英国国立公文書館(TNA)で、2021年10月付けの報告書“Using AI for Digital Records Selection in Government”が公開されています(こちらに概要がでています)。
ここで、注目すべきなのは、”AI cannot replace the expertise of Records Managers”(AIがレコードマネージャーの専門知識に取って代わることはできません)と、はっきり述べていることです。
現状でAIでは、”commercially available AI tools and pipelines can be successfully applied to aid the task of records selection in semi-structured and unstructured collections”(市販のAIツールとパイプラインをうまく適用して、半構造化および非構造化コレクションでのレコード選択のタスクを支援できる)に過ぎないということなのです。
当然、まだこれからどんどん進化していくはずですので、いつかはAIがレコードマネージャーの専門知識にとって代わる日が来るかもしれませんが、まだしばらくは専門家の力が必要だということです。
我が国においては、AIなどの新しい技術が進んでくると、すべて新技術でクリアできると思われがちで、専門知識はいらないという風潮になりがちなのですが、今回の報告書は、逆に言うと専門知識を持った人間がいなければ、公文書の適切な管理はできないということを言っているわけです。国立公文書館の「認証アーキビスト」ができて今年は2年目ですが、「認証アーキビスト」またはこれに類する専門知識を持った人間がもっと増えないと、国だけに限らず地方でも導入の検討が加速している公文書のデジタル化に、管理が追いつけなくなってしまう可能性がないとは言い切れません。国だけではなく地方にも、文書管理の専門職をどんどん導入することが必要だと思います。
0 件のコメント:
コメントを投稿