続・人間老いやすく、学成りがたし: 2023

2023/09/23

何故こういう人が国会議員になれるのか。それが不思議。

  9月20日の朝日新聞デジタルに、「杉田水脈議員の「人権侵犯」認定 アイヌへの差別的投稿 札幌法務局」という記事が出ています。

 遠藤乾教授のコメント、まさにその通りです。何故こういう人が国会議員になれるのか、非常に不思議に思います。「人権」という言葉が世の中にあふれているのに、日本人の身になっていないのかと思うと、なんだかんだ言って「人権」問題が多いことを考えると、「水田議員の存在」が、それを象徴しているのではないかと思わざるを得ないわけです。

 先の関東大震災での朝鮮人等の殺害の事実を、「根拠が無い」と言い張るのを考えても、日本という国は、どこまでも自らの誤りを認めず、反省をしない国であると思わざるを得ないわけです。

 そのような国に住む者として、ただ、ひたすら「恥ずかしい」としか言えないですね。

(追記)9月23日の朝日新聞社説では、「杉田水脈氏 もう議員の資格はない」と書かれていますが、まぁ変わらないでしょうね。

災害時は人命第一、歴史資料が後回しになるのはやむを得ないですね。でも、市民ボランティアがいると助かりますね。

 9月19日の朝日新聞デジタルに、「台風、地震… 頻発する災害で傷つき失われる歴史資料、どう守る?」という記事が出ています。

 近年頻発する自然災害により、全国各地で貴重な歴史資料の保管が窮地に陥っていますが、災害時は人命第一です。歴史資料が後回しになるのは、やむを得ません。

 そもそも博物館や美術館、図書館などの保管庫は、スペースの都合や搬出搬入の関係の都合上、多くの場合は地下に作られることが多いので、その時点で災害時に水没等被災する可能性は高いわけです。保管庫を新設する際に、少なくとも地下ではなく、立地が許せば高台で、縦建物の2階以上に設置できれば、かなりリスクは下がりますが、まったく新規に保管庫が設置されることは多くないでしょうから、新たな保管庫が確保できるとすれば、既存施設の空きスペースということにならざるを得ないでしょう。そうだとすると、物によって置き場所を検討することでリスクを減らすようにするしかないわけです。

 一番無理がきくのは埋蔵文化財資料でしょう。具体的には石器や、陶磁器の類、土器も物によっては多少水没しても大丈夫のものもありますが、これらは仮に水没して泥をかぶっても、洗い流せば済む場合が多いので、建物の地下または1階に保管するようにするしかないでしょう(そもそも重いですから、上階には上げられないわけです)。

 木製品や金属製品も少しくらいなら水に濡れても大丈夫でしょうが、後のメンテナスが大変なので、できれば濡れない場所に保管したいものですが、一番濡らしたくないのは、紙資料です。紙は濡れるとくっついてしまうので、できれば上階に置きたいですが、一番量が多い資料でもあり、量によっては重さもかなりのものになるので、どうしても地下や1階になりがちですが、貴重なものは別置して濡れない場所に置きたいですね。

 9月20日の朝日新聞デジタルには、「ぬれた古文書を修復、デジタル保存も 市民に広がる歴史資料の救い手」という記事が出ています。

 行政に頼るのは、もはや時代遅れです。地元の人間にとって大事なものは、市民の手で守ることが一番ですので、一人でも多くの市民ボランティアが育ってくることは大切ですね。

 20日の記事にもありますが、紙資料が実際に濡れてしまっても、レスキューの技術は確立されています。全史料協や各地の文化財ネットワークなどで、レスキューのノウハウを持った人たちにつながることができるので、実際に被災したら、ノウハウを持った人たちに助けを求めることが一番です。

 現在は全国で保存されている歴史資料は非常に多いので、どうしても被災の可能性は高まります。すべてを救うことが不可能であり、それゆえ、ある程度失う資料が出てくるのも仕方がないことだと思います。多少失う歴史資料があるのは仕方がないことを前提に、保存上、レスキュー上の優先順位を決めておいた方が良いでしょう。

 9月21日付け朝日新聞デジタルには、「出土品は増え続け、収蔵庫はあふれる どこにしまう問題に悩む自治体」22日付けでは「「整理」される民具 人々が暮らしてきた歴史を未来に伝えるには」として記事が出ています。歴史資料の保存は難しいですが、あるものすべてを保存しようとすると無理が生じるのも事実です。トリアージと同じで、優先順位の高いものを残すという発想で臨むしかないでしょうね。

2023/09/22

まだ、社会全体で共有というムードにはなっていない気がします。

  9月21日の朝日新聞の社説は、「教員の働き方 危機感、社会で共有を」というタイトルですが、「持続可能な教育のあり方を、社会全体で考える機会にしたい。」という社説の言葉のようにはなっていないような気がします。

 「社会の複雑化や子どもの多様化を受け、学校の仕事は増え続けてきた」のは事実ですが、それと同時に社会全体の学校を見る目や、保護者の学校とのかかわり方が、以前とは違ってきていると思われるのです。

 「子どもたちに十分な教育を提供することが難しくなっている危機的な現状」と社説では述べられていますが、それが「危機的」だと感じているのかどうか。

 「教育」が学校だけで担われる時代ではなくなっていることも、また事実であり、それだけ学校への関心が弱くなっているのではないか。少なくとも、従来ほど学校に関心が向いていないような気がします。

 もちろん、社説で述べられているように、もっと関心を持つ必要があるとは思いますが、基本を変えぬまま、一部分だけを見直すことで問題を乗り越えようという姿勢だからこそ、全体に共有するというほどの危機感を感じられないのではないでしょうか。もっと根本的なこと、つまり学校をどうするかということを議論すべき時に来ているのではないでしょうか。学制以来150年の近代教育は、新たな教育の在り方に変わるべき時期になっていると思います。

2023/09/20

公文書管理法と情報公開法は、あくまでも理念と目的をうたっているだけで、実際に運用するのは行政ですから、彼らがどう考えるかです。

  9月20日の朝日新聞デジタルの社説は、「「森友」公文書 開示が原則、徹底せよ」ですが、公文書管理法と情報公開法は、あくまでも理念と目的をうたっているだけなので、実際に法律を運用するのは行政ですから、彼らの考え方次第で、「開示」するか、そうじゃないかが決まります。

 「開示」するための法律だったはずなのですが、これらの法律ができて、逆に「開示」されなくなったことが多くなったのではないかと思います。法律ができる前は、自分たちの運用でよかったものが、法律ができるとその基準が当たり前になるため、自分たちの運用の幅も狭くなるわけで、それまでできていたことができなくなったということが多くなるのと同時に、法律が前提になるので、それの中で対応するしかなくなるので、できることがよけい狭くなるわけで、何か問題になるよりは、むしろ「開示」しないという方を選ぶわけです。

 「行政の裁量を広範に認め、情報公開制度の趣旨を理解していない」というよりは、問題にならないことを優先するので、本来の趣旨よりも狭くとらえていくのを前提としているわけで、行政は組織で対応するため、個人レベルでは理解していても、組織の判断になると変わってくるのです。不思議なもので、大勢で議論していくと、多くの場合無難な結論になっていくもので、誰も責任を取らなくても良い方に流れて行ってしまうため、森友問題も、なお多くのなぞが残ることになってしまうのです。

2023/09/19

教職が敬遠される主な要因となっているのは、「長時間労働」のようですが、やり方次第なのでは?

  9月19日の朝日新聞デジタルに、「あなたはなぜ教員に?試験会場で聞いた「何物にも代えがたいのは…」」という記事が出ています。

 「全国の公立学校教員の採用試験の志願者が減り続けている。教職が敬遠される主な要因となっているのは、長時間労働だ。」ということのようなのですが、教職に限らず若いうちは長い時間仕事をせざるを得ないような気がしますが…。

 新人のころは、いろいろなことを知らないわけですし、知識もノウハウもないので、何をやるにしても時間も手間もかかりますから、結果的に長時間労働になるのというのは、どんな職業でも同じだと思います。ただ教職の場合、相手が何十人もいて、ある子に通用しても、別の子には通用しないということが多々あり、それが1年終わると受け持つ子どもが変わるので(学年持ち上がりでも、クラス替えがあって、完全に同じ子どもばかりではないので)、毎年新しい相手がいるということになれば、前年うまくいったことでもうまくいかず、改善の必要がでてくるわけで、ある意味毎年新しいことに取り組まなければならず(そうじゃない方もいるでしょうが)、ましてやすぐに答えが出るものでもないので、これで良しということがなかなか定まらないため、必然的にやることが多くなるわけです。何かを試してみようとして、自分自身でドツボにはまってしまうことも多いでしょう。

 これってやり方次第だと思います。自分の力で子たちが良くなるとかいうことも、ある時もあれば、ない時もあるし、むしろ自分の力でどうにかなるというのは、ある意味思い上がりでしょう。いい意味でいい加減な部分があっても良いし、子どもたち自身の力で何とかなっていく部分が多いはずです。教員の力など微々たるものですが、きっかけや糸口を与えることはできるでしょう。

 最初から構えないで(と言っても構えてしまいますが)、若いうちは何も知らないんだから、時間がかかるのは当たり前、それを嫌っていては何もできないということを理解していれば、別に教職だろうと何だろうと同じなので、教職だけ避ける必要もないはずですが。近年は情報が多いので、どうしても頭でっかちになってしまうのが問題ですね。

2023/09/18

政府による朝鮮人虐殺は「記録ない」は、資料のつまみ食いですね。

  松野博一官房長官は8月末に「記録が見当たらない」との発言が、中央防災会議の専門調査会が2009年に出した報告書を根拠資料としているということで、朝日新聞デジタルでは、9月17日付けで「朝鮮人虐殺の記録に透ける「何とか小さく」 研究者「今の政府も」」、9月18日付けで「政府は朝鮮人虐殺「記録ない」 報告まとめた学者は「読んで判断を」」という記事が出ています。

 17日の記事のほうでは、公の記録はいろいろあるにもかかわらず政府は無いとしていることへの批判であり、18日の記事は中央防災会議の専門調査会が2009年に出した報告書は、「政府機関が当時公表した情報からどれだけのことが言えるかという、非常に限定的な範囲のもので、当時の政府発表の焼き直し」であり、当時の委員が、「過小評価しているという批判は当然こうむるだろうと思いながらまとめたもの」であるものなので、それを根拠とすれば、「無い」との判断になるのは当たり前で、自分の都合がよいように資料をつまみ食いする典型のものです。

 世の中は、資料をつまみ食いすることが多いので、様々な発言は、その根拠に戻って確認しなければならないということを、世に広く知らしめる事例が、今回の政府見解ですが、そのような訓練を受けている研究者はともかく、多くの人はそのまま鵜呑みにしてしまうので、訓練を受けたものがきちんとその間違いを指摘することはとても大切なわけで、微力ながら、このブログも、その一部として役に立つことを期待して書いています。

2023/09/17

ヨーロッパの「アナログ回帰」、ちょっと早いなぁ。

 9月13日のCOURRIER JAPONに、「デジタル教材先進国のスウェーデンでも デジタル機器は学習に悪い?─欧州で始まった学校の「アナログ回帰」という記事が出ています(プレミアム記事なので一部しか読めませんが、無料会員になると月2本まで見れるようになるので、無料会員になると良いかもしれません。ちなみに私は無料会員なので、月2本まで見れるのですが、他にも見たい記事が結構あって、プレミアム会員に登録してしまいそうですが😅)。

 「スウェーデンでは、約1年前に就任したロッタ・エルホルム学校教育大臣のもとで、学校の授業における「紙の書籍や手書き」への回帰が進んでいると英紙「ガーディアン」などが報じ」、「ドイツでも同様の議論があり、一定の学年以下の授業でデジタルデバイスを使わない方針を掲げる学校もあ」り、「オランダでも、学校へ持ち込むデジタル機器について大幅な制限が検討されていると報じられた」とのことです。

 これらの国々では日本よりもかなり早くデジタル機器が学校に導入されているので、その結果、「読解力の低下」が指摘されていて、「セビリア大学の教育心理学者パブロ・デルガドらの研究では、限られた時間で説明文を読む場合には紙のほうが優れていること、および、デジタルテキストに慣れたデジタルネイティブ世代であっても、デジタルテキストの読解力が高くなるわけではないことが示された」ことなどもあり、「紙への回帰」が予定されているわけです。

 「『スマホ脳』で有名なスウェーデンの精神科医アンデシュ・ハンセンも、クーリエ・ジャポンによるインタビューのなかで、抽象度が高い内容の文章は紙で読んだほうが理解度が高まるという研究結果を挙げている」とのことなのですが、一方で「デジタルを「唯一の悪者」扱いすることには賛否ある」ようですが、やっと本格的になりつつある日本は、どうすればよいのか?ですよね。特に高校では来年やっと3学年がそろうという学校も多いだろうと思われるので、これからという感じのところも多いと思われます。まぁ、とりあえずはデジタル機器使用の実践を積み重ねながら、ヨーロッパの様子見というところですかね。

2023/09/16

今日2023年9月16日は、大杉栄・伊藤野枝・橘宗一没後100年。

  今日9月16日は、大杉らの命日で、今年2023年は没後100年です。

 静岡市の沓谷霊園で、墓前祭が開催されましたが、100年ということで、今年が最後となりました(今日の共同通信に「大杉栄、最後の墓前祭 甘粕事件100年、静岡」と記事が出ています。大杉の甥の大杉豊さんも参加されました)。

 大杉らが憲兵隊に連行されたのは「関東大震災の混乱に乗じて」と言われていますが、何故震災から2週間もたったこの時期に、6歳の橘宗一少年も一緒に連れていかれたのか。確かに東京はまだ混乱していたのは事実でしょうが、あまりにも不自然です。「甘粕事件」と呼ばれるこの事件は、まだまだ謎が多いわけですが、大杉豊さんが9月15日付けの毎日新聞で語っているように、「100年で終わりではなく、その記憶を忘れてはならない」ものだと思います。

 近年、伊藤野枝が見直され、関心が高まっており、今月24日には伊藤野枝・大杉栄らの没後100年を記念するシンポジウム「自由な自己の道を歩いて行こう」が開催されます。対面参加だけではなく、オンラインでの参加も可能ですので(オンライン配信視聴1,800円)、参加してみてはいかがでしょうか。

 また、8月には平凡社から『伊藤野枝セレクション』、『大杉栄セレクション』も刊行されています(Xでも紹介されています)。

 大杉・伊藤の死から100年たっていますが、100年たっても大杉や伊藤が目指した社会は達成されていないと思います。100年を機に多くの人に大杉・伊藤の思想を知ってもらい、この閉塞した現代を変える力が結集されることを期待せずにはおれません。

2023/09/15

やって無駄になるわけではないだろうけど、どれだけ役に立つのか、期待はしない方がいい。

  9月12日の朝日新聞デジタルで、「東京のスピーキングテスト、ベネッセに代わる英国機関にインタビュー」という記事が出ています。

 「東京都内の公立中学生を対象にした「英語スピーキングテスト」の次期運営事業者の候補に、英国の公的な国際文化交流機関「ブリティッシュ・カウンシル(BC)」が選ばれた。」ということで、機関の人間にインタビューした記事なのですが、東京都も懲りないというか、よくやりますよね。

 生徒の英語力を伸ばすために、英語スピーキングテストは多少役立つと思いますし、そのために授業等でも練習するのでしょうから、まったく役にたたないわけではないでしょうが、そのあと続けないと身に着かないですよね。東京なので、進学した高校によってはこれが活きるような学習をする学校もあるでしょうが、すべての学校がそのような取り組みを行うわけではないですし、東京とは言え、英語で会話をする機会が多いわけではないのですから、労力をかける割にはって気が済ますが。

 「2021年全面実施の中学校の学習指導要領では英語の授業は原則英語で行うことになり、言語活動も重視する内容とな」ったわけですが、英語が好きだとか得意だとかいう生徒とってはこれを機にもっと伸びる生徒もいるでしょうが、そうじゃない生徒にとってはただ苦痛なだけで、より一層苦手意識が強くなったりするのではないかと思ったりします。英語に時間をかける分を、その生徒の得意な分野に回して、強いものをつくった方が良いのではないかと思いますが、どうでしょうか。

2023/09/14

考察対象になる県知事って、一体なんなんでしょう⁉

 9月12日の中日新聞デジタル静岡版に、「静岡県の川勝平太知事が失言を繰り返すのはなぜか? 専門家や元部下が考察するに…」という記事が出ています。

 名物(●惑?)知事である川勝知事ですが、「なぜ失言は繰り返されるのか。」という点で、考察の対象になっています。ここまでいろいろな話題を振りまいてくれると、疑問に思う人も多いからでしょうね。

 「興味を引く言葉や面白い話題を探すばかり」で、「自分がどんな場で話しているかの認識が甘い」と指摘する「話し方研究所」の代表のコメントは、よく見ているなぁと思います。知事はもともと大学の先生ですから、学生に向かって「興味を引く言葉や面白い話題を」話すのが、身についているのではないかと想像するのですが、それが政治家になってもそのままで、おそらく知事本人はおもしろいことを言えたと思っているのでしょうが、勢いで言ってしまっている部分があるために配慮が足りずに、後から周囲から指摘されるという感じなのではないかと思います。

 ここまで何度も繰り返すのですから、おそらく本人は自分の発言を失言とは思っていないはずで、もしかすると何が失言なのかもわかっていないかもしれませんね。知事には何度がお目にかかってお話させていただいたり、近くでお話を伺ったことがありますが、県庁内での顔と、庁外での顔とがあり、さらに別の顔を持っているという感じの方だなぁと思っています。政治家チックな方で、ご自分に自信があるので、周りの意見をあまり受け入れないところがあるので、まぁ、この先もこんな感じでしょうね。

2023/09/13

やっぱり、基本的なところに戻って考えてみるのが一番なんだと思います。

  9月10日の朝日新聞デジタル静岡版に、「赤字に悩む「FMいずのくに」、県立大生が課題解決に新番組」という記事が出ています。

 スマホアプリ「radiko」のエリアフリーで、地元以外の番組を聞くことが可能になったもともあり、近年はラジオの魅力が再認識されているようですが、地方のコミュニティーFM局ですと、もともと母体が小さく、マンパワーも少ないこともあり、苦戦しているところもあるようです。

 記事の「FMいずのくに」は地域密着型ということもあり、番組内容が伊豆の国市およびその周辺地域に関係したものに限られていることもあるのでしょう。新たな番組づくりによるスポンサーの獲得と赤字解消が急務となるなかで、普段ラジオを聞かない大学生がプロジェクトをスタートさせたとのことです。

 フィールドワークも重ね、伊豆長岡温泉や観光地、名所旧跡、市内の店舗などをめぐり、市民が気づいていない魅力を発見することに努め、また、複数の番組を聴き、リスナーとして感じた率直な意見や番組企画案もリポートとしてまとめることからスタートしたとのことです。そのうえで、市内の飲食店や観光施設などの魅力を伝える新番組を提案し、「若者目線」「外部の目線」をキーワードに議論した結果、スタジオから出て現地リポートをするスタイルで、週末をどう過ごすか決めかねている人をターゲットに訴求する街歩き番組をつくることにしたとのことですが、これってラジオ番組としては基本的なものですよね。逆に今までラジオを聞いて来なかった大学生だからこそ、基本に立ち戻ったのでしょうが、そうすることで、何か見えてくるものがあるかもしれません。やはり行き詰ったら、一度基本に戻ってみるのが大事なんだろうと思います。

 「若者目線」「外部の目線」がうまく活きて、大学生の取り組みがうまく行くように願っています。

2023/09/12

専門職の人手不足をAIに代替させるのは、難しいでしょうね。

 9月6日の朝日新聞デジタルに、「AI導入の落とし穴 人手不足の学校や児相で「本末転倒なDX」も」という記事が出ています。

 「学校や自治体で、一人一人の子どもの個人データを連携させたり、それをもとにAIに虐待のリスクを判定させたりする取り組みが進」んでいて、「現場からは人手不足や縦割りの解消にと期待する声」があるとのことですが、「データ化を進めたからといって必ずしも楽にはなるとは限らない」という横浜市立大の先生のコメントが出ています。

 「国や事業者は、「人手の少なさをデータ化と自動化でカバーできる」などとして各自治体にシステムの導入をすすめ」ていて、「職員が足りておらず負担を減らしたい自治体は、それに乗りやすい」のが現実ですが、記事にもあるように「ごく単純なプロセスの手間を省くDX(デジタル化)なら一定の効果はあるでしょう」が、「子どもに関わる複雑なプロセスで専門職の人手が足りていないところをAIに代替させようとしても、人手が足りないまま済ませるのは難しい」のが事実だと思います。

 自治体は机上の計算で物事を判断する場合が多いですが、実際に人がかかわる作業は計算通りにはいかないのはもちろん、特に専門職が行うようなことは、まだまだデータ化しきれるものではなく、専門職ならではのコツがあったりしますし、日常的にその分野にかかわっているから気がつくことなども多いわけです。ですから、それをAIに代替させようにもAIが学習できるデータになっていないことも多く、AIのそこまではまだいっていないわけです。やはりある程度人を配置しないとならない部分はあるわけで、それを安易にAIで代替させようとすると、かえって混乱してマイナスになってしまう可能性があるのですが、自治体などはなかなかそこまで考えないというか、危機管理不足というか、まぁどうにならないと気が付かず、ただ何かあっても自分たちが悪くないと思うという、最も人間らしいところがあるんです。仕方ないですけどね。

2023/09/11

観光バス駐車場なのに、よく残されていましたね。

 先週、「実は古墳でした」ということで話題になった法隆寺参道脇の観光バス駐車場にある植え込みですが、写真で見る限りでは、案外ジャマな場所にあって、重機で整地されてしまってもおかしくないような感じですが、よく残されていましたね。

 奈良大文化財学科の豊島直博教授(考古学)は「最初の発掘調査の時は正直、古墳かどうかよくわからず、乗り気ではなかった」と半信半疑だったとコメントしていますが、そのような状況でも、いちおう「舟塚古墳」と呼んでいた町教育委員会も、今の今まで手を付けなかったというも不思議ですね。

