続・人間老いやすく、学成りがたし: 表現者クライテリオン2021年7月号読了

2021/07/05

表現者クライテリオン2021年7月号読了

  今まで読んことがなかった雑誌なのですが、前回の2021年5月号で、「[座談会]知識人は「ポリコレ」にどう向き合うべきか――「保守」と「リベラル」の対話を通じて/東浩紀×辻田真佐憲×藤井聡×浜崎洋介」に興味を惹かれて購入したのです。と言うのも、自分はリベラルとは言わないまでも、どちらかと言とそちらに惹かれていたのですが、このコロナ禍における政府や自民党、野党の動きを見るにつけ、リベラルでは力が足りず、保守から何とかしないとダメなんじゃないかと思い始めていたので、東氏や辻田氏を交えて保守の雑誌で行われる座談会って、どんな感じなんだろうと思ったからですが、これが良かったんですよ。何がって、東氏や辻田氏と対談をしている藤井氏や浜崎氏の発言が、ややリベラル寄りだと思っていた自分の思いとあまり変わらないということが分かったからです。つまり、自分はややリベラル寄りだと思っていたんですが、もしかするとやや保守に寄ってきているようで、『表現者クライテリオン』で語られている考えは、すべてではないにしても、共感できるものがあるということに気が付いたのです。

 「「コロナ依存症」に陥った日本社会をどう癒すか――過剰自粛、ポリコレ、ポスト・トゥルースの時代を超えて」と題した與那覇潤氏のインタビュー記事も秀逸です。近代史研究者として、與那覇氏が病気になる前からその見識に注目していて、復帰後の著作も読んでいますが、與那覇氏の理論的な話は納得しています。

 2021年5月号が結構満足でしたので、今回もと言う感じで手にした2021年7月号だったのですが、特集1の「孫子のための「財政論」 中央銀行の政治学」の中の、浅田統一郎氏と藤井聡氏の対談「ケインズ革命を加速せよ!―中央銀行のプラグマティズム」は良かったです。特に浅田氏の話が分かりやすくて、これなら高校の現代社会か政治・経済の授業で読ませても良いのではないかと思います。

 特集2の「コロナがもたらす教育破壊」の中の、宮台真司氏と藤井聡氏の対談「「若者の未来」は守れるのか?――社会学からの処方箋」は、もっと良かった。「戦後、特にここ40年間で、国民全体が共有する認識が崩壊した」と言う認識は、歴史学の方でもフランシス・フクヤマの「歴史の終わり」などがあるわけですが(個人的には「大きな物語」を失ったこいとで、歴史学は細分化してしまい、以前の立ち位置に戻れていないように感じているのですが)、「共通前提を復活させないと、日本は復活できない」という課題をどうするのかに対する答えが見いだせないでいるわけです。宮台氏と藤井氏の言う「パルチザンと連合軍のタッグ」で、果たして何とかなるのかは、ちょっと疑問ですが、それでも少なくとも何から始めれば良いのか、その方向を示しているわけで、いくらか希望が持てるわけです。

 この調子だと、次号以降もしばらく購入するだろうなぁ。




 

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