1月31日の朝日新聞デジタルに、「奈良公園の鹿に独自の特徴 千年超の歴史、DNAと資料でしかと確認」という記事が出ています。
福島大、山形大、奈良教育大の研究チームにより、奈良公園(奈良市)の鹿が、遺伝的に独自性が高い存在であることが分かり、アメリカ哺乳類学会( The American Society of Mammalogists )の学会誌『Journal of Mammalogy』に掲載されたとのことです。論文のタイトルは、”A historic religious sanctuary may have preserved ancestral genetics of Japanese sika deer(Cervus nippon)”(歴史的な宗教保護地区がいにしえの ニホンジカの遺伝子系統を守ってきた可能性がある)。この概要は、奈良教育大学が、「【プレスリリース】「奈良のシカ」の起源に迫る ―紀伊半島のニホンジカの遺伝構造とその形成過程―」として、ホームページに掲載しています。
上記の「研究成果のポイント」によると、
・人間活動がニホンジカに与えた影響を検証するために、古くから人間活動の盛んだった紀伊半島の集団を複数の遺伝マーカーで解析しました。
・その結果、紀伊半島には奈良公園、東部、西部の大きく3 つの遺伝的なグループが存在していることが明らかとなりました。
・最も遺伝的な独自性が高い奈良公園のグループは、1000年以上前(推定最頻値で約1400年)から周辺集団と交流が無いと推定されました。
・以上のことから、奈良公園のニホンジカは、狩猟や開拓によって周辺の集団が消滅するなかで、保護によって1000年以上も維持されてきたことが明らかになりました。
今までの解釈では、奈良公園のシカは768年に造営された春日大社の神様だからということだったのですが、1400年前となると、奈良に遷都した710年より前、6世紀ごろの古墳時代~飛鳥時代ということで、そんな古くから(当時はまだ奈良公園の影も形もない場所ですが)奈良公園周辺のシカは、人によって守られてきたということなわけです。奈良に都ができてからシカが棲むようになったのではなく、すでにシカが棲みついている場所に都を作ったということになりますが、それって何故なのでしょう?新たな謎ですね。
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