 ただ、9月9日におこなわれた現地説明会の様子を報道している、10日の朝日新聞デジタルの「古墳だった法隆寺の植え込み 専門家も当初「半信半疑」 現地説明会」の記事の写真および9月7日付け「法隆寺の駐車場にある植え込み、実は古墳でした 奈良大学などが確認」を見ると、かなりりっぱな横穴式石室で、一部石が抜き取られているようですが、副葬品もそこそこ出ています。

 10日付けの記事で現地説明会に並んでいる人たちを写した写真から判断すると、「舟塚古墳」である植え込みは、以前法隆寺を訪問した際に、なんとなく目にしていたような気がする場所です。いや、たぶん見ていますね。そこに「注意 古墳につきゴミを捨てないで下さい 斑鳩町」という看板までは記憶にないですが。

2023/09/10

100年経って、関東大震災での事の真相がかなり明確になってきましたが、一般的な認知はこれからですね。

  今日9月10日の朝日新聞社説は、「虐殺の記録 史実の抹消は許されぬ」というタイトルです。

 「関東大震災の際、流言を信じた市民や軍、警察によって朝鮮半島出身の人たちなどが虐殺された。この歴史的事実について、政府が「記録がない」といい続けている。」という問題はよくあることで、そもそも政府の見解が正しいと思っている人は、(内容にもよりますが)それほど多くないのではないでしょうか。

 今回の関東大震災100年で、朝日新聞を始め、いろいろと新しい歴史資料が発掘され、または映画や書籍などが作成されて、これまでの研究の蓄積と合わせて、虐殺の事実は(すべてではないですが)かなり明確になった感がありますが、一般の人たちの認知はどれほどでしょうか。以前も書いたことがありますが、そもそも100年前の9月1日に関東大震災があったということは、20代より若い人たちにとっては歴史の授業で習う出来事の一つであり、30代あるいは40代の人たちにとっても、あまりピンと来ない話なのではないかと思います(50代にとっては、石橋克彦氏の「東海地震説」による9月1日の防災訓練のインパクトがあったので、それなりに認識されていると思いますが)。

 一般の人たちにとっては、現状では政府のあやしいコメントすら信用する人たちがいるだろうと想像されるわけですが、ある程度歴史的事実として明確な話が多くなってきた今からが、過去の出来事を認識していくものと思われるのであり、政府のあやしいコメントを信じさせないようにするためにも、歴史にかかわっている人間にとっては、これらの成果を広め、認知させていくようにしていかねばならないだろうと考えます。

2023/09/09

「本に親しむ」という意味では、有意義な場所ですね。

  9月6日の中日新聞デジタル静岡版に、「売らない、できるのは立ち読みだけ」という記事が出ています。沼津市を本拠とする「マルサン書店」が、「出張所」として「立ち読みだけ」の書店を今夏、長泉町にオープンしたことを紹介するものです。

 「児童書や学校の課題図書など約600冊の本が並ん」でいて、「本は店の在庫や出版社から借りた商品を置き、定期的に入れ替える」ということで、「担当者は「出張所は1円の利益にもならないが、本が生活の一部になってもらえたら」と話」しています。

 これって、図書館とも違って、本に親しむ新しい形で、個人的にはとても素敵な試みだと思います。ユニークな取り組みですが、でも何でこんなことを思いついたんでしょう?本が大好きな人が考えついたのかもしれませんね。ちょっと、のぞきに行ってみたいなぁ😆

2023/09/08

「データで子どもは「見える」のか」って、傾向が把握できて、何か役には立つかもしれないけど、なんかヤダなぁ。

 9月3日から朝日新聞デジタルで、「データで子どもは「見える」のか 活用の最前線と課題」という連載が始まっていて、9月5日の第5回が「支援が必要な子はどこに? 生活、学力、非認知能力…データ活用模索」という記事です。

 「どんなデータをどう掛け合わせれば、子どものことが「見える」のか」、「分析結果を現場での支援にどうつなげていくのか」ということで、大阪府箕面市の事例が紹介されています。

 「生活困窮」「学力」「非認知能力等」の3要素を掛け合わせて、最終的に支援が必要かどうかについて、「総合判定」を出すとのことなのですが、この連載のタイトル、「データで子どもは「見える」のか」っていうこと自体が、なんかイヤな感じがします。

 もちろん、データからなんらかの傾向が出て、支援に役立つ情報になるかもしれませんが、それはあくまでも判断の際の参考で、支援が必要がどうかは日ごろからの観察じゃないかと思うのですが…。だいたい「非認知能力等」なんて、どうやってデータ化するんでしょう?

 確かにこのようなことを利用して、人手不足やなんやらを補おう、あるいはよりよい支援をやろうというのはわかりますが、データだけに頼るのは問題です。「非認知能力等」もそうですが、もとのデータがそもそも信頼に足るものかと言えば、そこから問題になりそうな気がします。データによる判定は、あくまでも補助的に利用するのが正解だと思いますが。

2023/09/07

自国の言語だけで文化やエンタメを楽しみ、学問もできる国であることは、誇っても良いのでは?

 9月2日の朝日新聞デジタルに、「AIがあれば英語教師は不要に? 「革命的」と語る言語学者の活用法」という記事が出ています。

 立命館大学生命科学部の山中司教授への英語の学習に関してのインタビュー記事なのですが、

「社会言語学的に言えることは、日本語が思っているよりもパワフルだということです。例えば、国内で英語を話せなくて困ったことがあったかと聞いてもあまりないわけです。テレビでは朝から晩まで日本語が流れ、本屋に行っても日本語の本だらけです。でも実はこういう国は少なくて、夜に字幕なしで英語のドラマが放送されたり、ベストセラーの上位は英語で書かれた本だったりというのが海外では普通にあるんです。

 つまり、自国の言語だけで文化やエンタメを楽しみ、学問もできるという国は実は意外と少ない。英語にはかなわないけれど、パワフルな日本語があるためガツガツしなくても済んでしまうんです。」

と述べられていて、これはかなり誇れることなのではないかと思うわけです。

「日本人にとって英語は母語ではなく、割り切りも必要です。(中略)中学レベルの英語で話せるはずだと分かるのに簡単な言い回しが出てこない。英語力が足りないというより、母語話者(ネイティブ)じゃないからです。」

と述べられているように、英語を自由に操れる必要はないわけで、そもそもネイティブのようにはなれない(そのようになれる人もごく一部いるでしょうが)わけですし、言葉は道具ですから、なんとか通じれば良いんです。機械翻訳やチャットGPTがあるのですから、それをとことん利用して、それで話が通じれば良いのです。生成AIの登場で「少なくとも読み書きは、ネイティブに肩を並べられ」るとのことなのですから、機械翻訳やチャットGPTなどは積極的に使えば良いと思います。通じるか通じないかではなく、本来はその中身が重要なのですから。

2023/09/05

大学生が教員を選ばない理由は、他の職業と同じで、イメージ先行ですね。

  9月3日の朝日新聞デジタルに、「教員を選ばない理由、79%が「労働環境」 岐阜県が大学生に調査」という記事が出ています。

 記事によると、岐阜県教育委員会が県内7大学の4年生を対象に今年3月に実施した調査で、学校教員以外の進路を選んだ学生の79.0%が、労働環境を理由に挙げ、「職務に対して待遇(給与など)が十分でない」との回答も64.4%に上ったとありますが、記事の冒頭に「休日出勤や長時間労働のイメージがある」とあるように、「労働環境」も、「職務に対して待遇(給与など)が十分でない」というのも、実際はどうかは、もちろんなってみないとわかりませんから、マスコミの報道等からのイメージが大きく影響しているように思われます。これは、教員以外の職業も同じで、たまたまテレビドラマなどでかっこよく描かれた職業があると、それに憧れて希望する若者が増えるわけですし、逆であれば避ける若者が増えるわけです。現状、教員という職業は、非常に悪いイメージで社会に流布されていますので、良くないイメージが非常に強いわけです。

 ただ、現実はどうかというと、「教員不足」はイメージの悪さからくる結果だと思いますが、それにともないいろいろな問題が連鎖していることが事実でしょう。そもそも教員の働き方改革が問題視されるようになったのは、文科省の旧Twitter(現在のX)がきっかけで、現役の教員がそれを通じて現在の教育現場の実態をつぶやき、文科省が思ってもみないほど盛り上がったのが原因で、それまで放置し累積していた問題が、ここに来て一気に出た結果なわけです。ただ、これもたまたまきっかけになったことがあったから、明らかになったわけで、他の職業も同じなんだろうと思いますが、やはりイメージが良くないため、教員を選ばない大学生が多くなっているわけです。

 しかし、実際はもちろん教員を目指す大学生は一定数いますし、講師をやりながら採用試験合格を目指している人も一定数いるはずです。どんな職業も、多少世間的なイメージが悪いときでも、それを目指す人はいます。むしろ、イメージだけで選ぶような人が少ない方が、純粋に目指している人にとっては有利でしょう。

 また教員といっても、学校によってかなり違いますし、地域によっても違います。岐阜県はどうなのかはわかりませんが、一般的にはやはり小学校はいろいろな意味で大変なことは事実でしょうし、中学校は中学校なりの大変さがあり、高校は普通高校と職業高校では違います。仕事なんですから、簡単なんてことはありませんが、だからといって悪いばかりではないでしょう。たまたま教員の問題が話題になっているから、このようなことも記事になるわけですが、ただ問題があることは明確になっているので、それを把握したうえで、教員になる人は、きっと良い教員になるでしょう。

2023/09/04

ドイツでは、原発再稼働説は「終わった話」。こういうことこそ、大事な政治判断です。

 9月2日の朝日新聞デジタルに、「ドイツ首相、原発再稼働説を一蹴「終わった話」 4月に脱原発完了」という記事が出ています。

 今年4月、最後の原発3基が送電線から切り離され、60年以上に及ぶ原発の歴史が終わったドイツで、国内にくすぶる原発再稼働説についてショルツ首相が、現地公共ラジオのインタビューで、「ドイツにおいて、核エネルギーの問題は終わった話だ」と語ったということです。

 昨年2月にロシアによるウクライナへの全面侵攻が始まってエネルギー供給への不安が高まり、今年4月の世論調査でも原発停止について「反対」が「賛成」を上回り、ショルツ氏の社会民主党と連立政権を組む自由民主党の議員団が、今週、稼働が止まったばかりの3基について解体を停止するよう求める声明を採択するなかで、国として行った「脱原発」の判断を貫く姿勢を明確にすることこそ、政治家として重要なわけです。こういう点は、日本の政治家は弱いですね。なんとなくどっちつかずで、八方美人的な態度を取りがちなので、よけいイライラします。

 ただ、ドイツの「脱原発」の判断は、そもそも東京電力福島第一原発事故を受けてのことで、当事国は東京電力福島第一原発の処理水放出で新たな問題が起きているのに、はっきりしない態度を取っているわけで、こういうところが政治的な成熟度の違いなのでしょうか?

2023/09/03

金原明善没後100年で振り返ることは大切ですが、すべてが良いわけではないですので、その辺はきちんと見極める必要があります。

  中日新聞デジタル静岡版に、「金原明善の教えを今こそ防災に 天竜川治水など功績 没後100年で振り返る動き」という記事が出ています。

 没後100年となる実業家金原明善の功績を振り返る動きが、各地で見られることを伝える記事で、金原明善と言えば天竜川の治水に取り組んだことで有名で、彼の思想と行動は、戦前から今日に至るまで高く評価され、郷土の「偉人」として顕彰されていて、中日の記事もその方向での報道ですが、他方で松島十湖(1849~1925)が金原明善の治水実践を批判した事例のように、金原をめぐる評価は必ずしも「高評価」ばかりではなく、近年の歴史研究の成果に目を転じれば、金原明善を「偉人」として顕彰する言説が、近代天皇制国家における支配イデオロギーとなっていたことも明らかにされているわけです。

 天竜川の治水に関しても、地元の支持のもとになされたものではないということは、『近代静岡の先駆者』(静岡新聞社)「金原明善」の項で斎藤新氏により指摘されていて、みずからの全財産を捧げて改修事業に取り組もうとしたという言説も、金原明善家の家産は治河協力社解散時に返還されていて、治河協力社についても、斎藤新氏はその私的性格を指摘しています。

 浜松市内の学校では金原明善を「偉人」として教えていますが、人間は良い部分も、必ずしもそうではない部分もあるというのが世の常で、「偉人」と評価するのはどんな人でもなかなか難しいものですから、地域でさまざまな事業を展開した明善は「偉人」とするよりも、実業家として評価すべきだと思います。

2023/09/02

国立映画アーカイブの「関東大震災映像デジタルアーカイブ」に、『北伊豆震災』の動画が追加されました。

  9月1日、国立映画アーカイブの「関東大震災映像デジタルアーカイブ」に、『北伊豆震災』の動画が追加されました。

 1930年11月26日、伊豆半島北部を震源に発生した「北伊豆地震」による被害を、とりわけ激甚な被害に見舞われた地域での取材により紹介した作品で、1931年に制作されたものです。時間は18分50秒、文部省が制作したもののようです。

 地震の原因が、箱根から丹那盆地を抜けてまっすぐ南北に走る断層が、南北に8尺(約240㎝)ずれた結果起こった地震であることが映像内で示されています。

 沼津市内の家屋の倒壊の様子、三島大社の境内へ避難した人々の様子(三島大社の境内に情報収集所、警備指令所が設置された様子も写っています)、青年団ががれきを片付けていたり、大場郵便局では仮庁舎で業務を行っていたり、大場、韮山、伊豆長岡駅、修善寺温泉の被害状況、旧中伊豆町の八幡や中大見付近の山崩れ、伊東では一部で火災も起きたようで、最後は田方海岸の土砂崩れを映しています。北伊豆地震の被害が大きかった地域を中心に、多くの場所を撮影していますし、人々の様子も非常によくわかります(婦人会らしき女性たちの炊き出しの様子も出ています)。

 これは非常に有益な映像資料です。時間的にも学校の授業でも使いやすいのではないかと思いますので、これは利用するべきですね。

 ちなみに、これ以外にも映像資料として『東京大震災の惨状』『第四報 東京大震災惨状』『航空船にて復興の帝都へ』『地震と震災』『日本之大地震』『震災後之日本』が追加され、さらに東京や横浜の街の、震災前、震災直後、震災後日、復興期に分けて、変化の様子を見ることができる「震災タイムマップ」が新しくできました。これにより、国立映画アーカイブが所蔵する全20作品の震災関連映画がすべて公開され、サイトが完結したということです。

2023/09/01

「関東大震災100年」、改めて強く認識することが必要です。

  今日2023年9月1日は、「関東大震災100年」です。朝日新聞でも社説は「関東大震災100年 安全な社会になったのか」というタイトルです。

 朝日新聞は「関東大震災100年」で特集ページを設けて、さまざまなコンテンツをそろえています。最近は学校で行う防災訓練は、夏休みが8月31日までではないところが多くなっていることからも、9月1日の始業式の後に訓練をするというところが少なくなり、子どもたちも9月1日が何の日なのかよくわからないということもあるようですが、これを機に朝日新聞の特集ページなどを利用しながら、地震について考えるということが必要でしょう。何故ならば、朝日の社説にもあるように、関東大震災から100年経っても安全な社会になるどころか、ますます混迷を深め、安全ではない社会になっているからです。

 静岡県に関しても、今日の朝日デジタル静岡版で、「静岡県内450人犠牲、教訓生かす 関東大震災100年」ということで、県東部地域を中心に地震や津波の被害に見舞われ、約450人が犠牲になったことや、先日このブログでも紹介した伊東市の津波被害のことなどが紹介されるとともに、宝台院へ被災者が避難したことや、デマに乗じて中国人や朝鮮人、社会主義者らが虐殺された問題についても記載されています。特に静岡は、静岡市の沓谷霊園にある大杉栄と伊藤野枝の墓があり、墓前祭が開かれていましたが、それも100年を機に終わりとなることが記されています。

 このように「関東大震災」は、いまだに多くの学びを提供してくれます。「関東大震災」について認識を新たにし、学んでいく必要があるでしょう。

2023/08/31

国立科学博物館の関東大震災100年企画展「震災からのあゆみ―未来へつなげる科学技術―」、オンラインコンテンツだけでも十分良いです。

  9月1日から11月26日までの期間、国立科学博物館で、関東大震災100年企画展「震災からのあゆみ―未来へつなげる科学技術―」が開催されます。

 ホームページでの情報によると、第1会場では第1章「1923年 関東地震とその被害 -関東大震災-」、第2章「関東大震災からの復興-災害に強いまちづくり-」、第3章「100年間の地震・防災研究 -災害に負けない国へ-」、第2会場では「震災に備える」、特設会場「災害を展示する -伝え方の歴史-」などの展示が行われます。

 また第1会場では、国立科学博物館が収蔵する震災当時の写真10点の、カラー化前とカラー化後の写真が展示されます。

 さらに、オンラインコンテンツとして、「デジタルツインでたどる関東大震災直後の航空写真(β)」と、「企業資料から読み解く関東大震災 経済を支えていた企業はそのとき」が用意されています(もう一つは準備中)。航空写真も良いですが、「企業資料から読み解く関東大震災 経済を支えていた企業はそのとき」では、火災が広がっていく様子がわかる資料や帝国データバンク史料館『震災手記』が読めたりしますので、展示会場に直接行けなくても、個人的にはこれらだけでもかなり十分な感じがします(「在京罹災埼玉県人救護団バラックを訪れた渋沢栄一」1923年11月17日のカラー化された写真だけでも、かなりおもしろいです)。

2023/08/30

「教師を取り巻く環境整備について緊急的に取り組むべき施策(提言)」、確かにあまり期待したものではないですね。

 8月28日、中央教育審議会「質の高い教師の確保特別部会」が、「教師を取り巻く環境整備について緊急的に取り組むべき施策(提言)」を出しました。

 これを受けて「給特法のこれからを考える有志の会」が、記者会見を開き、「「期待していたものではない」などと批判した」とのニュースが、28日の朝日新聞デジタルに出ています。

 具体的に「教師を取り巻く環境整備について緊急的に取り組むべき施策(提言)」を見てみると、確かにいまさら感が否めない感じで、期待していたようなものはない感じですね。記事にあるように、「3分類」は以前から出ていたのに進んでいないやつですし、何でそれが進んでいないのかもはっきりさせないで、改めてこれを入れるということが、そもそもダメですね。

 ただ、「法改正がいらず、すぐ取り組める項目に絞って提言に盛り込んだ。」とされているので、すぐに取り組んで、変えてください!

2023/08/29

音楽演奏の評価は、耳で聴く音よりも「視覚」が優劣に影響する⁉

 8月26日の朝日新聞デジタルに、「吹コンの評価を決するのは音ではない? 検証:世界を揺るがした研究」という記事が出ています。

 ネタのもとになっているのは、結論として「音楽演奏の評価には、耳で聴く音よりも「視覚」が優劣に影響するとする」とした「Sight over sound in the judgment of music performance」という論文で、この現象は「サイト・オーバー・サウンド効果」と名付けられています。

 演奏の評価にあたっては「音が重要」とするのがもちろんなんですが、過去の音楽コンクールのファイナリスト3人の演奏について、音のみのデータと映像のみのデータで優勝が誰かを判定してもらうと、プロでも映像のみの方が正解率が高く、音と映像でも映像のみの方が良かったという結果が出たという実験結果です。つまり、映像のみが一番結果が良かったということです。

 社会的判断は、視覚情報と聴覚情報の両方に基づいて行われ、聴覚情報が意識的に評価されている場合でも、視覚情報が優位にあるということで、これは正直納得のいく結論ですね。現在はすっかり映像が多い時代ですが、音楽を聴く際にも、ただ音を聞くだけよりも映像付きの方が楽しいですよね。歌手や演奏家のパフォーマスだけではなく、歌っている時の表情だったり、演奏している時の動きだったりが「カッコイイ」ってことはよくあります。

 朝日の記事は吹奏楽の話ですが、この論文を受けて来年あたりから吹奏楽コンクールでのパフォーマンスが変わってくるところが出てくるのでしょうか?あるいは、この論文をもとに研究することで今までとは違ったところが上位に上ってくるという動きはあるのか気になりますね。 

2023/08/28

関東大震災による旧伊東町(現伊東市)の津波被害の映像が収められたフィルムの発見は、大変重要です。

  8月26日の朝日新聞デジタルに、「関東大震災の津波被害とみられる映像フィルム発見 「貴重な資料」」という記事が出ています(他にも関連する記事として、「津波を耐えた松の木は現存 見つかった映像フィルム、生かす道は」、「「万死を冒して」撮った被災地 涙のむ観衆、上映で義援金集めも」があり、どれにも「関東大震災直後の様子を記録したとみられるフィルムが発見された」と題されたフィルムに収められた映像資料の一部が入っている動画がついています)。

 関東大震災の時に、旧伊東町、現在の伊東市で津波被害があったことは記録に残っていますが、それの映像資料があったとは。これは大変貴重で重要な発見です。

 フィルムには倒壊した家屋や、大川橋の上に乗り上げた船、がれきを片付ける人々、津波を受けた「十本松」(そのうちの1本はまだ現存している!)と呼ばれる木も記録されていています(これらのことは、上記の「関東大震災直後の様子を記録したとみられるフィルムが発見された」の動画で見れます)。

 関東大震災というと、どうしても東京や神奈川の火災による被害の話が多いわけですが、東日本大震災を見てもわかるように津波被害というのは非常に大きいわけです。今回その映像資料が見れるようになったということで、研究が一段と進むことが期待されます。

2023/08/27

「日本史用語翻訳グロッサリー・データベース」、勉強に使えます。

  東京大学史料編纂所が、「日本史用語翻訳グロッサリー・データベース」を公開しています。

 「日本史用語翻訳グロッサリー・データベース」とは、外国語で日本史研究を行う際の補助ツールとして、前近代日本史に関する史料用語・研究概念などの外国語訳・説明を集成し、検索可能にしたものです。2023年7月現在、英語約18,000件、フランス語約1,800件、ドイツ語約6,300件が登録されています。

 単純に、日本史用語がどういう訳語になるのかということを調べることができるだけでもおもしろいですが、既存の外国語訳・説明を集成しているため、訳語がいくつかあるので、それらの訳語を読み比べることで、用語の本質的な意味を考えたりすることもできます。これが意外と勉強になります。

 今後もこのデータベースは充実されていくとのことなので、使っていくことで、いろいろな勉強ができますね。

2023/08/26

宇都宮でLRTが開業しましたね。路面電車好きとしては、いつ乗りに行こうか、休みの予定を考えるのに必死です!

