続・人間老いやすく、学成りがたし

2023/04/15

「被爆の実相の伝承」のオンライン化・デジタル化事業Webサイト「被爆前の日常アーカイブ」が公開されています。

  長崎大学核兵器廃絶研究センターと国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館が、2021年から取り組んでいる《「被爆の実相の伝承」のオンライン化・デジタル化事業》の一環として、「被爆前の日常アーカイブ」が公開されています。

 「被爆前の長崎」の写真、その写真を活用して作成した動画やスライド教材、被爆前後の長崎の航空写真を使用して作成したデジタルマップを閲覧できます。また、資料や写真の一部はダウンロードできます。

 「写真でたどる被爆前の日常」では、被爆前後の長崎の日常を写した写真と、写真をもとに作成したスライド教材が出ています。現在でも写真はかなりの量がありますが、まだ追加される予定だそうですし、それをもとにしたスライド教材も増えるとのことです。

 「航空写真を活用したアーカイブ」は、1945年8月7日と9月7日に米軍が撮影した長崎市の航空写真121枚を繋ぎ合わせて作成したオンラインマップで、被爆前後の長崎の様子を比較しながら見ることができますので、被爆前はどのような街並みだったのか、そして原爆によってどのように破壊されたのかがわかるようになっています。生き残った被爆者の方の「何もかもが無くなった浦上に、ポツンとコンクリートの建物だけが立っていた」という証言を表現するために、爆心地周辺の浦上エリアにおいて全壊を免れた、大きなコンクリートの建物の被爆後の姿を3Dで作成するなど、当時の情景を追体験できるようになっています。またVRモードが用意されていて、より立体的に体感できます。なお、今年度には広島版の作成も予定されているとのことです。

 動画「写真は語りかける」は、長崎への修学旅行や被爆体験講和の事前学習など、学校現場で使用する教材動画として作成されていて、大学生1・2年生を想定した90分授業での活用例が用意されていますが、もちろん中高生でも教材として利用できます。

 このように、かなり学校教材として活用できるものとなっていますので、まずは先生方がじっくり読み込んで、活用の仕方を考えてみるのが良いでしょう。

2023/04/14

北海道図書館振興協議会の『資料を護り、未来の利用者へ残すために』、勉強になります。

 北海道図書館振興協議会による報告書『資料を護り、未来の利用者へ残すために』が刊行されて、北海道立図書館のホームページで公開されています。報告書のテーマは「資料の共同保存と除籍」です。

 目次は、以下の通りです。

はじめに

第1章 社会的背景と現状

第2章 全国の状況 

第3章 先行事例

第4章 アンケート調査結果

第5章 考察、おわりに

資料編(目次~参考収集基準・除籍基準等)

アンケート調査票、調査研究チーム設置要項、奥付 

 資料の収蔵スペースの問題は、全国の図書館で課題となっています。理想を言えば、除籍した資料もすべて保存できるなら保存したいわけですが、そうもいかないため、複数の図書館での「除籍資料の共同保存」という考え方が出てきたわけです。本報告書では、先行事例として「多摩デポジット・ライブラリー」、「あいちラストワン・プロジェクト」、「滋賀県立図書館の資料保存センター」、「京都府域図書館」、「北見地域図書館ネットワーク」が取り上げられていますが、それぞれ特徴のある興味深い事例です。報告書にも出ていますが、共同保存においては、どのようにして地域内最後の一冊になっているかを確認するかと、確認後にどのように保存していくかが重要になってきます。これらのことは、すぐにできるものではありませんが、まずは地域内での情報共有から始めるということが第一でしょう。

 このようなことは、できればもっと広い範囲を対象に、理想的には全国レベルでやっていくのが一番良いと思います。最近、国立国会図書館が「個人向けデジタル化資料送信サービス」を開始して非常に便利になったわけですが、資料をデジタル化すれば、ネット環境さえあれば遠隔地でも資料の閲覧が可能になるので、日常的な利用はデジタル化資料を使い、国立国会図書館が中心となった全国ネットワークで共同保存に取り組めば、全国で平均的に資料の保存を行うことで、特定の館で収蔵スペースが不足するという事態は解消されるのではないでしょうか。 

2023/04/13

ウチもタブレット端末が、予想外の出費でした。

  4月12日の中日新聞デジタル静岡版に、「タブレット購入費痛い 高校入学、事前説明なく」という記事が出ています。

 我が家でも、今年高校に入学した子どもがいるのですが、Chromebookの購入があって、確かにその分の出費は痛かったです。購入申し込みはしたのですが、制服もかなりの額でしたし、諸々あって結構出費は多かったのですが、それにプラスしてChromebookが5万円以上もしたわけです。

