続・人間老いやすく、学成りがたし: 牧之原市の「牧之原市IC北側地区整備事業」に関する懸念

2021/10/15

牧之原市の「牧之原市IC北側地区整備事業」に関する懸念

  衆議院が解散され、今月19日告示、31日投開票となりましたが、静岡県ではその一週間前の24日に参議院補欠選挙があり、また県内牧之原市では市長選、市議選が17日告示、投開票が参院補欠選と同じ24日という日程で行われます。10月14日付けの「中日新聞」ではその牧之原市の課題の1つとして、「牧之原市IC北側土地区画整理事業」を取り上げています。

 この整備事業計画は、標高約180メートルの牧之原台地の一角、東名高速道路・相良牧之原インターチェンジ(IC)の北側に、新たな住宅地と商業施設の整備を計画しているもので、計画の通称は「高台開発」ということなのですが、この場所は全国ニュースでも取り上げられたので御存じの方も多いと思いますが、今年5月1日に突風被害があった場所なのです。高台開発を担う市新拠点整備室は「牧之原台地は津波の心配がなく、地盤は強固。ICや静岡空港、御前崎港も近い」と、利便性と将来性をアピールしているようですが、確かに台地なので地盤が強固で津波の心配はないですが、7月29日にもこの付近は大雨が降り、被害がありました。平らな台地の上は何もさえぎるものがありませんので、近年の気象状況を考えると(必ずしもこの場所だけに限りませんが)、今後も台風や突風、大雨の被害はありえます。

 台地の上ですので、車が無いとまったく移動はできません。静岡空港は近いですが、一山向こうですので車で10分くらい、貿易港である御前崎港は台地を下ったかなり先にあります。住宅地が計画されているのですが、空港や貿易港が近いことが日常生活において特にメリットがあるとも思えません。商業施設の面ではICが近いということは物流上のメリットがありますが、空港や港から商業施設向けに商品がバンバン運ばれてくるというほどでもないでしょう。大和ハウス工業(株)が事業を委託されています。確かに実績がある企業ではありますが、現状では周りはお茶畑ばかりで他に何もないところに、人々が集まってくるような街をつくることができるのでしょうか。

 何故このようなことを気にしているのかというと、かつて静岡空港ができることになった際に、地元では「人がいっぱい来て、商業施設もたくさんできて、便利でにぎやかな町になる」からみんなで協力しようと盛り上がり、非常に大きな期待が持たれていました。結果的に空港周辺の整備として道路が広くなったりはしましたが、現在空港のある地域は特別にぎやかにもなっていませんし、商業施設どころか住宅もあまり増えていません。ある意味、昔ながらの田舎で、空港ができたことが地元にどれだけのメリットを与えたのか、具体的に目に見えてわかることはありません。

 この事業は、県の“ふじのくに”のフロンティア(旧「内陸のフロンティア」)推進地域に指定されています。ただ、これって要するに今まで不便で開発されてこなかった地域にテコ入れするものですから、よほど魅力のある場所にならないと、人々が定住するのは難しいのではないでしょうか。ましてや、価値観が多様化している現在、より多くの人が魅力を感じる場所って、いったいどんな場所なのか、その答えは、なかなか難しいのではないでしょうか。

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