  今日8月26日に、第三セクター「宇都宮ライトレール」が運行するJR宇都宮駅東口から芳賀町までの14・6キロを結ぶLRTが開業しました。これに合わせて「LIGHTLINE START!!! 芳賀・宇都宮LRT開業記念サイト」が開設されています。 

 国内で路面電車が新たに開業するのは75年ぶりで、軌道を新設したLRTは全国で初めてです。「次世代を考えた事業」というのが良いですよね。

 車両は(ライトラインって言うみたいですね)今時のものらしく、非常に大きな窓で、低床になっていて、誰にでも優しいものになっているわけですね。色も黒が基調で正面が黄色で曲線なので、なんとなくミツバチみたいな、可愛らしい印象を受けます(感じ方には個人差がありますが…。上記「開業記念サイト」の一番下にライトラインが動いているやつは、より虫っぽい感じでかわいいです)。

 この先しばらくは開業記念のキャンペーンというか、イベントが企画されているようなので、どこかのタイミングで乗りに行けないか、カレンダーを見ながら検討中です。

2023/08/25

「バーチャル名鉄名古屋ステーション」、8月25日から9月3日までの期間限定!ただ、アプリ配信の遅れで公開が遅れていますが…。

  「バーチャル名鉄名古屋ステーション」で、名鉄名古屋駅がメタバース空間上に再現されます。メタバースを使った事業可能性を検証するのが目的だそうですが、鉄道ファンにとっては、そのような崇高な目的はともかく、自宅のパソコンで名鉄名古屋駅が再現されるってだけで、興奮ものです😍

 コンテンツは、「DJブース案内体験」、「"迷駅"ストーリーコレクト」、「名鉄ライブラリ」があります。

 「DJブース案内体験」は、通常は駅係員しか入ることができない運転室(通称:DJブース)に入室し、列車の運行に関するアナウンスをする体験です。あの名鉄名古屋駅の案内アナウンスに挑戦できますよ。

 「"迷駅"ストーリーコレクト」は、行先·種別ごとに乗車位置が異なることから、"迷駅 "と呼ばれることもある名鉄名古屋駅を再現した空間内を探索し、名鉄の駅や電車にまつわる小話(ストーリー)を集める体験です。

 「名鉄ライブラリ」は、バーチャル名鉄名古屋ステーション内にある、名鉄電車や駅に関する写真を展示する空間です。

 これらが無料で体験できます。ただ、現在パソコンへインストールするアプリ配信の遅れで公開が遅れています。公開の情報は、バーチャル名鉄名古屋ステーション(公式アカウント)とホームページで知らされるそうなので、興味のある方はチェックしておいてください。

2023/08/24

言葉って生き物だって、実感させられる話です。「国語辞典から消えた言葉」

 8月20日の朝日新聞デジタルに、「祖父が出した国語辞典から消えた言葉 辞書マニアの孫が読み解いた」という記事が出ています。

 「三省堂国語辞典(三国)」の前身である「明解国語辞典(明国)」が生まれたのが1943年で、その明国の改訂版(52年)から、三国8版(2022年)までに「消えた」言葉から厳選した「三省堂国語辞典から消えたことば辞典」を三省堂編修所との共編著した校閲者、見坊行徳さんのインタビュー記事です。

 「戦後になって、戦争関係の言葉がかなり削られて」、「明国改訂版が出たのが52年で、さらに三国初版の出版が60年。この2版で徹底的に削られている」ということです。

 例として出ている「「ア式蹴球(しゅうきゅう)」「BG」「赤電話」「翔(と)んでる」「MD」」のうち、アソシエーション‐フットボール、つまりサッカーを指す言葉である「ア式蹴球」はわかりませんでしたが、「BG」はたぶんビジネス用語としての「OL」の前に使われていた女性会社員のことを表現する「ビジネス・ガール」かなぁという感じですが、「赤電話」「翔んでる」「MD」は、わかっちゃうなぁ😅

 でも、言葉が生き物だってことがよくわかる話です。非常におもしろいですよね。今、若者言葉として使用されている、既に私には意味がわからない言葉の多くも、辞書にすら載らないで消える言葉も多いのでしょうね。

2023/08/23

「本土決戦」に向けた防空力増強のため、飛行場の建設が急きょ決まったことによる強制的に立ち退きと言えば、静岡県では現在の静浜基地ですが、埼玉県は水上公園なんですね。

  8月18日の朝日新聞デジタルに、「終戦間際に完成した飛行場 動員された住民らの苦労の跡、今は道路に」という記事が出ています。

 埼玉県南埼玉郡新和村・荻島村、現在のさいたま市岩槻区と越谷市に存在していた、昭和19年7月に建設を開始し、昭和20年に竣工するも、ほぼ機能することなく終戦となった通称「越谷陸軍飛行場」、地元では「新和飛行場」(越谷陸軍飛行場から約6.5キロ北の、東岩槻駅近くの稲荷神社に現存する、昭和22年農地開拓事業完成の記念碑建立のために滑走路のコンクリートを再利用して作られた「興農事業完成記念碑」には、「新和飛行場」と刻まれている。)と呼ばれているようです。付近の農家13軒が強制的に立ち退かされ、44年7月に工事が始まり、住民は工事を手伝うよう求められたということです。

 昭和19年と言えば、静岡県では昭和19年1月に建設が開始された「海軍航空隊藤枝基地」ですね。名称は藤枝基地ですが、実際は志太郡静浜村に建設され、この地域の農家も強制的に立ち退きを求められ、反対運動が展開されましたが、結局は同年12月から、彗星、零戦を保有した第131航空隊「芙蓉部隊」の母基地として使用されます。そのせいもあり、戦後は「航空自衛隊静浜基地」として第11飛行教育団等が配置され、航空機のパイロット候補生を対象に、初等練習機による訓練を行っています。航空ファンには「静浜基地航空祭」で名前が」知られているかもしれませんね。

 「越谷陸軍飛行場」は飛行場として機能しないまま終戦となったため、昭和54年(1979)開園した「しらこばと水上公園」(「しらこばと」は埼玉県のシンボルであり、県民の鳥としても親しまれていて、近年では埼玉県のマスコットキャラクター・コバトンとしても人気があります。)となったわけですね。でも、記事にある飛行場跡周辺の1947年と2013年の空撮写真を見ると、飛行場の跡がはっきりわかりますが、今や旧陸軍飛行場だったことは、知る人ぞ知るってところなんでしょうね。80年近く経てばそれも止むを得ませんが、この記事のように何らかの形で、この事実が埋もれないようにすることは大切なことです。

2023/08/22

国内で唯一現存する「ドイツ蓋」、博物館あたりでしっかり保存してください。

 8月15日の「あなたの静岡新聞」に、「マンホール「ドイツ蓋」撤去 浜松市保管へ 国内で唯一現存」という記事が出ています。

 大正から昭和初期ごろに設置されたとみられる浜松市中区に設置されていた「ドイツ蓋」(ドイツ製のマンホールの蓋)が、周辺の道路工事に伴い撤去されたことを紹介する記事なのですが、「国内唯一」の現存するドイツ製のマンホールの蓋が浜松にあるなんて知りませんでした。ということで、何か情報はないかと検索したら、こんなブログがありました(このブログのコメント欄に、「ドイツ蓋」の詳細な考察があります)。

 記事に「市内には少なくとも3カ所に類似のマンホールが設置されていたが、残り二つについては2010年半ばまでに既に撤去されていた。」とありますが、上記のブログの考察と合わせて見るとつじつまが合いますね。

 「当面は下水道工事課で保管する」とありますが、「国内唯一」のものなのですから、来歴等をしっかり調べて、博物館あたりできちんと保管、展示するべきでしょう。

2023/08/21

「佐紀古墳群航空レーザ測量調査速報成果資料集」が、「全国遺跡報告総覧」にアップされています。

 昨日8月20日に速報が出ていた「佐紀古墳群の航空レーザー測量」ですが、今日21日に「全国遺跡報告総覧」に「佐紀古墳群航空レーザ測量調査速報成果資料集」として、アップされています。

 この測量調査自体は、かなり良い資料を提供してくれていますが、このような調査を個人レベルで、おまけに費用をクラウドファンディングで調達して行うって、良いことなのか判断に悩みますね(宮内庁管理下の古墳が対象って意味で)。

 まぁ、今まで行政が主体で行っていたようなことを、クラウドファンディングで広く資金を調達して行うという方向でやっていけば、どこからも文句が出ないので(文句が出るのは大概お金の話で、特定の何かに公金を使うのがどうこういう話が多いので。今回の調査は宮内庁から許可をとってやっているんでしょうし。)、うまく資金が調達できれば、他の調査にも応用できますね。

 博物館の例を考えても、クラウドファンディングという方法で資金を調達して何かをやるという方法は、時代にマッチしているんでしょうね。今後、この資金調達方法が主流になっていくのかなぁ。

2023/08/20

静岡県の新県立中央図書館で、システム構築に関して情報提供依頼(RFI)を実施しています。

 「新静岡県立中央図書館のシステム構築に関する情報提供(RFI)について」という情報が、8月14日に、県教委のホームページで公開されています。

 新県立中央図書館の整備に併せ、図書館システムを新たに構築するため、2022年9月に「新県立中央図書館システム基本構想」を策定して検討を進めているとし、同構想に基づく開発検討をさらに進めるにあたって、事業者等から幅広に参考情報を収集するために、情報提供を依頼しています。

 「情報提供を希望する項目及び内容」、「システム・機能別記載のポイント」は、リンク先にある通りです。

 提出期限は9月15日までですが、やっとRFIまで来ましたね。来年度の今くらいには入札という話になる予定ですので、計画の部分では最後になりますので、必要な情報をしっかりと収集して、良いものにしていって欲しいですね。県立図書館ですから、いろいろ期待されています(自分もその一人です)。完成した暁には、おそらくいろいろな要望が出てくるでしょうから、現状で可能な限り、いろいろな情報を集めた方が良いですね。

2023/08/19

子どもの「体験格差」、大人になっても「体験格差」により、違いがあると思います。

 8月9日の朝日新聞デジタルに、「子どもの「体験格差」、将来にも影響? 専門家、大切なのは「質」」という記事が出ています。

 「音楽やスポーツ、美術鑑賞などの体験活動に参加していない子どもの保護者もまた、幼少期にそうした経験が少なかった」という、世代間で「体験格差」が連鎖していることがわかったとうことですが、自分がやったことが無ければ、その体験がどのような事かもわかりませんし、良いのかそうでもないのかすら十分に判断できない可能性がありますし、そのそも親自身がそのような体験に興味・関心が無い可能性があるので、子どもにも進めるという発想も無いかもしれません。

 親の学歴や経済状況によっても「体験格差」があるというのは、「教育格差」と同じですね。

 記事にあるように、もちろん「質」は大事ですが、そもそもなんでも体験することは、しない場合と比べれば、その大変さ、難しさ、嬉しさ、喜びなど体験したがゆえの感情を理解することできたり、自分の能力にも気づくことができます。

 また、子ども時代の体験格差が、その後の人生にも影響する可能性があります。体験を通した成功や失敗の経験が少なければ、大人になっても何かにチャレンジすることにためらいがあったり、それ以前に何かにチャレンジするということ自体をしなかったりするような気がします。体験しないよりはする方が良いですし、同じ体験ならできれば「質」の良い体験を、ということでしょうか。

2023/08/18

死の危険と隣り合わせでの部活動って、何故やるの?

  8月11日の朝日新聞社説は、「猛暑と部活動 子の安全を守るために」というタイトルです。

 ここ例年の暑さは、昔の暑さとは明らかに違います。非常に危険な暑さです。「熱中症警戒アラート」が頻発するような暑さのなかで、運動をするなんて非常に危険だと誰もが想像できるのに、何故やるんでしょうか?そうまでして部活動をやる理由って何なのでしょうか。「関係者は熱中症の知識を十分身につけ、子どもの安全を第一にした対応をとってほしい。」などと悠長なことを言っているこの社説って、何を考えているのかと思います。

 同じ運動をしている子どもたちでも、家に帰ってからの状況は違うので、前日夜更かしした子どももいるかもしれませんし、エアコンで体調が悪くなっている子どももいるかもしれません。それでも、この暑さでなければ、多少気分が悪いとかで済むかもしれませんが、子どもの安全を守ることを優先するのならば、少なくとも日中に運動はしないとすべきです。

 「大会で良い成績を残して入試でアピールしたい」と言っても、それが将来どの程度のメリットがあるのでしょうか。自分自身は、特に運動が苦手だったわけではありませんでしたが、運動よりも文化的・学問的な方がおもしろくて、運動は体育の授業程度しかやってこなかったですが、それで何かデメリットがあったかどうかはわかりません。あったかもしれませんが、運動しなかったことを後悔するほどでもないので、気が付かないのでしょう。

 別に運動したい人を否定するわけではありません。それに打ち込もうと思う人はそれで良いと思いますが、しかし命の危険があるようななかで練習する必要はないでしょう。そのような練習をしなければ勝てないというのならば、そもそもそれほど上手くないのでしょうから、ある程度見極めが必要です。大人のエゴで、子どもを危険にされるようなことはもってのほかです。

2023/08/17

国立博物館は、その国のアイデンティティじゃないの?

 8月12日の朝日新聞社説は、「博物館の苦境 国は当事者意識を持て」というタイトルで、国立科学博物館が、標本や資料を収集・保管する費用にあてるため、クラウドファンディングで寄付を募り、わずか9時間で目標の1億円に達したことを受けての社説です。

 博物館は、「過去を起点に現在や未来の社会のありようを考える」ための資料を集め、次世代へ引き継ぐ非常に重要な役割を持っているわけで、つまりその国が何たるかを語る材料がそろっている施設ということであるのですが、そのような施設が資金不足ってどういうこと?って感じです。

 わずか9時間で目標の1億円に達し、8月11日までに約6億円が集まっているという事実は、まだ一般国民は捨てたものではないということがわかり、ほっとした感がありましたが、逆に国は何をしているのか?という怒りがこみ上げてきます。

 「日本を代表する博物館が光熱費を工面できず、寄付に頼らざるをえないという帰結を政府はいったいどう考えているのか。」、「6割の館で資料購入にあてる費用が全くないとの調査結果もある。収蔵庫が不足し施設は老朽化が進む。学芸員には専門性が求められるのに、非正規雇用も多い。」、「政府は博物館に観光の中心になれと旗を振るが、最低限の活動もままならないのに、なぜそれが可能なのか。」など、社説にもいろいろ書かれていますが、「国が果たすべき役割について真剣に考えてもらいたい。」というのは、まさにその通りです。

 ただ、ある意味このようなものですら、もはや行政に頼る時代ではないのかもしれません。行政に頼らなければ維持できないとなれば、この先も常に存続が危ぶまれる状況が続く可能性があるわけですから、今回クラウドファンディングという新しい資金の調達方法が見いだせて良かったのかもしれません。

2023/08/16

歴史的な資料として、地域の住民が必要だと考えるものは、住民の手で残す努力をしなければ残せません。

 今日8月16日のあなたの静岡新聞に、「老朽化 消えゆく「戦争遺跡」 静岡・歩兵第34連隊 最後の施設解体」という記事が出ています(Yahooニュースに載っています)。

 今年6月に解体された歩兵第34連隊の「陸軍静岡練兵場訓練講堂」についての記事で、これに関してこのブログでもコメントしましたが、この訓練講堂は、建物の内部に催涙ガスをたき、連隊の兵士が防毒マスク装着を訓練したとの証言が残る、戦時中に兵器として使われた毒ガスに対応する訓練用の施設で、民間の個人所有者が払い下げを受け、近年まで倉庫や住宅として使用していたのですが、建物の老朽化などから所有者が昨年、取り壊しを決めました。しかし、所有者は静岡市に保存の観点から相談をしたのですが、「指定文化財にする基準に達していない」(市文化財課)として、解体前の図面の作成、記録にとどめたとのことです。

 「指定文化財にする基準に達していない」という判断は、そもそもその基準が明確になっていないので何とも言えませんが、本当に残そうと思うならば、基準などどうにでもなるわけですから、保存の対応を取らない言い訳に過ぎません。記事にもあるように、これまでも歩兵第34連隊関連施設の保存が問題になったことがありますが、結局ほとんど残っていません。

 県近代史研究会員の方の「「地域から戦争を見つめるためには実物を残す意義は大きい。市民から資料を受け入れる態勢を作ったり、記録保存をしたりすることが重要で、行政の力が必要になる」という指摘はもっともですが、静岡市の対応やその他の事例を考えると、保存にあたり行政に頼るのは、もはや時代遅れなのではないかと思います。そもそも、よほどのことでない限り行政がお金を出すことは考えられないわけですし、それで無くなってしまって地域の歴史を語るのに困るならば、地域の住民が自分たちの問題として保存に取り組むことが必要なのではないかと思わざるを得ません。ひと昔前だと大事でしたが、いまならばNPOを立ち上げてクラウドファンディングで資金を集めることも可能です。

 よくよく考えると、現在残っている前近代の歴史資料は、特に文字資料は自説の根拠となってくれる説明資料の文書であり、それは必要だったから関係者が保存をしてきたわけです。確かに建物の現物保存は非常に大変ですが、自分たちの歴史を語るうえで大切なものならば、自分たちの手で残す努力をしなければ、何も残すことはできません。行政に頼る文化財の保存はもう終わりにして、活用しながら残す道を探っていく時代なのではないでしょうか。

2023/08/15

戦後の日本の自由は、本当の自由なのか?

 今日8月15日の朝日新聞社説は、「戦後78年 日本と世界 自由を「つかみかえす」とき」というタイトルです。

 「占領下に置かれた日本は社会の自由を取り戻した。」とありますが、これは、本当なのでしょうか?

「『君たちはどう生きるか』の著者、吉野源三郎が当時の実感を回想している。
 「日本人自身が自分の手でこの改革をなしとげたというよりは外からの打撃によって旧(ふる)い勢力が打ち倒されたおかげが大きかったので、そう手放しに喜ぶことはできませんでした」(『職業としての編集者』)」

と、社説にありますが、外からの打撃によって旧い勢力が打倒されて、外からの勢力がそれに入れ替わり、その国のやり方に変わっただけなのではないでしょうか。我々は、日本として本当に自由を手にいれたのでしょうか。

 もし、日本として本当に自由を手に入れたのならば、「米軍統治下におかれた沖縄では、基地のため住民の土地が奪われた。権利が踏みにじられたまま日本復帰後の今に至る。」のは、何故なのでしょうか。自分の国の土地に対する権利が踏みにじられたままなのは、我々が本当の自由を手に入れていないからなのではないでしょうか。

 「この構造を日本社会はどこまで自覚してきただろうか。」というのは、我々が自由だと思っているのは、「アメリカが認める範囲内での自由」だということなのでしょうか。つまり、我々は本当の自由を手にした国家ではないということを指しているのでしょうか。

 ウクライナに対して、「負けて自由を得るという選択肢はない。」と言っていますが、歴史上、「負けて自由を得」た国が、どこにあるのでしょうか。

 「とことん議論する必要がある」のは、「防衛費の増額が内容の吟味も不十分なまま進」み、「貿易や投資にあたっては安全保障への配慮が当然のごとく語られ」、「「学問の自由」を守るため軍事研究に慎重な日本学術会議への政府の圧力が、やまない」のは、「アメリカが認める範囲内での自由」だからだということなのではないでしょうか。

 「敗戦で得た自由を、市民がわがものと受け止め、日々生かしてゆく。」などと社説に書くこと自体が、まさに「政府の責任を問うジャーナリストの役割」を果たしていないと考えられるのです。

2023/08/14

子どもに英語を身に付けさせたいなら、母語として確立される時期まで英語圏に行ってしまった方が良いはず。

 8月7日の朝日新聞デジタルに、「過熱する英語の早期教育、「異常な状態だ」 ある言語学者の警鐘」という記事と、「幼児の英語教育のカギは「漆塗り」 親に必要な心構えとタブーとは」という、英語教育に関する2つの記事が出ています。

 「母語がまだ確立されておらず、自分で母語をコントロールできない子どもに、大人が英語だけの環境を人為的に与えるのはどう考えてもおかしな話です。」という慶応大名誉教授の大津由紀雄さんのコメントは、まさにその通りです。言語は思考のベースになりますから、英語でも日本語でもなんでもいいので、本人が母語として思考のベースになる言語をきちんとマスターしないと、物事を論理的に考えるということができなくなってしまいます。

 「音声やリズムなど、英語らしい音に関しては、聞くのも話すのも幼いうちから英語を始めた方がネイティブに近づ」くことは事実ですが、英語で意思疎通ができて考えを伝えられることを目指すならば、つまり日本語で考えて、それを英語に直して話せるようになるのならば(子どもに英語を身につけさせようと、未就学児を英語主体のプリスクールに通わせたり、英語環境の民間学童保育に小学生を預けたりする親の多くはおそらくこのレベルを意識しているのだと思いますが)、まずは母語をコントロールできるようになって、つまり日本語で物事を論理的に考えることができるようになってからでも、遅くはないはずです。

 もし、ネイティブと同等になることを目指す、つまり母語を英語にしたいのならば、日本にいないで英語圏で生活しないとダメでしょうね。物事を英語で考えて英語で話すためには、英語での思考にならないといけませんから、日本に居ては実現できないでしょう。

 そもそも都市部にいれば英語で会話する場面もあるでしょうが、地方では日常生活において、ほとんどそのような場面はありませんし、おそらく今後もそれは大きくは変わらないでしょう。すべての人が都市で働くわけではありません。ましてやそれほど多くの人が海外へ出ていくわけでもないでしょう。日本に育ち、日本で生きていくのならば、日本語でしっかりと論理的に物事を考えることができる方が、より重要なことです。もしそれを英語で話されければならない機会があったとしたら、通訳を使ったり、翻訳機を使ったりすれば良いだけです。日常生活のなかで英語を使うならばそれほど難しいことを考えなくても良いわけですが、仕事や学問などで英語を使う必要が出てきた際には、英語で話せるかどうかよりは、話しの中身に意味があるかどうかが問題になるわけですから。

