学ぶべきだと思います。

 6月23日の朝日新聞デジタルに、「ネットいじめ起きる前に… 広がるデジタル・シティズンシップ教育」という記事が出ています。

 欧米などで広がったデジタル・シティズンシップ(DC)教育は、米国で普及している教材では、学ぶテーマとして、メディアバランス▽プライバシーとセキュリティー▽オンライントラブル▽メディアリテラシーなど6領域が設定されています。

 子どもたちがデジタル社会の善き担い手になることをめざすために学校教育でデジタル・シティズンシップ教育が広がることは良いことなのですが、これって子どもだけではなく、大人たちも、デジタル技術の利用を通じて、社会に積極的に関与し、参加していく必要があることから、もっと多くの人が学ぶべきことなのではないかと思います。

 総務省で、『家族で学ぶデジタル・シティズンシップ』というガイドブックが出されています。「子どもたちはネットで様々な困りごとやジレンマにも遭遇します。大人の想像をはるかに超えた経験をしている子どもたちに、大人は、どのように接したら良いのでしょう?」とガイドブックにはあるのですが、このガイドブックのように子どもたちへの接し方を学ぶ必要があるのも事実ですが、「ネットで様々な困りごとやジレンマにも遭遇」しているのは子どもだけではありませんよね。

 「学校での教育・指導だけでなく、生活場面のなかでもまわりの大人たちが、デジタル・シティズンシップについて理解を共有」するためにも、大人もデジタル・シティズンシップを学ぶ必要があると思います。

2023/06/27

九州の石橋文化を象徴する土木構造物である「通潤橋」が国宝になります。

 6月23日に開催された文化審議会文化財分科会で、熊本県の通潤橋が国宝に、真宗本廟東本願寺内事の、洋館、日本館、鶴の間の3棟を含む8件の建造物が重要文化財に新規指定、3件が追加指定するように、答申されました(詳細はこちら)。

 嘉永7年(1854)建設された通潤橋は、近世最大級の石造アーチを渓谷に架け渡し、精緻で独創的なつくりの高石垣と、実証実験を重ねて耐久性を高めた石造のサイホンを一体化した、技術的完成度の極めて高い近世石橋の傑作とされていて、農業用水として利用するために橋の中央から放水されることで有名です。指定されれば、土木施設としても初の国宝になるとのことです。

 真宗本廟東本願寺内事は、大正12年建築の東本願寺宗主と、その子弟のための大規模な二世帯住宅です。その他の重要文化財の新規指定は、茨城県つくば市北条に位置する建材研究者で実業家・矢中龍次郎の住宅、群馬県桐生市の天満宮、石川県白山市の手取川七ヶ用水取水施設、長野県北佐久郡軽井沢町の旧アントニン・レーモンド軽井沢別邸、福岡県糸島市の櫻井神社、同市の髙祖神社本殿、宮崎県延岡市の日髙家住宅です。

 重要文化財の追加指定は、茨城県常総市の旧坂野家住宅の書院、文庫蔵、山梨県甲府市の富岡家住宅の土地、真宗本廟東本願寺の宝蔵、大玄関及び大寝殿、白書院、 黒書院、宮御殿、桜下亭、能舞台、 議事堂、表小書院、菊門、玄関門、 寺務所門、内事門、十三窓土蔵となっています。

2023/06/26

毎日新聞が、「毎日新聞戦中写真アーカイブ」特設サイトをオープンしました。

 毎日新聞特派員が戦時中に撮影した写真約6万枚をデジタル化し、歴史研究や教育現場での活用を目指す「毎日新聞戦中写真アーカイブ」特設サイトが、毎日新聞デジタル内にオープンしました。

 「毎日新聞戦中写真アーカイブ」は、2022年度から戦中写真のデジタルアーカイブ化に取り組んでいる渡邉英徳・東京大大学院教授、貴志俊彦・京都大教授らの共同研究として、終戦80年の2025年を目標に、国際標準で活用しやすいデータベースを構築し、当時の状況や人々の足跡を可視化したビジュアルなコンテンツを制作するもので、「毎日新聞戦中写真アーカイブ」特設サイトにはそのプロジェクトの説明や関連記事が掲載されていて、日本語と英語で紹介されています。

2023/06/25

戦争遺跡の保存は、なかなか難しいですよね。

 静岡空襲から78年となる6月20日の朝日新聞デジタル静岡版に、「姿消しゆく戦争遺跡、静岡空襲78年 ガス訓練講堂解体」という記事が出ています。

 静岡市葵区城東町の住宅街に、歩兵第34連隊の隊員たちが毒ガスなどから身を守るための訓練を行う「ガス訓練講堂」として利用されたとみられる建物が残っていたのですが、今月17日に、建物が解体撤去されてということです。

 「ガスの金属製注入口や排出口のほか、南側の壁一面に扉が設けられるなど、当時の陸軍の訓練の一端を示す全国的にも数少ない施設」という評価でしたが、現地保存に長年協力してきた地権者と交流しながら、貴重な戦争遺跡として施設内を記録に残してきた静岡平和資料センターも、3年にわたるコロナ禍で地権者側との交流も途絶えていたこともあり、どうすることもできなかったようです。

 静岡平和資料センター長は「行政側が戦争遺跡の保存に理解を示してくれたら」と期待するようですが、文書や民俗資料などでもなかなか受け入れてくれないのが現実のなかで、建物を保存することに行政が動くことは、かなり難しいでしょう。

