続・人間老いやすく、学成りがたし: 学ぶ意欲があって大学に行く人って、そんなに多くないと思うんだけど…。

2023/07/12

学ぶ意欲があって大学に行く人って、そんなに多くないと思うんだけど…。

  7月11日の朝日新聞の社説は、「奨学金改革 一歩前進も課題は山積」というタイトルです。

 その社説の一番最初に、「学ぶ意欲があれば、誰でも大学で学ぶことができるようにするのが望ましい。」として、「政府が、「給付型」奨学金を受け取れる人や、授業料減免の対象になる人を広げる方針を閣議決定」したということが述べられていますが、「学ぶ意欲があって大学に行く人」って、どれくらいいるんだろう?生徒はもちろん、保護者の多くは、「学びたいから進学する」のではなく、大学に進学することが「就職のための手段」だと、とらえている向きが多いのではないだろうか。これは現実として、高卒で就ける職業が限られているからであり、大卒になることで職業の選択幅が広がることが原因なわけです。

 もちろん「学びたい」ことがあるから進学する、という学生がまったくいないとは言わないが、高校生を見ている限り、学校がそのような指導をしているからなおさらなのだが、将来の仕事のことを考えて進路を決めている、例えばいまだにある「文理選択」の際にも(文理に分かれるのも、大学入試のためだけで、実際に学問をやり始めたら、いろいろな知識が必要で、文系でも数学や理科が分かった方が良い場面が多いし、その逆もしかり)、どんな仕事に就きたいかを考えながら、入試で文系科目メインで受験するのか、理系科目メインで受験するのか、受験で理系科目が必要な分野なのに、数学が苦手だからと言って文系に行ってしまうと将来希望する職業に就けなくなる云々、などの指導が行われて、その結果として大学に進学するという感じなわけです。

 中学や高校で習った授業、例えば歴史がおもしろくてもっと学びたいとか、小さなころから虫が好きなので虫の研究をしたいとかを理由として、大学に進学しようとする話はあまり聞いたことがないです(かく言う自分は、歴史を勉強したくて進学しためずらしい部類で、そのおかげで学生時代は満喫した時間を過ごしましたが、就職のこととかあまり頭になかったので、いざ卒業となった頃になって慌てましたが、もちろんちゃんと就職できず、某自治体史編纂の非常勤に入れてもらった次第です)。

 奨学金も返済時になると重くのしかかってくるわけで、その返済の重さが結婚の遅れや非婚につながり、少子化の一因にもなっていると言われていますから、奨学金を借りやすくするよりは、高等教育を無償化するとか、大学に行かなくても就職の選択肢が多い世の中にするとかの議論が、本来は必要なのではないかと思います。

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