続・人間老いやすく、学成りがたし: 10月 2021

2021/10/31

ハロウィーンって、なじみがないんですよね。

  今日10月31日は「ハロウィーン」なので、ニュースを見ると、一昨日の金曜日の夜には、東京渋谷などは仮装した若者がいたり、昨日には県内でもハロウィーンにちなんだイベントが各地で行われていたようです。Googleのトップページもハロウィーン仕様ですね。

 我が家でも高校生の子は、昨日ハロウィーンのイベントに出かけていましたが、私にはどうもハロウィーンって、なじみがないんですよね。思えば、上の子が幼稚園だったころに、幼稚園でハロウィーンをやっていたようですので、子どもたちにとっては年中イベントの1つとして定着しているようです。楽しみ方を見ると、メインは仮装を楽しむもののようですので、基本的には若者のイベントってことなんでしょうけど、ハロウィーンって、いつごろから日本でもやるようになったんでしょうか?

 この手の年中イベントは、子どものころに経験しないと、なじみを感じないようですね。私などの世代では、1年でもっとも大きなイベントはクリスマスではないかと思います。これはおそらく現在でも日本で一番なじみのあるイベントだろうと思いますが、クリスマスは老いも若きも、何らかの形でかかわり、楽しむことができるイベントですが、それに比べるとハロウィーンはやはり若者中心のイメージですが、ハロウィーンになじみを感じている若い世代がもう少し年齢を重ねるころには、楽しむ世代が広がるのかなぁと、興味があります。

 

2021/10/30

『都田白昭満州開拓村物語』が刊行されました。

  中国東北部の旧満州からの引き揚げ者が開拓した浜松市北区都田白昭(はくしょう)の歴史を伝える「白昭の歴史を語る会」が、『都田白昭満州開拓村物語』を刊行したとの記事が、10月14日付けの中日新聞に出ています。また、昨日10月29日に浜松市長に書籍の刊行を報告したようです。

 静岡県下では単独・混成・義勇開拓団など、さまざまな形態による旧満州開拓団が編成されています。浜松開拓団は、昭和 17 年 3 月 10 日に移住しましたが、大戦中の統制経済導入により職業を失った小売商・会社員・職人などが多数を占めたことにより、営農経験のない都市商業者を中心にして編成が行われた転業開拓団 です。

 旧満州で終戦を迎えた浜松開拓団は、新京(長春)で約 1 年間の難民生活を経験し、日本へ帰国したのは、昭和 21 年の 8 月下旬から 9 月上旬にかけてで、大戦中までは軍用地として使用されていた白昭に、経済的およびその他の理由で市街地で生活することのできなかった団員が、旧満州開拓での経験を活かして集団で入植したものです。

 令和になり、昭和はますます遠い時代になりました。戦争経験者も本当に少なくなり、満州の開拓などに関しても、経験者が少なくなってしまっていますので、直接の経験者の証言をもとに編集されたこのような書籍は大変重要です。戦争やそれに関連することは、日本の歴史において、純粋に大変大きな出来事であったわけですから、戦争自体の評価はともかく、戦争とそれに関連する歴史について知ることは、日本人として必要なことです。さらに白昭は、戦後開拓の歴史を語る場所ですから、『都田白昭満州開拓村物語』の刊行は、大変意味のあることだと思います。

2021/10/29

日本民族学協会附属民族学博物館(保谷民博)人物/資料データベース

  10月21日に、国立民族学博物館から「日本民族学協会附属民族学博物館(保谷民博)人物/資料データベース」が公開されました。

 今回公開されたデータベースの資料は、民博で「保谷民博コレクション」と呼ばれているとのことです。このコレクションは、1975年に国文学研究資料館史料館から受けいれた約2万1000点の標本資料で、今話題の渋沢栄一の孫である渋沢敬三らが1910年代に集めはじめ、渋沢が主宰するアチックミューゼアム(神奈川大学日本常民文化研究所の前身)や、日本民族学会(のちの日本民族学協会、現在日本文化人類学会)などの団体の手に渡るなかで成長していったもので、コレクションが最終的なかたちになった日本民族学協会の時代に、その附属博物館が保谷市(現在西東京市)にあったとのことで、こう呼んでいるそうです。

 このデータベースは、保谷民博コレクションに含まれる標本資料と、それらを収集した人物から検索できるようになっていますが、個人的には人物から検索した方が使いやすいと思います。人物一覧を見ると、私でも知っているような、かなり有名どころの名前が散見されます。あ行の方から見て、目についた人物を上げると、石黒忠篤、伊波普猷、上原専禄、江上波夫、折口信夫など。こう見ていると、民族資料よりは人物検索の方がおもしろくなってしまいそうです。でも、人物紹介が意外と充実しているので、民博側もそういう向きの利用も想定しているのではないかと思われますので、私のような利用もOKだと思います。

2021/10/28

近代教科書デジタルアーカイブ

  10月19日に、国立教育政策研究所教育図書館の「近代教科書デジタルアーカイブ」に、「教師用国定教科書」と、第二次世界大戦終戦(昭和20年8月)後、昭和21年度に使用された「暫定教科書」、昭和22年度以降戦後検定教科書開始までに使用された「文部省著作教科書」など、約1,500冊の本文画像が追加されたと発表されています。

 「近代教科書デジタルアーカイブ」には既に、明治検定制度以前の「明治初年教科書」、1886年5月「教科用図書検定条例」以降の「明治検定教科書」、1903年4月「小学校令」の改正より始まった教科書国定制度による「国定教科書」、「旧制中学校教科書」「高等女学校教科書」のPDFがアップされています。

 今回追加された「教師用国定教科書」は、今日で言う「教師用指導書」なわけで、指導の目的や指導内容が注書きされ、備考として解説が付けられています。「暫定教科書」にも教師用があり、こちらはかなり詳細に、教育の目的、指導方針、指導法が示されています。それまでの価値観が180度変わった状態の中で、教育の使命は非常に大きかったことは想像できますが、教師用の「暫定教科書」を使って授業をやるとなると、かなりきっちり読み込まないと授業ができないのではないかと思うほど詳細です。

 話が代わりますが、「旧制中学校教科書」って案外難しいです。旧制中学校は今日の高校ですが、歴史は、日本史、東洋史、西洋史と3つですし、地理も日本地理、世界地理、郷土地理があります。「高等女学校教科書」は中等学校と言っても、中学校の教科書よりは簡便な感じです。歴史で言えば、高等女学校がA科目、中学校がB科目と言ったイメージのように思います。

 中学校の教科書で時代性を感じるのが、「軍事科学」とか、「支那語」があるところですね。「軍事科学」って、どこの中学校でも普通に授業が行われていたのでしょうか?大学時代、特に深く考えずに第二外国語を中国語にして、大いに後悔した経験のある者としては、中学校、現在の高校相当で英語以外に中国語をやるなんて…と思ってしまいましたが、みなさん、あの四声や軽声をうまく発音できたんでしょうか?

2021/10/27

高知こどもの図書館、クラウドファンディングを実施中!

