続・人間老いやすく、学成りがたし: 「登録無形文化財」制度について

2021/10/17

「登録無形文化財」制度について

   10月15日の重要文化財(美術工芸品)の指定答申と同時に、文化審議会では「登録無形文化財の登録及び保持団体の認定」の答申が行われ、登録無形文化財の認定が2件、保持団体が2団体となっています。この「登録無形文化財」は今年の6月14日に文化財保護法が一部改正されて新設された制度で、建築物等の有形文化財を「登録有形文化財」としているのと同じで、その無形文化財版といったものになり、今回初めての登録です。

 「書道」と「日本文化書道協会」、「伝統的酒造り」と「日本の伝統的なこうじ菌を使った酒造り技術の保存会」がそれぞれ登録答申されたわけですが、この手の無形文化財は他にもいろいろありますから、おそらくこれからいろいろと登録申請がされるものと想像されます。ただ、「日本文化書道協会」も「日本の伝統的なこうじ菌を使った酒造り技術の保存会」も今年度(令和3年度)になってから組織化されているのですが、これって「登録有形文化財」制度が、「技を有する個人についての認定」、「技を有する人たちを主たる構成員とした保持団体の認定」を行う制度だから、それに合わせてということなんでしょうか。

 勝手な想像ですが、「書道」は「ユネスコ無形文化遺産」への登録を目指して「日本書道ユネスコ登録推進協議会」が設立されていますから、ユネスコ登録への後押しとしての登録かなと思ったり、「伝統的酒造り」も近年日本酒が海外での評判が上々なうえ、「和食;日本人の伝統的な食文化」が「ユネスコ無形文化遺産」に登録されているので、その相方である日本酒もといった感じなのか、などと思ったりするのですが。

 「ユネスコ無形文化遺産」も、「世界遺産」が有形文化遺産を対象にしていることから、無形文化遺産についても国際的保護を推進するということで作られたわけですが、どちらも本来はグローバリゼーションの進展や社会の変容などに伴い、有形・無形文化遺産に衰退や消滅などの脅威がもたらされるとの認識から、有形・無形文化遺産の保護を目的としたもののはずなのですが、特に世界遺産は観光対象になっていて衰退や消滅などの脅威から保護しているようには見えません。確かに有形・無形文化遺産の保護にはお金がかかるのはわかるのですが、こういう制度に登録されてしまうとただ商業主義に走るだけになってしまうような気がして、本来の目的からずれていくように感じるのですが…。

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