8月に表明した、教員免許更新講習を来年の通常国会で必要な法改正をし、早ければ2023年度から廃止する方針の経過措置ついて、9月28日の記者会見で荻生田文科相が発表しました。
現状では、廃止までに更新期限を迎える教員はこれまで通り2年間で30時間以上の講習を受ける必要があるのですが、対象教員の負担感を減らすため経過措置をとるということになりました。大臣の会見での発言は以下のとおり。
新制度の施行までの間に免許状更新講習を受講する教師の負担感を軽減するため、教師本人のニーズに沿った講習をいつでもどこでも受講できる環境の構築に向けた方策を講じていきたいと考えています。具体的には、独立行政法人教職員支援機構が、教師本人のニーズに合った講習を負担なく全国から探し当てることができる一元的な情報提供サイトを作成するとともに、全国の大学から実績あるオンデマンド講習を募り、同サイトで重点的に情報提供することを検討してまいります。また、「教師の個別最適な学び」の促進が求められていることも踏まえ、免許状更新講習について、必修・選択必修・選択という領域を来年度から撤廃をし、教師本人のニーズに合った受講を可能とする省令改正に取り組んでまいります。
この報道を見て、おそらく現場の先生は「何故、即廃止にしない!!」との意見が多いことでしょう。私も正直そう思います。あるいは、「この経過措置、そのまま新しい研修制度ってことにならないか?」という意見も出ていることでしょう。この不安も同感です。
自由に講習を選べるようにできるのならば、これまで強制してきたのは何だったのか。オンデマンド講習の受講で用が足りるのならば、わざわざ大学に出かけて受講したのは何の意味があったのか。また、オンデマンド講習で良いのならば、何故文科省がその案内をして、教員の負担軽減をしなかったのか。廃止になるものをたまたまこの数年間の間に対象になる教員にだけ、経過措置とは言え負担を強いるという、ハズレくじ感この上ない対応は何なのか。何ともすっきりしないですね。
中央教育審議会「令和の日本型学校教育」を担う教師の在り方特別部会(第4回)・教員免許更新制小委員会(第6回)合同会議資料のうち、資料1-2 「令和の日本型学校教育」を担う新たな教師の学びの姿の実現に向けて(審議まとめ案)【第5回教員免許更新制小委員会からの修正履歴付き版】を見ると、現場の実態がいまいち理解できていないのではないかと思ってしまうような内容が散見されます。「#教師のバトン」で、あれだけいろいろと切実な声が上がっていたのに、文科省はそれはそれって感じでなんでしょうか(パブコメと同じで、ポーズとして「御意見は承りました」という、役所ではよくあることではありますが)。
昨日のさいたま地裁の残業代の裁判の件もそうですが、教員は何でこんなに虐げられなくてはならないのでしょうか。未来を担う子どもたちを指導するという、もっとも重要な仕事をしているのに(ただおそらく世間ではそう思っていないので現状のような状況になってしまっているのでしょうが)。このままどんどん教員になる人が減り、その穴をとりあえず埋めるという状況を続けていけば、おそらく日本の水準はどんどん下がるでしょう。そうなって慌てても、後の祭りです。少子化の問題だって、そもそも国や企業が子どもの数を減らす運動をし、その成果が出たら、今度はそれが現在問題視されているのですから。見通しが甘いのと、途中での軌道修正が下手なんですよ。責任を取りたくないので、誰も今動いているものをなかなかやめようとせず、代案を出して変えた風にしてお茶を濁すだけなんですよね、日本社会って。
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