  10月16日、高知こどもの図書館が「「行けなくても訪ねられる図書館! 子どもの本の世界を拓くWebサイト」クラウドファンディング挑戦中!」と発表しています(クラウドファンディングの応募先はこちら)。

 「毎日見たくなる図書館の子ども向けのサイトをつくる」ことを目的に、「発見や楽しさがあるウェブサイトをイメージしています。 」ということで、具体的には、以下の視点を含めて制作する計画だそうです。

・「図書館で過す=遊ぶ」「読む=心躍らせる」体験のドアを子どもたちに届ける。

・司書を配置した児童書専門図書館として、きめ細やかな児童サービスをウェブ上で提供する。

・誰にもやさしく、わかりやすいウェブサイトにする。

・こどもの図書館の対象者(保護者、こども、こどもの本に関わる大人)をきちんと意識して、コンテンツを厳選する。

・高知県下広域にくまなく情報を届け、出張講座等で対面のサービスを補完する。 

 高知県のことですが、ここで取り上げようと思ったのは、「今回のリニューアルで得られたノウハウを積極的に発信・公開することで、日本中の図書館や協働団体に成果を還元・共有します。」という言葉があったからです。静岡県立中央図書館にも、「子どもの読書活動推進のため、研究用として多くの子ども図書や参考図書を収集し、「子どもと本とを結ぶ活動」に関わる方々を支援し、子どもの読書活動推進に関する情報の収集・発信、情報交換・交流の場の提供」を行う、「子ども図書研究室」があるので、確かに高知こどもの図書館の知見は利用できると思ったからです。

 今回のコロナ禍により、図書館を始め様々な施設で非来館者向け(来館不要)のサービスの充実が図られています。特に「一人一台端末」の実施により、子ども向けのコンテンツやサービスが急がれていますから、高知こどもの図書館の挑戦は今まさに必要なことです。12月11日まで、とのことですが、一番安いのが3,000円ですから、単に応援しようと思うだけでもこの金額ならと思いますし、ノウハウを還元してもらうと考えれば、安いのではないでしょうか。


2021/10/26

唐古・鍵 考古学ミュージアム、日本初のNFT博物館へ!

  10月25日、株式会社H.S.Pが唐古・鍵遺跡の考古資料の1921点の重要文化財をNFT化するとプレスリリースしています(概要はこちら)。

 「NFT」とは、「Non-Fungible Token:非代替性トークン」のことで、「偽造不可な鑑定書・所有証明書付きのデジタルデータ」です。ブロックチェーンを活用することで、これまでコピーが容易であったデジタルデータに対し、唯一無二な資産的価値を付与する技術で、近年、デジタル絵画が非常に高値で取引されるなどして話題になっているものです。

 デジタル絵画は、正直言っていまいちよくわかりませんが、「NFT鳴門美術館」の文化財バージョンが今回の企画であると考えれば、なんとなくわかると思います。

 NFTは、「唯一無二ということを証明できる技術」ですので、電子化の方向に向かっている公文書などに利用できると考えています。公文書の電子化は国をあげて進められており、地方もそれに追従する動きが見受けられますが、原本性と保存性がネックになっていると思われます。近年は電子メールが裁判などの証拠資料とされるようになっていますが、文書はデジタルでは原本性が担保されず、あくまでも紙でないと証拠資料としては利用できないのとの認識があるわけですが、この技術を使えばおそらくそれをクリアできると思われます。

 あらゆるものが電子化されることに対しては、必ずしも100パーセント賛成できませんが、電子化されたものは利便性が良いことは事実ですので、うまく使い分ければ、今までよりも便利になる部分は必ずあります。その匙加減が難しいですが、NFTのような技術が普及することで、その利用方法が検討され、もっと広がっていくことは、おそらく良いことなのではないかと思います。

2021/10/25

ブラックが6色も!「エナージェルブラックカラーズコレクション」

  昨日10月24日に、子どもがノートが欲しいと言うので、文房具屋に行ったら、見ちゃったんです、ぺんてるの「エナージェル ブラックカラーズコレクション」を。10月13日から全国発売が始まったばかりのようですが、いきつけの文房具屋は、県内でもちょっと名の知れた有名店ですので、新製品の展示も早いんです(ここが近いので、私の財布はいつも寂しいのです😅)

 エナージェルですから、そもそもペンとしてのポテンシャルは高いです。しかし、ブラックが6色あるって、どういうことって思いますよね。近年の万年筆ブームで、インクの種類も多くなりましたが、それがボールペンでも楽しめるのが、今回の「エナージェルブラックカラーズコレクション」といったところでしょうか。ブラック、クリムソンブラック、オリーブブラック、チャコールブラック、インディゴブラック、ボルドーブラックの6色ですが、ブルーブラックを日常的に愛用している自分としては、インディゴブラックは外せないですね。あと、オリーブブラックは、なんとなく往年のモンブランのレーシンググリーンっぽく見えるのは老眼の性でしょうか、個人的には好きです。

 ペン自体もオールブラックボディにマットな質感でカッコいいですよ。0.5mmと0.7mmがあって、1本税込み330円、6色セットが税込み1,980円です。ただ、正直言ってどれかを選ぶのは難しいですし、おまけに6色セットの紙ケースがこれまたいい感じなんで、結局6色セットをセレクトするはめになります😅

2021/10/24

東急電鉄が8500系電車を販売!

  今日10月24日のYahooニュース見て、びっくりしました。8500系が買える!!

  詳細は東急電鉄の10月15日付けのお知らせページにあります。

 販売価格は「車両1両」が176万円、「車両の先頭部分のカットモデル」が2,420万円、「運転台」が85万円です。また、販売価格の他に下記の費用が別途必要としています。

1.トレーラー等での輸送費用
2.設置場所での車両降ろし用クレーンチャーター費用
3.設置場所の整備費用(レール・枕木・砂利・屋根の設置など)
4.設置費用
5.組み立て費用(「運転台」をご購入の場合)
6.購入後、継続的に必要なメンテナンス費用

 合わせて、いくらになるのかわかりませんが、車両1両まるまる買えちゃうなんて!!もちろん買えませんが、でも欲しい!!!😍
 東急電鉄に限らず、首都圏の私鉄の電車は各会社で引退した後、地方のローカル線あたりか、海外に行って第二の人生を送ることがほとんどで、一般向けに売り出すことはかなり珍しいです。
 「8522号、8622号」の申し込みは10月20日で締め切られてしまっているようですが、「8530号、8630号」は11月20日まで受け付けているとのことです。また、10月20日現在、問い合わせを含めて、車両1両全体については8件、車両一部分カットについては2件、運転台に9件のメールが来ているということです。

 まぁ、車両の購入は無理でも、「車体側面のコルゲート部カットの販売」があるんですね。😤
①車体側面コルゲート部カット
・販売価格 55,000円(消費税等含む)
・販売数 300個
・8500系車両の車体側面のコルゲート部分を縦横約 30cm 程度でカットしたもの。
②特別記念セット
・販売85,00,000円(消費税等含む)
・販売数 50セット
・「車体側面コルゲート部カット」に車号板・製造所銘板をセットにし、座席シートの生地で梱包した特別セットとなります。(車号板の車号、製造所銘板の字体や年代などの指定はできません)
・WEB販売サイト「TOKYU STYLE」での販売となります。
 ・2期にわけて販売いたします
 第1期販売 2021年11月下旬予定
 第2期販売 2022年 1月下旬予定
 ※各期の販売数等は、準備ができ次第、「TOKYU STYLE」(tokyu.com)にてご案内いたします。

 車両に比べれば、なんとお安い!販売開始もこれからですし、これなら…。「車体側面コルゲート部カット」が55,000円かぁ…。車号板や製造所銘板、セットにしないで、バラで安く売ってくれれれば…。あぁ、やっぱりこっちも無理かぁ…😭

2021/10/23

藤枝市の田中城の「御城印」完成

  今日10月23日のYahooニュースに出ていましたので、紹介します。

 記事にもあるように「田中城は家康が鷹狩りの際に立ち寄った城として知られ」ていますが、「この田中城でタイの天ぷらを食べ、それがあたって亡くなった」という俗説は、良く知られていると思います。元和2年(1616年)1月21日、鷹狩に出て田中城に立ち寄り、夕食でタイの天ぷらを食べ(京都で流行っている料理だということで、茶屋四郎次郎が出したタイの天ぷらは、タイをごま油であげ、にんにくをすりかけたもので、衣はついていないようなので、今でいう唐揚げらしいのですが。)、その夜、腹痛と食あたりをおこしましたが、薬の服用により小康を得て、25日駿府城に帰っています。実際に亡くなったのは4月17日なので、食中毒が原因で亡くなったとしたら、時間が空きすぎています。現在では死因は胃がん説が主流となっています。

 御城印が販売される「田中城下屋敷」は、田中藩主・本多家の庭園であった別荘で、現在は本丸にあった物見櫓、茶室、仲間部屋・厩、長楽寺村郷蔵が移設されています。ここで、「田中城跡散策ガイド」が入手できます。「田中城下屋敷」は入場無料なので、立ち寄ってこのガイドを入手すると良いと思います。

 今回の「御城印」の企画は、来年創立150年の西益津小学校と、60周年を迎える藤枝ライオンズクラブによるものですが、この西益津小学校は田中城旧本丸跡にあります。ちなみに旧三の丸跡には西益津中学校が建っています。「円郭式」の縄張をした珍しい城である田中城跡は、周辺にいろいろと痕跡が残っているので城好きにとっては大変おもしろいと思います。ただ、本丸跡や三の丸跡をカメラを持ってウロウロしていると、怪しく思われるかもしれませんが😅 

 

2021/10/22

Amazonで紙書籍の出版が可能となる!

