続・人間老いやすく、学成りがたし: 7月 2021

2021/07/31

推しメンはどの仏様?

  明日8月1日から、大分県臼杵市にある国宝臼杵石仏(磨崖仏)で、「美仏総選挙2021」が開催されます。

 臼杵の石仏(磨崖仏)は、1995年に、磨崖仏として日本初、彫刻として九州初の国宝に指定されたもので、全部で61体あり、大部分は平安時代後期、一部は鎌倉時代の作と推定されていますが、その目的など、詳細を示す史料は残っておらず、いまだに多くの謎に包まれています。

 どの仏様も、かなり風化が進んでいますが、それぞれ個性的で、味わい深い仏様たちですが、その中から9体の仏様が立候補されています。上記リンク先には、選挙ポスターが掲載されていますが、どれも公約が素晴らしくて、おもわず笑ってしまいました。

 次期衆議院議員総選挙には、ぜひこのまま立候補されれば、下手な候補を蹴散らして全員当選、きっと日本を良い国に変えてくださるのでは、と期待してしまうのは私だけではないと思います。鎮護国家を目指した聖武天皇を思い出さずにはいられません。

2021/07/30

大学入学共通テスト、英語民間試験と記述式問題の導入を正式断念、「情報Ⅰ」を出題!

  今日7月30日の文部科学大臣の定例記者会見で、令和7年度以降の大学入学共通テストに関する話題が2つ目として出されました。

 30科目を21科目に再編すること、英語民間試験と記述式問題を定めた実施方針は廃止すること、「情報Ⅰ」が出題されること、が主な内容です。

 記者質問で、英語民間試験と記述式問題の導入を正式断念について質問して、大臣にもう一度同じことを言わせていたのは、「大事なことだから2度言わせた」んですよね、きっと(いじわるのつもりではないはず?)

 英語と記述式問題の件が無くなったということは、基本的には従来と何も変わらないってことですかねぇ?まぁ、そんなことはないんでしょうけれど、どうなるのか、逆にわからなくなりました

 情報って、先生が少なくて、数学や社会なんかの先生がやっているという話を聞いていますが、そんな科目を入試に出して何の意味があるんでしょうか?そもそも情報で行ける大学って、そんなに多くないのではないかと思うのですが。情報系に限られるんじゃないのでしょうか?情報の内容って、知識を問うというよりも、社会的な常識の1つとして身に付けておくべき内容って感じがするんですけど、違いますか?

2021/07/29

全国学力調査、令和6年から順次CBTを導入

  7月27日に、「第2回 全国的な学力調査に関する専門家会議」が開催され、小学6年生と中学3年生が対象の全国学力調査を、令和6年度からのCBT導入を中学生先行で行うことになったようです。

  まぁ、当然のなりいきですね。既に1人1台パソコンまたはタブレットを持っているわけですから、これを使わない手はないわけです。我が家の子どもも、夏休みになって学校で使っているタブレットを持って帰って来てます。宿題が出ているそうです。こうやって、日ごろから使えば、当然子どもですから、すぐに慣れます(ウチの子も、もう十分使いこなしています)。

 CBTで行われる資格試験もだいぶ増えていますので、それと同じですから、令和6年度とは言わずに、もっと早くても良いのではと思いますが、WGの最終まとめには総論として、

⑴ 段階的な試行・検証の必要性
⑵ 端末による学習環境への習熟と発達段階への考慮
⑶ CBT化による学校現場への負担の考慮
⑷ 詳細な調査設計の検討の必要性
⑸ CBT化に向けた体制整備の必要性

があがっていますが、(2)に「児童生徒が端末を用いた学習に習熟し、端末を用いた調査にも違和感なく取り組めるようになることが重要」などと書いてありますが、上にも書いたように、子どもたちの方は、既に大丈夫だと思いますよ。むしろ問題なのは(3)~(5)にあるように大人の方ですね。(5)で「テスト理論やデータ分析に精通している人材を確保し積極的に活用」とありますが、デジタル庁のように民間から連れて来るのでしょうか。ただ、予算の問題もあるので、何せ、文科省は財務省からお金を引き出せないですから、どうするんでしょうか。たぶん大人の側の問題は、予算的な部分なんでしょうね。

 引き続き(5)のところに、「国立教育政策研究所において「教育データサイエンスセンター」の新設(令和3年10月予定)が予定されている」とあったので、国立教育政策研究所のホームページの「NIER NEWS」No.207を見たら、教育データサイエンスセンター準備室の職員の辞令が発令されていましたので、予定通り10月1日には開設するようです。

2021/07/28

NDLが「電子情報の長期保存におけるエミュレーション技術の利用に関する調査報告書」を公開

  NDL(国立国会図書館)のホームページで、「電子情報の長期保存におけるエミュレーション技術の利用に関する調査報告書」(令和3年7月)が公開されています。

  電子情報の長期保存においては、「あるデジタルデータを利用するために、旧式化したコンピュータ、OS、ソフトウェア等を現在の環境で再現するエミュレーション」は、「技術デジタルデータをある形式から別の形式に移行するマイグレーション」とともに、大変重要な技術です。エミュレーション、マイグレーションともに、日々新しい技術が開発されているわけですが、導入に際しては、電子データの保存要件はもちろんのこと、安定性や作業コスト、維持コストなどもある程度考慮しなければならず、そのために日々の調査研究は欠かせないわけですから、今回のような調査報告書は、大変重要なわけです。

 こういう分野は苦手と言う方もいらっしゃるでしょうが、デジタル化は国を挙げて取り組んでいることですから、いろいろな分野で電子情報を取り扱う場面は確実に増えます。近日中に触れるつもりですが、7月26日に開催された第89回公文書管理委員会のメインテーマは「デジタル時代の公文書管理について」のように見受けられますし、デジタル庁の創設も近づいています。今回の報告書、そんなに難しくないと思いますので、ぜひ読んでみてください。

2021/07/27

「奄美・沖縄」と「北海道・北東北の縄文遺跡群」、世界遺産登録決定!

  昨日7月26日に「奄美・沖縄」が自然遺産に、今日7月27日に「北海道・北東北の縄文遺跡群」が文化遺産に登録が決定しました。👏👏👏👏👏

 「奄美・沖縄」「北海道・北東北の縄文遺跡群」の構成資産等、詳細はそれぞれホームページがありますので、そちらでご確認ください。

 それぞれ登録が決定して、地元を始め、全国的にお祝いムードなんですよね、たぶん。でも、私はヘソ曲がりなんで、これって何がめでたいのか、よくわからないんですよ。有名になるから?観光で誘客が期待できるから?それって良いことなんですかね?

 特に自然遺産である「奄美・沖縄」は、観光地になったら、自然が破壊されてしまうのでは?むしろあまり観光客などが来ないで、そっとしておいてもらえた方が良いのでは?でも、それだとお金が発生しなくて、自然を守れないというのならば、政府がそのための予算を組めば良いのではないですかねぇ。だって、日本が世界に誇る宝なんでしょう。だったら、国を挙げて守られなければならないんじゃないんですかね。屋久島や白神山地の場合は、ピンポイントなので、人の出入りの制限がやりやすいですから、何とかできると思うのですが、今回の「奄美・沖縄」は範囲が広いですし、人の影響だけではなく、近年は気候変動による自然環境の変化で植物や動物も影響を受けているのですから、現状を維持し続けるのは、相当難しいと思います。それをやろうとすることは素晴らしいことですけど、現実的にどうなんでしょうか?