 コメントプラスに、評論家の辻田真佐憲氏の「歩兵第34連隊の遺構なら、かつてであれば行政も観光資源として積極的に保存に動いたかもしれません。というのもこの部隊は、橘周太中佐がいた部隊として戦前とても有名」だったからとコメントしていますが、静岡県護国神社には、歩兵第34連隊の将校集会所が移設されていて、34連隊を撮り続けた柳田芙美緒の写真を展示する「柳田芙美緒写真室」となっていましたが、老朽化などにより取り壊されたことを考えれば、戦争遺跡の保存が容易ではないことはわかりますし、ましてや行政が動くなんてことはほぼなく、観光資源として活用するのも難しいといえるでしょう。残念ながら、戦争遺跡の保存は難しいと言わざるを得ないですね。

2023/06/24

朝日新聞の記事、表現がちょっと正確じゃないので、俗説を信じちゃう人、いそうだなぁ

 6月19日の朝日新聞デジタル静岡版に、「どうして家康、粗食の大御所が最後に暴食 謎の1日ジオラマで再現」という記事が出ています。

 藤枝市郷土博物館6月3日から開催されている「徳川家康と田中城~家康の天下取りを支えた西駿河の人々とゆかりの資料~」で展示されているジオラマを紹介する記事で、何のジオラムかというと、家康が田中城にタカ狩り来た際に、夕食に出たタイの天ぷらをたくさん食べて、激しい腹痛を訴え、それが家康の死因だとされる俗説を表現したものです。

 これを紹介する朝日新聞の文章が、「夕食に出たタイの天ぷらを気に入り、何度もおかわりしたところ、夜半に激しい腹痛を訴えその後死に至った。」となっていて、さらに藤枝市博物館のジオラマも、家康がタイの天ぷらを食べて腹痛を訴えた「その波乱の一日をジオラマで再現した。口をあけて天ぷらを食す場面から一転し、床に伏す家康の姿をリアルに描く。」というもののようなので、まるでタイの天ぷらを食べて腹痛を訴え、その後に亡くなったのが、1日の出来事であるかのような、ミスリードを呼ぶのではないかと思ってしまいます。「家康の死因はタイの天ぷらの食べすぎによる」という俗説を裏付けるものとなってしまいかねませんんね。

 しかし、当時の記録によると、家康が腹痛を訴えたのが、元和2年1月22日丑の刻(午前2時)、そして田中城の御殿で3日間静養し、1月24日に駿府へ戻るも、腹痛は治まらず、4月17日巳の刻(午前10時頃)に駿府城において没しているわけで、死因がタイの天ぷらの食べすぎならば、腹痛を起こしてからかなり時間が経ってから亡くなっているのは不自然で、近年では死因は胃がんだとされています。

 でも、朝日新聞のこの記事を見て、「やっぱり家康はタイの天ぷらで死んだんだ。」と思う人が出そうだなぁ。文章は正確に書かないといけませんね。

2023/06/23

今日6月23日は、戦後78年の「沖縄慰霊の日」

  今日6月23日の朝日新聞の社説は、「沖縄慰霊の日 記憶たぐる営みは今も」というものです。

 沖縄戦の記録を新たに出版する自治体が多くあるということを紹介して、11冊の市町村史の発刊にかかわった元沖縄国際大教授の吉浜忍さんの「後世に残す最後の機会という強い思いが各自治体に共通する。本を通じ実感を持って学んでほしい」という言葉を掲載しています。沖縄に限らず、戦争に関しての記録を残すタイミングとしては、まさに「後世に残す最後の機会」であることは、全国的に同じですが、他の地域はそうであると分かりつつも、なかなか行動に移さないですが、やはり沖縄ではその思いが違いますから、このように実際に行動するのです。

 また「Re:Ron×コメントプラス」でも、「不測の時代を生きるための、転ばぬ先の杖 「沖縄の生活史」を読む」として、5月にみすず書房から出版された『沖縄の生活史』の出版を報じた6月2日付けの記事「100人が語り、聞いた『沖縄の生活史』出版 戦後の暮らし細やかに」に、ジャーナリストの座安あきのさんがコメントプラスに加筆した寄稿を掲載しています。「よくぞ活字に残すことにこだわってくれた」との言葉がありますが、ここでもやはり「後世に残す最後の機会」であるわけですから、この言葉には激しく同意します。

 玉城デニー知事の「戦争体験者が戦争の不条理と残酷さを、後世に語り継いできてくれた実相と教訓を胸に刻み、あらゆる戦争を憎み、二度と沖縄を戦場にしてはならないと、決意を新たにする」とした平和宣言にもあるように、昨年改定された安保3文書により、沖縄を「国家安全保障上極めて重要な位置にある」と明記し、ミサイル部隊など自衛隊の増強などが着々と進むなかで、思いはやはり「二度と沖縄を戦場にしない」ことであると同時に、「戦争体験者が戦争の不条理と残酷さを、後世に語り継いできてくれた実相と教訓を胸に刻み、あらゆる戦争を憎み」、「二度と戦争で国民を悲しませない」ということを、政治家たちには決意してもらいたいものです。

2023/06/22

伊豆の国市で、新たな文化財展示施設を建設する方針が固まったようですね。

 6月16日の朝日新聞デジタル静岡版に、「貴重な文化財、市民に身近に 静岡・伊豆の国市が展示施設建設へ」という記事が出ています。

 伊豆の国市は2005年4月に伊豆長岡、大仁、韮山の3町が合併してできた市ですが、市内には弥生時代後期に始まる複合遺跡である山木遺跡があり、出土した遺物のうち239点は国の「重要有形民俗文化財」に指定されています。それらの遺物は2017年に韮山郷土史料館が閉館して以来、伊豆の国市郷土資料館として伊豆の国市立中央図書館2階に展示されていましたが、伊豆の国市には山木遺跡にも多くの文化財がありますから、図書館の2階ではどうしても手狭でしたので、2025年度末までに新たな文化財展示施設を建設する方針が固まったようです。