2023/08/13

「現存する最大級の被爆建物」という点で、十分に国の重要文化財になりえますから、指定して当然だと思います。

 8月7日の朝日新聞デジタルに、「旧陸軍被服支廠の文化財指定 首相「速やかに審議」最大級の被爆建物」という記事が出ています。

 広島市南区にある、現存する最大級の被爆建物「旧陸軍被服支廠(ししょう)」について、広島県側が建物の活用策を定めることを前提に、求めに応じて国の重要文化財への指定に向けた審議を進める方針となったとのことですが、建物の活用案はともかくとして、重要文化財の価値は十分あると思います。この建物は1914年に使用が開始されていますので、来年の100年記念として指定して良いのではないでしょうか。

 全部で4棟あるわけですが、これらの建物はとにかく大きくて、県所有の第1~3号棟は91m×25m×15m、国所有の第4号棟は105m×25m×15mもあります。鉄筋コンクリート造とレンガ造が複合していて、これだけで重要文化財としての価値がありますが、この建物はさらに被爆直後に、被爆者の臨時救護所として使用されたという非常に重要な役割を果たしています。

 原爆を体験した人たちが少なくなってきているなかで、代わりに被ばく体験を訴えることができる建造物は、しっかりと保存し、原爆の恐ろしさ、戦争の悲惨さを伝える役割を担わせるようにすべきでしょう。

2023/08/12

3月に登録有形文化財に答申された沼津市内最古の民家「海瀬家住宅主屋」が、クラウドファンディングをやります。

 8月7日の朝日新聞デジタル静岡版に、「160年超の古民家、修繕に支援募る 25歳当主「後世に残したい」」という記事が出ています。

 沼津市西浦河内にある市内最古の民家「海瀬家住宅主屋」が、大規模修繕を行うためにクラウドファンディングを開始するとのことで、7月23日には一日限定で初めて一般公開されました。

「海瀬家住宅主屋」は3月に登録有形文化財に答申されており(そのことはこのブログでも紹介していますが)、現在準備中なのですが、「建物の傷みが進み、特に約100坪ある大きな屋根は雨漏りするようになった(もともとのかやぶき屋根を、1929年ごろに瓦にふき替えたため急勾配で、瓦がずれて隙間が生じているのが原因らしい)。」とのことで、大規模修繕を行う必要があるとのことです。

 そこで、25歳の若き当主の「家を守っていきたい」という思いが、親戚の方との思いと1つになって、一般社団法人「仲屋」を立ち上げ、22日にクラウドファンディングをスタートするとのことです。修繕費を見積もってもらったところ、約1600万円以上かかるということで、まずは目標は500万円だとのことですが、国立科学博物館のようにはいかなくとも、何とかうまくいって欲しいですね。

2023/08/11

日本では文化的な専門職は、その必要性を行政が強く認識していないので、設置が難しいわけです。

  「学校図書館問題研究会」第38回全国大会が、大阪私学会館で8月5~7日に開催され、大会アピールが採択されました。今年のアピールは、「「専門・専任・正規」の学校司書の配置と学校図書館の充実を求めるアピール」です。

 アピール文にもあるように、今年2023 年は、すべての学校に学校図書館の設置を定めた学校図書館法公布から70 周年で、1997 年に司書教諭の配置に関わる「改正」があり、2014 年には学校司書が法律に位置づけられましたが、学校図書館と職員を取り巻く環境は変わっていません。

 我が国において文化的な専門職は、学校司書に限らず、その必要性が十分に認識されているとは思えません。図書館司書しかり、公文書館専門職員(アーキビスト)しかり、近年は学芸員ですら非常勤というところも多くなってきています。あるいは教育の専門職である教員も近年いろいろな問題が指摘されていることを考えると、似たようなものかもしれませんね。

 専門職を設置するということは、その業務しか行わない人材を採用するということですから、ゼネラリストを重視する我が国で、スペシャリストは取り扱いにくい存在なんだろうと思います。特に行政においては(学校司書や図書館司書、アーキビスト、学芸員など、基本的には職場が行政であることが多いですから)、同じ人件費でいろいろなことをする行政職に比べて、特定の業務しかしないため(それゆえ専門職なのですが)、コスパが悪いわけです。いろいろな部署を異動しながら出世するゼネラリストに対して、スペシャリストは異動も狭く、どれだけ職務上の知識や能力が身に着いたかどうかの判断も難しく(というか、人事課は行政職ですから、専門職の専門性の判断は難しいわけで)、出世のタイミングやポジションも困るわけです。もちろん専門職は出世とかそのようなことを望まない人も多いですが、かといって年齢があがるにしたがって給料は上がってくれないと困るわけで、行政内に位置する場合、行政職からすれば、取り扱いにくいわけです。それがすべての原因とは思いませんが、行政においてはある程度専門的に業務をこなす必要がある部署もあり、そこに異動すればそれなりの知識を身に付けて、外からみればそれなりに専門的な業務をこなしているわけで、そんな状況からすれば、その業務のみを一生専門にこなす人材を置く必要があるのか?となるんだろうと思います。しかし、世界を見れば一目瞭然で、専門職は必要なわけです。ただ、日本はガラパゴスな国なので、(特に行政で)それがなかなか通用しないところが、専門的な仕事をしている人間からすると、モヤモヤするわけです。

2023/08/10

静岡県の総人口、減少数が全国で三番目の多いって、まずくないですか?

 8月7日の中日新聞デジタル静岡版に、「静岡県内の人口2万4602人減 前年比、全国3番目の多さ」という記事が出ています。

 総務省が、令和5年1月1日現在の「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数」を発表しましたが、総人口は3,633,773人で、全国の都道府県で十番目に数が多いのですが、減少数は、前年から24,602人減(マイナス0.67%)で、北海道(43,774人減)、兵庫県(28,738人減)に次いで、全国で三番目に減少数が多いということですが、これってまずくないですか?

 浜松市は792,704人で人口の多い市区として16番目ですが(ただこれは外国人人口が26,748人ということで、日本人だけならば765,956人で、新潟市に逆転されて17番目です)、一方静岡市は683,739人で、人口減少の多い市区の4番目(5,340人減)です。浜松市は外国人人口が多いとは言え80万人に近い数字ですが、静岡市は相変わらず70万人を切っています。静岡市の減少、何とかならないですかね?やはり県庁所在地として、せめて70万人に回復するといいなぁというのが実感です。

2023/08/09

「一般と専門家との間にある大きなギャップ」って、いろいろありますよね。

 8月5日の朝日新聞デジタルに出ている「ナチスは「良いこと」もした? 逆張り主張に応答、研究者の危機感」の記事ですが、最近はネットの匿名性によって、中途半端な知識をもとに、いろいろな議論をしている人たちを時折見かけます。

 『検証 ナチスは『良いこと』もしたのか?』、読みましたが、これぞ歴史の専門家の仕事と言えるブックレットで、多角的に非常に詳細な検証を行い、豊富な参考文献も巻末に載せられていて、歴史研究の見本のような本です。

 歴史において、「逆張り」の主張とは非常に多いですが、それを専門家が1つ1つ向き合って論証していくというのはかなり珍しいですし、多くの専門家は、一般との認識にギャップがあることを前提としている部分があるように思いますので、あまり対応しないこと多いわけですが、今回のブックレットはそれを丁寧にやっているという点で、大変貴重な文献になりますね。

 ただ、「一般と専門家との間にある大きなギャップを埋める必要がある、と危機感を感じた」というのは、いちおう私も端くれに居る人なので、それを感じることはありますし、埋めることを試みているつもりですが、現実はなかなかうまくいきません。原則的にそのことについて常に考えている人間と、時折何かに触発されてそのことを話題にする人間とでは、日ごろの意識が違いますし、その差は簡単には埋められない、本来はそのようにあきらめるつもりはなくとも、現実その差を埋める努力は、かなり無謀に思えるのが事実です。その意味でも、本書は大変有意義な一冊です。

2023/08/08

教員の奨学金返還の減免、進めるべきですね。

 8月4日の朝日新聞デジタルに、「教員の奨学金減免へ 文科省、概算要求方針 人手不足解消に」という記事が出ています。

 文科省が教員不足を解消のため、教員の奨学金返還を減免を行う必要経費を、来年度予算案の概算要求に盛り込む方針だということです。

 現在、奨学金が少子化の原因の1つである可能性が指摘されるなかで、子どもを相手とする教員の奨学金減免が行われることは良いことだと思います。子どもが減っても、教員のある程度の数と質を確保することは必要なわけで、教員の待遇改善の1つとすることで、多少なりとも教員を目指す若者が増えてくれることを期待したいわけです。

 日本育英会(現日本学生支援機構)が、03年度まで、無利子の奨学金を借りた人を対象に、教員などの職に一定期間ついた場合、奨学金の減免を行っていた制度を廃止した理由は、「採用試験の倍率の上昇などから人材確保の役割が薄れてきていること」や、「公平性」の観点を挙げているようですが、「教員の待遇改善」と意味で採り入れれば、「公平性」という観点は必要なくなるわけですし、「人材確保の役割」ということならば、今はまさにそれを果たすために奨学金の減免を行うべき時期でしょう。対象者や減免のための条件などの大枠は、今月内に固めるとのことですので、期待したいです。

2023/08/07

東京都千代田区立麴町中学校の話は、映画の上映に水を差す話ですね。

 映画「夢みる校長先生~子どもファーストな公立学校の作り方」の上映が今月、各地の劇場で始まることが話題になっているようですが、8月3日の朝日新聞デジタルに、「「定期試験なし」の千代田区・麴町中、改革転換を検討 保護者に波紋」という記事が出ています。

 麴町中学校は、2014年に就任した工藤勇一校長により、宿題や定期試験、固定した学級担任制などを廃止し、制服(標準服)や体操着も「着用自由」で一部私服も導入するなどの改革を実行して注目されました。

 20年3月の工藤氏退任後、後任が今年3月まで務め、同4月に現校長が就き、今年7月にあった区内の小学5、6年生と保護者向けの学校説明会で、「まだ決定ではない」としつつ、定期試験の実施、学級担任制の導入、指定の制服・体操着の着用などを進める方向で検討していることを明らかしたとのことです。方針転換の理由は、「生徒の学力向上や生活指導強化の必要性、地域からの要望」などとのことですが、教員って近隣市区町村を異動するので、どうしても自分の勤務経験校や近隣他校と比べがちで、それまであたりまえだったことが無いということに違和感を感じるんでしょうね。そもそも定期試験や宿題などのある学校生活で、うまくやってきた人たちが教員になるのでしょうから、自分が経験してきたことを否定するような動きには、反発心があったんでしょうね。

 でも、現在の麹町中は「生徒の学力向上や生活指導強化の必要性」があるような状況なのでしょうか。地域からの要望って、どこの誰からの要望なんでしょうか。地域と言っても、普通の人はそんなこと言うわけありませんから、可能性としては区の教育委員会や区議会議員あたりかもしれませんが、もしそうだとしたら、やっかいですね。どこか一つが目立つようになると、それを抑え込もうとする動きがあるのは世の常ですが、これだけ教育を変える必要性が叫ばれているのに、それを元に戻そうとするなんて…。

2023/08/06

「被爆78年の課題」、政府はどこまで考えているのか、かなり疑問ですね。

  今日8月6日は、広島に原爆が投下された日です。それゆえ、今日の朝日新聞社説は、「被爆78年の課題 脅しに屈せず核廃絶めざせ」です。

 『バービー』公式アカウントの問題があったばかりですし、G7広島サミットでの成果を強調した政府ですが、広島の松井一実市長により「核抑止論からの脱却を促す」平和宣言が読み上げられたのに対して、どこまで真剣に考えているのか、かなり疑問に感じます。

 G7広島サミットでの「広島ビジョン」は、核抑止論を肯定する立場だったわけで、今日の平和宣言は「核抑止論は破綻している」と正反対の立場なわけで、廃絶への行動を求める広島・長崎の間との意識の溝をどうするのでしょうか。核兵器禁止条約への署名・批准を求め、11月の同条約締約国会議にオブザーバー参加するよう訴える声に、どのように対応するのでしょうか。

 核の悲惨さを知る日本の経験というものを、どう思っているのでしょうか。本当ならば、世界に向けてもっと大きい声で訴える権利があるはずなのですが、今度政府はどのような方向に向かうつもりなのか、残念ながらかなり期待薄な気がしますが、果たして11月に向けて、どのような動きをするでしょうか。

2023/08/05

出版の電子化、進むと利用には便利ですが、保存という観点では難しいです。

  8月4日の朝日新聞社説は、「本を読む権利 切なる声にこたえたい」というタイトルです。

 先月芥川賞に決まった市川沙央さんが、芥川賞の会見で述べた「ちょっと生意気なことを言いますけれど、各出版社、学術界でなかなか電子化が進んでいません。障害者対応をもっと真剣に早く取り組んでいただきたいと思っています」を受けての社説です。

 電子書籍は、紙の本のような重さがなく、文字を拡大して読める利点があったり、画面の自動読み上げ機能を使って本を「聞く」ことも可能だったりとメリットがあり、市川沙央さんがいうように、障害のある人にとっては「本を読む権利」が満たされるわけで、大変良いことです。

 社説には、電子化は中小の出版社では追加コストなどがあるとし、手間がかかることや流出への懸念が背景にあるとしていますが、現在は本を作る際は、ほとんどDTPですから、基本的にはデジタルデータで作成するわけです。したがって中小でもコストがかさむどころか、昔に比べれば安くなっているはずです。もちろん、最初からデジタルデータで作成しているので、手間がかかるわけもありません。確かにデジタルデータなので、流出は懸念されますが、それさえ十分な対策をとれば、やたらと流出することも多くないと考えられます(まったく流出しないということはおそらくないですが)。

 むしろ問題になりそうなのは、保存の観点です。紙の本のようにデジタルデータの入ったメディアをその辺にほっておけば、数年後にはおそらく読むことはできないでしょう。保存メディアの媒体自体の保存年限や、保存メディアそのものが旧式になることによる読み取る機械が無くなってしまう可能性、またデジタルデータを読みこむためのソフトが古くなってしまうとかで、結局読めなくなる可能性が高いわけです。今時フロッピーディスクなんて一般にないでしょ?図書館は困りますが、出版社にとれば、むしろ最新版に買い直ししてくれる可能性が高まるので、悪いことではないはずです。

 「従来の商慣行はバリアフリーの要請を退ける理由にはならないはずだ。出版界にはより積極的な行動を求めたい。」としている朝日新聞さん、自分のところは電子化、進めているの?

2023/08/04

歴史的価値は、時代によって変わりますから、登呂遺跡だって、見方を変えれば、今でも十分価値があります。

 8月3日の朝日新聞デジタル静岡版に、「教科書から消えた登呂遺跡 発見80年、弥生時代の象徴だったのに」という記事が出ています。

 かつては弥生時代を象徴する遺跡として、登呂遺跡はほどんどの教科書に出ていて、中高年は必ず学校で習ったと思いますが、今や弥生時代の遺跡としては吉野ケ里遺跡の方が有名で、今の中学校の教科書本文で登呂遺跡を記述しているのは1社しかないということです。

 確かに弥生時代を象徴するような遺跡は、吉野ヶ里遺跡の他にも卑弥呼の墓だと言われる箸墓古墳のある纒向遺跡なども知られているわけですが、しかし現在でも、弥生時代の集落遺跡で「国の特別史跡」に指定されている遺跡は登呂遺跡・吉野ヶ里遺跡・原の辻遺跡(長崎県壱岐市)の3つだけですから、弥生時代の三大遺跡と言えば、登呂遺跡も入るわけです(そうは言っても、弥生時代と言えば吉野ヶ里遺跡が圧勝ですね。原の辻遺跡は、ほとんど知られていないでしょうね)。

 ただ登呂遺跡の歴史的価値で評価が変わらないのは、「戦後間もない1947年(昭和22年)に、考古学・人類学・地質学など各分野の学者が加わった日本で初めての総合的な発掘調査が行われた遺跡」という点でしょう。また、「「弥生時代といえば水田稲作」というイメージが定着する契機となったことに加え、この登呂遺跡の発掘調査をきっかけに日本考古学協会が発足されるなど、戦後の日本考古学の出発点となった日本考古学の金字塔」という点も、時代が変わっても登呂遺跡の持つ価値であることには変わりありません。

 つまり登呂遺跡の価値は、戦後復興期の文化のところでは、他の追従を許さぬ確固たる地位を占めているわけで、教科書を記述する際に、戦後復興期をもう少し詳細に書くことになれば、必ず載ってくる存在だと考えます。

2023/08/03

夏休みには、「一日体験入学」とか「学校説明会」とか、高校でもやります。

  8月2日の朝日新聞デジタル静岡版に、「新設の演劇専攻で一日体験入学 清水南高」という記事が出ています。

 中高一貫の県立清水南高・同中等部で1日に「一日体験入学」があり、高校芸術科に来春新設される演劇専攻でも体験授業があり、中学3年生10人が参加したとのことです。

 演劇専攻は、県内の高校で初めて設置されるもので、1年生で週11時間の実技があり、3年間で43単位の専門教育を受けられるということで、かなり演劇に関していろいろと学べるようです。

 個人的に、高校時代に演劇部だったので(いちおうその後も何らかかかわっています)、それを学校で専門的にやれるってのは、かなり興味があります。時々、普通の授業に演劇的要素を入れてやってみたいと思うことはありますが、そんな気が全然ない生徒ではしらけてしまうのがオチなので、やってみたことはありません。ただ、あてられてドギマギしながら答えるような生徒を見ていると、演劇的な考え方を知っていれば全然違うだろうにと思うことはよくありますし、たまたま演劇部の子を指した時には、やはりその違いを感じます。

 学校教育に、簡単な演劇的な指導を入れて、すべての生徒が少しかじって見ても良いのではないかと思いつづけているのですが、来年からの清水南高校の様子が気になります。

2023/08/02

「全国学力調査」の算数、数学も残念な感じですね。

 「全国学力調査」の小6の算数、中3の数学も、けっこう残念な感じです。

 小6の算数で、幅の等しいテープを直線で切ってつくった二つの三角形の面積についての問題の正答率が21.1%です。これは、正答を選択するだけでなく、理由を記述させる問題で、「テープの幅がそのまま二つの三角形の高さになり、底辺も等しいため「面積は等しい」というのが正解だが、「高さが書かれていないため比べられない」とする誤答が16.8%」ということですから、順序だてて考えることができていないような気がしますね。

 「テープを二つ折りの三角形に切り取り、広げて新たな三角形をつくる問題では、正三角形をつくる際に切り取る時の角度を何度にすればいいかという問題で、「60度」という誤答が33.2%と3人に1人にのぼり、二つ折りを広げて60度にするため、正解は半分の「30度」だが、正答率は25.3%と、誤答である「60度」の割合を下回った」というのも、頭のなかでイメージができていないんじゃないかという感じがします。

 中3数学での、空間における平面が一つに決まる条件についての問題正答率が31.1%で、同一直線上にない3点で平面が決定されるというのが正解だが、「一つの直線上にある3点を含む平面は一つに決まる」との誤答が35.1%に上ったという。

 「あることが決まるとあることが一意的に決まるという見方・考え方」で、いわゆる数学的な見方・考え方の問題なのですが、小6の算数も同じで、基本的な数学的な見方・考え方が十分できていないということなわけです。これらができないと上の学校に行っても困るのでどうにかしないといけないのですが、ただ、こういうのってやり方次第でどうにでも教えられる機会があるような気がします。今までの学習にこだわらないで、もっと自由な学び方を実践していけば、どこかで必ず出会うはずだと思うのですが…。

 今って、これまでの学び方とはある意味逆の方向に向かっているので、やろうと思えばできるような気がします。あとは、教える側がどれだけ今までの教育から自由になれるかにつきると思います(今までの学校教育のなかで、そこそこできた人達が先生になっているということを思えば、これが一番のポイントかも)。

2023/08/01

「全国学力調査」の結果の、英語の「話す」テストで、6割の生徒が0点って、どういうことでしょう?