 もともとの端末の値段はおそらく3~3.5万程度のはずなのですが、学校で使用する設定をするためとかで、それに2万円ちかく上乗せさせているって、何にそんなにかかっているのかなぁ。設定なんて、学校ならば正直言ってそんなに複雑なことはしないでしょうから(たぶん学校wifiの接続とか、Google classroomの登録とか、その程度なのではと思うのですが)、業者が手間賃と称して儲けているんでしょう。

 ベースとしている端末はどこもそれほど変わらないと思うのですが(メモリ4GB、ストレージが64GB、10~13インチ程度の液晶サイズが多いと思います)、聞いたところによると、7万近くのところもあるようです(iPadは高いかもしれません)。入札で決めているはずなのに、入札のメリットが活きていないですね。おそらく、全国的に同じような状況ではあると思いますが、いったいどうなっているのでしょうか。

 「卒業後も活用してもらうため」と記事にはありますが、高校卒業したら、ちゃんとしたパソコンでしょ!あるいは、今の端末よりももっとスペックの良いものに変えるはずで、この端末は高校3年間だけでしょうね。

2023/04/12

「しながわデジタルライブラリー」が公開になっています。

 東京都品川区が、専用ウェブサイトで「しながわデジタルライブラリー」を公開しています。

 1970年代に作成された『品川区史』、戦前の『品川町史』、『大崎町誌』、『大崎町郷土教育資料』、『大井町史』、『荏原町誌』などがアップされています。特に『品川区史』通史編 上・下巻、『品川の歴史』は、フルテキスト化されています。

 また、1947(昭和22)年10月30日の『品川區政ニュース』が第1号から出ていますし、1985(昭和60)年7月20の『かわら版 品川宿』も創刊号からあります。

 このほかに、東京都指定無形民俗文化財の「品川拍子 品川神社の太太神楽~猿田の舞~」などの伝統芸能などの映像資料、浮世絵、品川区の統計資料なども掲載されており、地域資料が充実したデジタルライブラリーとなっています。

 理想を言えば、浮世絵はもっと公開して欲しいですね。映像資料も過去の映像がもう少し欲しいですが、品川あたりは急速にいろいろなものが変化するわけですから、現在の様子を克明に記録した映像があると良いのではないかと思いますので、今後さらに充実してくれることを期待したいですね。

2023/04/11

サッカーでのヘディング、やばいじゃん!

 4月9日の朝日新聞デジタルに、「サッカー選手、認知症リスク1.6倍 ヘディング影響?キーパーと差」という記事が出ています。

 トップレベルの男性サッカー選手は、一般男性に比べて認知症を発症するリスクが1.6倍に高まっており、ヘディングなどで頭部に衝撃を繰り返し受けることが影響している可能性があるということが、スウェーデン・カロリンスカ研究所の研究で分かったとのことです。

 この研究成果は、週刊総合医学雑誌”The Lancet Public Health”に掲載された”Neurodegenerative disease among male elite football (soccer) players in Sweden: a cohort study”という論文にまとめられ、今回の記事はこの論文が元ネタです。

 「繰り返しヘディングをすることによる頭部への衝撃が、サッカー選手の認知症リスクを高めている可能性がある」という研究結果は、激しくヘディングするシーンなどを見ていて、なんとなく「あれって、頭に何か影響はないのかなぁ?」と思っていた人も多かったろうと思いますが、「あぁ、やっぱりまずかったんだね」と納得すると同時に、恐ろしい結果です。この研究結果が広まれば、サッカー人口、減るんじゃないでしょうか?

2023/04/10

「昭和館デジタルアーカイブ」は、かなり使えます。

 「昭和館デジタルアーカイブ」が公開されています。

 昭和館は、厚生労働省社会・援護局所管の国立博物館ですが、日本遺族会が運営を受託していて、国民が経験した戦中、戦後(昭和10年~30年頃まで)の国民生活上の労苦を後世代の人々に伝えていくことを目的としている博物館です。

 今や、昭和10年~30年頃までの出来事について、小中高生あたりが直接経験した人の話を聞ける機会はあまり多くありません。現場にいる教員も、それを語れる年代ではありませんから、「昭和館デジタルアーカイブ」の209件ある「オーラスヒストリー」の映像資料は、非常に有意義です。

 また、映像資料も2,596件もあり、特にアメリカ国立公文書館(NARA)から提供された1945~46年の映像は貴重で、なかでも広島、長崎や各地の空襲を受けた主要都市の映像は、今日のウクライナの惨状と並び、戦争が人びとの暮らしをいかに破壊するかを、強く実感させてくれる重要な記録です。

