7月20日に、文科省から「義務教育9年間を見通した教科担任制の在り方について」報告(案)が公表されました。
小学校では現在、学級担任制がとられています。学級担任制とは、すべての教科を学級担任が教えるものです。ただし、現在でも音楽、美術、技術家庭などの一部は教科担任制が導入されています。
教科担任制とは、1人の先生が特定の教科を受け持ち、複数のクラスを指導するのが、教科担任制です。中学校、高校では教科担任制です。
今回の報告は、この教科担任制を小学校高学年、5・6年生にも取り入れようという話です。その背景の詳細は報告を見ていただきたいのですが、いわゆる中1の壁問題から、「小中連携」や近年では「小中一貫教育」などが模索されてきているわけで、それをスムーズに行うために、教科担任制が一部で先行的に取り組まれている事例があります。
その先行事例から、以下の観点が期待できるということで、小学校高学年への教科担任制の推進が報告されたわけです。
①授業の質の向上/学習内容の理解度・定着度の向上
②小・中学校間の円滑な接続
③多面的な児童理解
④教師の負担軽減
①は、各教科の専門である先生が指導した方が、当然授業の質も向上するでしょうし、教材研究を行ったうえで、いろいろな教材を活用して指導にあたれば、それだけ多面的な授業が展開できますから、子どもたちの理解度の向上にもつながるだろうということです。
②は、小中の連携をより進めて、中1の壁問題に対応できるということです。
③は、色々な教科の先生が授業をしますから、それだけいろいろな先生の目が入るわけで、それだけ子どもの理解も進むだろうということです。
④は、学級担任制では、すべての教科、生活指導、その他諸々が学級担任の仕事になり、朝子どもたちが教室に入って、夕方学校から下校するまで先生は付きっきりなのですが、教科担任制にすれば、拘束される場面が減るのではないかということです。
確かに、このようなことは期待できるのですが、では教科担任制を取り入れている中学校で、これらのことが実現しているでしょうか。特に④が実現できているでしょうか?現実は中学校が一番忙しいのでは?小学校高学年でも、近年は早熟ですので、いわゆる思春期に入っている子どもが多いようです(うちの子どもも、そんな感じでした)。その意味では、小学校高学年は中学生と同じ感じですから、教科担任制を入れただけでは、中学校で起こっている問題が小学校高学年で確認できるというだけにすぎないのではないでしょうか。
実際は、単純に教科担任制を導入するだけではないはずので、メリットが期待できるとは思いますが、そもそも教員の多忙な現状を根本から解決したうえでやらなければ、それほど効果は期待できない可能性があるような気がしますが、どうでしょうか?だいたい、現状の忙しい中で、いくら専門の教員だからと言って、教材研究に取り組む時間がなければ、①は実現できませんし、先生方に余裕がなければ、③のようにいろいろな先生が関わっても、子どもの声に気が付けない可能性もあるでしょうから、教科担任制の推進とともに、周辺の問題も一緒に改善していかなければなりません。果たして、そこまでしっかりと対応してくれるんでしょうか。
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