 7月31日、小6と中3を対象とする今年度の全国学力調査の結果を公表されました。

 英語と数学で問題ありの結果ですが、英語の「話す」テストで、6割の生徒が0点って、どういうこと?平均正答率は12.4%で、特に正答率が低かったのは、「環境問題についてのプレゼンテーションを聞き、話し手の意見に対する自分の考えとその理由を伝えるという問題で、具体的には「プラスチック製のレジ袋を売るのをやめるべきだ」と主張する発表を聞き、それに対する自分の考えと理由を述べるというものなのですが、これが4.2%っていうんですから、驚きです。

 もちろん、日本国内に居れば、英語で考えを表現する機会はあまりないので、できないのは仕方がないと言えますが、ただ英語ってコミュニケーションのための道具ですから、基本は会話ですよね。それができないってことは、今までの読み書きの英語ではダメだということで変えたはずなのに、ちゃんとできていないわけで、何かが間違っている?コロナのせいにしないで、原因をちゃんと確かめないと、やっている意味がないってことになります。

2023/07/31

「学校教員統計調査」の令和4年度中間報告が公表されました。

 7月28日の朝日新聞デジタルに、「精神的な不調で離職の教員、過去最多に 働き方改革急務 文科省調査」という記事が出ています。「学校教員統計調査」の令和4年度中間報告が公表となり、精神疾患を理由に離職する小中高校の教員が過去最多を更新したことが分かったことを伝える記事です。

 中間報告の一番最初に「教員の平均年齢」が出ています。

①公立幼稚園:41.4歳、 ②公立小学校:42.1歳、 

③公立中学校:43.0歳、 ④公立高等学校:46.2歳

 軒並み40歳台なのは、どうなんでしょう。高校生はある程度大人で、教員が激しい動きを必要とすることはほとんどないのですが、40歳台も半ばを過ぎると気力も体力も衰えてきますから、その年齢が平均っていうのは良くない気がします。幼稚園や小学校のように子どもの動きが激しいところで、41~42歳が平均ってのは、やはり問題でしょう。これらの時代は、教員も一緒に活動してナンボのような気がしますから、平均年齢はもっと若い方が理想的でしょう。中学校だって、もっと若いに越したことはありません。ただ、多少救いなのは、「公立小学校及び公立中学校では前回調査時より30歳未満の比率が上昇(どちらも1ポイントほども上昇ですが)」している、という点でしょうか。

 こんななかで、「定年者を除いた離職者のうち、精神疾患が理由で離職したのは、小学校が7.8%にあたる583人(前回比117人増)、中学校が6.5%にあたる288人(同36人増)、高校が3.2%にあたる181人(同27人増)。いずれも、09年度の離職者から精神疾患を理由とするケースを調べるようになって以降、数も割合も最多」だというのです。「離職者や休職者が増えて人手不足が加速し、子どもの学びに影響が出ることも懸念されている」と指摘するだけではすまない状況になっているわけです。

 もう現状の学校制度は限界です。実害が出る前に(もうすでに出ているかもしれませんが)、新しい学校制度に切り替えるべきです。

2023/07/30

鉄道ファンって、メカメカしい感じなのが好きなんですよね。

  7月27日の朝日新聞デジタルに、「幸せの黄色い…見られる確率がレアな「作業車」 名鉄で9月からGO」という記事が出ています。

 名古屋鉄道で、保線作業にあたる新型の車両「マルチプルタイタンパー」、略称マルタイが導入され、9月から運用を始めるとのことです。車体は黄色だそうで、ドクターイエローを始め、最近は黄色い車体が人気なんですかね。

 このマルタイ、オーストリアの保線機械メーカー「プラッサー&トイラー」製の「線路のゆがみを直すための作業車」です。「ディーゼルエンジンで自走し、全長22メートル、幅2・8メートル、高さ4メートル。下部の装置で線路をつかんで持ち上げ、敷かれた砕石(バラスト)を突き固める」。一晩で人力では100メートルのところを、マルタイなら1キロはこなせるということですが、値段は非公表ですが「数億円」とか。

 営業運転時間外の夜中に作業し、「稼働日数はともに約150日。愛知、岐阜にまたがる名鉄の営業路線のうち、瀬戸線を除く424キロへ出動するのは年1回程度で、一般の目に触れる機会は少な」く、「運行計画は公にしていないが、夜中のマルタイの作業中、周囲にカメラを持った「ファン」が現れることは珍しくないという」ことで、どこで調べてくるのか、さすが鉄ちゃんですね。安全だけはしっかり守りましょう!

2023/07/29

新たな「国土形成計画(全国計画)」及び 「国土利用計画(全国計画)」が閣議決定されました。

  7月28日に、新たな「国土形成計画(全国計画)」及び 「国土利用計画(全国計画)」が閣議決定されました。2015年以来、8年ぶりの策定です。

 2050年を見据えて、「人口減少に直面する中、10万人を目安にして、デジタルとリアルが融合した「地域生活圏」の構想」を打ち出した「国土形成計画」です。

 新型コロナ禍で、一瞬だけこの計画で打ち出されている「地域生活圏」構想の方向に行くのか?と思わせられましたが、5類へ移行し、元の生活へ戻すという流れの中で、見事にその期待は裏切られ、もとの一極集中に戻りつつありますが、今回の計画は、その一瞬実現するかに思えた幻を、そのまままとめたという感じでしょうか。

 あるいは、人口減少で地方での暮らしの存続が危機的にあるなかで、それを無理やり維持するための算段として、デジタルを利用して様々なサービスの充実を図ろうというものなのか、といった感じです。

 どのみち、計画に描かれるような「地方の豊かな暮らし」と呼べるようなものは実現しません。今の生活を維持するとすれば、ぎりぎり崩壊しない程度を維持するのがやっとというのが関の山でしょう。

2023/07/28

「朝鮮戦争休戦70年」、正直言って、我々日本人はよくわかっていない。

 「朝鮮戦争(1950~53)の休戦協定が結ばれてから、7月27日で70年。」

 多くの日本人にとっては、朝鮮戦争が勃発したゆえに「特需」と呼ばれる好景気になったということだけが分かっているだけで(それをわかっている人も、それほど多くないが)、朝鮮戦争の実態や日本のかかわりをよく知らない人がほとんどでしょう(かく言う自分も、概略はわかりますが、細かい部分についてはいまいちって感じです)。

 7月27日の朝日新聞デジタルの「日本に無差別爆撃の出撃基地だった自覚はあるか 朝鮮戦争休戦70年」にあるように、「日本の米軍基地から、朝鮮半島を無差別爆撃する米軍機が出撃し、日本は軍需物資の生産・輸送などの拠点にもな」り、「企業が、兵器や軍需物資の生産・修理を行い」、「日本人が輸送や看護などに動員され、在日米軍基地では日本人従業員も働いてい」たからこそ、「特需」になったわけで、それは朝鮮半島の人々の多くの犠牲のうえに成り立つものなわけです。アメリカの手下として「日本は、実質的に朝鮮戦争に参戦した」と言えるでしょう。

 現在の日本の形は、朝鮮戦争が原因で成立したわけですから、まずは朝鮮戦争のことを知るべきでしょう。

2023/07/27

「イシクラゲ」って、最強の生物なの?世の中、見た目によらないです。

 7月25日の朝日新聞デジタルで、「「えっアレが?」 クマムシ級にものすごく耐えるヤツは足元にいた」という記事が出ています。

 「最強の生物」としてはクマムシが有名ですが、クマムシと双璧を成す「最強生物」が「イシクラゲ」なんだそうです。

 「イシクラゲ」って、庭とかでよく見る海藻みたいな緑色のヤツで、晴れていればパリパリのコブみたいな感じですけど、雨が降ると水分を吸ってブニョブニョになって、スベるアレでらしいです。

 「パリパリになった状態でも、休眠状態として生きて」、「パリパリだと、100度を超える高温やマイナス100度以下の低温、たいていの生物が死ぬ強い紫外線や放射線にも耐える」という、とんでもなくスゴイやつなんだそうですが、とてもそうには見えないです。世の中、だんだん見た目じゃわからないものが多くなってきました。

2023/07/26

「図書館で不登校を防ぎたい」、このコンセプト、良いです。

 7月25日の朝日新聞デジタルに、「高校生が考えた「図書館で不登校を防ぐ」 教室は息苦しいときもある」という記事が出ています。

 神奈川県藤沢市の湘南工科大学付属高校の新しい図書館、さすが私学、ものすごく立派です。ただポイントはそこではなく、「図書館で不登校を防ぎたい」というコンセプトです。

愛称の「HABITAT(生息地)」も、意味ありで良いです。

 学校図書館は、従来より、児童生徒の「読書センター」機能及び「学習・情報センター」機能という2つの柱を持つものととらえられています。新しい学習指導要領となったことで、「学習・情報センター」としての機能がより注目され、「自発的、主体的な学習活動を支援するとともに、情報の収集・選択・活用能力を育成して、教育課程の展開に寄与する「学習・情報センター」としての機能を果たす」ことが期待されています。つまり、「個人の関心に基づく探究」をする上で重要な役割を果たす存在なわけで、そこが教室以外の居場所となれば、「個人の関心に基づく探究」がより進む可能性があるわけです。

 教室は、30~40人が一緒にいるわけですから、どうしても自分自身が自分と他の人を比べてしまう、あるいは他の人と自分を他の人に比べられてしまうわけですが、図書館は基本単独人同士ですから、そもそも誰かと比べるという場ではないから気楽です。そういう場所って、とても大切です。

 湘南工科大学付属高校の新しい図書館は、それによって「不登校を防ぐ」場所と位置付けられているわけですね。

2023/07/25

小学校が先行していますが、中学、高校は追いついていないので、よけいに矛盾する。

 7月23日の朝日新聞デジタルに、「授業が変わった 取り組む内容、子どもが決める GIGA構想3年目」という記事が出ています。

 一斉授業を減らし、一人一台端末を活用して、個別の学びを実践している小学校の事例を紹介する記事です。このような動きは端末の整備が先行した小学校で進んでいて、実践自体もなかなかおもしろいものになっていますが、中学校へ行くとどうなるでしょうか?なかには小学校同様にかなり様々な実践をしている中学校もありますが、小学校での学びが活かされる授業が、どれほどの中学校で実践できているでしょうか。同様に高校はどうでしょうか。あるいは高校受験でこのようなものが反映されている受験があるでしょうか。

 もちろん、新しい学習指導要領が進んで、高校でも従来とかなり違う科目が行われ、観点別評価も導入されてきていますが、いわゆる普通高校では相変わらず一斉授業が多いのではないでしょうか。そもそも大学入試が、科目は変われど、インプットしたものを、いかに正確にアウトプットするかの形式の試験スタイルは変わっていないので、小学校で個別の学びをやってきても、中学、高校とあがるにしたがって、以前のスタイルの授業が多くならざるを得ないというのが現実なのではないかと思います。

 「学ぶことは本来楽しいはず」、「学校は本来楽しい場所のはず」を取り戻そうと小学校がかんばっていても、上に上がるほど矛盾していくのって、やりきれないですね。やはり、一度現在の学校制度をゼロにして、作り直す必要があろうと思います。

2023/07/24

東京都内の公立小学生のうち、2022年度に都内の私立中学校に進学したのは19.3%。意外に少ない印象。

 7月21日の朝日新聞デジタルに、「公立中高一貫校、誰のため? 世帯年収、難関化…教育社会学者の視点」という記事が出ています。

 東京都内の公立小学生のうち、2022年度に都内の私立中学校に進学したのは19.3%公立中高一貫校に進学した子は1.7%同校を受験した子に広げても7.5%ということで、意外と少ないなぁというのが個人的印象です。

 公立中高一貫校に進学した子が少ないのは、都内の区市町村立の中学が601校に対して、公立中高一貫校は11校とかなり少ないからですが、私立中学校は東京都に187校あり、中学校のおよそ4校に1校が私立校という割合になるので、もっと多いかと思いましたが、おそらく神奈川県や埼玉県、千葉県などの小学生が東京都に来るので、この程度になるのでしょう。

 高校受験の影響を受けずにゆとりある学校生活を送れることや、6年間をかけての計画的な指導を受けられることなどが、中高一貫教育の利点とされますが、少し前に比べてかなり学校での教育の在り方が変わってきている現在、従来利点とされてきたことがそのまま利点と言えるかどうかわかりませんが、実際に進学している数が2割なのは、やはりお金がかかるのが理由です。「文部科学省による21年度の全国調査では、中学でかかるお金(学校教育費、給食費、学校外活動費の合計)の平均は、公立は年約53万円、私立は約143万円で、私立は公立の2.7倍」ですし、それ以前に中学受験をするということは塾に通うということなので、家庭が塾代を負担できるかどうかが、最初の関門なわけです。

 私立にしろ公立にしろ中高一貫校に入って、その後の進学実績はどうなのか、私立の中高一貫校はそれなりの実績はあるでしょうが、公立の中高一貫校は数が少ないからか、あまりその実績は一般的ではないですが、実際はどうなんでしょう?そもそも中学受験して入ろうという意識が高い子どもが受けるわけですし、地方の人間からすれば、東京都というだけで地の利がある分、進学実績は高いだろうと想像しますが、確かに公立であることの意義が弱くなっているような気がしますね。

2023/07/23

インドのカレー文化が東南アジアに入ったのは約2千年前!

 7月21日付けの「Science」のNEWSに、”Curry may have landed in Southeast Asia 2000 years ago,Spices found on stone tools shed light on ancient global trade network”という記事が出ています(22日付けの朝日新聞デジタルでも「2千年前にカレーが渡来か ベトナム古代遺跡の調理器具にスパイス」とあります)。この記事の元論文は、”Earliest curry in Southeast Asia and the global spice trade 2000 years ago” SCIENCE ADVANCES 21 Jul 2023 Vol 9, Issue 29です(「Science」NEWSでも、十分わかりますが、より詳細な内容を知りたい際には、上記の論文リンクで確認してください)。

 西暦1世紀から7世紀まで存在した扶南王国の主要港であったOc Eo(オークエオ)遺跡から発見されたfooted grinding slab、現在のインドでも見られるスパイスをひくためのすり台、footedですからそれに脚がついた石器に付着した植物の痕跡のなかに、ターメリック、クローブ、シナモン、ナツメグ、ショウガなどのスパイスが発見されたということです。

 これらのスパイスは、まさに「カレー」の材料なわけですが、さらにココナッツの痕跡も確認されており、このことはOc Eoで使用されるスパイスがココナッツミルクでとろみをつけられていたことを示唆しており、これは現代の東南アジアのカレーに特徴的な手法であることから、今日使用されているカレーのレシピは、古代から大きく変わっていないことがわかったわけです。

2023/07/22

「頭痛ーる(ずつーる)」、これって良いかも。

 7月21日の朝日新聞デジタルに、「雨が降ると頭が痛くなる? 迷信ではない「気象病」 アプリが人気」という記事が出ています。

  昔から、「雨が降ると頭が痛くなる」という話がありますが、そのような「気象病」の発症を予測できるアプリが出ていてます。その気象病予測ができるアプリ「頭痛ーる(ずつーる)」が、とても人気を集めているということです(リンク先はパソコン用ですが、スマホ用アプリもあります)。正直知らなかったのですが、リンク先にもあるように、「頭痛ーる」は10周年なんだそうです。

 自分が「気象病」かどうかがわかる簡単なセルフチェックのあるのですが、以前から天気が崩れる前などに時々頭痛がしたり、やや頭がすっきりしない時があったのですが、チェックしたら、「気象病の可能性が高いです」と出てしまいました😭

 そんなわけで、アプリを入れてみました。

 「気象病」のアプリなので、もちろんお天気アプリとして使えますし、「気象病」の知識について、いろいろ出ています。記事には「「頭が痛いのに、『頭痛ーる』によると気象病ではなさそうだ」という人が病院に行き、他の病気を発見した」事例もあるようです。オジサンなんで今年の暑さは結構来ていますし😵、痛いのはつらいので、これからしばらく使って様子を見たいと思います。 

2023/07/21

「Web OYA-bunko」が大リニューアル!

  「大宅壮一文庫」の記事検索システムが、大規模にリニューアルされました。

 ①テスト版として公開していた冊子版「大宅壮一文庫雑誌記事索引総目録」の1987年以前のデータが統合され、1888年~現在までの約140年分の約732万件のデータが一括検索できるようになりました。

 ②レスポンシブデザインを採用したことで、パソコン対応が前提だったものが、スマホ&タブレット操作に完全対応し、デザインも一新されて見やすくなりました。

 ③ユーザインターフェイスを全面的にリニューアルし、複数の人物・職業を一括検索できるようになりました。

 リニューアルを記念して、7月24日(月)から期間限定ワンコイン(500円)検索し放題キャンペーン」を開始します。これは個人賛助会員未加入者も利用できます。雑誌の検索では「大宅壮一文庫」に勝るものはありませんし、オンライン受付記事複写サービスで記事コピーの取り寄せも可能ですから、このキャンペーンで試してみて、良ければ個人賛助会員になるってのもアリです。

2023/07/20

千葉市立加曽利貝塚博物館で、スマートグラスを利用した情報表示ガイダンスシステムに関する実証実験が行われます。

  明日7月21日に、日本最大級の貝塚を有する千葉市立加曽利貝塚博物館で、メガネ型の情報端末“スマートグラス”を利用した情報表示ガイダンスシステムに関する実証実験が実施されます。

 この実験は、大日本印刷株式会社(DNP)がスマートグラスの内蔵カメラで撮影する画像情報から利用者の位置情報を算出するVPS(Visual Positioning System)技術や、リアルとバーチャルが相互に影響し合う空間等を構築するMR(Mixed Reality:複合現実)技術を活用して行うものです。この情報表示ガイダンスシステムにより、実際の博物館内で鑑賞する人の位置に合わせて、貝塚の断面や竪穴住居の柱、土器等の情報を重ねて、スマートグラスで立体的に表示する“場所に応じたMR”のサービスが提供されるそうです。

<情報表示ガイダンスシステムの実証実験のポイント>

1.所定の位置で自動的に解説等のコンテンツを表示

 スマートグラスの内蔵カメラで取得した展示物等の画像によって利用者の位置を特定するため、これまで必要だった位置特定用のマーカー等の設置が不要です。スマートグラスをかけて所定の場所で展示物を観ると、該当する解説コンテンツ等が速やかにスマートグラスに表示されます。今回の実証実験では、加曽利貝塚博物館内の貝層断面の展示を観ると、周囲に掘られた調査区の様子がMRで表示され、発掘当時の現場にタイムスリップできます。

2.現実の世界とCG等のコンテンツを違和感なく配置

 バーチャルに表示するCG等の解説コンテンツを、スマートグラスを通したリアルな空間上の最適な位置に、高い精度で配置できます。そのため、解説コンテンツ等が現実世界と一体化しているような自然な表示が可能になり、利用者の直観的な理解や満足度の向上につながります。今回の実証実験では、「加曽利E式土器」展示ケースの前で4点の土器の3次元(3D)CGをMRで表示します。実物の展示では観ることができない土器の裏側などを好きな角度から鑑賞できます。また、「大形建物跡」の展示の前では、MRで床に表示する竪穴住居跡の上に柱を再現することで、建物の大きさなどをわかりやすく伝えます。

 この実証実験をふまえて、今後は博物館・美術館に加え、企業や自治体等のショールームでの製品・サービスや施設・観光スポット等の紹介等にも展開していくとのことです。

2023/07/19

男女の分業についての固定観念をくつがえしてくれる発見は、いかに我々がジェンダーバイアスにとらわれているかを示してくれます。

  7月16日の朝日新聞デジタルに、「「男が狩り」「女は採集」は誤解? 9千年前のペルーに女性ハンター」という記事が出ています。

 「米カリフォルニア大の研究チームは2020年、ペルーのアンデス高地の約9千年前の遺跡で、ハンターと見られる10代後半の女性の遺体が見つかったと発表」、それを受けて、同チームが「アメリカ大陸の近い時代の遺跡から見つかった400人以上の記録を改めて分析したところ、狩猟具とともに埋葬された27人のうち、4割にあたる11人が女性だったことを突き止めた」との論文を、米科学誌「サイエンス・アドバンシズ」に掲載したことを紹介するものです。

 狩猟採集社会における男女の分業については、1960年代にカナダや米国の人類学者らが出版した論文集「Man the Hunter(狩猟者である男性)」などをきっかけに支持されるようになり、各地に残る現代の狩猟採集社会の研究も進み、この主張に沿った男女の分業を示す報告が増えましたが、一方で狩りをする女性は例外的な存在と考えられてきました。しかし、”Female hunters of the early Americas”と題するこの論文によると、「学者たちは、私たちの種の進化の過去において、現代のジェンダー行動がどの程度存在していたのかを理解することに長い間取り組んできました。多くの研究は、現代のジェンダー概念が過去のジェンダー概念を反映していないことが多いという主張を支持しています」、「初期の狩猟採集民が経験した生態学的条件は、女性と男性の両方が幅広く参加する大物狩猟経済に有利に働いていたであろうことが示唆されています」、「アメリカ大陸の初期の女性が大物狩猟者であったことを明らかにしています」とされています。

 現代においても男性よりも運動神経の優れた女性は多くいますし、特に当時のような狩猟の能力が重要視される時代においては、男性だろうと女性だろうと、狩りがうまい人間が狩猟を行うことで食料が確保されたわけですから、当たり前なはずなのですが、現代のジェンダーバイアスにとらわれていると、こういう事実も見逃す、もしくは否定することになってしまいがちですので、このような発見は我々にとって非常に良い情報です。

2023/07/18

「街の昔の日常や人々の暮らしが知りたい」という希望に答えるレファレンス、良いと思います。

 7月15日の朝日新聞デジタルに、「図書館で「思い出」検索 司書は気づいた「後に知りたいと思うこと」という記事が出ています。大阪市立図書館のホームページの「思い出のこしプロジェクト」を紹介するものです。

 「街の昔の日常や人々の暮らしが知りたい」というレファレンスをたびたび受けたことから考え出されたものなのだそうですが、名所の記録や成り立ちなどの行政資料は多く存在しますが、子どもの頃に遊んだ空き地や公園など、見慣れたまちの風景も、何年かすると面影もないくらい変わってしまうというのは事実で、田舎でも変わらないようでいて、どこか変わっていくものです。それを調べようとすると、案外と難しいというのは納得ですね。

 そのような地域に関する情報を集約するのに、図書館はうってつけです(公文書館でも良いのですけど、まだまだ全国津々浦々にあるというものではないので)。

 このような取り組みは非常におもしろいですし、重要なことだと思います。先日静岡県の新しい中央図書館の話題を取り上げましたが(こちらです)、9階にできる県史の資料等を集約した場所こそ、このような地域情報を集めて、「ココに来れば、昔の静岡のことが何でもわかる」という場所になってもらいたいなぁと思います。

2023/07/17

朝日新聞の連載「偽りの帝国 満州アヘンマネーを追う」がおもしろいです。

 朝日新聞で「偽りの帝国 満州アヘンマネーを追う」と題した全5回の連載が掲載中です。

 満州国のアヘン問題を題材にした「週刊ヤングマガジン」(講談社)に連載中の「満州アヘンスクワッド」や、故山田豪一さんの未定稿を、旧友の森久男・愛知大学名誉教授が2021年に「続・満洲国の阿片専売」(汲古書院刊)として刊行されて注目されています。

 この連載の7月11日付け第1回に、コメントプラスで編集委員自身のコメントが読めるようになっています。それによると、この連載は「続・満洲国の阿片専売」の刊行がきっかけで取材を始めることになったとのことですが、「取材をすればするほど、眼前の闇が広く深くなっていくのを感じるばかりでした。解明しなければならないことはまだまだまだ多いと痛感しています。」とコメントしています。確かに満州国のアヘン問題はわかっていないことが多く、故山田豪一さん、よくぞ「満洲国の阿片専売-わが満蒙の特殊権益の研究」を刊行し、「続・満洲国の阿片専売」が刊行できるほどの未定稿ができたものです。

 プレミアムA「満州 アヘンでできた“理想郷”」も必見です。こちらでは、「満州を知る10のワード」、「カラー化写真ギャラリー」、「参考文献・クレジット」が確認できます(特集としては、本来こっちがメイン?のような気がしますが…)。

2023/07/16

犀ケ崖古戦場で、4年ぶりの遠州大念仏!