 「北海道・北東北の縄文遺跡群」も、縄文文化は「自然と共存した文化」なんですから、遺跡群のある周辺の自然環境が変わってしまって、縄文文化との関係がわからなくなるような状況になったら、リバプールみたいに登録が取り消されるってこともあり得るのでは?つまり、こちらの方も、現状の自然環境ができるだけ残った状況を維持しないとダメなのではないのでしょうか?

 静岡県がかかわる富士山だって、文化遺産ですけど、「人と自然の共生」が主題だと思うのですが、そう考えると、そうじゃなくても山肌が荒れているのに、登山客がどんどん来るのって、おかしいのではないかと思うのです。せめて、数を制限して、できる限り自然に近い状況をよみがえらせることが大切だと思うのですが、どうでしょうか?個人的に富士山は登るものではなく、見るものだと思っています。だって、信仰対象なんですから。

2021/07/26

奈良文化財研究所が「文化財総覧WebGIS」を公開

  7月20日、「なぶんけんブログ」に「文化財総覧WebGISの公開を公開しました」とありました(リンク先)。

 この「文化財総覧WebGIS」は、全国の文化財に関するデータを取りまとめ、日本地図の上に位置情報とともに、発掘調査成果が示されるもので、これは大変便利です。また、「全国文化財検索」と「木簡検索」がありますし、背景の地図も「標準地図」や「空中写真」、「白地図」などいろいろと選べます。中には「明治期の低湿地」なんてのもあるので、使い方によってはいろいろな情報が得られるわけです。おまけに、インターネットにつながりさえすれば、これがすべて無償で利用できます(奈文研、太っ腹!)。

 また、文化財の調査報告書は、全国遺跡報告総覧事業によって、電子公開が進んでいますが、この「文化財総覧WebGIS」では、該当の「文化財報告書が電子公開されているものであれば、全国遺跡報告総覧の当該報告書のページへ遷移し、報告書を閲覧することができ」るということですから、「文化財総覧WebGIS」を確認すれば、該当の文化財に関する情報がかなりわかるわけです。

 これからは、まず「文化財総覧WebGIS」を使って、それで用が足りなければ、他の資料を確認するということで良いですね。場合によっては、「文化財総覧WebGIS」だけで済んでしまうこともあるでしょうから、技術の進歩ってすごいものです。


2021/07/25

東京大学経済学部資料室が、「〔書き込み式〕図書館資料保存の基本」2021年度版をPDFで公表

  7月20日に「〔書き込み式〕図書館資料保存の基本」2021年度版が公表されました。図書館資料とありますが、紙資料全般に有効な情報が、2ページにコンパクトにまとめられていて、大変参考になります。

 2020年度版に比べて、上記リンク先ホームページには「感染症対策の基本も盛り込みました。」とありますが、変更点はそれだけではなく、2020年度版の1ページ目の「紙資料の湿度管理」だったのが、「紙資料の温湿度管理」になり、2ページ目の「災害に備える」の記述が詳細になるなど、細かい点にまで目配りされています。

 2ページに書かれている資料保存の部分にある「図書館職員は資料にとってのホームドクターです」の言葉は、改めて襟を正す思いです。

 この「〔書き込み式〕図書館資料保存の基本」の内容は、知識としては知っていても、改めてこのように具体的にまとめられていた方が、日常的に意識しやすくなりますので、紙資料を取り扱う組織では、目の着くところに掲示しておくと良いのではないかと思います。

 

2021/07/24

沼津版、書道ガールズ?! 沼津四大城 御城印プロジェクト(NPO法人沼津観光協会)

 最近はやりの御城印を作って、沼津市内にあった 「興国寺城」、「長浜城」、「三枚橋城」、「沼津城」の4つの城跡を(三枚橋城と沼津城は場所が同じなので実際は3か所ですが)、観光地としてPRすべく、県立沼津西高等学校芸術科書道専攻の生徒さんが立ち上がる!ってとこですね。NPO法人沼津観光協会のホームページに御城印が出ていますが、なかなか素敵ですよ。

 ただ、御城印を作るだけなら、そんなにおもしろくないですが、これを高校生に協力してもらったってアイデアが良いですね。ホームページやチラシでは、協力している生徒さんもアニメ風?になって登場していて、アニメで聖地化している沼津をPRするものとしては、これもなかなか良いのでは。

 実は、興国寺城と長浜城は、昨年の8月にも御城印が販売されていたのですが、大人気で、枚数限定だったため、早々に売り切れてしまっていたので、今回の再登場は歴史マニアとしてはうれしいですね。また、長浜城は水軍の本拠地として作られた城ですので、一般的な城とはちょっと違っておもしろいと思います。

 沼津西高校って、明治34年に私立駿東高等女学校として開校し、今年令和3年11月5日に創立120周年となる伝統ある学校です。普通科の女子校だったのですが、2003年に男女共学となり、音楽専攻、美術専攻、書道専攻の3専攻からなる芸術科が設置されました。卒業生には、元法政大学教授で、社会民主党の元参議院議員の田嶋陽子さんや、最近ですと大河ドラマ『青天を衝け』で第14代将軍徳川家茂役で出演している俳優の磯村勇斗さんがいます。 

 今年の夏休みは、コロナの関係で観光にはややためらいがありますが、城跡なら屋外ですし、それほど密になることもないでしょうから、集めて回るのも良いかもしれません。

 

2021/07/23

スポーツ庁が民間主体で部活動運営の検討を本格化?!

  今日7月23日の時事通信社の配信を、Yahooニュースで取りあげていますが、スポーツ庁のホームページにはこの手の情報が出ておらず、他社からも現時点では出ていないので、どこまで信用できる情報かわかりませんが、財務省に提出する22年度組織改正要求に、新しい課まで新設する方針を取り込んでいるとなると、かなり本気ですね。

 記事には、「23年度以降、教員の負担が重くなりがちな公立中学校から順次、休日の部活動を地域主体としていく方向性を打ち出した」とあります。今、いろいろなところで部活動の問題点が指摘されて、7月9日には(岩波書店では9日、Amazonですと10日ですが、出版元が正しいと思いますので)、内田良さんの『部活動の社会学』が刊行されて、部活動の在り方が問われている中で、23年度以降とは、遅すぎです。もっと早くしないと、現在部活動の指導に苦しんでいる先生は、それまで待てないと思います。もっとスピーディーにならないものでしょうか。

 「運営主体の例として、スポーツクラブや芸術文化団体、退職した教員や地域のスポーツ指導者らが担うことを想定。一方、教員が引き続き部活指導を希望する場合は、教員としての立場ではなく、地域の運営主体の下で兼業の許可を得て従事する方向で調整する。」という方向は、部活動が負担にならず、指導できている先生もいらっしゃるのも事実ですから、これで良いと思います。

 ただ、民間が本当に、現在の学校の部活動を引き受けることができるのか、やや疑問ではあります。運動部にしても、文化部にしても、ただスポーツや文化芸術を指導しているだけではなく、そこには教員ならではの、子どもたちとの関係性があるわけです。勉強が苦手でも部活動でイキイキする子どもがいるわけで、そのような子どものことは、勉強も教えている教員だからこそ、わかるのです。これは民間で指導するようになったら、拾えない部分です。民間での指導ですと、その活動を楽しんでやるというよりも、競争になる部分が多くなるような気がします。学校でやっているがゆえの部活動の良いところがうまく移行できれば言うことはありませんが、果たしてどうでしょうか。




2021/07/22

「義務教育9年間を見通した指導体制の在り方等に関する検討会議」報告

  7月20日に、文科省から「義務教育9年間を見通した教科担任制の在り方について」報告(案)が公表されました。

 小学校では現在、学級担任制がとられています。学級担任制とは、すべての教科を学級担任が教えるものです。ただし、現在でも音楽、美術、技術家庭などの一部は教科担任制が導入されています。