  10月20日、アマゾンジャパンが、個人著者がKindleストアで本を出版できるサービス「Kindle ダイレクト・パブリッシング」(KDP)において、電子書籍に加え紙の書籍での出版も選択可能となったことを発表しています(該当ページはこちら)。紙書籍での出版サービス自体は10月19日(火)より開始されているようです。

 マンガを含むすべてのジャンルの電子書籍と紙書籍を、初期費用なしで出版でき、注文に応じて印刷を行うので在庫を抱える必要がなく、さらに、著者は販売価格を自分で設定でき紙書籍で60%、電子書籍で最大70%のロイヤリティを受け取ることができるとのこと。ただし、印刷にかかるコストは、ロイヤリティから差し引かれるようですが。

 ついに、こういう時代が来ました!!従来からある自費出版とはまったく別物ですね。私も共著ならいくつか出していますが、自分の単著を出すなんて、夢のまた夢、もし出せるとしたら、それは宝くじに当たるよりも難しいと思ってましたが、ちゃんとコンテンツさえあれば(これが最大の問題ではありますが…)、単著を出せるわけです。まぁ、今までよりは単著を出すことの価値が下がることにはなるわけですが、自分の本を出すことが人生最大の夢だと思っていた、昭和生まれの人文社会系学徒にとっては、この上なく素晴らしいことなのです。これを励みに、もう一度書き物をすることができるかな?(もう徹夜はできませんが…)。

2021/10/21

「朝日地球会議2021」に、台湾デジタル担当政務委員のオードリー・タン氏登壇

  昨日10月20日、「朝日地球会議2021」の対談「台湾、デジタル、民主主義」に、台湾デジタル担当政務委員のオードリー・タン氏がリモートで登壇しました。今日21日にも再配信されましたが、先日ブログに書いたマイケル・サンデル教授の時と同じように、朝日新聞デジタルに紹介文とともに、動画を見ることができます(該当ページはこちら)。

 話の中で印象的だったのは、視聴者からの「政治には無関係だったのに、何故うまくいったのか」という質問に対して、「信頼しなければ信頼されない。伝統的な政治家ならば、私を信用してください、私はベストを知っていますからというが、私は逆で私は何も知らない、市民の方が良く知っている。市民に良いアイデアがあれば、あなたを信頼します。そしてそのアイデアを社会に役立つように育てていきます。私は人にインスピレーションを与える、詩人のような役割なんです。市民が自ら対策を考えることが絶対に失敗しないんです」と言っていることです。今、衆議院議員選挙期間中ですが、おそらく立候補者の中には、このような発想の持ち主はいないでしょう。まさにタン氏の言う「伝統的な政治家」だらけのように思われます。

 動画の中には選挙の話も出てきていて、「投票率が低くて、国民が選挙権を放棄しているような状態で、果たして民主主義とは何なのか」という質問が出てきているのですが、「場ということを強調します」、「民主的な参加をさせる」、「人々が理解することが大事」、「民主主義は投票行為だけではない、公共が何を望んでいるのか、社会的なことでこういうことを議論しようということがあれば、それが民主主義なんです」と言っています。現役の大臣がこのような発言をするという、我が国では考えられないことが実現していることが、台湾のコロナ対策がうまくいった要因だと思いますし、台湾が独立を維持できている要因なのだと感じます。

2021/10/20

高校「1人1台端末」、配備2割

  昨日10月19日付けの朝日新聞EduAに、「高校「1人1台端末」、配備2割で大丈夫? 小中学校は9割以上配備」というタイトルの記事が掲載されています。

 「来年4月までに整えないと、中学校で端末を使って学んできた生徒が、高校に進学した途端、紙と鉛筆の世界に戻ることになります。」と述べられていますが、別にそれでもいいのではないかと思うのですが。この記事の中にも出ていますが、小中学校は国の予算がついたので、「1人1台端末」が実現したのですが、高校は対象外だったので、まだ進んでいないわけです。ただ、学校での授業はデジタル一辺倒ではありません。「紙と鉛筆」が」基本であることは、「1人1台端末」が実現した小中学校でも同じことです。デジタル端末はあくまでも道具の一つに過ぎないわけです。もちろん徐々にデジタルの部分が増えていく可能性は高いですが、直ぐにすべてがそうなるわけではないわけですから、それほど急ぐ必要はありません。デジタル教科書やドリルの類が出てきてはいますが、コンテンツがまだ十分ではありません。

 この記事の中で、来年から高校で「情報Ⅰ」が必修になるので、端末整備の遅れや地域によるばらつきは影響しないかということを問題にしていますが、小中学校でもデジタル端末1人に1台行きわたりましたが、それが実際に活用できているかは別の問題ですから、端末整備の遅れや地域によるばらつきを問題するだけでは十分ではありません。10月11日のブログに書いたように、『全国学力・学習状況調査』の中の、「2020年4月以降の臨時休校中、家庭でのICT(情報通信技術)学習に際して支障となったことについての質問」で、家庭の通信環境(無線LAN等)の問題などが上がっていますから、実は端末を配備するだけではダメで、実は他にもいろいろと問題はあるわけです。おそらくすべてを一度に解決することはできないですが、いちおうメジャーなメディアで問題提起をするのならば、総点検したうえで書くべきですね。私と同じように感じている方は他にもいらっしゃることと思います。

2021/10/19

「”猪(しし)の満水”(令和元年東日本台風)災害デジタルアーカイブ 」公開

  長野県で、2019年10月に発生した台風災害について、信州大学との共同事業として、「"猪の満水"(令和元年東日本台風)災害デジタルアーカイブ」が公開されています。

  「猪(しし)の満水」って何だ?と思ったのですが、1742年(寛保2年)8月に千曲川と犀川流域で発生した大洪水である「戌(いぬ)の満水」、寛保2年が壬戌(みずのえいぬ)の年にあたるとのことでこのように呼ばれているそうなのですが、2019年が亥(いのしし)年であることから、「戌の満水」になぞらえて、「猪(しし)の満水」と呼称したそうです。

 千曲川流域では、平安時代前期の 888 年(仁和 4 年)5 月の「仁和大水災」をはじめ、数々の洪水が起きており、「戌の満水」は既往最大洪水であったといわれているそうで、信州地域史料アーカイブでは「寛保二年 戌の満水の史実を歩く」という映像コンテンツが作成されていて、現在でもその被害に関してはある程度認知されているようですので、「戌の満水」になぞらえるということになったようです。

