神奈川県立歴史博物館が、『赤星直忠考古学研究資料』のデジタルアーカイブを公開しています。静岡県のことではありませんが、大変すばらしい取り組みで勉強になりましたので、コメントします。
『赤星直忠考古学研究資料』は、大正〜昭和時代、神奈川県の三浦半島を中心に考古学・歴史学・民俗学等の調査を重ね、県域における文化財保護の黎明期を築いた赤星直忠のフィールドノートで、1922〜1952年に記された全6冊分です。
文化財の観光利用が盛んになりつつありますが、この赤星資料のように、その文化財を調査した人物の資料は、その時代がわかるものとしてかなり意味がある資料ですから、このような形で公開されるのは、大変意義があることだと思いますし、利用価値もかなり高いと思います。
資料画像はCC BY 4.0ですので、きちんと出典を明記すれば、自由に使うことができますが、このアーカイブがユニークなのは、「ご利用にあたって」の中に、「ご利用方法を教えていただけませんか?」と呼び掛けている点です。例えば、歴史公文書の評価選別の際、基本的には将来歴史資料として利用価値があるであろう文書を選別するわけですが、こちらが想像していなかった意図でその資料が利用されることがあります。もちろん、想定できる限りのことを考えて選別するわけですが限界もあるわけで、時に「なるほど~!」と思わせられる利用目的があったりします。そのような利用方法をいろいろ知ることは、今後の資料選別のための貴重な意見であり大変勉強になるのです。おそらく、アーカイブズに関わっている人はこのような声を欲しがっていると思います。その意味では、今後この「赤星アーカイブ」に寄せられた声も公開してくれるとありがたいですね。また、「デジタルアーカイブを一緒に育てよう!」と、手書き文章の書き起こし作業(翻刻)への参加を呼び掛けている点も、大変すばらしいことだと思います。これらのことは、さすが公文書館先進県の神奈川県だと思います。アーカイブズというものの意義、価値をよくわかっていないと、このような発想はなかなか出てこないと思います。つくづく静岡県は遅れているというか、全然ダメなのを、改めて感じさせられてしまいました。
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