 教科担任制とは、1人の先生が特定の教科を受け持ち、複数のクラスを指導するのが、教科担任制です。中学校、高校では教科担任制です。

 今回の報告は、この教科担任制を小学校高学年、5・6年生にも取り入れようという話です。その背景の詳細は報告を見ていただきたいのですが、いわゆる中1の壁問題から、「小中連携」や近年では「小中一貫教育」などが模索されてきているわけで、それをスムーズに行うために、教科担任制が一部で先行的に取り組まれている事例があります。

 その先行事例から、以下の観点が期待できるということで、小学校高学年への教科担任制の推進が報告されたわけです。

①授業の質の向上/学習内容の理解度・定着度の向上
②小・中学校間の円滑な接続
③多面的な児童理解
④教師の負担軽減

 ①は、各教科の専門である先生が指導した方が、当然授業の質も向上するでしょうし、教材研究を行ったうえで、いろいろな教材を活用して指導にあたれば、それだけ多面的な授業が展開できますから、子どもたちの理解度の向上にもつながるだろうということです。

 ②は、小中の連携をより進めて、中1の壁問題に対応できるということです。

 ③は、色々な教科の先生が授業をしますから、それだけいろいろな先生の目が入るわけで、それだけ子どもの理解も進むだろうということです。

 ④は、学級担任制では、すべての教科、生活指導、その他諸々が学級担任の仕事になり、朝子どもたちが教室に入って、夕方学校から下校するまで先生は付きっきりなのですが、教科担任制にすれば、拘束される場面が減るのではないかということです。

 確かに、このようなことは期待できるのですが、では教科担任制を取り入れている中学校で、これらのことが実現しているでしょうか。特に④が実現できているでしょうか?現実は中学校が一番忙しいのでは?小学校高学年でも、近年は早熟ですので、いわゆる思春期に入っている子どもが多いようです(うちの子どもも、そんな感じでした)。その意味では、小学校高学年は中学生と同じ感じですから、教科担任制を入れただけでは、中学校で起こっている問題が小学校高学年で確認できるというだけにすぎないのではないでしょうか。
 実際は、単純に教科担任制を導入するだけではないはずので、メリットが期待できるとは思いますが、そもそも教員の多忙な現状を根本から解決したうえでやらなければ、それほど効果は期待できない可能性があるような気がしますが、どうでしょうか?だいたい、現状の忙しい中で、いくら専門の教員だからと言って、教材研究に取り組む時間がなければ、①は実現できませんし、先生方に余裕がなければ、③のようにいろいろな先生が関わっても、子どもの声に気が付けない可能性もあるでしょうから、教科担任制の推進とともに、周辺の問題も一緒に改善していかなければなりません。果たして、そこまでしっかりと対応してくれるんでしょうか。


2021/07/21

令和3年8月29日、中部横断自動車道 山梨~静岡間 全線開通!

  やっと、山梨~静岡間の中部横断自動車道が全線開通します!!

 長坂JCT - 八千穂高原IC間が、基本計画区間のまま未事業化区間として残っているので、中部横断自動車道が全線開通するわけではないところが、またミソなんですが…。調べてみたら、1982年5月に静岡、山梨両県と関係市町村が中部横断自動車道甲府・清水線建設促進期成同盟会発足を発足させて、1987年9月に新清水JCT~佐久小諸JCT間132㌔が、予定路線に決定し、最初の基本計画の公示1989年2月の増穂IC - 双葉JCT間ですので、昭和に構想され、その実現のための工事が平成の30年間では収まりきらなかったわけですね。

 国道52号線を走ると、中部横断自動車道のキャッチフレーズ「君は太平洋を見たか 僕は日本海が見たい」の看板がいたるところにあって、「俺も日本海を見たい!」と思いながら、でも「いつ見れるんだ?」って思っていました。最初に書いたように、一部未事業区間が残っているので、厳密に言うとまだ中部横断自動車道では日本海は見れないのですが、とりあえず静岡県庁~山梨県庁間が約95分で行けるということで、良しとしましょう(だからと言って、別に山梨県庁に行く用事はありませんが…)。物流面ではいろいろとメリットがあるでしょうね。観光的にもコロナ禍でも、山梨県はコロナをうまくコントロールできているようなので、行っても大丈夫かと思いますし。

 若干気になるのが、当面は2車線だということですね。つまり片側1車線ですから、遅い車がいると詰まる可能性があるわけです。あと、トンネルがめちゃくちゃ多いってこと。まぁ、山の中を走っているから仕方がないですが、国道52号は富士川沿いを走っているので、なかなか景色が良いところが多かったりするわけですが、それが見れないのはちょっと惜しい気がします。

 でも、朗報であることは間違いないです。全線開通する頃のコロナの状態によっては、山梨、行っちゃおうかな。

 

2021/07/20

#さよならオレンジビック!!

 もうすでにネット上で話題になっていますが、BIC の定番ボールペン「オレンジEG」、通称「オレンジビック」が在庫限りで廃番になるとの情報が公式Twitterで発表されました。廃番の対象商品は黒、赤、青の3色、各太さ1.0ミリと0.7ミリの全6商品全世界で在庫限りとのことですが、早くもネットのショップでは品切れになっているところもあるようです。

 1961年に誕生しているとのことですから、60年間親しまれてきたということですね。皆さんもそうだと思いますが、始めて使った外国製品の1つだったりしませんか?(文房具でいうと、次にパーカーのジョッターあたりですかね?)ボールペンとしては、インクがかすれて書けなかったり、ボテが出て汚れちゃったりすることもあったのですが、近年のインクは改良されてよくなりました(ただ国産ボールペンがものすごく良くなって、そっちに行っちゃたり、万年筆を使うようになって、ビックの使用回数は少なくなりましたが。)。形状は鉛筆と一緒ですから(個人的にはこれが一番のポイントかも。)、持ちやすいですし、なんと言っても日本には無い、オレンジのボディー。田舎もんにとっては、これがなんともオシャレに感じて。個人的には1.0ミリの青が好きですね。これで、リーガルパットにぐりぐりって書くと、何でもないメモ書きが、何故がオシャレに(ただのミーハーです)
 今も机の引き出しに1.0ミリの黒と青が入っています(鉛筆と同じ形状がポイントと書いておきながら、「HOLDER PEN for orange」も持っていたりします)。書けなくなりますけど、これ使わないで、保存します。こういう日用品って、案外残らないので、もしかすると、何十年か経つとお宝になるかも(もともと安いから、価値なんか出ないって。ただの自己満です)
 

2021/07/19

掛川市市民意識調査での、浜岡原発の再稼働反対の割合について

  掛川市の『令和3年度 市民意識調査報告書』が公表されています。

 掛川市に住民登録をしている満 18 歳以上の男女2,500 人を調査対象として、郵送により発送・回収し、有効回答数1,349 枚(回収率 54.0%)の結果です。

 「掛川市の住みやすさについて」という質問のうち、「あなたは、浜岡原子力発電所の今後について、どのようにするのがよいと思いますか。」という質問についての回答として、

1.廃炉にしたほうがよい 431件 31.9%
2.停止しておいたほうがよい 171件 12.7%
3.安全が確認できれば稼働したほうがよい 392件 29.1%
4.どちらともいえない 204件 15.1%
5.わからない 135件 10.0%
  無回答 16件 1.2%

