続・人間老いやすく、学成りがたし: 「木曽谷模型」、廃棄されなかったからこそ、価値が評価されたわけです。

2023/01/31

「木曽谷模型」、廃棄されなかったからこそ、価値が評価されたわけです。

  1月29日の朝日新聞デジタルに、「明治期の巨大精密ジオラマ「木曽谷模型」 波乱の運命の末、文化財に」という記事が出ています。

 長野県木曽町の旧帝室林野局木曽支局庁舎に展示されている「木曽谷模型」は、町有形文化財に指定された、戦前の「西筑摩郡」の地形や街並みを再現した約5畳分に相当する8.7平方メートルのジオラマなのですが、1881年に東京の上野で開催された「第2回内国勧業博覧会」に出品するため作成されたとのことです。

 ただこのジオラマ、その後各地を転々として、1990年に110年ぶりに木曽へ里帰りを果たしたのですが、さらにあちこちに移され、2014年にやっと現在の旧帝室林野局木曽支局庁舎(現在は「御料館」という名称)に落ち着いたとのことです。模型が作製されてから、わかっているだけで11回引越しをしたとのことです(詳細はこちらに出ています)。

 これだけあちこちに移されたのに、いまだにきちんと残っているのは、「木曽ヒノキを使用した頑丈な造りであったことがそれを可能にしたと思われる」とされていますが、何よりもそれだけ移動されているのに、廃棄されなかったことが一番のポイントでしょう。どこかのタイミングで廃棄されていてもおかしくなかったわけですが、関係者が大切にしていたからこそ、文化財としても評価されたわけです。何でもそうですが、廃棄するのは簡単ですが、残されていたからこそ価値が出るというものです。この「木曽谷模型」を残してくれた歴代の関係者は、大変素晴らしいです。

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