 「昭和館デジタルアーカイブ」を利用できるようになったことで、下手な道徳の教科書よりも、子どもたちに考えさせることができる教材が簡単に手に入ります。

2023/04/09

何事も行き過ぎると、それを規制する必要が出てくるものです。「ChatGPT」は、その典型例ですね。

  4月6日の朝日新聞デジタルに、「学校でのChatGPT 活用と注意点の指針、文科省策定へ」という記事が出ています。

 イタリアのデータ保護当局が「ChatGPT」の使用を一時禁止し、欧州の他の国でも追随する可能性が出てくるなかで、国内でも3月8日付け朝日新聞デジタルで、岐阜県議会の一般質問でも取り上げられた記事が出ていましたが、文部科学省も、「学校現場での活用方法や注意点をまとめた指針を作る方針を固めた」ということです。

 「一律に禁止したり活用を求めたりはせず、チャットGPTの回答を批判的に捉えたり、子どもが自身の考えを深めたりする道具としての使い方のほか、使用にあたっての留意点を示す」とのことです。何でも使い方次第ではあるのですが、一見便利でも、一歩間違えれば完全にコントロールできなくなる可能性があるようなものに対しては、何らかの指針を示さないと制御不能に陥る場面が必ず出てきます。

 「ChatGPT」みたいなものは、SFかアニメの世界の話だと思っていましたが、それがいざ現実になると、それがどのような影響をもたらすのか、想像が追い付かないですよね。良いのか悪いのか分からないというのが現実ですが、何事も行き過ぎるのは危険ですから、それを規制する必要はあると思いますので、文科省がどのような指針を出すのか、注目したいと思います。

2023/04/08

滋賀県立公文書館の「公文書館所蔵資料を用いた学習指導案集」、すごく参考になります。史料を替えれば、他の地域でも使えそう。

  昨年9月に滋賀県が誕生して150年を迎えた記念事業として、県内小中学校・高等学校の協力を得て作成した「公文書館所蔵資料を用いた学習指導案集」が、2023年3月31日刊行の滋賀県立公文書館情報紙滋賀のアーカイブズ第13号として刊行されています。

 ただ、これには先行するものがあり、2022年3月31日付けの『滋賀のアーカイブズ』第12号には、「『歴史公文書が語る湖国』を用いた授業指導案」が掲載されていて、いわばこちらが「県政150周年記念特集」その1という感じのようです。また、これらは滋賀県立公文書館の学校連携事業とされていて、公文書館ホームページの学校連携のところにもアップされています。

 さらに、実はこの事業にも先行するものがあり、それが『歴史公文書が語る湖国』という、滋賀県立公文書館所蔵の特定歴史公文書等を利用した書籍です。さらにこの書籍は、明治150年特別展「湖国から見た明治維新」がきっかけで作成されたということですから、自分のところにある宝をとことん利用しているわけなのです(このあたりの詳細については、こちらに出ていました)。これはすごいですよ!

 静岡県でも、過去に『静岡県史』で集めた史料を活用する意味で、『資料に学ぶ静岡県の歴史』という小冊子や、「授業の種」という『図説静岡県史』の画像資料をもとに作成した補助教材が作成されていますが(ともに、「静岡県歴史文化情報センター」のホームページにアップされています)、滋賀県立公文書館の規模ではないですね(滋賀県は専門の方がじっくり取り組まれているのに対して、静岡のは教員が片手間でやっているので、レベルの差が断然違います。やるなら、ちゃんと滋賀県みたいにやらないと)。

 滋賀県の学習指導案、静岡の史料に替えれば、利用できそうな気がします(まぁ、静岡県は近現代史料をきちんと集めていないので、替えられる史料があるかどうか分からないですけど)。

2023/04/07

「静岡県デジタル地震防災センター」が開設されています。

 インターネットで、「静岡県地震防災センター」の館内を疑似見学できる「3Dウォークスルー」と、災害を疑似体験できる「災害VR」の2つが用意されています。

 「静岡県地震防災センター」は、2020年6月にリニューアルされていますので、それ以前に行ったことがあるという人でも、展示が新しいくなっていますので、「3Dウォークスルー」でもう一度見てみると良いとも思います。スイスイ動きますし、パネル解説や動画もスムーズに見れます。

 また、「災害VR」は、VRゴーグルをつけて見るもので、「地震VR」、「津波VR」、「風水害VR」の3種類があり、大人視点と子供視点があって、視点の高さが違います。特に「津波VR」はかなりリアルなので、VRゴーグルをつけるとかなり怖いです。むしろVRゴーグルなしで良いかもしれません。

