続・人間老いやすく、学成りがたし: これは「トーチカ」ではありません。

2021/08/07

これは「トーチカ」ではありません。

  今日8月7日の中日新聞に、「戦争遺構、平和願う 御前崎の旧陸軍「トーチカ」に説明板」という見出し記事が出ていました。

 御前崎市池新田に現存する、旧東京第一陸軍造兵廠遠江射場発射指令所兼被害所(観的所)を、地元の方たちが整備して、保存しようとされているというものですが、記事にある「トーチカ」の表現が気になったので、少しコメントしておきます。

 池新田の遺構は、記事にもある通り、大砲などの発射実験で着弾した砲弾の威力を観測するための施設で、トーチカではありません。本来のトーチカとは、鉄筋コンクリート製で、「一般に円形や方形などの単純な外形で、全長が数メートルから十数メートル程度、銃眼となる開口部を除いて壁でよく保護された防御施設」で、「正面を向いた銃眼以外にはほとんど穴が空いて」おらず、むしろ「視察観測が不能となる死角が多く生じる」ものですから、池新田にあるものとは、形状も使用目的も全く違います。

 ただ、全国各地で戦争遺構が無くなっているのが現実です。このようなコンクリート製の建物はなんだかわからなければ、正直言ってただ邪魔になるだけですから、それを保存し、戦争遺構として残していこうということは、とても大切なことです。今回のこともとても良いことだと思いますし、もしかすると地元では「トーチカ」と呼びならわしているのかもしれませんが、仮にそうだとしても、後世に伝えようとするのならばなおさら、説明看板には正確な情報を記載していただきたい。

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