 「合併特例債を使って25年度末までに建設する。このタイミングを逃せば未来永劫できない。私の使命であり、絶対にやり遂げる」と、市長がおっしゃっているので、よほどのことが無い限り、伊豆の国市に新たな資料館(もしくは博物館)ができるわけで、大変喜ばしいことです。

 報道によると、新たに建設する文化財展示施設は、韮山文化センター周辺で、伊豆箱根鉄道韮山駅近くを候補地として検討しているとのことで、駅近でアクセスが良い場所であるのは、とても良いことです。今から作るわけですから、できれば公文書を保存する公文書館を併設した複合施設だと、なお良いのですが。

2023/06/21

大井川鐵道で、「客車列車」が運転されています。

  6月20日(火)~22日(木)、27日(火)~30日(金)、7月1日(土)~13日(木)に、大井川鐵道で、「客車列車」が運転されています。

 国鉄時代やJR黎明期には、機関車が客車を牽引する「客車列車」が日常の風景としてありました。今回、大井川鐵道では昭和10年代~30年代製の、年季の入った渋い客車を、これまた渋い電気機関車が牽引して(編成は以下の通り)、



電車で運行される定期普通列車を代走し、各駅に停まる「客車普通列車」として運転します。

 運転本数は、1日延べ7本 (新金谷→家山1本・金谷⇔家山5本・金谷→新金谷1本)で、普通運賃のみで乗車できます。運転時刻は以下の通りです。


 大井川鐵道の公式Twitterを見ると、かなりの人気になっているようで、7/1~7/13の運転日は急遽追加された分です。おかげで、それほど慌てなくとも、何とか乗車できそうですね。

2023/06/20

「ふるさとちば古写真デジタルアーカイブ」、こういうのを作っておくことは大事ですね。

 千葉県立中央博物館で、「ふるさとちば古写真デジタルアーカイブ」が公開されています。

 千葉県誕生150周年記念事業として、同館が所蔵する古写真約200枚とともに、一般から応募のあった古写真を、同デジタルアーカイブで紹介しています。古写真を通じて千葉のあゆみを振り返り、その記録と記憶を未来へ残していくことを目的としたアーカイブサイトが、「ふるさとちば古写真デジタルアーカイブ」です。

 過去の出来事をさぐる方法として、写真ほど様々な情報を読み取れる資料はありません。最近は簡単に動画が撮れるようになったので、その情報量は写真を上回りますが、150年前を語る動画はありませんし、数から言えば写真の方が多いですから、写真は情報の宝庫です。

 「人々はどんな服装をして、何を食べ、どんな場所で暮らしていたのか。どうやって生計を立て、何に娯楽を求めていたのか。そんな人々の生活の一端を、写真からは知ることができます」。また、「写真そのものに記録された情報だけでなく、その写真にまつわる記憶もまた、未来へ残していきたい」宝です。

 「過去と今を見比べる」「写真で振り返る年表」などのほか、エリアや年代ごとに写真を見ることができます。

2023/06/19

医薬品でも脂肪肝を治療できるようになるかもしれないんです!

 6月15日の朝日新聞デジタルに、「脂肪肝、薬で防げるかも? NASH発症に重要な遺伝子を発見」という記事が出ています。

 「肥満などに伴う非アルコール性脂肪肝炎(NASH)の発症に重要な役割を果たしている遺伝子を、京都大、大阪大などの研究チームがマウス実験で突き止めた。この遺伝子が働くのを抑える化学物質をマウスに与えると、肝硬変への引き金となる線維化や炎症を抑制できた」ということなのですが、実験の結果、「マイクロRNA(miR)―33b」という遺伝子が、肝細胞の中にあるコレステロールを外に出すのを邪魔することがわかり、「この遺伝子が働くのを抑える化学物質(人工核酸)をつくるのにすでに成功している」というのですから、これは朗報です。

 マウスでの実験とはいえ、脂肪肝の原因を突き止めただけではなく、その治療薬までできているのですから、人への臨床応用をめざすして、一日でも早く、運動や食事療法だけでなく、医薬品で脂肪肝を治療できるようになることが期待されます。

2023/06/18

「体罰・不適切言動防止ガイドライン」を作成するのは悪くないけど、それでは問題解決にはなりません。

  6月16日に、県教委の池上重弘教育長が、体罰や不適切な言動防止に向けたガイドラインを新たに作成すると記者会見を行った旨の報道がありました。

 教育長は、「誤った知識をもとに、体罰や不適切な指導を行うことがないよう、学校内外に広く周知したい」とおっしゃっていましたが、少なくとも教員のなかで、誤った知識のもとに、体罰や不適切な指導を行う人がいるとは思いません。体罰や不適切な指導があった教員は、多少の前科があった人たちで、その際にはそれが表に出なかっただけという場合が多いように思います。現在は、いろいろな形で学校内の出来事が校外に流れることが多くなったために、問題が表面化するのではないかと思います。つまり、体罰や不適切な指導があった教員はもともとそのようなものを持っていた人なのではないかと思います。

 ただし、もちろんそれ以外に、今まで特に問題になるような行動が無かった人が、体罰や不適切な指導をおこしてしまう場合もあります。それは、何かしらの原因があるはずです。プライベートなことかもしれませんし、校内での問題かもしれませんが、そのような場合は、まずその原因をはっきりさせることが第一で、ガイドラインを設けることはあまり意味がありませんね。そもそも、昨今の働き方改革で、教員がどれだけ無茶な働き方をさせられているのかということが明らかになっているなかで、そこにも原因があるという風に考えて、改革を急ぐという発想はないのでしょうか(おそらく、教育長レベルの方たちにとっては、この程度のことしかできないのでしょう)。