という結果です。1と2が再稼働反対と考えられすので、44.6%が反対ということですね。この数字は、昨年が1.32.8%、2.11.8%、計44.6%一昨年が1.40.7%、2.10.7%、計42.4%ですので、令和になってからはあまり変化が無く、約半数近い市民が反対していると見て良いでしょう。年代別では、40代以上で1と2が多く、30代になると1+2と3がほぼ同数、20代になると3が逆転するのは、牧之原市の調査結果同様に若い人たちは、東日本大震災の記憶が無いためであると考えられますので、牧之原市に比べると、再稼働に反対する数は掛川市の方が若干多いという結果になります。

 牧之原市の調査結果をコメントした際にも述べましたが、浜岡原発は、政府による停止要請が出された際に、「世界一危険な原発」とされた原発です。再確認しておくべきだと思います。


2021/07/18

『令和2年度 子供の読書活動の推進等に関する調査研究-調査報告書-』について

 6月11日に文部科学省が『令和2年度 子供の読書活動の推進等に関する調査研究-調査報告書-』(2021年3月付)をウェブサイトで公開しました。今年度は「教育委員会、公立図書館及び学校図書館」を対象に、「電子図書館及び電子書籍を活用した子供読書活動に関する実態調査」を調査テーマとしています。

 内容は、「電子書籍や電子メディアを活用した読書活動推進の取組の実施状況アンケート」と「電子書籍を既に活用しており、特に子供向けの電子書籍を活用した取組に力を入れている自治体・学校を選定しヒアリング調査」で、ヒアリング調査では熱海市が「公立学校の電子書籍を活用した取組事例」として取り上げられています。

 まずは、アンケート結果ですが、

子供の読書活動推進計画を定めている自治体のうち、電子書籍を活用した取組について記載のある自治体の割合は 8.3%

現在公立学校に電子書籍を導入している自治体の割合は 2.0%で、今後導入を予定・検討している自治体の割合は1割程度

・現在公立図書館で電子書籍の貸出を行っている自治体の割合は 9.8%で、今後電子書籍の貸出を予定・検討している自治体の割合は3割程度

 コロナの影響で、多くの図書館が閉館せざるを得なかった中で、電子書籍が注目されたわけですが、結論から言えば、その普及はまだまだということですね。アンケート結果にも出ていますが、導入が十分ではない理由の1つめは予算不足、2つめはコンテンツ不足にあるわけですが、多くの自治体で図書館の予算が十分ではない中で、紙の書籍すら選書に苦労して購入しているらしいので、電子書籍まで手が回らないということでしょう。また、図書館での導入が多くなければ、作る側もそれほど多くの分野にまで、まだ手を出さないでしょうから、結果的にコンテンツ不足ということになるんだと思います(正直言って、私などは本はやはり紙の方がいいって感じなので、ほとんど電子書籍は手を出しませんが。いいとこちょっとした雑誌くらいですね。おそらく、こういう人、結構いるのではないかと思うので、それもコンテンツが増えない原因の1つなんでしょうけど)

 学校での「GIGA スクール構想」により、児童・生徒にタブレット端末が普及することで、今後、児童・生徒が電子書籍に触れたり、体験する機会が増加することが考えられる中で、公立図書館と学校が連携し、いつでも子どもたちが電子書籍に触れられるようにすることが期待されるわけですが、そういう点で、先行事例の1つとしての熱海市の取り組みが参考になるわけですね。

 熱海市では、2018 年12 月に図書館システムの変更を行い、それを機に電子書籍を導入したとのことで、地理的な不便から図書館に来られない方へのフォローと、現在非常に低い中高生の読書量を改善することを目的に、「学校と連携した電子書籍を活用した取組」が行われたとのことです。
 具体的には、「現役の教員を図書館協議会の委員に委嘱」し、「市内の小学校で音声付きの英語の絵本をタブレットからモニターに映して解説をする試験的な朝読書」が行われました。小学校の英語教育の問題もありますから、確かにこの取り組みは参考になりますね。報告書には、この他に9つの事例が載っています。事例の掲載が若干少ないとは思いますが、今後各地でいろいろと試行錯誤がされていくと思います。そういった事例もおそらく何らかの形でネット上で確認できるはずですので、ぜひ各地で取り組んでもらいたいですね。ただ、その前に図書館の予算を増やしてもらわないと、やりたくてもできないですので、文科省に頑張ってもらわないといけないですね(文科省、いろいろ問題が山積みなので、なかなか厳しいでしょうけど)

2021/07/17

国の登録有形文化財に、旧岸邸と高林家住宅建造物9件が登録答申

  7月16日、国の文化審議会が開催され、国の登録有形文化財に、静岡県から御殿場市東山の旧岸邸と、浜松市東区の高林家住宅建造物九件が、登録の答申がされました(報道発表資料はこちら)。

 旧岸邸は、報道発表資料に主な事例の1つとして出ていますが、登録のポイントは「建築家吉田五十八(よしだいそや)の意匠が内外に遺憾なく発揮された邸宅」ということのようです。岸とは、言わずと知れた前総理大臣安倍晋三のおじいさんである第56・57代総理大臣岸信介のことで、自邸として1969(昭和44)年に建てられたものです。現在は御殿場市に寄贈されており、一般公開されていて、今はようかんで有名な虎屋さんが指定管理者で、虎屋さんのお店と茶寮があります。東名御殿場インターを降りて山中湖方面へ進むと、走り始めてすぐの右手にあります。

 建築家吉田五十八は「近代数寄屋建築の祖」とされる人物で、文化勲章も受賞していますが、この旧岸邸は晩年の代表作の1つだということです。でもやっぱり総理大臣私邸だということも、登録理由に含まれるんでしょうね。わずか50年ほど前の1969年の建物でも登録されるんだということに驚きです(50年前って、もう十分昔?)。

 高林家住宅は、2018年に主屋・隠居田舎家、長屋門、住宅蔵、住宅給水塔の5件がすでに登録されていて、今回は馬小屋、堆肥小屋、男衆部屋、味噌倉・米倉、地の神社、平常門・塀、平門・塀、内塀、外塀の9件が、追加で登録されることになります。

 高林家は、代々有玉下村の庄屋を務めた家で、この地域でも有数の豪農です。13代目維兵衛は、幕末に浜松藩の安政改革の際に世話役を務め、慶応改革でも仕法掛に任命されており、明治になると、銀行の設立や耕地整理組合の会長に就任するなど、地域の発展の貢献しています。また、「高林日記」を残しており、歴史関係者にとっては重要な情報源となっています。なお、高林家からはその他にも様々な史料が市に寄贈されていて、浜松市中央図書館に「高林家文庫」として所蔵されています。

 14代目兵衛も銀行の経営などで地域に貢献しましたが、特に民芸運動を起こした柳宗悦を支持し、邸内に国内初の常設民芸展示場「日本民芸美術館」を開館しました。2018年に登録された田舎家がそれです。また、時計の収集家としても有名で、現在国立科学博物館に掛時計や櫓時計などが収蔵されています。

 これで、県内の登録有形文化財(建造物)は292件となります。


2021/07/16

「学校運動部活動指導者の実態に関する調査」結果について

  公益財団法人日本スポーツ協会が今年(2021年)調査した「令和3年 学校運動部活動指導者の実態に関する調査報告書」が、7月15日に公表されました。その報告書の中で、気になったのが、次の2点です。

・中学校の4割以上、高校の7割以上が、スポーツ庁のガイドラインで定める活動時間を超過している。

・ガイドラインで、平日2時間、休日3時間、週当たり計11時間の活動時間の上限を設けているが、超えていなかったのは、中学校が58%、高校は26%だった。

 明らかにオーバーワークですね。熱心なのは悪いことではありませんが、これが本来の学習指導に響いていないか。先生だけではなく、子どもにとってもやりすぎということはないのか。今回の調査からはわかりませんが、調べてみる必要があるでしょうね。