  昨日7月15日は、遠州の夏の風物詩「遠州大念仏」でした。その由来は、三方ヶ原の戦いの中の犀ヶ崖で亡くなった人の霊を弔うためと言われていますから、「どうする家康」が放送されている今年は、先日三方ヶ原の戦いも放映されたので、犀ケ崖古戦場での4年ぶりの披露とうことで、大勢の見物客が訪れました。

 NHKの静岡 NEWS WEBでは、7月16日付けで「三方ヶ原の戦いで亡くなった人の霊を弔う「遠州大念仏」」として、ニュース動画が添付されていますので、「遠州大念仏」ってどんな感じ?という方は見てみてください。

 「遠州大念仏」についての詳細は、遠州大念仏保存会のホームページに詳しく出ていますので、興味のある方はどうぞ。

2023/07/15

くずし字資料の自動テキスト化や現代語訳、英訳が実現しつつあります。

 人文学オープンデータ共同利用センター(CODH)が、「つくし」プロジェクトのウェブページを公開しました。

 くずし字資料の大規模テキスト化に基づき、全文検索技術の開発や大規模言語モデル(Large Language Model:LLM)へ展開し、人工知能(AI)ツールを開発・利用しつつ、くずし字資料の自動テキスト化や現代日本語や英語翻訳などが実現しつつあります。

 『絵本江戸桜』に対して、AIを用いた自動テキスト化/翻訳の実験が行われ、その結果を見ることができます。「AIくずし字認識」はAIで自動生成したものであって、人間による確認や修正は行っていないため、多少おかしな部分がありますが、「現代文翻訳」と「英語翻訳」はいい線いっていると思います。そうは言っても「AIくずし字認識」も、おかしな部分は明確にわかるので、そこだけ注意すれば、使えるのではなないでしょうか。

 AIくずし字認識アプリである「みを」が出た際には、夢かとも思いましたが、まさか自動テキスト化や現代語訳、英訳までできる世の中になるとは…。昔のマンガの話が、少しずつ現実化してきています。

2023/07/14

「動画でみる資料保存」、いろいろ役にたつので、見ておくと良いです。

 日本図書館協会(JLA)のウェブサイトに、「動画でみる資料保存」のページを開設されています。

 もとは、「全国図書館大会2020(第106回全国図書館大会和歌山大会)の資料保存分科会における発表動画」ですが、

○概説:図書館における資料保存とは(眞野節雄)

○資料の取扱い(一般書―洋装本)(田崎淳子)

○資料の取扱い(和本―和装本)(新井浩文)

○資料の取扱い(視聴覚資料)(児玉優子)

○カビ対策(神原陽子)

○災害対策・水損資料への対処(佐々木紫乃)

○簡易な保存容器(川原淳子)

○資料修理(基本的な考え方と技術)(眞野節雄)

と、資料保存に関する知識は一通りそろっているので、見ておくと、大変勉強になります。

 この動画の文字資料は、これです。

2023/07/13

何で、全部がUDフォントにならないの?

 7月7日の朝日新聞デジタルに、「「読みやすい」UDフォントを導入 共通テストで新たな配慮」という記事が出ています。

 来年1月に実施する大学入学共通テストで、配慮が認められた受験生に対し、一部の問題冊子の書体を基本的にユニバーサルデザイン(UD)フォントにするとしたことを紹介する記事です。

 UDフォントは、読み書きに困難がある人でも読みやすいように、字を読みやすくして誤読を減らせるように開発されたフォントで、確かに読みやすいです(詳細はこちら)。

 ただ、ユニバーサルデザインなんですから、基本的には誰もが読みやすいわけで、読み書きに困難がある人だけはなくて、すべての受験生にとって読みやすいものの方が良いに決まっているのに、どうしてすべての問題や解答用紙の文字をUDフォントにしないんでしょうか?

2023/07/12

学ぶ意欲があって大学に行く人って、そんなに多くないと思うんだけど…。

  7月11日の朝日新聞の社説は、「奨学金改革 一歩前進も課題は山積」というタイトルです。

 その社説の一番最初に、「学ぶ意欲があれば、誰でも大学で学ぶことができるようにするのが望ましい。」として、「政府が、「給付型」奨学金を受け取れる人や、授業料減免の対象になる人を広げる方針を閣議決定」したということが述べられていますが、「学ぶ意欲があって大学に行く人」って、どれくらいいるんだろう?生徒はもちろん、保護者の多くは、「学びたいから進学する」のではなく、大学に進学することが「就職のための手段」だと、とらえている向きが多いのではないだろうか。これは現実として、高卒で就ける職業が限られているからであり、大卒になることで職業の選択幅が広がることが原因なわけです。

 もちろん「学びたい」ことがあるから進学する、という学生がまったくいないとは言わないが、高校生を見ている限り、学校がそのような指導をしているからなおさらなのだが、将来の仕事のことを考えて進路を決めている、例えばいまだにある「文理選択」の際にも(文理に分かれるのも、大学入試のためだけで、実際に学問をやり始めたら、いろいろな知識が必要で、文系でも数学や理科が分かった方が良い場面が多いし、その逆もしかり)、どんな仕事に就きたいかを考えながら、入試で文系科目メインで受験するのか、理系科目メインで受験するのか、受験で理系科目が必要な分野なのに、数学が苦手だからと言って文系に行ってしまうと将来希望する職業に就けなくなる云々、などの指導が行われて、その結果として大学に進学するという感じなわけです。

 中学や高校で習った授業、例えば歴史がおもしろくてもっと学びたいとか、小さなころから虫が好きなので虫の研究をしたいとかを理由として、大学に進学しようとする話はあまり聞いたことがないです(かく言う自分は、歴史を勉強したくて進学しためずらしい部類で、そのおかげで学生時代は満喫した時間を過ごしましたが、就職のこととかあまり頭になかったので、いざ卒業となった頃になって慌てましたが、もちろんちゃんと就職できず、某自治体史編纂の非常勤に入れてもらった次第です)。

 奨学金も返済時になると重くのしかかってくるわけで、その返済の重さが結婚の遅れや非婚につながり、少子化の一因にもなっていると言われていますから、奨学金を借りやすくするよりは、高等教育を無償化するとか、大学に行かなくても就職の選択肢が多い世の中にするとかの議論が、本来は必要なのではないかと思います。

2023/07/11

新県立図書館の基本設計が示されましたが、何故書庫が城郭のイメージなんでしょう?

 7月6日の静岡新聞に、「新県立中央図書館 書庫可視化、交流空間も 静岡県教委が設計案 9階建て、国内最大級80万冊閲覧」という記事が出ています(7月7日の中日新聞デジタル静岡版にも、「新県立図書館の基本設計 蔵書最大200万冊、書庫は「城郭」」というタイトルで、新県立図書館の基本設計の公表についての記事があります)。

 基本設計に関しては以前から出されていますが、今回「新県立中央図書館整備基本設計概要版」および「書庫」のイメージ図が出ていて、その不思議な外観と、中日にもあるように書庫が「城郭」をイメージしているという図を見て、「ナニコレ?」って感じです。

 延べ床面積は1万9,800方メートル。蔵書可能数は約200万冊、公立図書館では国内最大級の80万冊の公開書庫と、中身はちゃんしているのですが、そのイメージ図があまりにも違和感がありすぎです。

 「九階には県の地域資料を集めた閲覧室を設け」と、中日の記事にもあるように、ここは「静岡県歴史文化情報センター」が多少パワーアップして静岡県の歴史的資料を閲覧できる場所になるようです。

 「2027年度後半に開館予定」ということなので、あと丸4年先ってことですね。まだ少し先ですが、それまでにも少しずつ情報が出てくるでしょうから、注視していきたいと思います。

2023/07/10

『地球の歩き方』がおもしろくなっていますね。

 7月5日の朝日新聞デジタルに、「北九州市版「地球の歩き方」来年発売 ディープな町歩きのバイブルに」という記事が出ています。

 「地球の歩き方」といえば、海外旅行には必須のガイドブックですので、どうしても海外版のことばかり考えてしまいますが、国内版がおもしろくなっていますね。国内シリーズは、2020年秋から刊行されているとのことですが、来年2月に「北九州市版」が出版されることになったということです。
 「九州では初めて、「市」単位では全国初」ということですが、福岡や長崎とかなら市単独ってのもなんとなくわかる気がしますが、何故「北九州」?って感じもしますし、「北九州」ってだけで、なんかディープなイメージです。でも、それゆえにおもしろそうです。単純に読み物としておもしろいような気がしますので、出たら買います!

 「地球の歩き方」のホームページを見ると、県版もなかなかおもしろそうですね。東京オリンピックを前に「東京版」が出たというのはわかりますし、北海道、沖縄、京都も納得ですが、東京多摩地域とか埼玉、千葉ってのもなかなかです。県版も注目したいですが、やはり「北九州」市版の後、何市が出るか、それが楽しみです。

2023/07/09

静岡県が「公文書管理条例案」を、来年の県議会2月定例会に提出するそうです。

  7月6日の中日新聞デジタル静岡に、「静岡県、公文書管理で新条例案提出へ」という記事が出ています。

 静岡県は現在公文書の管理を、条例ではなく規則で行っています。もちろん規則でもきちんと管理できればよいのですが、庁内の都合でどうにでも変えられる規則よりも、議会で可決される条例による管理の方が、よりオープンであることから、他の都県でも「公文書管理条例」にするところが多くなっています。

 記事には、「2021年に熱海市で発生した大規模土石流を巡り、県が、県の行政対応を検証する第三者委の議事録などの公文書を残していなかった問題を受けて、管理方法の見直しに着手する」とありますが、同じ記事に「県は19年度から、有識者でつくる検討委で新条例制定に向けての議論を始めていた」とあるのは矛盾していますね。

 公文書の管理は、普段はほとんど注目されませんが、国での公文書をめぐる各問題の時もそうだったように、何かあった際には一気に注目され、問題視されるケースがほとんどです。静岡県も、たまたま熱海市の問題があったことで公文書が注目されたため、「それを機に見直しをする」ということにしているだけで、実際には庁内ではそれ以前から公文書の管理に関して問題を感じていたため、19年度から検討をしていたということです。

 それにしても時間がかかっていますね、情報公開条例の時には一気に行きましたが。静岡県の公文書管理規則は、情報公開条例をよりどころとしています。現在は各機関ごとバラバラの知事部局以外の公文書管理の規程も、知事部局と同じようなものですが、今度の条例案では「これまで知事部局や県教委など各機関で定めていた公文書の管理方法を統一」ということです。県の各機関の管理方法が統一されることは大変良いことですが、各機関とはどこまでは入っているんでしょうか?情報公開条例では、知事部局をはじめ、県教委、選管、人事委員会などの各委員会、県警、公立法人、三公社と、ほとんどすべての機関が対象になっています。情報公開条例と同じように、県のすべての機関が対象になっていることが理想的ですが…。

 また、「所属長判断だった保存期限が切れた文書の廃棄は、文書課への報告と有識者でつくる外部の審査会の意見を受けて判断する」とあります。公文書の廃棄に関して外部の審査会の判断を仰ぐって、県の公文書なんですから、本来は外部に頼るのではなく県にアーキビストをおいて、県の責任でやるべきなのです。外部に頼りっぱなしでは、日常的に公文書を扱う県職員の公文書に関する能力が向上しないですし、そういうところを自分たちの責任できちっとやらないと、何かの際に、県民から疑いの目を向けられるような事案が発生しかねないのにって思うと、今回もどこまで本気になってやるんだろうって思ってしまいますね。

2023/07/08

「グラスの厚さが変わると、飲み物の味が変わる」が、科学的に立証されました。

 6月29日の朝日新聞デジタルに、「厚いグラスで飲んだ緑茶は甘い?苦い? 舌だけではない味覚の複雑さ」という記事が出ています。

 昔からお酒を飲む際に、特にビールはグラスによって味わいが変わるという話はあったように思います。ビールは、泡が命ですので、その泡がうまく立ってビールの液体部分を蓋をしてくれることで、炭酸が抜けにくくなり、またその泡が唇にあたる具合によってまた風味が変わるみたいな話があり、特にビールにこだわりがある個人や飲食店ではグラスにこだわることがあるように思いますが、それは経験上の話でした。

 それが、今回中央大学の有賀敦紀教授と松下光司教授が、北海道大学大学院生の市村風花さん,東京大学の元木康介講師との共同研究において,飲料を飲むときのグラスの厚みが緑茶の味に影響を与えることを、科学的に証明し、”Food and Humanity”Volume 1, December 2023,Pages 180-187に、 ”The tactile thickness of the lip and weight of a glass can modulate sensory perception of tea beverage” として掲載されました(中央大学のプレスリリースはこちら。ジャーナルの論文を読まなくても、このプレスリリースで内容はほぼわかります)。

 実験は緑茶で行われ、厚いグラスで飲んだ緑茶は薄いグラスで飲んだ緑茶よりも甘く、薄いグラスで飲んだ緑茶は厚いグラスで飲んだ緑茶よりも苦く評価され」るという結果になったということです。また、「グラスの重さも重要な要因であることがわか」り、「厚みと重さが自然な組み合わせであったとき、緑茶の味覚評価はグラスの厚みの影響を受けることがわか」ったということです。このことから、「レストラン、カフェ、居酒屋などのサービス企業は、自らが望むような甘味や苦味の体験をしてもらうためには,適切な厚みのグラスを選択する必要性」があり、また環境への配慮を目的としたプラスチックストローの削減にふれて、「プラスチックストローと紙製ストローでは唇における触覚が異なるため、消費者は同じ飲料であってもこれまでとは異なる味覚を知覚している可能性」があることから、「環境配慮型のストローがもたらす味覚の変化を調べることの重要性を指摘しており、これに関する今後の研究が期待されます」と述べられています。

 新聞の記事によると、研究のきっかけは、居酒屋に飲みに行った時に「「ビールってグラスが薄い方がおいしく感じる気がしない?」という話で盛り上がった。」ということですから、居酒屋での経験値もまんざらではないわけですが、それをきちんと科学的に立証しようとするあたりが、やはり研究者は違いますね。

2023/07/07

日本語の生成AIを開発するってことが、とても大事なことです。

 7月4日に、国立研究開発法人情報通信研究機構から「日本語に特化した大規模言語モデル(生成AI)を試作~日本語のWebデータのみで学習した400億パラメータの生成系大規模言語モデルを開発~」との発表がありました。

 「ChatGTP」を始め、「生成AI」に開発は海外が先行していますが、日本語でも答えてくれるとは言え、日本人にしてみれば学習用データが英語に偏ったものよりは、やはり日本語に特化したものの方が圧倒的に良いはずです。明治の日本が欧米に追い付けたのも、外国語を日本語に訳して、日本語でいろいろなことを考えられるようになったからです(何と言っても「philosophy」を「哲学」と訳したくらいですから、当時の知識人の素晴らしさは半端ではありません。その点では最近は外国語をそのまま使っていて、場合によっては意味が十分分からない状況でも、なんとなくそれっぽく使用している例も見られますが、本当はそれではダメです)。そのような意味で言えば、「日本語に特化した大規模言語モデル」をつくるということは、今後諸外国と渡り合っていくためには重要なことだと思います。

 今後は、「学習用のテキストについて、日本語を中心として更に大規模化していきます。また、現在、GPT-3と同規模の1,790億パラメータのモデルの事前学習に取り組んでおり、適切な学習の設定等を探索していく予定です。さらに、より大規模な事前学習用データ、大規模な言語モデルの構築に際し、既に述べたポジティブ、ネガティブの両方の要素に関して改善を図るとともに、WISDOM X、MICSUS等既存のアプリケーションやシステムの高度化等に取り組む予定です。加えて、NICTでは、まだ誰も考えておらず、Web等にも書かれていない、具体的で「尖った」将来シナリオや仮説をテキストとして生成し、対話システムによるブレインストーミング等で活用するための研究を実施してきましたが、このような研究においても今回開発した日本語大規模言語モデル等を活用していく予定です」と、大変頼もしい内容までも計画されているようです。

2023/07/06

花粉症と果物アレルギーって、どういう関係なんだろう?

  7月3日の朝日新聞デジタルに、「食物アレルギーの子、なぜ増加? 目立つ果物類 花粉症との関連も」という記事が出ています。

 食物アレルギーがある児童生徒が、2013年の前回調査時から約12万人増えて約52万7千人になっているということなのですが、鶏卵が約13万6千人(25・8%)で最も多く、果物類が約13万1千人(25・0%)、甲殻類が約7万8千人(14・9%)、木の実類が約6万5千人(12・4%)ということで木の実類や果物類のアレルギーが増えているというのは、何が原因なんでしょうか?

 記事にも出ているように、これだけ食物アレルギーの子どもが多いと、学校給食が大変ですね。花粉症と食物アレルギーの関連が証明されている果物として、リンゴ、モモ、キウイ、スイカなどがあるそうですが、リンゴなんて一番給食に出しやすいだろうと思うのですが…。サラダやドレッシングにナッツがまぶされていること自体がしゃれていますが、それがダメっていうのも、寂しいですね。

 花粉症と果物アレルギーとの関係って、どういう点で関連するんでしょうか?花粉症が果物アレルギーを引き起こす要因となるのならば、国策としての植林事業がある意味失敗だったということですよね。

 鶏卵が食べられないと、いろいろな加工品もダメということになるので、食べられるものが少なくなってしまいますし、牛乳や乳製品もそうですよね。

 果物や木の実などは、栄養の面でも大事なのに。これってどうにかならないんでしょうか?

2023/07/05

夏休みの各種作文コンクールで、子どもが「生成AI」を使ったら、じっくり読んでも分からないだろうなぁ。

 7月1日の朝日新聞デジタルに、「小中高生のコンクールで相次ぐ「生成AI禁止」 使用どうチェック」という記事が出ています。

 夏休みに小中高生が取り組む作文などの各種コンクールの要項などが学校現場にたくさん届いていると思いますが、そのなかで生成AIの使用を禁止する動きが相次いでいるということを紹介しています。

 実際自分でもChatGPTを使って見ましたが、書かせる内容にもよりますが、「変だ!」と感じる文章ができあがってくることは、ほとんどありません。多少、「あれ?」と思うものもありますが、実際に生徒に書かせてもおかしな文章はよくあるので、むしろそれよりも出来が良かったりします。そこから言えば、確かにコンクールで「生成AI」を使われても、分からないだろうと思います(生徒によっては、普段のその子の文章よりもよく書けていて、「アヤシイ」と思う場合はあるかもしれませんが、疑わしいと思うか、今回はがんばったんだなぁと思うかの判断は難しいですね)。

 「自分で考えて書いてもらうのが趣旨」だからと言って、「禁止」というルールにしておいても使われてしまう可能性もありますし、あくまでも子どもたちの良心を信じるしかないわけで、それを疑うのならば、「生成AI使用禁止」をうたうより、方向性がはっきりするまでの間、コンクール自体をやめた方が良いのではないかと思います。そもそも今までも誰かが手伝うということもあったわけで、それが過去に受賞作品になっていなかったのかどうかは分からないわけですから(親が手伝った作品が、都道府県レベルで賞をとってしまったという事例が、親戚の中にはいるのですが…)、コンクールを開催する以上、リスクは避けられないですよね。昨日の文科省のガイドラインでは、対応できないですね。

2023/07/04

「暫定的なガイドライン」って、これでは現場はどうすれば良いのか分からない…。

  今日7月4日、文科省から「初等中等教育段階における生成AIの利用に関する暫定的なガイドライン」が公表されました。

 「暫定的なガイドライン」って、タイトルからしてなんだかなぁって感じですね。まぁ、夏休み前に出そうということで、あまり十分に時間がとれなかったというのはわかりますが、学校現場としては、どうすれば良いのか、よくわからない内容です。結局は各学校での判断ということなのでしょうね。

 「「生成AIを近い将来使いこなすための力を意識的に育てる姿勢は重要」とし、生成AIにすべてを委ねるのではなく、自分の判断や考えが重要であることを子どもたちに理解させることが必要だ」と強調していますが、だいだいは楽なほうに流れますよね。

 7月4日づけの朝日新聞デジタルに、「授業に生成AI、手探りの学校現場 「使ったことない」戸惑う教員も」という記事が出ていて、「チャットGPTの仕組みや適切な使い方などを教えたうえで実践に移り、出た回答をそのまま成果物としないことや、回答に誤りがないか確認して自分の言葉でまとめる重要性についても指導」している授業をやられている先生が紹介されていますが、教員がそう言っても、現実はどうでしょうか。教員が言うとおりにやる生徒もいるでしょうけど、もちろんそうじゃない生徒もいてます。このような指導内容ですと、いわゆるできる生徒は教員の指導に従うでしょうが、やや学力の低い生徒は(こういう子たちこそ、本当はちゃんとやってもらいたいにもかかわらず)、出た回答をそのまま成果物とし、回答に誤りがないか確認しない可能性が高いでしょうね。

 今度、ガイドラインはブラッシュアップされていく予定ですが、「生成AI」の使い方で、学力に差が出てくるようになる気がします。つまり、「出た回答をそのまま成果物とせず、回答に誤りがないか確認して自分の言葉でまとめる」ことができる生徒は学力が高い生徒で、それができない、またはやらない生徒は学力が低いというふうになるんじゃないかなぁ。

2023/07/03

窖窯から平窯へと窯の構造が移り変わる時期がわかる、おもしろい事例ですね。瓦生産者の苦労が想像されます。

 6月29日の朝日新聞デジタルに、「宮殿の瓦、試行錯誤しながら生産? 奈良・藤原宮跡そばで新たな窯跡」という記事が出ています。

 藤原宮跡で使われた瓦の窯跡が、宮のすぐ南にある日高山瓦窯で新たに窖窯2基と、平窯とみられる1基の計3基が見つかったということです。

 窖窯は、藤原宮の造営以前からあった瓦を焼く焼成部の空間が傾斜している古いタイプであるのに対して、平窯は空間が平らで熱効率が高く、れんがを使って築かれています。

 藤原宮は、当時寺院でしか使っていなかった瓦を、初めて宮殿で使用したことで知られる。ただ、約200万枚とも言われる量の瓦が短期間に必要だったことから、奈良盆地の内外に瓦窯がつくられました。日高山瓦窯もその一つで、都の造営が始まった初期の680年代ごろ、宮の南門からわずか300メートルほどの丘陵で操業し、宮を囲む大垣などの瓦を中心に生産し、短期間で役目を終えたとみられている窯跡です。

 短期間で大量の瓦を生産しなければならないなかで、旧型の窖窯と最新式の平窯を複数つくって、試行錯誤しながら生産していたであろうことが想像され、とてもおもしろい成果です。7月1日に現地説明会の予定でしたが、雨、平気だったのでしょうか。

2023/07/02

浜松市が、徳川記念財団の所蔵品を展示する施設を作る⁉

 6月27日の各紙の県内版に、浜松市の大河ドラマ館跡地に徳川記念財団の所蔵品を展示する施設を計画するとの報道が出ています。

 「どうする家康」がかなり盛り上がっていますので、その延長線上で今回の話題になったのではないかと勝手に想像しますが、浜松市には既に浜松市博物館がありますし、12市町村が合併しているので浜松市博物館分館として他にも多くの資料館があるのですが、さらに新しくつくろうということです。

 文化財を重視しているのは大変ありがたいことですが、徳川記念財団の所蔵品って、かなり重要なものもあるので、大河ドラマ館をリニューアルした程度ではダメですから、かなりちゃんとした展示施設をつくる必要があります。そうなると、また新しい箱物…ということになるので、批判する向きもあるでしょう。また、博物館での所蔵品の紛失問題があっただけに、これでまた新しいものをつくって大丈夫か?って思ってしまいます。箱物をつくるなら、それをきちんと管理するために人も増やす必要があると思うのですが、そこまでのことを考えるとかなり???ですね。

 また、せっかく重要な文化財を保存展示する箱物をつくるのならば、今のご時世、公文書の保存も考えてほしいですね。浜松市は中央図書館の郷土資料室がかなり充実していましたので(図書館リニューアル後は、「調査支援室」という名称になりましたが)、これをベースに公文書館類似施設くらいにはなれるのではないかと思うのですが。

2023/07/01

2040年以降の社会を見据えた「教育振興基本計画」は、「人への投資」がポイントでは?