 「不祥事を自分ごととして捉えていない甘さがまだあると思っている」って、教員を教育しようという発想なのでしょうか。また「不祥事根絶に向け、不退転の決意で取り組みたい」ってことは、これらの対策の後、不祥事が出たら、止めるってことでしょうか。正直、少し頭に来る会見でしたね。

 ただ、年内にアンガーマネジメント研修をやるという話も出ていましたが、学校だけのことに限らず役に立つでしょうから、これは良いと思います。

2023/06/17

アウトプット重視の学習塾って、現代の教育をうまくとらえていますね。

 6月14日の朝日新聞デジタルに、連載学びの交差点第1回目として「「受験のための勉強」で失うものとは 探究塾創業者が大切にする価値」という記事が出ています。

 東京にある探究学習塾「a.school(エイスクール)」を紹介する記事です。この学習塾、探究学習塾とうたっているように、探究学習を行う塾なので、生徒はオリジナルのゲームやその宣伝動画をつくる作業をしているわけです。

 学校教育で、探究学習が取り入れられてきていますが、物事を突き詰めて考えたり、新しい物事を生み出したりと、身につけた知識をいかす学び「アウトプット」の時間はそれほど多くありません。本来探究は生徒が自ら課題を設定し、それを解決し、その成果を表現することを行うものなのですが、生徒によっては課題の設定の段階でつまずき、それ以上進めなかったり、また教員の方もそのような学習に慣れていないこともあり、うまく導くことができなかったりすることもありますので、本当にきちっと探究ができているところは、そう多くないような気がします。

 しかし、探究学習は本当にきちんとやれば、これほどおもしろいものはありません。そもそも、研究につながるのが探究であり、その成果を表現するのは楽しいはずです。そこには従来の「受験のための勉強」にはない喜びがあります。いわゆる主要教科の学習にはない楽しみがあるはずです。現在の学校教育は探究を非常に意識していて、従来型の教育からの脱却を目指してはいるのですが、教員はインプット中心の教育しか受けたことがないので、そもそもどうやって生徒一人ひとりの好きなこと、やりたいことを実現させるのか、わかっていないだろうと思います。また、もちろんアウトプットのためには、ある程度の知識のインプットが必要であることは間違いないので、まだ学校ではインプットが多く、不十分なアウトプットをどこかで補う必要があるというのが現在の教育の現実なので、そのあたりをうまくとらえたのが、「a.school」なんだろうと思います。

 大学入試が変わらないまま、小中高で探究教育を推し進めていくというのも変な話なのですが、探究を中心とした学びの場というのは、理想的な教育のあり方だと思います。本当ならば、それを実現できるような形に、現在の学校教育を変えていく必要があるはずです。

2023/06/16

関東大震災の記録、よくぞこのようなものを撮っておいてくれました。

 6月13日の朝日新聞デジタルに、「「なんで撮ってんだ」殺気立つ被災現場 関東大震災の記録が映画に」という記事が出ています。

 国立映画アーカイブに、「関東大震災映像デジタルアーカイブ」があり、そこに関東大震災の様子を記録し、映画化されたものが、公開されています。国立映画アーカイブでは約20作品の映画フィルムを所蔵していますが、そのうち13作品が「関東大震災映像デジタルアーカイブ」で全編を見ることができます。その13作品は以下の通りです。

 『關東大震大火實況』やその弁士説明版、『関東大震災』[返還映画版]、『帝都の大震災 大正十二年九月一日』、『東京大震災』、『関東大震災実況』、『東京関東地方 大震災惨害實况 大正十二年九月一日二日三日』、『帝都大震災 大正十二年九月一日』(別題名『震災ト三井』)、『大正十二年九月一日 帝都大震災大火災 大惨状』、『関東大震災』[伊奈精一版]、『大正拾弐年九月一日 猛火と屍の東京を踏みて』、『大震災以前 帝都 の壯觀』、『復興帝都シンフオニー』、『帝都復興』

 これらの作品を撮影したカメラマンのうち、岩岡商會の岩岡巽、日活向島撮影所撮影技師の高坂利光、東京シネマ商會の白井茂の3人に焦点をあてた記録映画「キャメラを持った男たち―関東大震災を撮る―」を、一般社団法人「記録映画保存センター」が制作し、この8月から公開されることを紹介したのが、朝日新聞の記事です(上記の「記録映画保存センター」のリンク先で、映画の予告編が見れます。また、8月の上映に先行して、6月28日の「記録映画アーカイブ・プロジェクト 第14回研究上映会」で特別上映されます。参加無料・当日先着順・申し込み不要で定員100名です)。

 今年2023年は地震発生から100年です。改めて、このような素晴らしい貴重な記録を残してくれた上記3人のカメラマンをはじめ、関係者には感謝の気持ちしかないですね。

2023/06/15

中央大学山村研究会の創立30周年記念論集に関することが、朝日新聞デジタルで紹介されています。

 6月13日の朝日新聞デジタルに、「人口最少の町に残る古文書を追って 掘り起こす江戸時代の山村の活気」という記事が出ています。人口が全国最少の町、山梨県早川町に残る古文書を調べる「中央大学山村研究会」の活動を紹介した記事です。

 1991年に始まった「中央大学山村研究会」は、中央大学に関係する大学院生、学部生の有志が、2023年1月現在の人口が1,010人という全国最小の町であるものの、近世の山村に関する史料が豊富に残る山梨県早川町を調査しているもので、創立30周年を記念して今年の2月の『山村は災害をどう乗り越えてきたか』を刊行しています。