 この他の点で気になったのは、調査の回収率の低さです。指導者12,000人(中学校6,000、高校6,000)に発送して、回収数が総数4,979(中学校2,275、高校2,704)で回収率が41.49%中学校37.92%、高校45.07%)と半数に届いていません。これは前回平成24年に調査した報告書を見ると、発送総数12,355(中学校6,145、高校6,210)、回収総数8,589(中学校4,047、高校4,542)、回収率総数69.5%中学校65.9%、高校73.1%)と結構高い数値ですので、比較的実態に迫れていると思われるのですが、今回のように半数にも満たない数値では、実態を十分反映できていない可能性が高いのではないかと思います。また、回答が少ないということは、回答するだけの気力が無いということなのでしょうか。本来ならば、そのあたりの理由も調査するべきでしょう。

 「#教師のバトン」で声を上げているのはごく一部だと思いますが、管見の限りでは部活動の問題を指摘する声は多いように感じています。そこから、今回の調査の結果を合せて考えてみると、回答数の少なさは、もう皆さん、疲れ切ってしまって答える気力も無いと考えられなくもありません。実際のところはわかりませんが、少なくとも現状において部活動は問題ありだと言っても良いでしょうね。



2021/07/15

西日本豪雨災害で文化財や文書等を残す活動をまとめた資料のPDF、無料公開

 2018年7月に発生した西日本豪雨災害で活動した団体・ボランティアチームの活動の記録で、『残す。西日本豪雨災害 私たちは真備に何を残そうとしたのか』という資料ですが、これが無料で公開されました。👏👏👏👏👏

 2021年1月30日に発行されていたもので、被災した公文書、文化財、歴史資料など、とにかくいろいろなものをレスキューして残し、伝えるための関係者の努力が詰まっています。オールカラーページで、具体的にレスキュー方法が写真つきで説明されています。A4版で126ページもありますので、全部読み込むのがかなり大変ですが、大変参考になりますし、これ自体が貴重な記録財産です。

 近年の気象状況ですと、国内すべてが明日は我が身でもおかしくないような状況です。実際に被災しては困りますが、万が一被災してしまった際の対策方法は知っておいて損はありません。各自治体の関係部局の人たちには、ぜひダウンロードして、目を通しておいて欲しいです。

2021/07/14

育児マンガって、教育と無関係?

  以前から話題となってますので、御存じの方も多いと思いますが、東京都立高校の先生が、御自身の育児体験のマンガを出版しようと兼業申請を提出したところ、不許可にされたので、これに対する取り消しを求めた訴訟の第1回口頭弁論が今日7月14日に行われたとのニュースが朝日新聞に出ていました。

 申請されたのは、「教育に関する」兼業の申請書ではなく「営利企業などに従事する」場合の兼業の申請書で許可できないと判断したと、都は答弁書で指摘しており、これが仮に「教育に関する」兼業の申請であっても、「育児の経験を漫画で表す執筆業務は、教育に関する事業には当たらない」と指摘し、「教育に関する」兼業の申請でも認められないとしているとのことですが、「育児マンガ」って教育とは無関係ですか??

 小学生向けとかで、歴史マンガとか、理科関係のマンガとかいろいろありますよね。自分もそうでしたが、そこから興味を持って、いろいろな書籍を読むようになったという経験を持っている人って多いんじゃないかと思うのですが。あるいは、子どもに興味を持たせるために、マンガを利用している先生もいらっしゃるんじゃないかと思います。ですから、マンガって教材としてかなり利用できるものですので、マンガであることは問題はないでしょう。

 育児に関しても、かなり前から家庭科は男女とも勉強するようになり、当然育児についても勉強するわけです。その際に、育児マンガって教材として使えるはずですよね。ましてや、この先生、パパ頭さんのマンガをご覧になられたことのある方はお分かりと思いますが、お子さんがウサギ?っぽいキャラクターで描かれていて、大変可愛らしいマンガで、子どもの可愛らしさがすごくよく出ている、たぶん「パパ頭」さんが、本当にきちんと育児をされていて、お子さんのことをよく観察しているからこのようなマンガを書けるんだと思うのですが、個人的に「パパ頭」さんの育児マンガって、十分に教育的だと思います。また、ブログの記事を拝見する限り、先生としてもかなり優秀な方なのではないかと思いますし、生徒さんたちにも人気のある先生なんじゃないかと思うのです。能力があるからこそ、育児マンガとかも書けるのでしょうね。

 こんなご時世ですから、教員を始めとした公務員も、能力があって、副業ができる人はしても良いのではないかと思うのですが。どうも、日本は人材を活用するのがうまくないですね。「出る杭」に見えるのでしょうか?能力があって、それを活かせるところがあるのなら、むしろ積極的にやらせるべきです。この裁判、最後まで目が離せないです(まぁ、おそらく、マスコミも最後まで追うでしょうけど)。

2021/07/13

令和3年版防衛白書

  今年の『防衛白書』が公表されました。

 内容の点では、台湾情勢について明記してあって中国から抗議があったとか、竹島の件で韓国から抗議があったとかニュースで流れていますが、コロナ禍で国民が苦しんでいる中で、防衛力を強化するって、どうなんでしょう。「イージス・アショア」の問題もあったのに。外国がミサイルを増やしたから日本もというのでは、ただのイタチごっこなだけで、お金を回すのはそっちではないと思うのですが。外敵から国民を守るのが防衛ならば、コロナウイルスという外敵に対してとか、近年多発している自然災害に対する対策とかの方がより重要です。ミサイルや戦闘機ではコロナウイルスはやっつけられませんし、大雨には勝てません。コロナウイルスという外敵が国内に侵入し、国民が生命の危機にさらされ、死者が出ているという国難のなか、オリンピックというお祭りを優先するような政府ですから、期待するだけムダなんですけどね。

 表紙の騎馬武者の絵、インパクトありますよね。おまけに墨絵なので、迫力があります。去年なんて、これって防衛白書って?感じのピンクの表紙でしたが、今年の表紙は気合の入り方が違うって感じがするんですけど、何かあるんでしょうか。むしろそっちが不安になります。

2021/07/12

法隆寺金堂がVRですべて見れます!

  7月14日(水)から東京国立博物館の東洋館のミュージアムシアターで、法隆寺の国宝「金堂」のすべてが納められたVR作品「法隆寺 国宝 金堂―聖徳太子のこころ」が上演されます。

 凸版印刷が制作したものですが、法隆寺の金堂は金網が貼られていて、近くに行って見ることができないわけですが、このVR作品では金堂内部に安置されている仏像や壁画を含め、金堂のすべてが高精細にVR化されているようですので、普段見ることができない細部まで、鑑賞できるということだと思います。かなり期待できる作品になっていると思います。

 何故そう言えるのかというと、実は日曜日の7月11日で終わってしまったのですが、「鳥獣戯画 超入門!」というVR作品が、オンラインで見ることができておりまして、これが良かったんですよ。「鳥獣戯画」って、学校の教科書や副教材とかで見たことがあると思うのですが、ウサギやカエルが相撲を取っていたりする絵巻物で、アニメーションのはしり的な感じで、大変コミカルで面白いんですが、VRだとウサギやカエルが動いて、まさにアニメーションなんです。