 「”猪(しし)の満水”(令和元年東日本台風)災害デジタルアーカイブ 」では、「デジタルアーカイブマップ」、「写真アーカイブ」、「資料アーカイブ」、「災害アーカイブ展特設サイト」、「住民へのインタビュー動画」が公開されています。
 「デジタルアーカイブマップ」は、地図上の印をクリックすると、地点情報とともに災害状況の写真を見ることができるようになっています。「写真アーカイブ」には、災害調査、被災状況、救助・復旧の様子、復興の様子の写真が公開されています。「資料アーカイブ」には、災害発生時、復興、復旧の、行政の資料が公開されています。「住民へのインタビュー動画」には、災害発生、復旧、子育て世代、その他の各テーマでのインタビュー動画がアップされています。「写真アーカイブ」はかなり多くの写真があって充実しています。デジタル時代ならではですね。「資料アーカイブ」の資料は行政の資料だけなのですが、できれば民間資料も入れるべきだと思いますが、どうなるのでしょうか。「住民へのインタビュー動画」、これはいまいちですね。災害発生については2名の方のインタビューがあるのですが、それ以外は災害発生でお話されているお一人の方のインタビューだけです。写真の提供やインタビューの協力を呼び掛けていますが、体験者の生の声は大変貴重かつ重要ですので、これはもっとインタビューを行って欲しいですね。もっとインタビューを行えば、先ほどあげたテーマも、さらに充実していくことでしょう。

2021/10/18

「朝日地球会議2021」がオンラインで開催中

  国際シンポジウム「朝日地球会議2021」(朝日新聞社主催)が昨日10月17日からオンラインで開催されています。

 昨日17日は第1日目だったのですが、目玉は何と言っても、米ハーバード大のマイケル・サンデル教授と青山学院大の福岡伸一教授のパネル討論「ポストコロナ時代の人類と社会~いま考える『新しい知』」でしょう。今日18日も再配信されていましたが、朝日新聞デジタルでも、17日の紹介とともに、動画が公開されています(該当ページはこちら)。

 サンデル教授の話は、多少想像がつきましたが、最近出版された『実力も運のうち 能力主義は正義か?』に基づいたものですが、福岡教授とのやりとりは、というか福岡教授の話はかなり良かったです。

 第4日目の20日には、台湾政府のデジタル担当政務委員オードリー・タン氏が登場します。



2021/10/17

「登録無形文化財」制度について

   10月15日の重要文化財(美術工芸品)の指定答申と同時に、文化審議会では「登録無形文化財の登録及び保持団体の認定」の答申が行われ、登録無形文化財の認定が2件、保持団体が2団体となっています。この「登録無形文化財」は今年の6月14日に文化財保護法が一部改正されて新設された制度で、建築物等の有形文化財を「登録有形文化財」としているのと同じで、その無形文化財版といったものになり、今回初めての登録です。

 「書道」と「日本文化書道協会」、「伝統的酒造り」と「日本の伝統的なこうじ菌を使った酒造り技術の保存会」がそれぞれ登録答申されたわけですが、この手の無形文化財は他にもいろいろありますから、おそらくこれからいろいろと登録申請がされるものと想像されます。ただ、「日本文化書道協会」も「日本の伝統的なこうじ菌を使った酒造り技術の保存会」も今年度(令和3年度)になってから組織化されているのですが、これって「登録有形文化財」制度が、「技を有する個人についての認定」、「技を有する人たちを主たる構成員とした保持団体の認定」を行う制度だから、それに合わせてということなんでしょうか。

 勝手な想像ですが、「書道」は「ユネスコ無形文化遺産」への登録を目指して「日本書道ユネスコ登録推進協議会」が設立されていますから、ユネスコ登録への後押しとしての登録かなと思ったり、「伝統的酒造り」も近年日本酒が海外での評判が上々なうえ、「和食;日本人の伝統的な食文化」が「ユネスコ無形文化遺産」に登録されているので、その相方である日本酒もといった感じなのか、などと思ったりするのですが。

 「ユネスコ無形文化遺産」も、「世界遺産」が有形文化遺産を対象にしていることから、無形文化遺産についても国際的保護を推進するということで作られたわけですが、どちらも本来はグローバリゼーションの進展や社会の変容などに伴い、有形・無形文化遺産に衰退や消滅などの脅威がもたらされるとの認識から、有形・無形文化遺産の保護を目的としたもののはずなのですが、特に世界遺産は観光対象になっていて衰退や消滅などの脅威から保護しているようには見えません。確かに有形・無形文化遺産の保護にはお金がかかるのはわかるのですが、こういう制度に登録されてしまうとただ商業主義に走るだけになってしまうような気がして、本来の目的からずれていくように感じるのですが…。

2021/10/16

重要文化財(美術工芸品)に、キハ四二〇五五号気動車(キハ〇七形四一号気動車)指定答申

  10月15日、国の文化審議会で、重要文化財(美術工芸品)の指定の答申が出され、彫刻の部で3件、古文書の部で1件、歴史資料の部で3件が、有形文化財から重要文化財にと答申されました(具体的内容はこちら)。

 個人的には、九州鉄道記念館に保管されている1937年製造の「キハ四二〇五五号気動車(キハ〇七形四一号気動車)」ですね。何と言っても、この車両、「機械式」なんですよ、変速装置が。つまりクラッチで変速するんですね。流線型の車体もいいですね。

 同形の気動車は計62両造られたそうですが、旧国鉄系で原形が現存するのはこの車両のみです。気動車が重文指定されるのは初めてとのことですが、遅いくらいですよ。毎日新聞で見たのですが、この車両、現在屋外展示のため、潮風で腐食しないよう、同館の宇都宮照信副館長が2日に1回、車体に油を塗っているんだそうです。だからこそ、維持できていたわけです。もしこの副館長さんがメンテナンスをしてなければ、とっくにダメになってしまっていたはずです。ただ、この副館長さんも71歳とのことですから、重文指定を期に、屋内に移動させるか、逆に現在の場所をしっかり囲むかして、この状態を維持できるようにしないと。

 同時に答申されたリニア・鉄道館で保管されている「鉄道省営乗合自動車」も、クラシックな外観がたまらないですね。1930年に鉄道省が初めて岡崎(愛知県)~多治見(岐阜県)間に運行した「国鉄バス」です。最初に導入された7両のうち現存する唯一の車両とのことで、現いすゞ自動車株式会社の前身である東京瓦斯電気工業株式会社が製造したものです。

 キハ07形41号気動車といい、国鉄バスといい、やはり戦前の車両は全体的に丸みがあり、愛嬌のあるイメージで、スリスリしたい!

2021/10/15

牧之原市の「牧之原市IC北側地区整備事業」に関する懸念

  衆議院が解散され、今月19日告示、31日投開票となりましたが、静岡県ではその一週間前の24日に参議院補欠選挙があり、また県内牧之原市では市長選、市議選が17日告示、投開票が参院補欠選と同じ24日という日程で行われます。10月14日付けの「中日新聞」ではその牧之原市の課題の1つとして、「牧之原市IC北側土地区画整理事業」を取り上げています。

 この整備事業計画は、標高約180メートルの牧之原台地の一角、東名高速道路・相良牧之原インターチェンジ(IC)の北側に、新たな住宅地と商業施設の整備を計画しているもので、計画の通称は「高台開発」ということなのですが、この場所は全国ニュースでも取り上げられたので御存じの方も多いと思いますが、今年5月1日に突風被害があった場所なのです。高台開発を担う市新拠点整備室は「牧之原台地は津波の心配がなく、地盤は強固。ICや静岡空港、御前崎港も近い」と、利便性と将来性をアピールしているようですが、確かに台地なので地盤が強固で津波の心配はないですが、7月29日にもこの付近は大雨が降り、被害がありました。平らな台地の上は何もさえぎるものがありませんので、近年の気象状況を考えると(必ずしもこの場所だけに限りませんが)、今後も台風や突風、大雨の被害はありえます。

 台地の上ですので、車が無いとまったく移動はできません。静岡空港は近いですが、一山向こうですので車で10分くらい、貿易港である御前崎港は台地を下ったかなり先にあります。住宅地が計画されているのですが、空港や貿易港が近いことが日常生活において特にメリットがあるとも思えません。商業施設の面ではICが近いということは物流上のメリットがありますが、空港や港から商業施設向けに商品がバンバン運ばれてくるというほどでもないでしょう。大和ハウス工業(株)が事業を委託されています。確かに実績がある企業ではありますが、現状では周りはお茶畑ばかりで他に何もないところに、人々が集まってくるような街をつくることができるのでしょうか。