  6月16日に、新たな「教育振興基本計画」が閣議決定されました。

 「教育振興基本計画(本文)」を読むと、いろいろと書かれていますが、少子化・人口減少が著しく、将来にわたって財政や社会保障などの社会制度を持続可能なものとし、現在の経済水準を維持しつつ、活力あふれる社会を実現していくためには、とにかくに不可欠なのは「人」の力であり、「人への投資」が最も重要なポイントなのではないでしょうか。

 今まで、特に戦後の日本は、ベビーブームによる段階の世代の数の多さが、高度成長と相まって、うまく発展できたので、はっきり言って「人への投資」は不十分であったと思います。しかし、明らかな人口減少ななかで、未来を担う若者に十分な投資をしなければ、彼らが社会の担い手になった時、次を生み出す力が不足しているようでは、我が国は衰退する一方です。例え小さくても自立してやっている国は、北欧のように存在しますが、それを見ると「人への投資」がしっかり行われていることが大きいのではないかと思われます。

 「将来を展望したとき、教育こそが社会をけん引する駆動力の中核を担う営みであり、一人一人の豊かで幸せな人生と社会の持続的な発展に向けて極めて重要な役割を有している」と考えるならば、「教育への投資」をもって、「人への投資」が行われる必要があります。

 「公教育の再生」は重要であり、我が国がここまで来れたのも教育の力が大きいと考えられますが、ここで「公教育の再生」させる際には今までの学校教育は忘れることが肝心です。すでに「主体的・対話的で深い学び」の視点から、「探究学習」を中心とした新しい教育が取り組まれ始めています。「探究学習」の狙いはこれからの社会にとって必要な、大変意味のある学習なのですが、今までの教育をやりつつ、「探究」に取り組むことは、教員にとっても、児童・生徒にとっても負担が大きいため、現在においてはすべての教員がそれを実践できるわけではなく、そのためすべての児童・生徒がそれを享受できるわけではないので、今までの教育を捨てて、アメリカのような、「探究学習」を中心とした学校教育を作りだすための改革を進めていく必要があろうと思います。

 「教育振興基本計画」をよく読むと、ところどころにそのような方向へ向かいたいと読める部分があるのですが、八方美人的な文章が多く、やや散らばっている感は否めませんが、教育の成果はすぐに出るものではないため、もっと明確に方向性を打ち出したものが必要でしょう。もっと的を絞った実施計画案を作っていく必要があるだろうと思います。

2023/06/30

今回の決議で、どの程度「公共図書館」「学校図書館」の改革が進むでしょうか。

  公益財団法人 文字・活字文化推進機構等が活字文化議員連盟、学校図書館議員連盟に宛てて提出した「公共図書館の改革に関する要望書」「学校図書館の改革に関する要望書」を受けて、6月15日に活字文化議員連盟、学校図書館議員連盟の合同総会が開催されました。

 「公共図書館の改革に関する要望書」は、

1)市民サービスの向上に資するため、公共図書館における会計年度任用職員制度や指定管理者制度の運用の効果と課題について検証すること。

2)図書館職員の非正規雇用率を大幅に改善し、同一労働・同一賃金の原則を確立するとともに、国・自治体の責務で司書研修会等への参加を促すこと。

3)司書養成課程において、読書バリアフリーに関する講義の受講機会を促進し、障害者サービスのノウハウの蓄積と継承に取り組むこと。

4)全国の公共図書館に読書バリアフリー法基本計画が求めるアクセシブルな書籍の紹介コーナーを設け、子どもたちが多様な読書媒体と出会える環境を整えること。

5)公共図書館は、地域書店からの図書購入を優先し、装備作業は地域の福祉施設と連携して障害者雇用の拡大など、循環型地域経済の施策を進めること。

6)「公共図書館のあり方等に関する協力者会議(仮称)」を設置し、デジタル時代の公共図書館の将来像について検討すること。

を要望した結果、1)から5)をふまえた内容に取り組むとの決議がなされましたが、何故6)は拾ってもらえなかったんでしょうか?活字文化議員連盟があるから、それで良いということなんでしょうか?まぁ、いくつも組織があったところで、意味はないですが…。

 「学校図書館の改革に関する要望書」は、

1)1校専任の学校司書配置に必要な財政措置を実施するとともに、学校司書は教職員の一員であるという共通理解を深め、職員会議や研修への参加をうながすこと。
2)非正規の学校司書は、短期雇用の契約、低い賃金、雇い止めなど不安定な勤務状態のもとにあり、その労働条件の抜本的改革に資するため、現状調査を実施すること。
3)対話型Al「チャットGPT」の急速な普及など、情報環境の激変に対応して、子どもの情報リテラシーを育てるため、新たな図書資料の拡充を促進すること。
4)全国の小・中・高校の図書館に、バリアフリー図書の展示コーナーを設置するほか、特別支援学校の図書資料の整備・充実を促進すること。
5)特別支援学校の図書資料の不足は、障害者サービスに対する知識やノウハウの未熟にあり、読書バリアフリーに必要な知識と技術を習得した学校司書の養成を図ること。

を要望した結果、1)から5)をふまえた内容に取り組むとの決議がなされ、さらに「2)各自治体は、 学校図書館図書整備等5か年計画に基づく地方財政措置(図書資料購入費、新聞購入費、 学校司書配置費、 図書資料更新費)の予算化を促進し、 学校図書館の質的向上を図ること。 また、 各地方議会においては、 図書整備費等に関する予算化の状況を的確に把握し、 積極的にその活用を促すこと。」が追加されて、自治体及び地方議会に対してより働きかけを行うことが示されました。予算の問題が追加されたことは大きいと思います。

 奇しくも、活字文化議員連盟、学校図書館議員連盟とも会長は静岡県選出の国会議員ですが(活字文化議員連盟会長は上川陽子先生、学校図書館議員連盟会長は、塩谷立先生)、どの程度要望が実現するのか、この後の動きが気になりますね。

2023/06/29

「朝比奈 龍勢・昆虫館」がオープン!

 6月24日に、藤枝市岡部町に「朝比奈 龍勢・昆虫館」がオープンしました。

 道の駅「玉露の里」の敷地内に、昨年まであった「ふるさと世界の昆虫館」が閉館してから約1年ちょっとですが、リニューアルされて、「龍勢ゾーン」と「昆虫ゾーン」を持つ施設となりました。

 「ふるさと世界の昆虫館」は、世界のカブトムシや蝶の標本がたくさんあって、かなり評判が良かった施設ですが、同じ朝比奈でもあり、県の無形民俗文化財でもある「朝比奈龍勢」なので、施設の有効利用ということでしょう。

 「朝比奈 龍勢・昆虫館」としてのオープンを機に、豪族・朝比奈氏の居城「朝比奈城」と、当時から狼煙として使用されていたといわれる朝比奈龍勢をモチーフにした御城印が発売されました。購入できるのはここだけで、ブルーを基調としたカッコいい御城印です。1枚300円です。

2023/06/28

デジタル・シティズンシップ教育が学校で広がることは良いことですが、学校だけではなく、国民全体が学ぶべきだと思います。

 6月23日の朝日新聞デジタルに、「ネットいじめ起きる前に… 広がるデジタル・シティズンシップ教育」という記事が出ています。

 欧米などで広がったデジタル・シティズンシップ(DC)教育は、米国で普及している教材では、学ぶテーマとして、メディアバランス▽プライバシーとセキュリティー▽オンライントラブル▽メディアリテラシーなど6領域が設定されています。

 子どもたちがデジタル社会の善き担い手になることをめざすために学校教育でデジタル・シティズンシップ教育が広がることは良いことなのですが、これって子どもだけではなく、大人たちも、デジタル技術の利用を通じて、社会に積極的に関与し、参加していく必要があることから、もっと多くの人が学ぶべきことなのではないかと思います。

 総務省で、『家族で学ぶデジタル・シティズンシップ』というガイドブックが出されています。「子どもたちはネットで様々な困りごとやジレンマにも遭遇します。大人の想像をはるかに超えた経験をしている子どもたちに、大人は、どのように接したら良いのでしょう?」とガイドブックにはあるのですが、このガイドブックのように子どもたちへの接し方を学ぶ必要があるのも事実ですが、「ネットで様々な困りごとやジレンマにも遭遇」しているのは子どもだけではありませんよね。

 「学校での教育・指導だけでなく、生活場面のなかでもまわりの大人たちが、デジタル・シティズンシップについて理解を共有」するためにも、大人もデジタル・シティズンシップを学ぶ必要があると思います。

2023/06/27

九州の石橋文化を象徴する土木構造物である「通潤橋」が国宝になります。

 6月23日に開催された文化審議会文化財分科会で、熊本県の通潤橋が国宝に、真宗本廟東本願寺内事の、洋館、日本館、鶴の間の3棟を含む8件の建造物が重要文化財に新規指定、3件が追加指定するように、答申されました(詳細はこちら)。

 嘉永7年(1854)建設された通潤橋は、近世最大級の石造アーチを渓谷に架け渡し、精緻で独創的なつくりの高石垣と、実証実験を重ねて耐久性を高めた石造のサイホンを一体化した、技術的完成度の極めて高い近世石橋の傑作とされていて、農業用水として利用するために橋の中央から放水されることで有名です。指定されれば、土木施設としても初の国宝になるとのことです。

 真宗本廟東本願寺内事は、大正12年建築の東本願寺宗主と、その子弟のための大規模な二世帯住宅です。その他の重要文化財の新規指定は、茨城県つくば市北条に位置する建材研究者で実業家・矢中龍次郎の住宅、群馬県桐生市の天満宮、石川県白山市の手取川七ヶ用水取水施設、長野県北佐久郡軽井沢町の旧アントニン・レーモンド軽井沢別邸、福岡県糸島市の櫻井神社、同市の髙祖神社本殿、宮崎県延岡市の日髙家住宅です。

 重要文化財の追加指定は、茨城県常総市の旧坂野家住宅の書院、文庫蔵、山梨県甲府市の富岡家住宅の土地、真宗本廟東本願寺の宝蔵、大玄関及び大寝殿、白書院、 黒書院、宮御殿、桜下亭、能舞台、 議事堂、表小書院、菊門、玄関門、 寺務所門、内事門、十三窓土蔵となっています。

2023/06/26

毎日新聞が、「毎日新聞戦中写真アーカイブ」特設サイトをオープンしました。

 毎日新聞特派員が戦時中に撮影した写真約6万枚をデジタル化し、歴史研究や教育現場での活用を目指す「毎日新聞戦中写真アーカイブ」特設サイトが、毎日新聞デジタル内にオープンしました。

 「毎日新聞戦中写真アーカイブ」は、2022年度から戦中写真のデジタルアーカイブ化に取り組んでいる渡邉英徳・東京大大学院教授、貴志俊彦・京都大教授らの共同研究として、終戦80年の2025年を目標に、国際標準で活用しやすいデータベースを構築し、当時の状況や人々の足跡を可視化したビジュアルなコンテンツを制作するもので、「毎日新聞戦中写真アーカイブ」特設サイトにはそのプロジェクトの説明や関連記事が掲載されていて、日本語と英語で紹介されています。

2023/06/25

戦争遺跡の保存は、なかなか難しいですよね。

 静岡空襲から78年となる6月20日の朝日新聞デジタル静岡版に、「姿消しゆく戦争遺跡、静岡空襲78年 ガス訓練講堂解体」という記事が出ています。

 静岡市葵区城東町の住宅街に、歩兵第34連隊の隊員たちが毒ガスなどから身を守るための訓練を行う「ガス訓練講堂」として利用されたとみられる建物が残っていたのですが、今月17日に、建物が解体撤去されてということです。

 「ガスの金属製注入口や排出口のほか、南側の壁一面に扉が設けられるなど、当時の陸軍の訓練の一端を示す全国的にも数少ない施設」という評価でしたが、現地保存に長年協力してきた地権者と交流しながら、貴重な戦争遺跡として施設内を記録に残してきた静岡平和資料センターも、3年にわたるコロナ禍で地権者側との交流も途絶えていたこともあり、どうすることもできなかったようです。

 静岡平和資料センター長は「行政側が戦争遺跡の保存に理解を示してくれたら」と期待するようですが、文書や民俗資料などでもなかなか受け入れてくれないのが現実のなかで、建物を保存することに行政が動くことは、かなり難しいでしょう。

 コメントプラスに、評論家の辻田真佐憲氏の「歩兵第34連隊の遺構なら、かつてであれば行政も観光資源として積極的に保存に動いたかもしれません。というのもこの部隊は、橘周太中佐がいた部隊として戦前とても有名」だったからとコメントしていますが、静岡県護国神社には、歩兵第34連隊の将校集会所が移設されていて、34連隊を撮り続けた柳田芙美緒の写真を展示する「柳田芙美緒写真室」となっていましたが、老朽化などにより取り壊されたことを考えれば、戦争遺跡の保存が容易ではないことはわかりますし、ましてや行政が動くなんてことはほぼなく、観光資源として活用するのも難しいといえるでしょう。残念ながら、戦争遺跡の保存は難しいと言わざるを得ないですね。

2023/06/24

朝日新聞の記事、表現がちょっと正確じゃないので、俗説を信じちゃう人、いそうだなぁ

 6月19日の朝日新聞デジタル静岡版に、「どうして家康、粗食の大御所が最後に暴食 謎の1日ジオラマで再現」という記事が出ています。

 藤枝市郷土博物館6月3日から開催されている「徳川家康と田中城~家康の天下取りを支えた西駿河の人々とゆかりの資料~」で展示されているジオラマを紹介する記事で、何のジオラムかというと、家康が田中城にタカ狩り来た際に、夕食に出たタイの天ぷらをたくさん食べて、激しい腹痛を訴え、それが家康の死因だとされる俗説を表現したものです。

 これを紹介する朝日新聞の文章が、「夕食に出たタイの天ぷらを気に入り、何度もおかわりしたところ、夜半に激しい腹痛を訴えその後死に至った。」となっていて、さらに藤枝市博物館のジオラマも、家康がタイの天ぷらを食べて腹痛を訴えた「その波乱の一日をジオラマで再現した。口をあけて天ぷらを食す場面から一転し、床に伏す家康の姿をリアルに描く。」というもののようなので、まるでタイの天ぷらを食べて腹痛を訴え、その後に亡くなったのが、1日の出来事であるかのような、ミスリードを呼ぶのではないかと思ってしまいます。「家康の死因はタイの天ぷらの食べすぎによる」という俗説を裏付けるものとなってしまいかねませんんね。

 しかし、当時の記録によると、家康が腹痛を訴えたのが、元和2年1月22日丑の刻(午前2時)、そして田中城の御殿で3日間静養し、1月24日に駿府へ戻るも、腹痛は治まらず、4月17日巳の刻(午前10時頃)に駿府城において没しているわけで、死因がタイの天ぷらの食べすぎならば、腹痛を起こしてからかなり時間が経ってから亡くなっているのは不自然で、近年では死因は胃がんだとされています。

 でも、朝日新聞のこの記事を見て、「やっぱり家康はタイの天ぷらで死んだんだ。」と思う人が出そうだなぁ。文章は正確に書かないといけませんね。

2023/06/23

今日6月23日は、戦後78年の「沖縄慰霊の日」

  今日6月23日の朝日新聞の社説は、「沖縄慰霊の日 記憶たぐる営みは今も」というものです。

 沖縄戦の記録を新たに出版する自治体が多くあるということを紹介して、11冊の市町村史の発刊にかかわった元沖縄国際大教授の吉浜忍さんの「後世に残す最後の機会という強い思いが各自治体に共通する。本を通じ実感を持って学んでほしい」という言葉を掲載しています。沖縄に限らず、戦争に関しての記録を残すタイミングとしては、まさに「後世に残す最後の機会」であることは、全国的に同じですが、他の地域はそうであると分かりつつも、なかなか行動に移さないですが、やはり沖縄ではその思いが違いますから、このように実際に行動するのです。

 また「Re:Ron×コメントプラス」でも、「不測の時代を生きるための、転ばぬ先の杖 「沖縄の生活史」を読む」として、5月にみすず書房から出版された『沖縄の生活史』の出版を報じた6月2日付けの記事「100人が語り、聞いた『沖縄の生活史』出版 戦後の暮らし細やかに」に、ジャーナリストの座安あきのさんがコメントプラスに加筆した寄稿を掲載しています。「よくぞ活字に残すことにこだわってくれた」との言葉がありますが、ここでもやはり「後世に残す最後の機会」であるわけですから、この言葉には激しく同意します。

 玉城デニー知事の「戦争体験者が戦争の不条理と残酷さを、後世に語り継いできてくれた実相と教訓を胸に刻み、あらゆる戦争を憎み、二度と沖縄を戦場にしてはならないと、決意を新たにする」とした平和宣言にもあるように、昨年改定された安保3文書により、沖縄を「国家安全保障上極めて重要な位置にある」と明記し、ミサイル部隊など自衛隊の増強などが着々と進むなかで、思いはやはり「二度と沖縄を戦場にしない」ことであると同時に、「戦争体験者が戦争の不条理と残酷さを、後世に語り継いできてくれた実相と教訓を胸に刻み、あらゆる戦争を憎み」、「二度と戦争で国民を悲しませない」ということを、政治家たちには決意してもらいたいものです。

2023/06/22

伊豆の国市で、新たな文化財展示施設を建設する方針が固まったようですね。

 6月16日の朝日新聞デジタル静岡版に、「貴重な文化財、市民に身近に 静岡・伊豆の国市が展示施設建設へ」という記事が出ています。

 伊豆の国市は2005年4月に伊豆長岡、大仁、韮山の3町が合併してできた市ですが、市内には弥生時代後期に始まる複合遺跡である山木遺跡があり、出土した遺物のうち239点は国の「重要有形民俗文化財」に指定されています。それらの遺物は2017年に韮山郷土史料館が閉館して以来、伊豆の国市郷土資料館として伊豆の国市立中央図書館2階に展示されていましたが、伊豆の国市には山木遺跡にも多くの文化財がありますから、図書館の2階ではどうしても手狭でしたので、2025年度末までに新たな文化財展示施設を建設する方針が固まったようです。

 「合併特例債を使って25年度末までに建設する。このタイミングを逃せば未来永劫できない。私の使命であり、絶対にやり遂げる」と、市長がおっしゃっているので、よほどのことが無い限り、伊豆の国市に新たな資料館(もしくは博物館)ができるわけで、大変喜ばしいことです。

 報道によると、新たに建設する文化財展示施設は、韮山文化センター周辺で、伊豆箱根鉄道韮山駅近くを候補地として検討しているとのことで、駅近でアクセスが良い場所であるのは、とても良いことです。今から作るわけですから、できれば公文書を保存する公文書館を併設した複合施設だと、なお良いのですが。

2023/06/21

大井川鐵道で、「客車列車」が運転されています。

  6月20日(火)~22日(木)、27日(火)~30日(金)、7月1日(土)~13日(木)に、大井川鐵道で、「客車列車」が運転されています。

 国鉄時代やJR黎明期には、機関車が客車を牽引する「客車列車」が日常の風景としてありました。今回、大井川鐵道では昭和10年代~30年代製の、年季の入った渋い客車を、これまた渋い電気機関車が牽引して(編成は以下の通り)、



電車で運行される定期普通列車を代走し、各駅に停まる「客車普通列車」として運転します。

 運転本数は、1日延べ7本 (新金谷→家山1本・金谷⇔家山5本・金谷→新金谷1本)で、普通運賃のみで乗車できます。運転時刻は以下の通りです。


 大井川鐵道の公式Twitterを見ると、かなりの人気になっているようで、7/1~7/13の運転日は急遽追加された分です。おかげで、それほど慌てなくとも、何とか乗車できそうですね。

2023/06/20

「ふるさとちば古写真デジタルアーカイブ」、こういうのを作っておくことは大事ですね。

 千葉県立中央博物館で、「ふるさとちば古写真デジタルアーカイブ」が公開されています。

 千葉県誕生150周年記念事業として、同館が所蔵する古写真約200枚とともに、一般から応募のあった古写真を、同デジタルアーカイブで紹介しています。古写真を通じて千葉のあゆみを振り返り、その記録と記憶を未来へ残していくことを目的としたアーカイブサイトが、「ふるさとちば古写真デジタルアーカイブ」です。

 過去の出来事をさぐる方法として、写真ほど様々な情報を読み取れる資料はありません。最近は簡単に動画が撮れるようになったので、その情報量は写真を上回りますが、150年前を語る動画はありませんし、数から言えば写真の方が多いですから、写真は情報の宝庫です。

 「人々はどんな服装をして、何を食べ、どんな場所で暮らしていたのか。どうやって生計を立て、何に娯楽を求めていたのか。そんな人々の生活の一端を、写真からは知ることができます」。また、「写真そのものに記録された情報だけでなく、その写真にまつわる記憶もまた、未来へ残していきたい」宝です。

 「過去と今を見比べる」「写真で振り返る年表」などのほか、エリアや年代ごとに写真を見ることができます。

2023/06/19

医薬品でも脂肪肝を治療できるようになるかもしれないんです!

