PISAの教育政策に関するリサーチノート “Pisa in Focus”の118号に、“Does the digital world open up an increasing divide in access to print books?”が掲載されています。和訳すれば、「デジタルの世界は、印刷された本へのアクセスの格差を拡大していますか?」となりますが、内容は2000年から2018年における生徒の読書状況に関するもので、家庭で所蔵する本の冊数や読書冊数、読書の媒体等について、生徒の社会経済的条件を踏まえた分析です。読書は過去20年間で紙からスクリーンに変わってきており、これが社会経済的に有利な学生と不利な学生の間で、どのような差があるのか、あるいはないのかについてまとめられています。
この分析のまとめとしては、タイトルにもありますが、PISA 2018の結果は、社会経済的に不利な立場にある学生がデジタルリソースへのアクセスに関して追いついている一方で、自宅での紙の本のような文化資本へのアクセスが減少し、社会経済的ギャップが過去20年間続いているということです。
「デジタルリソースへのアクセスの差はあまりない」ということは、それだけインターネット環境の整備が進んで、金額的にも無理のないものになってきているということを示しているわけですが、確かに日本においてもコロナの関係で、一気に学校において一人一台端末の整備が進み、家庭でもそれに対応せざるをえなくなり、wifi環境等の導入が進んでいるようであり、家庭でのデジタルリソースへのアクセス状況はかなり向上したように思われます。できないよりはできたほうが良いわけですが、デジタルが万能なわけではないですし、教育においてはデジタルのデメリットも指摘されているので、文化資本へのアクセスが減少していることの影響が、社会経済的に有利な学生と不利な学生とでどのような差になるのか注目すべき点だと思います。
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