 『山村は災害をどう乗り越えてきたか』については、ちょうど今月発行された『地方史研究』第422号の「新刊案内」に、熊谷市立図書館の学芸員である大井教寛氏が詳細な紹介を書かれているのでそちらに譲りますが、一般的に脆弱で貧窮に思われている山村のイメージを大きく覆す、豊かな暮らしぶりが見えます。

 「中央大学山村研究会」のことは聞いたことがありますので気になっていたのですが、中央大学を中心にいろいろな人たちがかかわっていて、非常に息の長い調査が行われているわけですが、それだけフィールドである早川町が魅力あふれる場所だということでしょう。早川町には一度行ったことがあるのですが、早川沿いの狭い地域にこれほどまでの史料が残っていることに驚かされるとともに、全国にはまだきっと多くの魅力的な史料が眠っているのではないかと思わずにはいられません。まだまだ地域の歴史の掘り起こしができる場所があるということは、歴史にかかわる人間にとっては、まだまだ頑張らなきゃならないと思わせてくれます。

2023/06/14

英語はあくまでも道具ですから、使わないなら、無理に学ばなくても良いような気がします。

 6月12日の朝日新聞デジタルに、「英語信仰は「壮大なムダ」、言語学者の危惧 「日本語こそ国際語」」という、青山学院大学の永井忠孝教授の記事が出ています。

 「仕事で使う英会話は、中学と高校で学んだ読み書きの基礎があれば、わりとすぐになんとかなります。仕事で実際に必要になってから勉強すればいいのです。」、「英語に時間を割くということは、他の必要なことを学ぶ時間が減るということです。英語も大事ですが、国語も数学も歴史も大事です。仕事で必要なことも英語だけではないでしょう。」、「英語を特別視しすぎているように感じます」と、永井教授は述べています。

 私も個人的には、無理に英語を学ばなくてもいいかなぁと思っています。仕事で英語が必要な場面といったら、英語で書かれた論文を読むために必要な程度なので、今はネットの翻訳機能で何とかなってしまいますから。

 つい最近、英語の先生と話をした際に、ご本人が大学受験用の英語の文章を読んだ際に、その文章の内容がモルモン教のことだったらしいのですが、英文は読めても、モルモン教に関する知識が無いので、言っていることがわからなかったという話をされていました。モルモン教だとかなりレアですが、つまり英語が分かっても、結局その内容に関する知識が無ければ、よくわからないというわけで、それは英語はあくまでも言葉であって、仮に日本語で書かれた文章であっても、その内容に関する知識が無ければ、何を言わんとしているのか理解できないということなわけで、まさに永井教授がおっしゃっていることと同じなわけです。

 英語だろうが何語だろうが、分かればそれに越したことはないですが、言葉はあくまでも道具なので、読んだり書いたり話せたりすることそのものを目標とするようになってしまったら(今の日本の英語教育はそうなってしまっているような気がしますが)、もちろんネイティブには絶対にかなわないわけですから、その部分はある程度で良いとするべきでしょうね。

2023/06/13

「探究型」の課題は、長期休みとかに出すのが普通だと思っています。

 6月11日の朝日新聞デジタルの「Re:Ron(リロン)」に、「宿題を「こなす」若者たち…なぜそうなるのか リロン編集部から」という記事が出ています。

 連載「宿題が終わらない」の第1回「寝ずに宿題する子どもたち 動画編集に理科の考察…「探究型」が重い」に対して、社会学者の藤田結子さんがコメントしたものに、さらに加筆した文章です。

 「大学生は探究型の課題を「タイパ(時間対効果)よくこなすこと」はできるが、「何かを探究すること」自体には消極的にみえる」と考察し、「探究型の宿題や課題をする意義は本来あるとして、時間が足りない状況で無理にやらせるの」は良くないとしているのですが、そもそも通常日課時の宿題としては、確かに「探究型」は重いです。大学生なら通常日課時に出すにもありかもしれませんが、小中高生に出すのならば、長期休みの時にすべきでしょうね。正直、個人的にはそれが普通だと思っていましたので、通常日課時に「探究型」の課題が出るという話に、驚きました。

 藤田結子さんは、「子どもや若者が「もっと時間にゆとりのある生活をできる社会であってほしい」としていますが、子どもや若者の日常生活が、ほとんど大人と同じであることが普通になっている現代においては、それは難しいでしょう。何せ、今の子どもや若者は、昔ならただ丸暗記するだけで良かった課題を、自ら調べてプレゼンテーションをすること、つまりビジネスマンが仕事でやるようなことを求められているわけですから。

2023/06/12

タウリンに、動物の健康寿命を延ばす効果があると報告されました。

 2023年6月9日発行のアメリカの科学雑誌『Science』に、「タウリン欠乏は老化の原因となる(”Taurine deficiency as a driver of aging”)」と題した論文が載っています(6月9日の朝日新聞デジタルにも記事が載っています)。

 タウリンの量は加齢とともに減少します。「15歳のサルは5歳に比べて85%減少し、60歳のヒトは5歳の3分の1程度に減少するなど、加齢によって大幅に減少する」ということです。「ヒトの40歳代にあたる14カ月のマウスに死ぬまで毎日タウリンを与えると、寿命の中央値がメスで12%、オスで10%延びた」ということから、タウリン欠乏が老化の要因であることが特定されたわけです。

 ただし、タウリン欠乏症が人間の老化の原因であるかどうかをテストするには、結果として健康寿命と寿命を測定する、長期にわたる適切に管理されたタウリン補給試験が必要であるということですので、タウリンが人間の老化にきくとは断定できませんが、可能性はあるわけで、少なくとも疲労回復効果は期待できますよね。