 6月15日の朝日新聞デジタルに、「脂肪肝、薬で防げるかも? NASH発症に重要な遺伝子を発見」という記事が出ています。

 「肥満などに伴う非アルコール性脂肪肝炎(NASH)の発症に重要な役割を果たしている遺伝子を、京都大、大阪大などの研究チームがマウス実験で突き止めた。この遺伝子が働くのを抑える化学物質をマウスに与えると、肝硬変への引き金となる線維化や炎症を抑制できた」ということなのですが、実験の結果、「マイクロRNA(miR)―33b」という遺伝子が、肝細胞の中にあるコレステロールを外に出すのを邪魔することがわかり、「この遺伝子が働くのを抑える化学物質(人工核酸)をつくるのにすでに成功している」というのですから、これは朗報です。

 マウスでの実験とはいえ、脂肪肝の原因を突き止めただけではなく、その治療薬までできているのですから、人への臨床応用をめざすして、一日でも早く、運動や食事療法だけでなく、医薬品で脂肪肝を治療できるようになることが期待されます。

2023/06/18

「体罰・不適切言動防止ガイドライン」を作成するのは悪くないけど、それでは問題解決にはなりません。

  6月16日に、県教委の池上重弘教育長が、体罰や不適切な言動防止に向けたガイドラインを新たに作成すると記者会見を行った旨の報道がありました。

 教育長は、「誤った知識をもとに、体罰や不適切な指導を行うことがないよう、学校内外に広く周知したい」とおっしゃっていましたが、少なくとも教員のなかで、誤った知識のもとに、体罰や不適切な指導を行う人がいるとは思いません。体罰や不適切な指導があった教員は、多少の前科があった人たちで、その際にはそれが表に出なかっただけという場合が多いように思います。現在は、いろいろな形で学校内の出来事が校外に流れることが多くなったために、問題が表面化するのではないかと思います。つまり、体罰や不適切な指導があった教員はもともとそのようなものを持っていた人なのではないかと思います。

 ただし、もちろんそれ以外に、今まで特に問題になるような行動が無かった人が、体罰や不適切な指導をおこしてしまう場合もあります。それは、何かしらの原因があるはずです。プライベートなことかもしれませんし、校内での問題かもしれませんが、そのような場合は、まずその原因をはっきりさせることが第一で、ガイドラインを設けることはあまり意味がありませんね。そもそも、昨今の働き方改革で、教員がどれだけ無茶な働き方をさせられているのかということが明らかになっているなかで、そこにも原因があるという風に考えて、改革を急ぐという発想はないのでしょうか(おそらく、教育長レベルの方たちにとっては、この程度のことしかできないのでしょう)。

 「不祥事を自分ごととして捉えていない甘さがまだあると思っている」って、教員を教育しようという発想なのでしょうか。また「不祥事根絶に向け、不退転の決意で取り組みたい」ってことは、これらの対策の後、不祥事が出たら、止めるってことでしょうか。正直、少し頭に来る会見でしたね。

 ただ、年内にアンガーマネジメント研修をやるという話も出ていましたが、学校だけのことに限らず役に立つでしょうから、これは良いと思います。

2023/06/17

アウトプット重視の学習塾って、現代の教育をうまくとらえていますね。

 6月14日の朝日新聞デジタルに、連載学びの交差点第1回目として「「受験のための勉強」で失うものとは 探究塾創業者が大切にする価値」という記事が出ています。

 東京にある探究学習塾「a.school(エイスクール)」を紹介する記事です。この学習塾、探究学習塾とうたっているように、探究学習を行う塾なので、生徒はオリジナルのゲームやその宣伝動画をつくる作業をしているわけです。

 学校教育で、探究学習が取り入れられてきていますが、物事を突き詰めて考えたり、新しい物事を生み出したりと、身につけた知識をいかす学び「アウトプット」の時間はそれほど多くありません。本来探究は生徒が自ら課題を設定し、それを解決し、その成果を表現することを行うものなのですが、生徒によっては課題の設定の段階でつまずき、それ以上進めなかったり、また教員の方もそのような学習に慣れていないこともあり、うまく導くことができなかったりすることもありますので、本当にきちっと探究ができているところは、そう多くないような気がします。

 しかし、探究学習は本当にきちんとやれば、これほどおもしろいものはありません。そもそも、研究につながるのが探究であり、その成果を表現するのは楽しいはずです。そこには従来の「受験のための勉強」にはない喜びがあります。いわゆる主要教科の学習にはない楽しみがあるはずです。現在の学校教育は探究を非常に意識していて、従来型の教育からの脱却を目指してはいるのですが、教員はインプット中心の教育しか受けたことがないので、そもそもどうやって生徒一人ひとりの好きなこと、やりたいことを実現させるのか、わかっていないだろうと思います。また、もちろんアウトプットのためには、ある程度の知識のインプットが必要であることは間違いないので、まだ学校ではインプットが多く、不十分なアウトプットをどこかで補う必要があるというのが現在の教育の現実なので、そのあたりをうまくとらえたのが、「a.school」なんだろうと思います。

 大学入試が変わらないまま、小中高で探究教育を推し進めていくというのも変な話なのですが、探究を中心とした学びの場というのは、理想的な教育のあり方だと思います。本当ならば、それを実現できるような形に、現在の学校教育を変えていく必要があるはずです。

2023/06/16

関東大震災の記録、よくぞこのようなものを撮っておいてくれました。

 6月13日の朝日新聞デジタルに、「「なんで撮ってんだ」殺気立つ被災現場 関東大震災の記録が映画に」という記事が出ています。

 国立映画アーカイブに、「関東大震災映像デジタルアーカイブ」があり、そこに関東大震災の様子を記録し、映画化されたものが、公開されています。国立映画アーカイブでは約20作品の映画フィルムを所蔵していますが、そのうち13作品が「関東大震災映像デジタルアーカイブ」で全編を見ることができます。その13作品は以下の通りです。

 『關東大震大火實況』やその弁士説明版、『関東大震災』[返還映画版]、『帝都の大震災 大正十二年九月一日』、『東京大震災』、『関東大震災実況』、『東京関東地方 大震災惨害實况 大正十二年九月一日二日三日』、『帝都大震災 大正十二年九月一日』(別題名『震災ト三井』)、『大正十二年九月一日 帝都大震災大火災 大惨状』、『関東大震災』[伊奈精一版]、『大正拾弐年九月一日 猛火と屍の東京を踏みて』、『大震災以前 帝都 の壯觀』、『復興帝都シンフオニー』、『帝都復興』

 これらの作品を撮影したカメラマンのうち、岩岡商會の岩岡巽、日活向島撮影所撮影技師の高坂利光、東京シネマ商會の白井茂の3人に焦点をあてた記録映画「キャメラを持った男たち―関東大震災を撮る―」を、一般社団法人「記録映画保存センター」が制作し、この8月から公開されることを紹介したのが、朝日新聞の記事です(上記の「記録映画保存センター」のリンク先で、映画の予告編が見れます。また、8月の上映に先行して、6月28日の「記録映画アーカイブ・プロジェクト 第14回研究上映会」で特別上映されます。参加無料・当日先着順・申し込み不要で定員100名です)。

 今年2023年は地震発生から100年です。改めて、このような素晴らしい貴重な記録を残してくれた上記3人のカメラマンをはじめ、関係者には感謝の気持ちしかないですね。

2023/06/15

中央大学山村研究会の創立30周年記念論集に関することが、朝日新聞デジタルで紹介されています。

 6月13日の朝日新聞デジタルに、「人口最少の町に残る古文書を追って 掘り起こす江戸時代の山村の活気」という記事が出ています。人口が全国最少の町、山梨県早川町に残る古文書を調べる「中央大学山村研究会」の活動を紹介した記事です。

 1991年に始まった「中央大学山村研究会」は、中央大学に関係する大学院生、学部生の有志が、2023年1月現在の人口が1,010人という全国最小の町であるものの、近世の山村に関する史料が豊富に残る山梨県早川町を調査しているもので、創立30周年を記念して今年の2月の『山村は災害をどう乗り越えてきたか』を刊行しています。

 『山村は災害をどう乗り越えてきたか』については、ちょうど今月発行された『地方史研究』第422号の「新刊案内」に、熊谷市立図書館の学芸員である大井教寛氏が詳細な紹介を書かれているのでそちらに譲りますが、一般的に脆弱で貧窮に思われている山村のイメージを大きく覆す、豊かな暮らしぶりが見えます。

 「中央大学山村研究会」のことは聞いたことがありますので気になっていたのですが、中央大学を中心にいろいろな人たちがかかわっていて、非常に息の長い調査が行われているわけですが、それだけフィールドである早川町が魅力あふれる場所だということでしょう。早川町には一度行ったことがあるのですが、早川沿いの狭い地域にこれほどまでの史料が残っていることに驚かされるとともに、全国にはまだきっと多くの魅力的な史料が眠っているのではないかと思わずにはいられません。まだまだ地域の歴史の掘り起こしができる場所があるということは、歴史にかかわる人間にとっては、まだまだ頑張らなきゃならないと思わせてくれます。

2023/06/14

英語はあくまでも道具ですから、使わないなら、無理に学ばなくても良いような気がします。

 6月12日の朝日新聞デジタルに、「英語信仰は「壮大なムダ」、言語学者の危惧 「日本語こそ国際語」」という、青山学院大学の永井忠孝教授の記事が出ています。

 「仕事で使う英会話は、中学と高校で学んだ読み書きの基礎があれば、わりとすぐになんとかなります。仕事で実際に必要になってから勉強すればいいのです。」、「英語に時間を割くということは、他の必要なことを学ぶ時間が減るということです。英語も大事ですが、国語も数学も歴史も大事です。仕事で必要なことも英語だけではないでしょう。」、「英語を特別視しすぎているように感じます」と、永井教授は述べています。

 私も個人的には、無理に英語を学ばなくてもいいかなぁと思っています。仕事で英語が必要な場面といったら、英語で書かれた論文を読むために必要な程度なので、今はネットの翻訳機能で何とかなってしまいますから。

 つい最近、英語の先生と話をした際に、ご本人が大学受験用の英語の文章を読んだ際に、その文章の内容がモルモン教のことだったらしいのですが、英文は読めても、モルモン教に関する知識が無いので、言っていることがわからなかったという話をされていました。モルモン教だとかなりレアですが、つまり英語が分かっても、結局その内容に関する知識が無ければ、よくわからないというわけで、それは英語はあくまでも言葉であって、仮に日本語で書かれた文章であっても、その内容に関する知識が無ければ、何を言わんとしているのか理解できないということなわけで、まさに永井教授がおっしゃっていることと同じなわけです。

 英語だろうが何語だろうが、分かればそれに越したことはないですが、言葉はあくまでも道具なので、読んだり書いたり話せたりすることそのものを目標とするようになってしまったら(今の日本の英語教育はそうなってしまっているような気がしますが)、もちろんネイティブには絶対にかなわないわけですから、その部分はある程度で良いとするべきでしょうね。

2023/06/13

「探究型」の課題は、長期休みとかに出すのが普通だと思っています。

 6月11日の朝日新聞デジタルの「Re:Ron(リロン)」に、「宿題を「こなす」若者たち…なぜそうなるのか リロン編集部から」という記事が出ています。

 連載「宿題が終わらない」の第1回「寝ずに宿題する子どもたち 動画編集に理科の考察…「探究型」が重い」に対して、社会学者の藤田結子さんがコメントしたものに、さらに加筆した文章です。

 「大学生は探究型の課題を「タイパ(時間対効果)よくこなすこと」はできるが、「何かを探究すること」自体には消極的にみえる」と考察し、「探究型の宿題や課題をする意義は本来あるとして、時間が足りない状況で無理にやらせるの」は良くないとしているのですが、そもそも通常日課時の宿題としては、確かに「探究型」は重いです。大学生なら通常日課時に出すにもありかもしれませんが、小中高生に出すのならば、長期休みの時にすべきでしょうね。正直、個人的にはそれが普通だと思っていましたので、通常日課時に「探究型」の課題が出るという話に、驚きました。

 藤田結子さんは、「子どもや若者が「もっと時間にゆとりのある生活をできる社会であってほしい」としていますが、子どもや若者の日常生活が、ほとんど大人と同じであることが普通になっている現代においては、それは難しいでしょう。何せ、今の子どもや若者は、昔ならただ丸暗記するだけで良かった課題を、自ら調べてプレゼンテーションをすること、つまりビジネスマンが仕事でやるようなことを求められているわけですから。

2023/06/12

タウリンに、動物の健康寿命を延ばす効果があると報告されました。

 2023年6月9日発行のアメリカの科学雑誌『Science』に、「タウリン欠乏は老化の原因となる(”Taurine deficiency as a driver of aging”)」と題した論文が載っています(6月9日の朝日新聞デジタルにも記事が載っています)。

 タウリンの量は加齢とともに減少します。「15歳のサルは5歳に比べて85%減少し、60歳のヒトは5歳の3分の1程度に減少するなど、加齢によって大幅に減少する」ということです。「ヒトの40歳代にあたる14カ月のマウスに死ぬまで毎日タウリンを与えると、寿命の中央値がメスで12%、オスで10%延びた」ということから、タウリン欠乏が老化の要因であることが特定されたわけです。

 ただし、タウリン欠乏症が人間の老化の原因であるかどうかをテストするには、結果として健康寿命と寿命を測定する、長期にわたる適切に管理されたタウリン補給試験が必要であるということですので、タウリンが人間の老化にきくとは断定できませんが、可能性はあるわけで、少なくとも疲労回復効果は期待できますよね。

 タウリンを多く含む食材として、牡蠣、アサリ、シジミ、ホタテ、ハマグリ、タコ、カニ、イカや、鯵や鯖などの近海魚、ブリやカツオの血合いなどで、水溶性なので、汁ごととれる鍋物やスープ等に利用すると有効に摂取することができますから、積極的に食べるようにしたいなぁと思っています。

2023/06/11

本来お金をかけるべきところに金をかけない。行政は文化をきちんと理解していない。

 6月7日の「日本図書館協会」ホームページのお知らせ一覧に、「「図書館非正規職員の処遇にいてのお願い」を都道府県知事、市長、東京23区長へ送付しました。」と出ています。昨日、日本図書館協会の植松貞夫理事長らが記者会見したので、各紙にニュースとして出ていますね(朝日デジタルは6月6日付け、東京新聞Webが6月7日付け)。

 日本図書館協会の調べでは、2022年の国内公立図書館の職員数約4万人のうち、4分の3が非常勤や派遣などの非正規職員で、08年に比べて約3割増、それに対して専任職員は約3割減ということです。

 その非正規職員の約6割が、図書の専門職である司書・司書補の有資格者ということなので、「専門的なスキルが必要な図書館の業務は、すべて非正規職員がやっています」という東京新聞の記事は、おおげさな話ではありません。

 本来専門職は正規で採用すべきです。何故ならば、非正規では雇用が安定しないため、専門的な知識が職場に受け継がれていきにくい、その職員がいなくなってしまうと引き継ぐ人がいなくなってしますうということが起こりえるからです。もちろん正規職員でも、頻繁に移動するようではダメで、専門職として通常の職員とは別の異動をさせるようにすべきです。

 近年では図書館司書に限らず、博物館学芸員なども非正規で回すという状況になっていますが、これら専門職は安定した雇用のなかでこそ、その役割が活きてきます。このような部分にこそお金をかけるべきで、それができないようなところは、文化的に低いと考えざるを得ません。残念ながら現代の日本は、そういうところが多いように思います。                                                                                                                                                                                                                                                    

2023/06/10

アメリカの連邦最高裁判所では、すべての口頭弁論の記録を保存しているんですね。日本とは大違い。

 米国国立公文書館(NARA)が、アメリカ連邦最高裁判所の音声記録をデジタル化し、公開したことを発表しました。

 アメリカ連邦最高裁判所が、すべての口頭弁論の記録を開始したのは1955年10月で、音声記録は1955年10月から1972年12月までのブラックシリーズ、1972年12月から2005年 6月27日までのレッドシリーズ、2005年10月3日から2020年5月31日までのゴールドシリーズの3つの口頭弁論のシリーズで構成されています。

 連邦最高裁判所の音声記録は、NARAのカタログで、裁判日、事件番号、事件名のキーワード等で検索できます。現在国立公文書館カタログで聞くことができる有名な事件には、画期的な公民権判決である1967年のラビング対バージニア(Loving et ux. v. Virginia)、ナチスによって家族から盗まれ、オーストリア政府美術館に展示されていた5枚の絵画の回収を求めて、マリア・アルトマンが米国地方裁判所でオーストリアを相手に民事訴訟を起こす権限を与えられたとする2004年のオーストリア共和国対アルトマン(Republic of Austria v. Altmann)などがあります。 

 「定められた保管期限を過ぎたら、捨ててしまう方が基本である」という考え方で、例外的に保存するものについては「資料または参考資料となるべきもの」ということにして、「特別保存」と呼んで保存し、それ以外は「保存するスペースがないから」ことを理由に廃棄する日本に比べれば、記録を保存するという考え方がまったく違うんですね。

2023/06/09

これぞ「デジタル公文書館」、「大分市デジタルアーカイブ~おおいたの記憶~」

 6月1日に、「大分市デジタルアーカイブ~おおいたの記憶~」が一般公開を開始しました。

 「大分市歴史資料館・大分市美術館・大分市民図書館が所蔵する資料、市内に所在する国・県・市指定の文化財、市内各地を写した古写真・絵葉書など、約1,500件の文化資源が閲覧できるようになってい」るということです。

 「スペシャルコンテンツ」では、高精細Webギャラリー公開システム「Gaze-On」を利用した「御城下絵図」の高精細画像、先端技術(3D技術)により撮影された360度自由な視点で閲覧が可能な、絵巻物「御城下絵図」の高精細画像、「国崩し(大砲)」や「華南三彩貼花唐草文五耳壺」の3Dモデルも公開されています。

 また、『大分市史』や合併前の自治体市も、PDFで張り付けてあります。

 これだけのコンテンツがそろっていれば、リアルな「公文書館」に匹敵するか、もしかしたらそれ以上かもしれません。まさに「デジタル公文書館」です。リアル公文書館が無い自治体が目指す、一つの形かもしれません。お金、どれくらいかかってるのかなぁ。

2023/06/08

東京音楽大学が、伊福部昭コレクションのデジタルアーカイブと目録を公開しました。

 東京音楽大学が、伊福部昭コレクションデジタルアーカイブ目録を公開しています。

 2023年5月31日が、伊福部氏の109回目の誕生日に当たることから、この日にデジタルアーカイブと所蔵目録 (OPAC) の公開を始め、学外者を含めた利用者に向けて、資料の閲覧と複写の提供を始めました。

 今回は、寄贈された資料のうち、手稿譜や手書き原稿、伊福部昭本人の書き込みがある楽譜などをデジタル化しています。作曲家として有名な伊福部氏は、東京音楽大学の学長も務めており、その関係から東京音楽大学付属図書館が、およそ1200点の資料寄贈を受けたわけということです。

 作曲家として有名といいつつ、伊福部氏の曲で知っているのは、「ゴジラのテーマ」だけですが😅、ドシラー、ドシラーで始まるあの音楽は耳から離れませんよね。目録で「ゴジラ」と検索したら、「ゴジラタイトル : ゴジラパート譜1954年版」というのがヒットしました。他にも統一標題に「ゴジラ vs デストロイア」、「ゴジラ vs モスラ」、「ゴジラ vs メカゴジラ」なんてもあります。

2023/06/06

「和歌山県歴史資料アーカイブ」の「授業で使える和歌山の資料」は、本当に授業で使えると思います。

 和歌山県立文書館が開設している「和歌山県歴史資料アーカイブ」で、新しく「授業で使える和歌山の資料」が開設されています。和歌山に関する資料のデジタル画像と解説シートがセットになっているものです。

 現在、近世の「キリシタン禁制の触書」、「大塩平八郎の乱首謀者人相書(部分)」と、近現代の「学制に関する和歌山県布達(太政官布告第 214 号(「被仰出書」)添付)」、「改正地券(紀伊国海部郡西浜村(現和歌山市西浜))」、「田辺改進党団結の趣意(部分)」のみですが、鮮明な史料のデジタル画像、史料の翻刻、近世の史料には意訳、語句・人名説明があって、それに解説がついています。さらに「活用のポイント」、出典、関連資料・ウェブサイト等、参考文献リストまでついて、いたせりつくせりの内容になっています。

 これだけしっかりと作られていれば、普段あまり史料にふれたことがない先生でも、授業で活用できるはずです。また、和歌山県の人でなくとも、これだけ詳細に作りこまれたものなので、十分使えるはずです(自分なら使います)。あとは、史料の数がもっと増えてくれることを期待するのみです。