2023/04/06

ウェブサイト「フィルムは記録する―国立映画アーカイブ歴史映像ポータル―」が開設されました。

 国立映画アーカイブが、国立情報学研究所(NII)と共同で、ウェブサイト「フィルムは記録する―国立映画アーカイブ歴史映像ポータル―」を開設しました。

 このウェブサイトは、国立映画アーカイブが所蔵する文化・記録映画など映画作品を配信するWEBサイトで、日露戦争の記録を初め、文部省が推進した科学やスポーツ、観光などを扱う教育映画、行政や企業による産業や地方振興のPR映画、皇室行事や軍事演習の記録など87作品が、初回分として公開されました。

 全文検索やジャンル、撮影場所(都道府県)、年代による絞り込み機能を備えており、またそれぞれの映像作品のページには、作品や素材に関する詳細情報が掲載され、参考文献のリンクが貼られているものもあります。作品は日露戦争の記録を除けば1920~30年代が主ですが、一部カラーの作品もあります。

 今後も随時公開作品を増やしていく予定とのことですが、学校の教材としてうってつけです。動画ですから、子どもたちにとっては、写真よりも多くの発見があることでしょう。 

2023/04/05

「頑張る」って言葉って、難しくないですか?

  4月4日の朝日新聞デジタルに、「環境激変の新学期「がんばる子こそ注意必要」 大人が気をつけること」という記事が出ています。

 いつも思っているのですが、激励の意味で「頑張れ!」とか、何かをするさいに「頑張ります‼」とか、「頑張る」って言葉をよく使いますが、この言葉って、なかなか難しくないですか?

 人によって、「頑張る」基準というか、レベルが違うので、本人は一生懸命「頑張っている」のに、他の人から見れば「頑張っている」とは言えないとか、本人が「頑張っている」のを、あえて他の人に見えないようにしているとか(頑張っているのを人に見られるのが、カッコ悪いというのが若者の間に広まっているような…)。病気の人に向かって「頑張ってね」というシチュエーションがありますが、本人が頑張りたくても頑張れない場合などは、悲しいですよね。

 この記事の、本人に「しっかり登校し、他者と積極的に交流する」といった理想のイメージがあって、それに沿おうと頑張っている、あるいは頑張ろうとする子は注意が必要だというのも、本人が頑張っているのに結果が出ない場合も多く想定されるので、いずれ疲れてしまい、心身の不調につながりかねないということなわけです。特に最近の若者は、「空気を読み合う」ことにたけているので、より疲れてしまうことになるのでしょう。

 「まだ感染への懸念がありますし、リアルで生身の自分が受け入れられるかという不安や、マスクをしなくなることで自分を覆い隠すものなしで他者と相対する怖さもある」なかで、「リアルな交流への不安があること自体は自然なことで、人間関係の葛藤も、成長する貴重な機会」だとは言え、そんなに「頑張る」必要はないのでは?などとおじさんは思うのです。

 TA(Transactional Analysis、日本では交流分析と呼ぶことが多い)の創始者であるエリック・バーンの言葉に、「他人と過去は変えられない、自分と未来は変えられる」という名言があります。人との関係は自分ではコントロールできません。だから、そこを気にしすぎてもあまり意味がないことです。新学期を迎える子どもたちに、大人から「頑張って」という声掛けをする際には、注意したほうが良いのではないかと思います(自分は、「頑張れ」はあまり使いません)。

2023/04/04

舎人親王の邸宅跡であることを示す、直接的な遺物は出ていないようですね。

  4月3日、各メディアで報道された、奈良市の平城京跡の発掘調査で見つかった奈良時代前期の大型掘立柱建物跡ですが、

1.調査付近が現在の市役所近くで、平城京の区画だと「左京三条三坊」という当時の「一等地」であり、

2.4町分を利用した宅地の中心建物と推定され、最も大きいと推定される建物は、推定で東西約20メートル、南北は10メートル以上で、柱を立てるために掘った方形の穴も、一辺1・5メートルと巨大である、

3.官窯で焼かれた710年代中頃~720年代頃の瓦も多く出土し、この時期に広い宅地を持てる高位の人物で、邸宅跡が判明していないのは、天武天皇の第3皇子、舎人親王だけ、

ということから、長屋王とともに皇親勢力として権勢を振るった舎人親王の邸宅跡の可能性が高いということで発表されたのですが、名前を記した木簡が出土した長屋王のように、居住者が分かる遺物は出土していないので、ひたすら可能性は高いと考えられながらも、断定はできないことが残念ですね。

