8月12日の朝日新聞社説は、「博物館の苦境 国は当事者意識を持て」というタイトルで、国立科学博物館が、標本や資料を収集・保管する費用にあてるため、クラウドファンディングで寄付を募り、わずか9時間で目標の1億円に達したことを受けての社説です。
博物館は、「過去を起点に現在や未来の社会のありようを考える」ための資料を集め、次世代へ引き継ぐ非常に重要な役割を持っているわけで、つまりその国が何たるかを語る材料がそろっている施設ということであるのですが、そのような施設が資金不足ってどういうこと?って感じです。
わずか9時間で目標の1億円に達し、8月11日までに約6億円が集まっているという事実は、まだ一般国民は捨てたものではないということがわかり、ほっとした感がありましたが、逆に国は何をしているのか?という怒りがこみ上げてきます。
「日本を代表する博物館が光熱費を工面できず、寄付に頼らざるをえないという帰結を政府はいったいどう考えているのか。」、「6割の館で資料購入にあてる費用が全くないとの調査結果もある。収蔵庫が不足し施設は老朽化が進む。学芸員には専門性が求められるのに、非正規雇用も多い。」、「政府は博物館に観光の中心になれと旗を振るが、最低限の活動もままならないのに、なぜそれが可能なのか。」など、社説にもいろいろ書かれていますが、「国が果たすべき役割について真剣に考えてもらいたい。」というのは、まさにその通りです。
ただ、ある意味このようなものですら、もはや行政に頼る時代ではないのかもしれません。行政に頼らなければ維持できないとなれば、この先も常に存続が危ぶまれる状況が続く可能性があるわけですから、今回クラウドファンディングという新しい資金の調達方法が見いだせて良かったのかもしれません。
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