 タウリンを多く含む食材として、牡蠣、アサリ、シジミ、ホタテ、ハマグリ、タコ、カニ、イカや、鯵や鯖などの近海魚、ブリやカツオの血合いなどで、水溶性なので、汁ごととれる鍋物やスープ等に利用すると有効に摂取することができますから、積極的に食べるようにしたいなぁと思っています。

2023/06/11

本来お金をかけるべきところに金をかけない。行政は文化をきちんと理解していない。

 6月7日の「日本図書館協会」ホームページのお知らせ一覧に、「「図書館非正規職員の処遇にいてのお願い」を都道府県知事、市長、東京23区長へ送付しました。」と出ています。昨日、日本図書館協会の植松貞夫理事長らが記者会見したので、各紙にニュースとして出ていますね(朝日デジタルは6月6日付け、東京新聞Webが6月7日付け)。

 日本図書館協会の調べでは、2022年の国内公立図書館の職員数約4万人のうち、4分の3が非常勤や派遣などの非正規職員で、08年に比べて約3割増、それに対して専任職員は約3割減ということです。

 その非正規職員の約6割が、図書の専門職である司書・司書補の有資格者ということなので、「専門的なスキルが必要な図書館の業務は、すべて非正規職員がやっています」という東京新聞の記事は、おおげさな話ではありません。

 本来専門職は正規で採用すべきです。何故ならば、非正規では雇用が安定しないため、専門的な知識が職場に受け継がれていきにくい、その職員がいなくなってしまうと引き継ぐ人がいなくなってしますうということが起こりえるからです。もちろん正規職員でも、頻繁に移動するようではダメで、専門職として通常の職員とは別の異動をさせるようにすべきです。

 近年では図書館司書に限らず、博物館学芸員なども非正規で回すという状況になっていますが、これら専門職は安定した雇用のなかでこそ、その役割が活きてきます。このような部分にこそお金をかけるべきで、それができないようなところは、文化的に低いと考えざるを得ません。残念ながら現代の日本は、そういうところが多いように思います。                                                                                                                                                                                                                                                    

2023/06/10

アメリカの連邦最高裁判所では、すべての口頭弁論の記録を保存しているんですね。日本とは大違い。

 米国国立公文書館(NARA)が、アメリカ連邦最高裁判所の音声記録をデジタル化し、公開したことを発表しました。

 アメリカ連邦最高裁判所が、すべての口頭弁論の記録を開始したのは1955年10月で、音声記録は1955年10月から1972年12月までのブラックシリーズ、1972年12月から2005年 6月27日までのレッドシリーズ、2005年10月3日から2020年5月31日までのゴールドシリーズの3つの口頭弁論のシリーズで構成されています。

 連邦最高裁判所の音声記録は、NARAのカタログで、裁判日、事件番号、事件名のキーワード等で検索できます。現在国立公文書館カタログで聞くことができる有名な事件には、画期的な公民権判決である1967年のラビング対バージニア(Loving et ux. v. Virginia)、ナチスによって家族から盗まれ、オーストリア政府美術館に展示されていた5枚の絵画の回収を求めて、マリア・アルトマンが米国地方裁判所でオーストリアを相手に民事訴訟を起こす権限を与えられたとする2004年のオーストリア共和国対アルトマン(Republic of Austria v. Altmann)などがあります。 

 「定められた保管期限を過ぎたら、捨ててしまう方が基本である」という考え方で、例外的に保存するものについては「資料または参考資料となるべきもの」ということにして、「特別保存」と呼んで保存し、それ以外は「保存するスペースがないから」ことを理由に廃棄する日本に比べれば、記録を保存するという考え方がまったく違うんですね。

2023/06/09

これぞ「デジタル公文書館」、「大分市デジタルアーカイブ~おおいたの記憶~」

 6月1日に、「大分市デジタルアーカイブ~おおいたの記憶~」が一般公開を開始しました。

 「大分市歴史資料館・大分市美術館・大分市民図書館が所蔵する資料、市内に所在する国・県・市指定の文化財、市内各地を写した古写真・絵葉書など、約1,500件の文化資源が閲覧できるようになってい」るということです。

 「スペシャルコンテンツ」では、高精細Webギャラリー公開システム「Gaze-On」を利用した「御城下絵図」の高精細画像、先端技術(3D技術)により撮影された360度自由な視点で閲覧が可能な、絵巻物「御城下絵図」の高精細画像、「国崩し(大砲)」や「華南三彩貼花唐草文五耳壺」の3Dモデルも公開されています。

 また、『大分市史』や合併前の自治体市も、PDFで張り付けてあります。

 これだけのコンテンツがそろっていれば、リアルな「公文書館」に匹敵するか、もしかしたらそれ以上かもしれません。まさに「デジタル公文書館」です。リアル公文書館が無い自治体が目指す、一つの形かもしれません。お金、どれくらいかかってるのかなぁ。

2023/06/08

東京音楽大学が、伊福部昭コレクションのデジタルアーカイブと目録を公開しました。

 東京音楽大学が、伊福部昭コレクションデジタルアーカイブ目録を公開しています。

 2023年5月31日が、伊福部氏の109回目の誕生日に当たることから、この日にデジタルアーカイブと所蔵目録 (OPAC) の公開を始め、学外者を含めた利用者に向けて、資料の閲覧と複写の提供を始めました。