 「法隆寺 国宝 金堂―聖徳太子のこころ」は、2021年10月10日(日)までで、事前予約が必要のようで、詳細は前述のリンク先で確認してください。緊急事態宣言下で、おまけにオリパラもあって、地方の人間が東京へ行くのは厳しいですが、公開期間中に状況が改善されたら、ぜひ行きたいものです。できれば、「鳥獣戯画 超入門!」みたいに、オンラインで公開してくれないかなぁ。

2021/07/11

朗報!文科省、教員免許更新制廃止へ来年の法改正目指す

  昨日7月10日の21時過ぎに、毎日新聞がスクープした内容ですが、今日、他社からもニュースが配信されているところを見ると、検討しているということは間違いないようですね。

 これは、全国の小中高の先生方にとって、間違いなく朗報ですね。私は更新講習を受けたことが無いのですが、知り合いの先生に聞いたところによると、夏休みに近隣の大学に行って、講義を受けなければならず、希望する授業が必ずしも近隣の大学で開講されているとは限らず、中にはわざわざ他の県にまで行った先生もいるとか。講習費用が3万円かかり、これは自己負担で、さらに当然ながら講習を受ける大学までの交通費は自腹ですから、かなりの金額がかかることになります。「これで10年間仕事ができると考えれば高くない」という声も聞いたことがありますが、やはり多くはかなり痛いと感じるでしょうから、これが無くなるということは、大変良いことでしょう。お金のことだけではなく、時間的負担も精神的負担も無くなるということですから、大変喜ばしいことです。

 講習を担当している大学側の、初期のころの声も聞いたことがありますが、その際には「講習は新たな負担」との声がありました(ある程度年数が経てば形式が整うので、近年は大学側はそれほど負担ではないかもしれませんが)。

 「来年の通常国会に関連法案を提出する」ということのようですので、早ければ、来年度の講習は無くなるかもしれません。少なくとも、再来年度に期限が来る方は講習を受けなくてすむということです。

 更新制を廃止して、従来通り免許が無期限になる代わりに、教育委員会による研修を強化する方向のようですが(その分、教育委員会の研修担当者の負担が増えてしまいますが)、それでも、SNSでは歓迎のコメントが多いように見受けられます。個人的にも、来年になって「更新制が廃止された」というニュースを聞くのが楽しみです。

2021/07/10

各地域に一定程度の大卒者は、やはり必要だった!

  7/8日に公表された「中央教育審議会初等中等教育分科会学校安全部会(第3回)」の会議資料の中に、資料の6として「コロナ休校時における教育委員会の 対応―地域差と階層差に注目して」と題した、東京大学大学院教授 中村高康先生・早稲田大学准教授 松岡亮二先生・オックスフォード大学教授 苅谷剛彦先生らによる調査報告資料があります。

 「全都道府県、市区町村教委」、「義務教育学校を含む小学校4,030校、中学校4,006校」、「学校調査対象のうち小学校400校の小学5年生、中学校360校の中学2年生(各学校原則1クラス対象)」、「その児童生徒の保護者」を対象に今年1~3月に調査を行い、「41都道府県と1009市区町村教委」、「小学校3,190校、中学校3,084校」、「小学生9,053件、中学生9,081件(学校数ベースでは小学校373校、中学校335校)」、「小学生保護者8,712件、中学生保護者8,715件」が回答したデータを分析した、速報値ということですが、その結果がかなり興味深いのです。資料の一番最後にまとめられている調査結果は以下の通りです。

• 教育委員会のコロナ休校時の対応には、内容の強弱があり、しかも地域差がある。

• 教育委員会のコロナ休校時の対応には、当該地域の大卒割合が関連している可能性がある。

• その背景には、保護者の教育への関心・関与の階層差・学校差がある可能性が高い。

• 実際、コロナ休校時の保護者の関心・関与には明確な階層差・学校差がある。

➡公立中心の小学校でも、コロナに限らず様々な面で社会経済的格差に留意が必要。(中学校についても、データは同じ傾向なので同様)

➡保護者の関心・関与(ニーズ)に合わせて「できるところからやる」対応は、社会的に恵まれた地域を結果的に優先することになる可能性がある点に留意が必要。

➡地域間・学校間の社会経済的な格差は、教育委員会ガバナンスの議論の前提にすべき。

 ある意味、納得できる結果なのですが、地域によって学力差があることは、自分の少ない教員経験からも実感していました。義務教育ですので、本当はこれではいけないのでしょうが、差があることは事実ですし、その原因の1つに地域の大卒割合が影響している可能性があるということも、おそらく当たっているのだと思います。地域の住民に多様性があることは、その地域がいろいろな可能性を持っているという点では重要ですが、その中に一定程度の大卒者が混ざっていることは必要なことだと言えるのではないかと思います。その意味では、7月8日のブログでも述べたように、一定程度の大卒者が社会に存在している状態にあることは必要ですし、そのためには大学入試に関する検討は大切なのです。また、7月1日のブログに書いたように、今までよりも国による教育への投資が必要になるのです。


2021/07/09

令和3年7月9日の文部科学大臣記者会見について

  今日7月9日の記者会見で、昨日コメントした「大学入試のあり方に関する検討会議による提言」のことが一番最初に話題にのぼりました。このことに関しては、昨日のブログをご覧ください。

 今日コメントするのは、4つ目の話題となった緊急事態宣言下における部活動の大会や修学旅行の実施についてです。夕方のニュースでも取り上げられていたようですが、要約しますと、

中高生の部活動や全国大会などはできる限り予定通り行って欲しい」

部活動の大会や練習は適切な感染防止策を講じたうえで、できる限り続けられるようにしてほしい」

「(県をまたいだ移動に際しては)電車などを使わずに、貸切バスなどでの移動を求めていきたい。そのための財政的な支援も考えたい」

と、言うことなんですが、これは賛否両論ありそうです。

 賛成する意見としては、オリンピックを開催するのだから、「子どもたちのことを考えれば、通常通りの活動は当たり前」ということでしょう。これまで、運動会や文化祭などの活動を制限した学校が多かったと思いますので、普段通りにさせてあげたいという先生方の思いは強いと思います。

 一方、「オリンピックを開催するのだから、部活動くらいやって当然」という皮肉的な意見や、「緊急事態宣言を出しているのに、普通にやれとはどういうことか」といった意見、「#教師のバトン」でも話題の1つになっている「部活動に従事する教員に手当を!」という意見がありそうです。特に今回は、大臣が移動手段に対して財政支援を検討したいと発言しましたので、だったら教員の手当てを出してくれ!!という意見は多いのではないかと思いますが、おそらく部活動手当の増額などは、残念ながら行われないでしょう。何せ、文部科学省は弱小省庁ですので、そこまで力がないでしょう。7月7日のブログで書いたように、部活動は学校から切り離す方向で検討すべきだと思います。

2021/07/08

「大学入試英語成績提供システム」及び大学入学共通テストにおける記述式問題の導入見送りを提言

  今日7月8日、「大学入試のあり方に関する検討会議」(座長:三島良直 国立研究開発法人日本医療研究開発機構理事長、東京工業大学名誉教授・前学長)において、提言が取りまとめられ、公表されました。

 今までにも既に報道に出ていましたが、今回の提言で、英語民間試験活用と記述式問題導入を正式に断念し、各大学の個別入試で推進するよう求めています。

提言には、「大学入学者選抜に求められる原則」 として、

原則①:当該大学での学修・卒業に必要な能力・適性等の判定 

原則②:受験機会・選抜方法における公平性・公正性の確保(形式的公平性の確保)

原則③:高等学校教育と大学教育を接続する教育の一環としての実施(高大の円滑な接続)

