続・人間老いやすく、学成りがたし: 各地域に一定程度の大卒者は、やはり必要だった!

2021/07/10

各地域に一定程度の大卒者は、やはり必要だった!

  7/8日に公表された「中央教育審議会初等中等教育分科会学校安全部会(第3回)」の会議資料の中に、資料の6として「コロナ休校時における教育委員会の 対応―地域差と階層差に注目して」と題した、東京大学大学院教授 中村高康先生・早稲田大学准教授 松岡亮二先生・オックスフォード大学教授 苅谷剛彦先生らによる調査報告資料があります。

 「全都道府県、市区町村教委」、「義務教育学校を含む小学校4,030校、中学校4,006校」、「学校調査対象のうち小学校400校の小学5年生、中学校360校の中学2年生(各学校原則1クラス対象)」、「その児童生徒の保護者」を対象に今年1~3月に調査を行い、「41都道府県と1009市区町村教委」、「小学校3,190校、中学校3,084校」、「小学生9,053件、中学生9,081件(学校数ベースでは小学校373校、中学校335校)」、「小学生保護者8,712件、中学生保護者8,715件」が回答したデータを分析した、速報値ということですが、その結果がかなり興味深いのです。資料の一番最後にまとめられている調査結果は以下の通りです。

• 教育委員会のコロナ休校時の対応には、内容の強弱があり、しかも地域差がある。

• 教育委員会のコロナ休校時の対応には、当該地域の大卒割合が関連している可能性がある。

• その背景には、保護者の教育への関心・関与の階層差・学校差がある可能性が高い。

• 実際、コロナ休校時の保護者の関心・関与には明確な階層差・学校差がある。

➡公立中心の小学校でも、コロナに限らず様々な面で社会経済的格差に留意が必要。(中学校についても、データは同じ傾向なので同様)

➡保護者の関心・関与(ニーズ)に合わせて「できるところからやる」対応は、社会的に恵まれた地域を結果的に優先することになる可能性がある点に留意が必要。

➡地域間・学校間の社会経済的な格差は、教育委員会ガバナンスの議論の前提にすべき。

 ある意味、納得できる結果なのですが、地域によって学力差があることは、自分の少ない教員経験からも実感していました。義務教育ですので、本当はこれではいけないのでしょうが、差があることは事実ですし、その原因の1つに地域の大卒割合が影響している可能性があるということも、おそらく当たっているのだと思います。地域の住民に多様性があることは、その地域がいろいろな可能性を持っているという点では重要ですが、その中に一定程度の大卒者が混ざっていることは必要なことだと言えるのではないかと思います。その意味では、7月8日のブログでも述べたように、一定程度の大卒者が社会に存在している状態にあることは必要ですし、そのためには大学入試に関する検討は大切なのです。また、7月1日のブログに書いたように、今までよりも国による教育への投資が必要になるのです。


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