 今回は、寄贈された資料のうち、手稿譜や手書き原稿、伊福部昭本人の書き込みがある楽譜などをデジタル化しています。作曲家として有名な伊福部氏は、東京音楽大学の学長も務めており、その関係から東京音楽大学付属図書館が、およそ1200点の資料寄贈を受けたわけということです。

 作曲家として有名といいつつ、伊福部氏の曲で知っているのは、「ゴジラのテーマ」だけですが😅、ドシラー、ドシラーで始まるあの音楽は耳から離れませんよね。目録で「ゴジラ」と検索したら、「ゴジラタイトル : ゴジラパート譜1954年版」というのがヒットしました。他にも統一標題に「ゴジラ vs デストロイア」、「ゴジラ vs モスラ」、「ゴジラ vs メカゴジラ」なんてもあります。

2023/06/06

「和歌山県歴史資料アーカイブ」の「授業で使える和歌山の資料」は、本当に授業で使えると思います。

 和歌山県立文書館が開設している「和歌山県歴史資料アーカイブ」で、新しく「授業で使える和歌山の資料」が開設されています。和歌山に関する資料のデジタル画像と解説シートがセットになっているものです。

 現在、近世の「キリシタン禁制の触書」、「大塩平八郎の乱首謀者人相書(部分)」と、近現代の「学制に関する和歌山県布達(太政官布告第 214 号(「被仰出書」)添付)」、「改正地券(紀伊国海部郡西浜村(現和歌山市西浜))」、「田辺改進党団結の趣意(部分)」のみですが、鮮明な史料のデジタル画像、史料の翻刻、近世の史料には意訳、語句・人名説明があって、それに解説がついています。さらに「活用のポイント」、出典、関連資料・ウェブサイト等、参考文献リストまでついて、いたせりつくせりの内容になっています。

 これだけしっかりと作られていれば、普段あまり史料にふれたことがない先生でも、授業で活用できるはずです。また、和歌山県の人でなくとも、これだけ詳細に作りこまれたものなので、十分使えるはずです(自分なら使います)。あとは、史料の数がもっと増えてくれることを期待するのみです。

2023/06/05

山形大学の成果を見ると、AIはやはり使い方ですね。ルールは必要です。

 6月2日の朝日新聞デジタルに、「ナスカの地上絵、AI使って画像データで特定 山形大の進化する調査」という記事が出ています。

 山形大学が学術調査を続けている南米ペルーの世界遺産「ナスカの地上絵」の研究に、ディープラーニングが使われていて、2004年以降の調査で358点の地上絵を発見したうち、4点をディープラーニングの技術で見つけたということです。

 画像データを学習したAIが、航空写真の中から地上絵の可能性があると示した場所に、実際に行って確かめるという方法で、航空写真から肉眼で探し、現地を歩いて確認していた従来の方法に比べ、労力と時間が大幅に軽減したようです。

 ある意味AIは、本格的に日常のおいて使用するのがまだ始まったばかりですから、ChatGPTをめぐる議論もありますが、使い方次第でどうにでもなるということです。非常に大きな成果をもたらしてくれることが期待できるのですから、あくまでも道具として、その使い方のルールをきちんと決めて使用すれば良いわけです。

 現在、教育界を中心にルールづくりが急がれていますが、詳細な問題は使っていかなければ分からないので、大まかなルールを決めて使用を推進いくのが良いでしょうね。

吉野ヶ里遺跡の石棺墓、期待大ですね。

  今日6月5日は、考古学界隈では何と言っても吉野ヶ里の石棺墓の石蓋が外される話題ですね。

 撤去された石蓋2枚は外側の表面に「×」「キ」などの線が刻まれて、残る1枚には遺体を収めた内側の面に線が刻まれていることもわかり、さらに粘土で目張りがされ、その一部には赤色顔料が付着していたとのことです。赤色顔料は内側の面に線が刻まれていた石蓋にも付着していますね。赤色顔料は、水銀を原料とする朱か、酸化鉄を原料とするベンガラのどちらかですね。

 上記のような情報からも、かなり身分の高い人物の墓である可能性が高いのではないかと想像されます。過去18基出土している石棺墓には副葬品がありませんが、今後、内部の土砂を除去して調査が進んでいくなかで、副葬品が出土することが期待されます。

2023/06/04

宿題は「量」より「質」って、大方の先生たちは改めて指摘されなくても、もちろん考えますよね。でも…。

  朝日新聞の連載「宿題が終わらない」の第2回「その宿題、意味ありますか? 心理学者が問う「質」と親世代との違い」に対して、スポーツ教育学者で元ラグビー日本代表の平尾剛さんが5月25日に投稿したコメントが読めるようになっていて、そのコメントが6月4日に「理想の授業・宿題、実現に必要な改革は 平尾剛さんのコメントプラス」として記事になっています。

 最初の連載記事は、「宿題の「量」だけでなく、「質」にも目を向けるべきだ」とする問題提起の記事なのですが、その問題提起に関しては大方の先生たちは考えているはずですが、子どもたちの状況によっては(学校によってかなり実情は違うので、「質」を重視した宿題を出している学校もあるでしょうし、そもそも宿題をやめてしまっている学校もあるわけですが)、「量」をこなすことが意味のある場合もあります。多くの問題をこなすことで、解き方のコツがつかめたり、問題慣れすることでできるようになる場合もあり得るわけです。「習うより慣れろ」というわけです。

 ただ時には保護者が疑問に感じるような宿題が出ることもあるでしょう。それが頻繁にあるようならば問題ですが、おそらくそういうことも多くないでしょう。しかし、「質」を重視する宿題を出すことが必要なことも事実です。その際問題になるのが、今回のコメントプラスの平尾さんの指摘するようなことです。つまり、「質」を問うような宿題は「いかに興味を持てるかに主題をおき、時間をかけて授業をしたうえで」ないと出せないわけで、そのような宿題を出すためには「時間的にも精神的にも先生に余裕がなければできない」のです。「授業の準備と児童や生徒のことを考えるための余白」が必要なのです。