の3つを掲げ、例えば「大学入試英語成績提供システム」の導入に関わっては、

地理的・経済的事情や障害のある受験者への配慮が不十分であるとの指摘や、目的や内容の異なる資格・検定試験を大学入学共通テストの枠組みで活用することへの懸念の指摘があったことは、原則②(受験機会・選抜方法における公平性・公正性の確保)との関係で課題が大きかったと言える。」と述べられ、

また、「大学入試英語成績提供システム」において、「英語資格・検定試験の日程、会場、各大学の活用予定等に関する情報提供に遅れが生じたことなどは、原則③(高校教育と大学教育を接続する教育の一環としての実施)における「入学志願者への教育上の配慮」の観点で課題が大きかった。」とされています。

 どちらにしても、受験生に対する配慮が足りなかったわけですが、大学入試を改革するのならば(必ずしも改革しなければいけないとは思いませんが)、新しい学習指導要領の成果がどのように出るのかも見る必要がありますから、改革が必要か否かの議論をするにも本来はもっと時間をかけるべきです。

 今後、子どもの数が減っていくのですから、ある程度の学力レベルならば入学を認めて、大学に入ってから鍛えるというのも1つの方法だと思います。やはり大学ではないと学べないことも多いですし、一定程度の大卒者が社会に存在しなければ、諸外国との関係が保てない可能性もありますから。

2021/07/07

日本の教員の院卒比率は、世界で最低レベル!

  『ニューズウィーク日本版』のホームページに出ている今日(7/7付け)の記事ですが、これは改めて言われなくても、多くの人はだいたい分かっている話だと思います。確かに、2012年の中央教育審議会の答申で、教員の資格要件を大学院卒に引き上げようという案が示されましたが、当時からこれは難しいだろうという意見が多かったように思います。自分が学校現場にいたころ、高校ですら院卒者は比較的若い人で数人(2~3人?)程度だったように記憶しています。大学院に行って、規定の教職課程を修了すれば専修免許になるわけですが、そもそも専修だろうが、1種だろうが(さすがに最近は2種ってことはほとんどないと思いますが)、教員としてやることに違いがあるわけではないですし、専修免許を取るためには、大学院を修了するために必要な単位以外に授業を余分に取らないといけないわけで、あえて大学院に行って専修免許になる理由が見いだせないのですから、多くの人が進んでそうなろうとは思わないだろうと思います。

 記事では「日本の教員は就職後、膨大な業務に忙殺され、学び続けることができないでいる。」、「学び続けるための条件は「ゆとり」だ。」と言われていますが、違うような気がします。確かに忙しいのは事実でしょうが、教員を教えることに秀でた高度専門職にする、院卒者、専修免許保持者を増やしたいならば、学校自体を学びに特化した場所にするべきなのではないでしょうか。授業以外のものがあるから忙しいといった部分があるように思います。中でも中学、高校では部活動がかなりのウエイトを占めているように感じています。部活動自体が悪いのではなく、学校の中でやる必要はない、教員が面倒を見る必要はないと思います。部活動におけるスポーツや文化・芸術活動で、それをきちんと指導できる教員はごくわずかで、ほとんどは素人ながら、苦労してやっている人が多いのではないかと思います。それよりは、部活動を学校から切り離し、社会スポーツ、社会教育に任せてしまい、プロに指導してもらう方が良いのではないでしょうか。文科省でも検討しているようですが、6月25日に、経済産業省の方で提言が出ています(地域×スポーツクラブ産業研究会の第1次提言)。今後、どういう方向性になるのか、注目していきたいと思います。

2021/07/06

災害現場でドローン大活躍!

  7月3日に発生した熱海の土石流で、大変大きな被害が発生し、またその他静岡県内の多くの地域でも多数の被害が出たことに関しまして、お見舞い申します。

 3日のニュースを見ていて、菅首相が、大雨に関する関係閣僚会議後、記者団に語ったコメントの中に、「気象条件(悪化)のためにヘリやドローンが飛ばせない状況だ。」というものがあったのですが、雨さえ止めば、むしろドローンを使えば状況を把握できるはずだと思っていたのですが、4日のニュースでは、3日夕方に静岡県がドローンで撮影した土石流の発生現場付近の映像が流れていました(「あれっ、菅さんの言っていたことと違うじゃん。都議選のことに気を取られて、初動がダメじゃん」って思いましたよ、もちろん)。

 さらに、今日6日には、ドローンで撮影した映像と地図を1枚に組み合わせた画像が公表されました。これはすごいですね。今はここまでできるんですね。昨今の気象状況を考えれば、日本国内どこでも災害が発生する可能性は高いですし、木の値段が安く利用価値が下がっているため、木を利用する以外の目的で行われる山林開発は全国で行われているわけですから、ドローンを使ったこのような技術は、今後も役に立つと思われますので(本当は災害が起こらず、このようなドローン技術が役立たない方が良いのですが)、初動対応さえ誤らなければ、今までとは違う対策がとれるのではないでしょうか。


2021/07/05

表現者クライテリオン2021年7月号読了

  今まで読んことがなかった雑誌なのですが、前回の2021年5月号で、「[座談会]知識人は「ポリコレ」にどう向き合うべきか――「保守」と「リベラル」の対話を通じて/東浩紀×辻田真佐憲×藤井聡×浜崎洋介」に興味を惹かれて購入したのです。と言うのも、自分はリベラルとは言わないまでも、どちらかと言とそちらに惹かれていたのですが、このコロナ禍における政府や自民党、野党の動きを見るにつけ、リベラルでは力が足りず、保守から何とかしないとダメなんじゃないかと思い始めていたので、東氏や辻田氏を交えて保守の雑誌で行われる座談会って、どんな感じなんだろうと思ったからですが、これが良かったんですよ。何がって、東氏や辻田氏と対談をしている藤井氏や浜崎氏の発言が、ややリベラル寄りだと思っていた自分の思いとあまり変わらないということが分かったからです。つまり、自分はややリベラル寄りだと思っていたんですが、もしかするとやや保守に寄ってきているようで、『表現者クライテリオン』で語られている考えは、すべてではないにしても、共感できるものがあるということに気が付いたのです。

 「「コロナ依存症」に陥った日本社会をどう癒すか――過剰自粛、ポリコレ、ポスト・トゥルースの時代を超えて」と題した與那覇潤氏のインタビュー記事も秀逸です。近代史研究者として、與那覇氏が病気になる前からその見識に注目していて、復帰後の著作も読んでいますが、與那覇氏の理論的な話は納得しています。

 2021年5月号が結構満足でしたので、今回もと言う感じで手にした2021年7月号だったのですが、特集1の「孫子のための「財政論」 中央銀行の政治学」の中の、浅田統一郎氏と藤井聡氏の対談「ケインズ革命を加速せよ!―中央銀行のプラグマティズム」は良かったです。特に浅田氏の話が分かりやすくて、これなら高校の現代社会か政治・経済の授業で読ませても良いのではないかと思います。

 特集2の「コロナがもたらす教育破壊」の中の、宮台真司氏と藤井聡氏の対談「「若者の未来」は守れるのか?――社会学からの処方箋」は、もっと良かった。「戦後、特にここ40年間で、国民全体が共有する認識が崩壊した」と言う認識は、歴史学の方でもフランシス・フクヤマの「歴史の終わり」などがあるわけですが(個人的には「大きな物語」を失ったこいとで、歴史学は細分化してしまい、以前の立ち位置に戻れていないように感じているのですが)、「共通前提を復活させないと、日本は復活できない」という課題をどうするのかに対する答えが見いだせないでいるわけです。宮台氏と藤井氏の言う「パルチザンと連合軍のタッグ」で、果たして何とかなるのかは、ちょっと疑問ですが、それでも少なくとも何から始めれば良いのか、その方向を示しているわけで、いくらか希望が持てるわけです。

 この調子だと、次号以降もしばらく購入するだろうなぁ。




 

2021/07/04

掛川市「松ヶ岡」の、建築の技に関する公開講座申込み受付中!