 何故このようなことを気にしているのかというと、かつて静岡空港ができることになった際に、地元では「人がいっぱい来て、商業施設もたくさんできて、便利でにぎやかな町になる」からみんなで協力しようと盛り上がり、非常に大きな期待が持たれていました。結果的に空港周辺の整備として道路が広くなったりはしましたが、現在空港のある地域は特別にぎやかにもなっていませんし、商業施設どころか住宅もあまり増えていません。ある意味、昔ながらの田舎で、空港ができたことが地元にどれだけのメリットを与えたのか、具体的に目に見えてわかることはありません。

 この事業は、県の“ふじのくに”のフロンティア(旧「内陸のフロンティア」)推進地域に指定されています。ただ、これって要するに今まで不便で開発されてこなかった地域にテコ入れするものですから、よほど魅力のある場所にならないと、人々が定住するのは難しいのではないでしょうか。ましてや、価値観が多様化している現在、より多くの人が魅力を感じる場所って、いったいどんな場所なのか、その答えは、なかなか難しいのではないでしょうか。

2021/10/14

デジタル庁創設オンラインセミナーに袋井市が登壇します。

 10月20日(水)、21日(木)に、学校法人先端教育機構 事業構想大学院大学の主催で開催される「デジタル庁創設オンラインセミナー 自治体DXの政策と実例~官民連携で進めるDX~」に、袋井市が登壇します。

 具体的には、10月21日(木)13:30~13:45から、第1部~自治体DX全国首長アンケート回答結果に関するトークセッション~「デジタルでつながるHappyな"まち"~自治体DX推進計画の策定に向けて~」と題して、袋井市 企画財政部 ICT政策課 小柳津 和彦 氏が報告されます。「自治体DX全国首長アンケート」とは今年の8月~9月に行ったもので、14:00〜14:35に、福島市の報告者者とともに、NTTドコモや事業構想研究所の方と「自治体DX全国首長アンケート回答結果に関するトークセッション」にも登場します。

 袋井市は第2次総合計画の「後期総合計画」でも「デジタル化の進展に対応したまちづくりの推進」をうたっていて、教育分野などでのICTの積極活用が進められていますので、今回のセミナーでも具体的な事例の話が聞けるのではないかと思います。

 参加には事前申し込みが必要ですが、Zoomによるリアルタイムオンライン視聴 と、10月22日(金)から11月30日(火)までアーカイブ視聴が可能です。袋井市以外にも自治体DX推進に向けた取り組みにおける行政業務の具体策と先進事例を聞くことができますので、個人的にリアルタイムは時間的に不可能ですが、アーカイブで見ようと思います。

 実は事業構想大学院大学の主催のデジタル庁創設オンラインセミナーは、今までも関連する内容のセミナーがいくつか開催されてきていて、またこの後も関連するセミナーが予定されていますので、今後開催予定のセミナーの申し込みも可能です。

2021/10/13

2020年の余暇活動状況、『レジャー白書2021』

  公益財団法人日本生産性本部余暇創研から、『レジャー白書2021』が発行されました。巻頭要約が公表されていますので、そちらでざっくりと見てみます。

 余暇活動アンケート調査は、2021年1~2月にインターネットを通じて実施し、全国の15~79歳男女、3,246人から有効回答を得た結果とのことですが、2020年はコロナ禍の影響で従来とは様相が違っています。

 外出や移動を伴う多くの活動が順位、参加人口ともに前年を下回り、在宅や近場で行える活動の順位が上昇しています。余暇活動の参加人口は、「動画鑑賞(レンタル、配信を含む)」が3,900万人で最も多く、それに次いで「読書(仕事、勉強などを除く娯楽としての)」が3,650万人、「音楽鑑賞(配信、CD、レコード、テープ、FMなど)」が3,410万人となっています。昨年5,400万人で首位だった「国内観光旅行(避暑、避寒、温泉など)」は、約2,000万人少ない3,390万人で4位です。昨年4,350万人で2位だった「外食(日常的なものは除く)」は、約1,000万人減らして3,330万人で6位です。この2つはコロナという特殊な状況により大幅に数を減らしたわけですが、今年首位の「動画鑑賞(レンタル、配信を含む)」は首位になったとは言っても、390万人増えているだけですし、2位の「読書(仕事、勉強などを除く娯楽としての)」は昨年は4,110万人でしたから逆に減っていますので、「巣ごもり需要」という言葉がよく聞かれましたが、外出や移動を伴う活動が、単純に在宅レジャーに移行したわけではないようです。余暇活動の参加人口上位 20 位の参加人口を足していくと、2019年は63,940万人、2020年は54,640万人ですので、余暇活動に参加している人口が9,300万人も減っていて、それが余暇関連市場規模が55兆2,040億円、前年比23.7%減という数字になっているわけです。コロナにより余暇関連市場は非常に大きなダメージを受けたということが言えるわけですし、多くの人々が余暇に参加できなかったということです。これだけを見ても、やはりコロナは世の中に非常に暗い影を落としたということがわかります。

2021/10/12

スポーツ庁で、運動部活動の地域移行に関する検討会議(第1回)

  10月7日、スポーツ庁で、学校の運動部活動の民間委託を、2023年度から全国で段階的に進めるため、関係団体が課題を話し合う「運動部活動の地域移行に関する検討会議」の初会合が開かれました。

 正直言って今までの部活動の在り方は異常だったと思います。「部活動未亡人」なる表現があるくらい、部活動に時間を取られて、家庭を顧みない(顧みれない)教員が多くいたわけです。教員の「働き方改革」を考えるうえで、部活動を学校から切り話すことは、かなり大きなポイントになるわけですが、それに関する話し合いがやっと始まったといったところです。

 今回の検討会議資料、「運動部活動の地域移行に関する検討会議における検討事項(案)」の中でも、「2.地域移行する前の運動部活動の在り方」の2つ目のポイントとして、以下のような表現があります。 

○学校の働き方改革に対応するとともに、適切な指導体制を整えるため、教師が運動部活動の指導や大会等の引率をするという現行の在り方を抜本的に改めていく必要があるが、運動部活動の指導や大会等の引率の体制はどのようにしていくべきか。特に部活動の指導を望まない教師が部活動に従事する必要のない体制をどのように整備していくか。

 ただし、課題が多いのも事実です。資料にも、
4.運動部活動の地域での受け皿
○運動部活動を地域に移行する際の受け皿として、都市部と地方部では状況が異なることや生徒のニーズが多様であること等も踏まえ、どのような組織・団体等が考えられるか。

5.指導者
○指導者として、どのような人材が考えられるか。
○それらの指導者をどのように確保、育成していくか。
○指導者資格や審判資格を有するなど専門的な知識や経験があり指導を希望する現職の教師が兼職兼業の許可を得て円滑に地域でスポーツ活動を指導できるようにするためにどうすべきか。また、その際に所属校での教師としての本来業務へ影響が生じないようにし、また心身に過重な負担とならないようにするため、どのようなことに留意すべきか。

6.施設
○地域スポーツ活動を実施する場をどのように確保していくか。

などと指摘されています。
 ただし、「5.指導者」の3つ目にある「専門的な知識や経験があり指導を希望する現職の教師」については、そもそも教員である必要があるのか、受け皿側の指導者となる方が良いのではないかという気がします。事実、知り合いの教員の中には、本人が昔そこそこ活躍をしていて、部活動で指導したいから教員になったと公言していた人がいました(運動部に限らず、文化部にもそういう方はいましたが)。そういう方は別に教員にならなくても、部活動が地域に移行した際に、スポーツ指導者として部活動に関われば良いのではないでしょうか。部活動が学校から切り離されれば、部活動目当ての方は教員を目指す必要が無くなります。そうすると、教員を目指す人は、純粋に子どもたちに勉強を教えることを希望する人だけになるのではないでしょうか。私はそうなるのが良いと思っています。