 今の学校は多くのことを抱えすぎて、「授業と児童・生徒のことを考える」ことが第一になっているとは言い難いのです。それゆえ、新人の教員も疲れてしまい、やめていく人が出てしまい、そのような情報を聞けば、教職が敬遠されて、人手不足になるのは、ある意味当たり前なのです。

 平尾さんの「教育改革をするならまずはここから始めなければならない」というコメントの「ここ」は「授業の準備と児童や生徒のことを考えるための余白」のことで、つまり教育改革をするのならば、教員が「授業と児童・生徒のことを考える」ことが第一になるような改革が必要だということです。もっと言えば、現行ありきの改革ではなく、現行の学校制度を一から作り直すような改革が必要だと思います。

2023/06/03

採用試験を前倒ししても、仕事に魅力を感じられなければ、人は集まらないのでは?

  文科省が、来年度から公立学校教員の採用試験を、従来より約1カ月早い6月16日を目安に始めるよう、各地の教育委員会に要請したというニュースが報道されましたが、教職という仕事に魅力があれば、最初から教員採用試験を目指して来る学生はいるはずで、必ずしも民間よりも採用が遅いせいばかりではないはずです。

 確かに近年は、大学入試などでも早めに決められることを望む向きがあるように思われますが、仕事に関しては早く決まれば良いというわけではないと思いますが…。

 教員志望者が少ないのは、やはり仕事としての教職が魅力的ではないということなのではないかと思います。そもそも、現在の学校教育制度が限界に達していて、その矛盾をすべて教員の自己犠牲で乗り越えようとしているのが問題です。

 働き方改革とか、採用試験改革とか部分部分の改革ではなく、学校制度全体を改革をすべきで、一度全部スクラップし、一からビルドするくらいの動きでないと、どうにもならないところまで来ているように思うのですが…。

2023/06/02

「鉄砲の玉」から、いろいろなことがわかります。

 5月28日の朝日新聞デジタルに、「武田軍を破った「設楽原の戦い」 鉄砲玉が示す徳川家康の独立性」という記事が出ています。

 織田・徳川連合軍と武田軍が戦った「長篠・設楽原の戦い」は、織田・徳川連合軍が鉄砲を使って武田の騎馬軍団を破った戦いとして有名ですが、近年の研究から武田方も鉄砲があり、そもそも武田の騎馬軍団と呼べるような部隊はなかったなど、従来の見解とはかなり変わってきていますが、鉄砲が勝負の決め手になったことは間違いありません。

 織田・徳川連合軍が使った鉄砲は3千丁、武田軍は500~1千丁といわれていますが、記事によると、鉄砲の数の差というよりは、「玉の数と火薬の量」が大きなポイントだったようです。

 「長篠・設楽原の戦い」の合戦跡にたつ愛知県新城市の市設楽原歴史資料館の周辺では、17個の鉄砲玉が見つかったいて、そのうちの3個は徳川軍が自ら調達した鉛でつくったものと考えられるようで、鉄砲玉の原料となった鉛の成分を分析した結果、家康の時代に鉛などの鉱石を産出していた新城市内のものと成分が一致したということです。

 また、設楽原では、外国産の鉛と成分が一致する玉も3個見つかっており、戦国時代には外国産の鉛を入手できるのは大阪・堺を押さえていた織田信長ぐらいで、火薬も南蛮貿易で堺からだったため、信長の助けがなければ、家康も調達ができなかったと考えられ、そこから信長と家康の関係性がわかるわけです。

 このように、1個の鉄砲玉から、他のいろいろな史料とともに検討することで、様々なことがわかるところが、歴史学の醍醐味ですね。

2023/06/01

「噛み応え」にこだわったお弁当、やわなモノが多い時代に、ある意味必要だと思います。

 5月28日の朝日新聞デジタルに、「クルミやゴボウ…あえて食感硬めの弁当を開発 かんで高齢者を健康に」という記事が出ています。

 咀嚼する力が衰えがちな高齢者向けに、クルミやゴボウ、硬めに調理した乱切り野菜など、しっかりかまないと簡単にはのみ込めないような食材を使った弁当を、長野県松本市のケータリング業者が開発したということを紹介する記事です。

 食べ物をよくかむと唾液の分泌が促され、消化や吸収を助けるとともに、唾液が増えると虫歯予防など口内の健康の向上につながり、かむ回数が増えれば脳の活性化にもつながるとされていて、かみ応えのある食べ物をよくかむことで、高齢者の健康維持に役立つということなのですが、確かに昔からよくかむことの効果が言われてますが、実際の世の中は、やわらかいモノが多くなっていますから、よくぞ硬めのおかずが入ったお弁当を作ったものです。

 ただ、しっかりかまないと簡単にはのみ込めないような硬めの食べ物って、幼いころから食べていないとなかなか受け入れにくいのではないかと思ってしまいます。ましてや、高齢者になってからでは、もう既に歯が弱っていたりして、食べられないのではないかと思うのですが、どうなんでしょうか。おそらく、ウチの母だと「硬いモノは歯が痛くなるから食べない」というだろうと思います。実際、キャベツなどですら硬めのモノは嫌がりますから。

 むしろ、もう少し年齢の若い人向け(50~60代くらい?)に、もう少しボリュームのあるお弁当にして、今から咀嚼力を衰えないようにするっていうコンセプトで出したらどうかなぁ?