2023/04/03

磐田市で、徳川家康ゆかりの古跡に関係した御朱印が、3つもできました。

 4月2日の中日新聞デジタル静岡版で、「社山城、城之崎城、中泉御殿の3古跡御朱印 磐田駅前で販売」という記事が出ています。

 磐田市市内の徳川家康ゆかりの社山城城之崎城中泉御殿の三古跡の御朱印ができて、4月1日からJR磐田駅前の観光案内所で販売されるようになったとのことです。

 社山城は、武田氏と徳川家康の二俣城をめぐる争いに関連して記録に登場しており、城之崎城は、遠江を支配下に置いた家康が、遠江の中心地であった見付に新しい城を築くこうと築城しかけましたが、武田氏との戦いを想定した時に不利であるとして築城を断念し、浜松へ移したとされています。

 また、御殿とは将軍の旅行や外出の際の宿泊・休憩施設として全国に90箇所ほど設けられた施設で、中泉御殿は家康がタカ狩りなどで21回訪れていて、敷地は約1万坪と伝えられ、絵図等によると、敷地の北側に土塁と水堀を築き、南側は湿地に臨む要害の地でした。

 なお、御朱印を3枚とも購入した人は、御朱印を貼る古跡巡帳がもらえるようです。

2023/04/02

遠江国分寺は、なんで「木装基壇」なんだろう?

 3月31日の中日新聞デジタル静岡版に、「「木装基檀」復元は全国初 磐田の遠江国分寺跡」という記事が出ています。

 全国初の講堂の「木装基壇」復元ということですが、「木装基壇」とは、土を叩き締めて地面より高く盛った土台の周りを、土が崩れないよう柱と板で囲ったもののことで、簡単にいってしまえば、いわゆる土留ということですが、そもそも国分寺の基壇が「木装」なのは、三河国分寺で確認されているのみです。まぁ、木なので残りにくく、なかなか確認できないということもあるのですが、一般的には石や瓦を使うことが多い中で、木を使っているというのは珍しい事例です。しかも遠江国分寺は、金堂や塔をはじめとした主要な建物が「木装基壇」であり、さらに木製柱の灯籠跡や木製の暗渠排水路も確認されています。

 記事の中で、何故「木装基壇」なのかについて、「石が採れず木が使われた可能性がある」とされていますが、金堂や七重塔の柱を支える礎石には、市北部の敷地地域産とみられる粗粒砂岩が使われていることがわかっているので、石が採れなかったということはないと思われ、また遠江国分寺で使用されている瓦を供給した掛川市(旧大須賀町)清ヶ谷古窯群には、一般的には瓦や石などとともに基壇外装に使われる塼(せん)と呼ばれるレンガ状のブロックがあることから、遠江国分寺は石の代わりではなく、意図的に「木装」にしたのではないかと考えられます。

 主要な建物や灯籠などで木材が利用されているという点では、統一感があって見た目が美しいと想像されますが、何故あえて「木装」なのか、何の効果をねらっているのか、疑問です。

 ちなみに、4月1日に「史跡指定100周年 遠江国分寺跡 講堂・僧房 木装基壇完成記念見学会」が開催されました。

2023/04/01

「和菓子屋」や「村祭り」、「姫路城」などの題材で、小学生の「郷土愛」って深まるのでしょうか?

  3月30日の朝日新聞社説は、「道徳の教科書 窮屈な検定姿勢改めよ」というものです。

 小学校の道徳の教科書検定で、「伝統と文化の尊重、国や郷土を愛する態度」の要素が足りないとする指摘がに対して、郷土愛にまつわる部分に「国」や「日本」という言葉を追加するなどして合格した教科書が多いとのことですが、社説の指摘のように、確かにあんこ屋などに無理やり「日本」を押し込んだように見えますが、それは大人の目線で見ればの話で、おそらく小学生にとってはそれほどしっかりと読み取れず、それほど違和感を感じないのではないかと思われます。逆にそれが問題なのですが、今回はとりあえず置いといて、そのような題材で、果たして今の子どもの「郷土愛」が深まるのでしょうか?何をよって「郷土愛」が深まるのかは分かりませんが、現代の子どもが「和菓子屋」や「村祭り」、「姫路城」などで「郷土愛」って深まるものなのでしょうか?

 「日本はすごい」などを感じさせる題材ならば、戦前の軍国少年のような「郷土愛」を持つようになるかもしれませんが、和菓子の良さが分かるようにならなければ、「和菓子屋」で「郷土愛」が深まるってことはないのではないかと思いますが…。