2021/10/11

オンライン授業の拡大を妨げる家庭のIT環境格差(『ニューズウィーク日本版』より)

  10月7日付けの『ニューズウィーク日本版』に、教育社会学者舞田敏彦氏の上記タイトルの論考が載っています。元ネタは、御本人の9月1日付のブログのようです。

 今年の『全国学力・学習状況調査』の中の、「2020年4月以降の臨時休校中、家庭でのICT(情報通信技術)学習に際して支障となったことについての質問」への回答結果をもとに、「全国的に各家庭でのPC端末、通信環境の不足がオンライン授業の支障となっていて、都市部と地方での格差も大きい」としています。具体的には「家庭の端末(PC等)の不足、家庭の周辺機器(カメラ等)の不足、家庭の通信環境(無線LAN等)の不足」が、公立・国立・私立に分けると、公立が多く都道府県別による地域による差も大きく、特に地方で高い傾向にあり、地方の郡部では、オンライン学習に必要なリソースの普及率も低そうというものです。

 ある意味、想像通りなのですが、これでは文部科学省のGIGAスクール構想も、それを受けとめる家庭環境が不十分な状況では、どの程度うまくいっているのか疑問ですね。

 おそらくスマホならば、PCよりは保有率も高い可能性があるのではないかと思うのですが、本格的なオンライン学習となると、ある程度画面が大きい方が良いですから、タブレットやノートPCの方が良いですので、そうなるとやはりそれを使いこなす技術が必要ですし、Wi-fiがしっかりしていないとうまく授業が受けられないですし、いろいろと問題が出てくるわけです。また子ども専用にできる端末が家庭にあるかということもあります。私の場合は昔からPCをいじってきましたから、家には数台のPCがあり、メシュWi-fiを導入してあって、普通に使用するには全く困らない程度の知識はありますが(逆に私以外の家族は、子どもも含めてほとんど分からず、100%父任せなのですが)、すべての家庭がそうではありませんから、ちょっとしたことで、学習ができないと状況になってしまうのでしょう。問題を解決することはなかなか難しいですが、岸田首相の言っていた「中間層の所得拡大」が実現しないとその対応は厳しいでしょう。ただ、その方法が「分配機能の強化による」ものではダメですね。「稼いで所得が拡大する」のでなければ、そもそも資本主義ではないですから。国全体が豊かになって、中間層の所得が拡大するようにするのが、「新しい資本主義」なんじゃないのかなぁ。


2021/10/10

10月10日-11日は、”デジタルの日“

  今日10月10日は、今年初めて創設された“デジタルの日”ということで、お昼からニコ動で動画が配信されていたり、radikoで特設サイトが設けられたり、その他にもイベントが用意されていて、デジタル庁創設記念の動画もありますが、正直言って、どのくらいの知名度があるのかなぁ?

 本来は、「体育の日」改め「スポーツの日」なのですが、オリンピックの関係で無くなっているし(そのせいで連休でもないし)、ただの日曜日にすぎないって感じですけどね。ラジオファンなら、TOKYO FMの12:30からの『CHINTAI presents きゃりーぱみゅぱみゅ Chapter #0(チャプターゼロ) ~Touch Your Heart~』で、きゃりーちゃんが「今日は”デジタルの日“!」って話してので、ふ~んって思った方もいるでしょうね。

 とにかく、この後まだニコ動画で配信もありますし、関連イベントもありますので、これに気がづかれた方は、そちらを覗いてみると良いですね。私は16:00~の「未来の教室 教育DXで、子どもたちの学びはどう変わる?」を視聴する予定です。

 ただデジタル庁は、来年はもう少しPRをして、認知度を上げた方が良いでしょうね。

2021/10/09

沖縄「鉄軌道」導入に向けたプロモーションビデオ公開

  沖縄県では、平成26年度から既存のゆいレールとは違う、一般的な線路と鉄道車両による鉄道を建設する「鉄軌道」計画に関する取り組みが進められています。

 「鉄軌道」計画は、沖縄本島の全体的な交通ネットワークに関する計画で、現在の沖縄に欠けている都市間交通について、複数の構想計画ルートがあるなか、ざっくりと描かれているのは、那覇と名護を結ぶ65km前後の軌道の構想で、肝心の鉄軌道がどんなものなのか、はっきりわかりませんが、鉄軌道に関心をもってもらえるようにと、平成27年11月発行の「おきなわ鉄軌道ニュース」特別号には、1914年12月1日に開業し、1945年3月まであった「沖縄県軽便鉄道」を取り上げていますから、LRTとかを前提にしているのかと思うと、路面電車好きにとっては、とても楽しみな計画なのです。

 今回公開されたプロモーションビデオは、「鉄軌道」計画の基本的な考え方についてをまとめたもので、「30秒バージョン」と「ロングバージョン」の2種類用意されたのですが、「30秒バージョン」はイメージPVって感じなので、計画の概要を知るには「ロングバージョン」を見ないとわかりません。この計画が実現すれば、沖縄県は「鉄道の無い唯一の県」ではなくなることになるのかと思います。同時に鉄道好きにとっては、乗りに行くべき鉄道が増えることになるので、非常に喜ばしいことなのです。

2021/10/08

渋沢栄一顕彰講演会「静岡の明治維新」のお知らせ

  11月11日(木)13:30~16:00に、静岡商工会議所が主催で、渋沢栄一顕彰講演会「静岡の明治維新」が開催されます。

 本来の会場は、浮月楼 本館2階「月光の間」なのですが、「定員に達しましたので、今後「来場」でお申込みの方は同じく浮月楼内の本館3階「高砂の間」にて、講演会の様子を動画でご視聴いただく形となります(10/8 10:33追記)」ということですが、Youtubeでも視聴できますので、オンラインならば、まだ申し込んでも十分間に合うと思います。

 講師は、国立歴史民俗博物館教授の樋口雄彦氏豊橋市図書館学芸員の岡村龍男氏です。樋口氏が「渋沢栄一と静岡藩の群像」、岡村氏が「渋沢栄一と静岡-偉業を支えた静岡の人々」と題して講演されます。

 二人とも知り合いなので本当ならば講演を聞きたいのですが、ウィークデーの日中なので、完全に仕事中で無理ですが、時間に融通が利くという方がいらっしゃいましたら、ぜひどうぞ。

2021/10/07

灰被天目の完形品が出土

  昨日10月6日、島根県埋蔵文化財調査センターから、江津市松川町八神に所在する森原下ノ原遺跡から中国の明代初頭(14世紀後半~15世紀初頭)に作られた灰被天目の完形品が出土したとの発表がありました。

 「静岡県のあなたが、何故島根県の話を?」とお思いでしょうが、何を隠そう(いや別に隠しているわけではありませんが)、茶碗系、大好きなんです!