  静岡文化芸術大学が8/3から無料配信する、掛川市の市指定文化財「旧山崎家住宅」、通称「松ヶ岡」の保存活用工事に関する公開講座の申込みが始まっています。

 講座は、「松ヶ岡」の保存活用工事で設計監理を担当している京都伝統建築技術協会の浜野豪氏が講師の第1部、浜野豪氏と静岡文化芸術大学の先生らによるトークセッションが第2部となっています。

 「松ヶ岡」は令和2年9月から大規模な修復工事が行われていて、公開講座はこの工事での知見を知ることができるものだと思います。

 「松ヶ岡」に関しては、ホームページに詳しいのですが、山崎家は油を中心に、掛川の名産である葛布などを扱った商家で、掛川藩の御用商人となり、藩からは士分の待遇を受けていた豪商でした。

 近代になり、8代目となった山崎千三郎は、金融・交通・用水等の整備に活躍しました。岡田良一郎らとともに資産金貸付所の御用係となったり、掛川銀行の筆頭株主となったり、東海道線の誘致運動を行ったり、掛川馬車鉄道、掛川鉄道の設立にかかわったり、大井川疎水事業を県に建白するなど、掛川地域の発展に大きく貢献した人物です。

 「松ヶ岡」は大変広く、かなり立派な建物なので、直接現地に見学に行くのが良いとは思うのですが、保存活用工事の際には、解体・調査した上で修理していくわけですから、建物を見るだけでは分からないことが公開講座では知ることができるのだと思います。ですから、公開講座を受けてから、現地を見学した方が、「松ヶ岡」の魅力が、より一層理解できるのではないかと思います。ましてや公開講座は無料で受けられるので、申し込んでみてはいかがでしょうか(別に大学の回し者ではないですが…)。ちなみに私はもう申込みました。

2021/07/03

東京五輪の反対者は反日? 7月3日の毎日新聞より

  「安倍前首相「反日的な人が五輪開催に強く反対」 月刊誌の対談に

 上記のページが、無料で全文読めるようになっているので、これは「拡散してくれ」という無言のメッセージなのだと勝手に判断して、コメントします。

 安倍さんのこの発想はどこから来ているのでしょうか。いったい何を狙っているのか、理解に苦しみます。

 「敵を想定して、それを攻撃する」というやり方は、世界的に政治の世界でよく取り入れる常套手段ですが、その敵を自国民の中に想定するという、トランプ前大統領的な、国家を分断するような手法を、日本で使うのというのは、意味がよく分かりません。アメリカのように二大政党制の社会でならば、その効果はありますし理解できますし、トランプさんのようなポピュリズムなら意味が分かりますが、日本のような自民1強プラス多党制的な状況で、誰に向けたアピールなんでしょうか。安倍さんは現役の首相のころ、「民主党政権時代は悪夢」と称して自己の政策を正当化していましたが、これも国民はそれほど強くそんな風に思っていたとは思えませんので、国民向けにどれだけの効果があったのか(自民党の政治家には効果があったでしょうけど)

 安倍さんの発言は、少なくともそれに反発する人々が動くきっかけになっているので、ある意味話題になりますし、そうすることで存在感をアピールできます。今回もまさにそうですね。あっ、もしかして、最初から突飛なことを言って目立とうというのが狙いなのか?だとしたら、それに反応してこんなことを書いている自分は、まんまと安倍さんの策略にはめられた??


2021/07/02

大雨による土砂災害警戒情報レベル4発令!

  昨日7/1から雨が降り続いていますが、今朝、特に通勤時間帯の大雨で、土砂災害警戒情報が発令中です。県内各地の土砂災害警戒区には、避難指示が出ている地域が多いです。これは、5段階中にレベル4にあたります。

 ただし、夜間は暗くて、避難するのは逆に危険ですので、その場合は自宅内のできるだけ崖などから遠い場所に移動するようにしてください。

 この後も雨が降り続く予報ですので、河川の氾濫の危険もありますので、気象情報などをチェックして、2階建て以上のお宅は2階以上の移動しておくと良いかもしれません。

2021/07/01

教育にはお金がないと。

  6/29、科学技術・学術政策研究所(NISTEP)が、「修士課程(6年制学科を含む)在籍者を起点とした追跡調査(2020年度修了(卒業)者及び修了(卒業)予定者に関する報告)」を公開しています。昨年はCOVID-19の影響で、かなり特別かと思いましたが、報告を見ると、COVID-19だからというのはそれほど多くはないように感じました。

 この調査は、そもそも「修士課程修了者の進学率が、2000 年度の 16.7%以降、減少傾向にある」ということから行われたものですが、概要2、概要3ともにお金の話ですし、この調査の一番大事なポイントである、概要7の「博士課程進学ではなく就職を選択した理由」が、

「経済的に自立したい」(67.9%)
「社会に出て仕事がしたい」(62.3%)
「博士課程に進学すると生活の経済的見通しが立たない」(38.3%)
「博士課程に進学すると修了後の就職が心配である」(32.5%)
「博士課程の進学のコストに対して生涯賃金などのパフォーマンスが悪い」(30.6%)

という結果からもわかるように、結局、お金の問題ってことですね。
 そもそも、大学へ行くこと自体が、4年間でかなりのお金が必要です。それにプラスして大学院修士課程の2年間、博士課程の3年間(実際は3年間では済みませんが)で、さらにお金がかかります。それも、上へ行けば行くほど研究費として必要な額は増えていくのですから、大学院へ行くという選択は、修士課程でさえも、かなり頑張らないといけないわけです。ところが、概要7の5つ目の回答にあるように、日本では大学院修了があまり価値を持たない、会社に入っても、大学卒の人と給料に差が無いかあってもわずかで、仕事内容も院卒であることがあまり考慮されないことが多いのが現実で、大学院へ行った意味をあまり実感できないことが多いのではないかと思います。
 これは、日本の会社にあまり専門職が置かれないということとリンクしていると思います。日本の場合は、いわゆる総合職と称するゼネラリスト的なポジションが主流で、スペシャリストのルートがないか、あっても傍流で、出世しない(できない)ことが多いのではないかと思います。
 しかし、院卒者は調査研究能力を身につけているわけですから、問題解決のための方法や手段を見つけることができるはずですし、研究することを訓練してきているわけですから、新しい分野を学んで、知識を身につけることも可能なはずです。ところが、日本社会がそれを使いこなせていないのです。専門家を軽視する姿勢は、今回のコロナ禍でいやというほど見せつけられています。日本学術会議問題もしかりです。
 このような中では、親がそこそこ金持ちで、子どもが学びたいことをとことんまでやらしてもらえることにあまり苦労がない環境で、すぐに就職できなくても食べることには困らない、ごく一部の人だけが博士課程に進学するのみで、多くは行っても修士課程までということになるのは当たり前です。報告書にあるように、「博士課程進学者を増加できる効果的な政策としては、博士課程での給与支給や就職後の給与改善が求められている」わけで、実際には、博士課程以前、学部段階での教育費の改善が見込まれないと、博士課程までたどり着く人が少なくなるのも、当たり前なのです。この部分を問題視せずに、博士課程への進学のところだけでは、根本的な解決は望めないはずです。