昨日11月13日の毎日新聞に、「日本語の原郷は「中国東北部の農耕民」 国際研究チームが発表」という記事が出ていましたが、元ネタは、11月10日にNatureに掲載された、”Triangulation supports agricultural spread of the Transeurasian languages”という論文です。
この論文は、ドイツのマックス・プランク人類史科学研究所を中心にした、中国、日本、韓国、ヨーロッパ、ニュージーランド、ロシア、米国の研究者を含む国際チームが発表したものです。歴史言語学、考古学および遺伝学の「三角測量」分析によって、言語拡散の「農耕仮説」を学際的に支持し、トランスユーラシア言語の最初の拡散が、東北アジアにおける新石器時代前期のキビ・アワ農耕民の移住と関連すると結論しています。
この論文、なかなかおもしろいです。韓国の欲知島(ヨグ ジ ド)遺跡出土の女性人骨のDNAが95%縄文という結果が得られたり(韓国がこれをどう受け止めるのか、多少物議になりそうですが)、宮古島の南嶺の長墓遺跡(ながぱかいせき)から出土した人骨(近世および先史時代の2つの時期)から、グスク時代に九州からたくさんの「本土日本人」が農耕と琉球語を持ちながら、琉球列島へ移住したと推定できるなど、従来の説とまったく異なる結論になっています。
ただ、これは「最初の拡散は新石器時代にあった」ということが言えるというだけで、歴史的にはその後もいろいろと複雑な動きがあります。確かにいろいろと新しいことがわかった一方で、今後の課題も数多く残っていると言えます。これらの課題が今度さらに明らかにされることが期待されます。
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