 この灰被天目(はいかつぎてんもく)は、中国の明代(14世紀~15世紀)に福建省で作られた黒釉の茶碗で、完全な形で見つかる例は極めてまれで、完形品で見つかった例は今回の出土例を含めて全国で8例しかないんです。薄く灰をかぶったような、くすんだ色をしている釉薬がかかっているので、灰被天目と呼ばれているのですが、公開されている写真(PDFの3ページ目)は、横から移したものですが、落ち着いた感じで、まさに侘茶向きな感じですね。下の方までは釉薬がかかっていないのも味わいがあっていいです。

 本当はもっとじっくり観察したいのですが、さすがに島根県にまでは見に行けませんが、しばらくすれば詳細な情報とともに、写真もいろいろ出てくると思いますので、それを楽しみにしようと思います。

2021/10/06

大牟田市三池炭鉱歴史資料デジタルアーカイブ

  「大牟田市三池炭鉱歴史資料デジタルアーカイブ」が公開されています。

 かつて日本一の出炭量を誇った三池炭鉱ですが、同時に戦後日本における最大規模の労使紛争「三池争議」が起こったことでも知られています。その三池争議関係史料や社史『三井鉱山五十年史稿』、三池炭鉱の写真絵はがき、大正後期から昭和初期の市街図や実測図・職業明細地図などを見ることができます。

 ただし、「「三池争議関係史料」、「人物」、「地図」の一部資料の画像については、プライバシー保護の観点で「閲覧」」が制限されています。1回目が1953年、2回目が1959~60年に起こった三池争議ですが、実際に確認しましたら、「三池争議関係資料」は2回目の1960年のものが多いのですが、結構見ることができないものが多いです。いちおう大牟田市立図書館に制限コンテンツ閲覧申請をすれば、閲覧用のID・パスワードを発行してくれますが、今回の資料はビラが多くかなり過激なものが多いのは事実ですが、もう60年経っているので、せめて部分的に黒塗りにして、もう少し公開してくれれば良かったのですが…。

2021/10/05

経産省、中学・高校のデジタル部活を支援

 昨日10月4日の共同通信のニュースですが、経産省のホームページには、9月24日付でリリースされてました。

 正確に言うと、「デジタル関連部活を産業界が中心となって支援することの在り方等について議論をはじめます」ということで、「デジタル関連部活支援の在り方に関する検討会」を新たに設置するということらしいです。

 ただ、以前から言っていますが、部活動は学校から切り離すべきです。特に、産業界と直結するようなデジタル関連の部活動、具体的にはパソコン部、プログラミング部、ロボット部、AI部等になるのでしょうが、中学はともかく、工業系高校ならばそのまま会社の実験室とか、開発部と言っても良いようなところもあるでしょう(逆に、幽霊部員のみのところもあるでしょうが)。

 部活動を支援するのではなく、デジタル関連の部活動に所属している生徒を受け入れる、別の場所を各地に準備して、そこで専門家が指導するという場所を作る方が良いと思います。その方が、若い優秀な生徒を早めに見出すことができて、産業界にもプラスになるはずですし、本当に興味を持って活動している生徒にとっても、その能力を引き出してあげられる可能性があります。ぜひ、そのような方向を検討してみていただきたい。

2021/10/04

萩生田文科相の退任会見について

  今日10月4日午前の大臣の退任会見で、やっぱり今後も学校現場、教員は振り回されるだろうなぁと思わされるような発言が見受けられました。

 その中でも気になったのが、民間が教育に参入することについての記者の質問に、
「公教育に足らざるところがあって、それを民が補わなきゃならないという今の教育がもし課題があるんだとすれば、ここはもう1回原点に戻ってですね、公教育を強くしていかなきゃいけないんじゃないかなと思っています。日本は世界に稀に見るですね、この義務教育制度っていうのはあの皆さんが憧れる制度です。どこの街に生まれてもの、どこの街で育っても等しく教育を受けることができる、そして同じレベルの教育を受けることができるって言うのは公教育の魅力だと思いますし、あのまあ今まさに先生方の働き方改革を緒に就いたばかりでありますけれども、もう少し先生たちに余裕が出ればですね、公教育はもっと強みを発揮するんじゃないかと、学校でもう少し解決することっていうのは勉強の部分で、勉強以外のことで、あまりにも力をそがれてしまうってますから、そうじゃなくてまさに子供たちの勉強教育の部分で、先生たちが向き合う時間を作ることができれば、私は公教育はさらに力をつけることができて、結果として民間のですね、その塾へ行かなくてもきちんと高校受験ができる学力は身につけられることができるようになっているはずですから、あのそこは私なくなってもぜひ文科省の皆さんにしっかり踏ん張っていただいてですね、あの時代から公教育は大きな力をつけてきたね、取り戻したねと言ってもらえるように頑張ってほしいなと思っています。」
と答えておきながら、次の質問の答えとして、
「ややもすると学校は勉強するところですから、その授業のことばかりがクローズアップされるんですけど、いつも申し上げているように集団活動をしたり好きなことも苦手なこともをお付き合いをしたり自分がやりたいことをやりたくない事もお当番が回ってくればやったりする、そういう中でやっぱり人は磨かれていくんだと思うので、そういうことをあの大切にしてほしいということを呼びかけてですね、あの修学旅行はあきらめないでほしいなんていうことをお願いしてきたことは私なりにあの良かったのではないかなというふうに思っています。」
と、勉強以外のことを呼びかけたのが良かったという話をしていて、なんか矛盾しているんです。
 
 ただ、この発言に引き続き語っている内容は、現在の教育行政の実態に問題があるとの、次のような指摘で、今回の会見で大事なのはここだと思うのですが。
「残念ながら私が思ってた以上にですね、あの教育行政というのは地方に大きな部分がもう移行してますから、文科大臣はもちろん大きな大方針は決めることができますけれど、やっぱり地方のを自治体の皆さんが公教育の大切さってのを共有していただくことが大事だなということを再認識いたしました。あの誤解がなく申し上げれば、やっぱり教育行政熱心な首長の自治体とそうじゃないところではどうしてもその中身に、ここで格差と言うとまた怒られてしまうかもしれませんけど、内容がまばらになってるなっていうのはあの肌で感じたところなので、あのここはぜひあの文科省としても、しっかり全国に目配りをしてスタンダードをどんどん上げていくということが大事だと思いますので、まぁそんな点をこれからもがんばっていきたいなと思います。」
 
 さらに地方財政措置について、
「本当に誤解を恐れず申し上げます。地財措置じゃなくてですね、やっぱり義務教育に必要な経費っていうのは、国が責任を持ってダイレクトに補助をしていくということをしないと、今回のようなGIGAのようなものは済まないんじゃないかと。日本中どこの小学校に行っても図書館には最低限この本はありますよ、子どもたちの理科の実験はですね、こういう器具を使って実験ができますよってことは、残念ながら今まで何十年にもわたって地財措置をしてきましたけれども、それぞれの自治体の様々な行政事情の中で優先順位が変わってしまって、お金にはそれは理科室の実験代って書いてないですから、実験用具代って書いてないから、結局違うものに使われてしまうということは今までもずっとあったんだと思います。で、その事を知らない子供たちは声を上げることができないわけですから、まさに私たちこそがですね、そういう環境を整えていくためには、今までのように全体的な予算を増やしていく、マンパワーを増やしていくと同時に、令和の時代の新しい時代の学校っていうものはスタンダードはこれだってものを決めたらそこまでやっぱり国が伴走してあげるような仕組みをですね、作っていく必要があるかなというふうに思っているすので、あのぜひ文科省の職員にそれ引き継ぎをして踏ん張ってもらいたいなと。地財措置だとやっぱりすみませんよね、だってパソコンだって二十何年間やってきてるわけだから、最低でも3人に1台は使えるようにしてあげてって言ってそのお金は計算上は出てるわけじゃないですか国から、だけど正しく、正しくというと怒られちゃうけど、その通りには使われてないっていうのが地財措置の弱みなんで、これ私地方政治もやってきたからわかるんです。その向こう側の事情もあって、今年はこれよりこっちが大事だとか、これを急がなきゃならないっていうのあるから、その裁量権が地方自治体にあることは百もわかってるんだけど、少なくとも小学校中学校の義務教育はこれは買ってねといったものは買ってもらわないと困りますということですね、あのこの間も声をからしてきたつもりでいますけど、改めてあの買ってくれないんだったら直接買って渡した方がいいかなというふうに思ってますので、こんなことも今後の予算の上では大事なことかなと思います。」
「もう一回言いますけど、その義務教育ですから、これは最終責任は国にありますから、どこの学校に行っても同じ環境で学べる環境を、やっぱり国の責任で作るべきかなと今回のGIGAスクールを経験してそう強く感じた次第です。」

 もう、これは文科省だけの問題ではなく、国全体で考えなければならない問題で、国民全体が共有すべき問題だと思いますが、マスコミがこの会見の内容をもとにしたニュースは、先週の残業代の判決について、「司法からも改善を求められていることは重く受け止める」とのコメントなんですが、こんなのは当たり前のコメントなのでニュースにする必要はないと思います。結局、本当に重要なことはあまり共有されず闇に葬り去れらてしまい、気がついた時には取り返しのつかないことになっている、ってことが無いようにするために、ささやかながら、このような形で指摘しておきます。



2021/10/03

「赤星直忠考古学研究資料デジタルアーカイブ」について

  神奈川県立歴史博物館が、『赤星直忠考古学研究資料』のデジタルアーカイブを公開しています。静岡県のことではありませんが、大変すばらしい取り組みで勉強になりましたので、コメントします。

 『赤星直忠考古学研究資料』は、大正〜昭和時代、神奈川県の三浦半島を中心に考古学・歴史学・民俗学等の調査を重ね、県域における文化財保護の黎明期を築いた赤星直忠のフィールドノートで、1922〜1952年に記された全6冊分です。

 文化財の観光利用が盛んになりつつありますが、この赤星資料のように、その文化財を調査した人物の資料は、その時代がわかるものとしてかなり意味がある資料ですから、このような形で公開されるのは、大変意義があることだと思いますし、利用価値もかなり高いと思います。

 資料画像はCC BY 4.0ですので、きちんと出典を明記すれば、自由に使うことができますが、このアーカイブがユニークなのは、「ご利用にあたって」の中に、「ご利用方法を教えていただけませんか?」と呼び掛けている点です。例えば、歴史公文書の評価選別の際、基本的には将来歴史資料として利用価値があるであろう文書を選別するわけですが、こちらが想像していなかった意図でその資料が利用されることがあります。もちろん、想定できる限りのことを考えて選別するわけですが限界もあるわけで、時に「なるほど~!」と思わせられる利用目的があったりします。そのような利用方法をいろいろ知ることは、今後の資料選別のための貴重な意見であり大変勉強になるのです。おそらく、アーカイブズに関わっている人はこのような声を欲しがっていると思います。その意味では、今後この「赤星アーカイブ」に寄せられた声も公開してくれるとありがたいですね。また、「デジタルアーカイブを一緒に育てよう!」と、手書き文章の書き起こし作業(翻刻)への参加を呼び掛けている点も、大変すばらしいことだと思います。これらのことは、さすが公文書館先進県の神奈川県だと思います。アーカイブズというものの意義、価値をよくわかっていないと、このような発想はなかなか出てこないと思います。つくづく静岡県は遅れているというか、全然ダメなのを、改めて感じさせられてしまいました。

2021/10/02

教員免許更新講習廃止までの経過措置の件

  8月に表明した、教員免許更新講習を来年の通常国会で必要な法改正をし、早ければ2023年度から廃止する方針の経過措置ついて、9月28日の記者会見で荻生田文科相が発表しました。

 現状では、廃止までに更新期限を迎える教員はこれまで通り2年間で30時間以上の講習を受ける必要があるのですが、対象教員の負担感を減らすため経過措置をとるということになりました。大臣の会見での発言は以下のとおり。

 新制度の施行までの間に免許状更新講習を受講する教師の負担感を軽減するため、教師本人のニーズに沿った講習をいつでもどこでも受講できる環境の構築に向けた方策を講じていきたいと考えています。具体的には、独立行政法人教職員支援機構が、教師本人のニーズに合った講習を負担なく全国から探し当てることができる一元的な情報提供サイトを作成するとともに、全国の大学から実績あるオンデマンド講習を募り、同サイトで重点的に情報提供することを検討してまいります。また、「教師の個別最適な学び」の促進が求められていることも踏まえ、免許状更新講習について、必修・選択必修・選択という領域を来年度から撤廃をし、教師本人のニーズに合った受講を可能とする省令改正に取り組んでまいります。

 この報道を見て、おそらく現場の先生は「何故、即廃止にしない!!」との意見が多いことでしょう。私も正直そう思います。あるいは、「この経過措置、そのまま新しい研修制度ってことにならないか?」という意見も出ていることでしょう。この不安も同感です。

 自由に講習を選べるようにできるのならば、これまで強制してきたのは何だったのか。オンデマンド講習の受講で用が足りるのならば、わざわざ大学に出かけて受講したのは何の意味があったのか。また、オンデマンド講習で良いのならば、何故文科省がその案内をして、教員の負担軽減をしなかったのか。廃止になるものをたまたまこの数年間の間に対象になる教員にだけ、経過措置とは言え負担を強いるという、ハズレくじ感この上ない対応は何なのか。何ともすっきりしないですね。

 中央教育審議会「令和の日本型学校教育」を担う教師の在り方特別部会(第4回)・教員免許更新制小委員会(第6回)合同会議資料のうち、資料1-2 「令和の日本型学校教育」を担う新たな教師の学びの姿の実現に向けて(審議まとめ案)【第5回教員免許更新制小委員会からの修正履歴付き版】を見ると、現場の実態がいまいち理解できていないのではないかと思ってしまうような内容が散見されます。「#教師のバトン」で、あれだけいろいろと切実な声が上がっていたのに、文科省はそれはそれって感じでなんでしょうか(パブコメと同じで、ポーズとして「御意見は承りました」という、役所ではよくあることではありますが)。

 昨日のさいたま地裁の残業代の裁判の件もそうですが、教員は何でこんなに虐げられなくてはならないのでしょうか。未来を担う子どもたちを指導するという、もっとも重要な仕事をしているのに(ただおそらく世間ではそう思っていないので現状のような状況になってしまっているのでしょうが)。このままどんどん教員になる人が減り、その穴をとりあえず埋めるという状況を続けていけば、おそらく日本の水準はどんどん下がるでしょう。そうなって慌てても、後の祭りです。少子化の問題だって、そもそも国や企業が子どもの数を減らす運動をし、その成果が出たら、今度はそれが現在問題視されているのですから。見通しが甘いのと、途中での軌道修正が下手なんですよ。責任を取りたくないので、誰も今動いているものをなかなかやめようとせず、代案を出して変えた風にしてお茶を濁すだけなんですよね、日本社会って。

2021/10/01

静岡県立中央図書館の図書館DX実証実験第2弾、第3弾

  今日10月1日から、静岡県立中央図書館では、図書館DX実証実験第2弾の利用者登録等Web申込、第3弾の「電子図書館サービス」が始まりました。

 第2弾の利用者登録等Web申込は、新規利用者登録及び再発行ができるとのことですが、これで申し込んだ場合、現物の貸出カードの発行はされないそうです。マイライブラリーの「利用者メニュー」内に出てくるバーコードが貸出カードになるので現物は不要ですが、もし現物の貸出カードが欲しい場合は、来館して再発行手続きが必要なんだそうです。

 第3弾の「電子図書館サービス」は、紀伊國屋書店「KinoDen」で、提供冊数は500冊です。利用には事前に利用者登録が必要なので、第2弾とセットということですね。1冊あたりアクセスできるのが一人、といった閲覧システムで、貸出期間、貸出冊数などの制限はないとのことです。

 第1弾の貸出カードのスマホ表示は正直微妙でしたが、この第2弾、第3弾ならば、図書館に行かなくても利用できるので、DXっぽいですね。ただ、電子図書館サービスの提供冊数が500冊というのは、徐々に増えていくのかもしれませんが、ちょっと少ないですね。

 静岡県立中央図書館は、デジタルライブラリーで、葵文庫の江戸幕府旧蔵書が見れたりするので、かなり頑張っているとは思うのですが、DX実証実験の方は確かに実験という感じです。まだあるんでしょうか?もう少し本格的な図書館DXを期待したいですね。