続・人間老いやすく、学成りがたし: 2021

2021/12/31

長浜市立浅井図書館に、城郭の館(中井均文庫)が開設されました。

  滋賀県長浜市立浅井図書館に、滋賀県立大学名誉教授で日本城郭研究の第一人者である中井均氏から寄贈された城郭関連図書により設置された「城郭の館(中井均文庫)」が、一般公開されました。

 「城郭の館(中井均文庫)」は、中井均氏が令和3年3月に滋賀県立大学を退職するにあたり、所蔵する城郭・史跡・考古学関連資料 12,000冊以上、および収集した考古資料等(瓦・土器・縄張図)を一括で長浜市へ寄贈したもので、市歴史遺産課は「城郭関連では、奈良文化財研究所や国立国会図書館に匹敵する」とコメントしています(12月24日づけ「中日新聞」)。

 開館日は月1回であり、利用に際し電話での事前予約が必要となっています(申し込み先は、長浜市役所市民協働部歴史遺産課、Tel:0749-65-6510)。第1回が12月25日にあり、午前10時~正午12時、午後2時30分~午後4時、浅井図書館2階の視聴覚室内で閲覧提供され、視聴覚室外への持ち出しやコピー・撮影は不可となっています。次回は令和4年1月22日(土曜日)に公開されます(予約受付開始は、令和4年1月11日(火曜日))。

 市歴史遺産課のコメントのように、城郭関連の資料がこれだけ集まっているのはなかなかないでしょう。今後長浜市立浅井図書館は、城郭研究に必須の図書館になることでしょう。これが地方の公立図書館にあるのは大変素晴らしいことです。何でも都会に集めるのではなく、それぞれの土地に根差した資料は地元にあってこそ、その意味がわかるというものです。

2021/12/30

湾岸危機関係の外交文書が公開になりました。

  30年経った記録が毎年公開される外務省の外交文書公開が、今年も行われました。今回の公開対象は、1990年、1991年の18ファイルの文書で、米ソが対立した冷戦が終わって間もない国際社会の激動期のものです。中でも目玉は湾岸危機関係の文書でしょう。

 冷戦が終わり、各国が新たな方向を模索している時期で、現在の国際問題にもつながるような内容が既にでてきているのは大変興味深いです。湾岸危機は、イラクがクウェートに侵攻して、外交的な解決策が模索されていた時期で、この後結局湾岸戦争になっていくわけですが、その前の段階で、アメリカから日本がいろいろと注文を付けられている状況が分かります。当時もかなり報道がされていましたが、直接の文書ですから、より詳細な内容が読み取れます。公開された史料本文はPDFで見ることができますが、原本も外交史料館で閲覧することができます。

2021/12/29

伊豆箱根鉄道駿豆線に、「鎌倉殿の 13 人」のラッピング電車が走ります。

  来年1月9日から、伊豆箱根鉄道駿豆線に、「鎌倉殿の 13 人」のラッピング電車が運行されます。三島-修善寺間を、1日に 2~11 往復するとのことです。黒をベースにした、なかなかカッコいいラッピングですね。



 出発式は、2022 年1月9日(日)9:30~10:00、場所は伊豆箱根鉄道駿豆線三島駅ホームで行われます。この時に出発する電車は、「駿豆線歴史周遊個人モニターツアー」専用になっています。「駿豆線歴史周遊個人モニターツアー」は、1月9日(日)・1 月 15 日(土)・1 月 29 日(土)の全 3 回で、今日12月29日から申し込みが始まっています。

 また、1月9日からは「“いずっぱこ” で行こう!北条氏歴史紀行 デジタル de スタンプラリー」も行われます。さらに、期間限定で、「北条氏歴史紀行 デジタル de スタンプラリー」の開催を記念したヘッドマークの車両(「北条義時号」「北条政子号」「源頼朝号」の3 種)が運行されます。

2021/12/28

「鎌倉殿の13人」和田義盛ゆかりの裾野市下和田地区で地域おこし

  来年1月から始まるのNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」。主人公は鎌倉幕府初期を支えた北条義時、北条時政、比企能員、安達盛長、和田義盛、梶原景時、三浦義澄、大江広元、三善康信、中原親能、二階堂行政、足立遠元、八田知家の13人で、静岡県にゆかりの人物がかなり多いですが、そのうちの1人和田義盛が1213年に執権北条義時に反旗を翻した「和田合戦」に敗れて滅亡した後、一族の生き残りが逃れ暮らしたという伝説のある裾野市下和田地区が、地域おこしに取り組んでいるという記事が、12月27日の東京新聞TOKYOWebに出ていました(中日には28日)。

 侍所別当になり、鎌倉幕府の重要なポジションを占めていた和田義盛について、「和田合戦」までは教科書にも出てきますが、その後のことは特に語られることも無いので、正直いって自分も知りませんでした。下和田地区は当時、鎌倉から箱根の峠を経た街道筋にある地区とのことなので、歴史的に正しいのかの可能性はゼロではないと思います。学問的な裏付けができればなお良いですが、最近は文化財等を経済と結びつけて活用する動きが盛んになっているので、地域活性化に利用するのは良いことだと思います。

 今回の大河ドラマは静岡県東部に関わりのある地域が多いので、うまく利用してそれぞれの地域を盛り上げることができれば良いですね。同時にこれを機に、各地域の歴史の掘り起こしが行われるとなお良いと思います。そのような話題があれば、積極的にこのブログで紹介していくつもりです(アンテナを高くしておかないと💪)。

2021/12/27

沖縄県公文書館で、「米国収集空中写真資料」836点が公開されました。

 沖縄県公文書館が、米国国立公文書館から収集した米国収集空中写真資料836点を、リニューアルした「空から見た沖縄」で公開しました。戦中から戦後にかけて米国政府が記録した空中写真です。
 「空から見た沖縄」のページで、キーワードを入れたり、北部、中部、南部、離島などの地区を選ぶと写真と、撮影日や地名・字名、目標物などのメタデータの他、地図で位置を確認できます。写真を利用する場合は、出版物等掲載許可申請は不要とのことです。

 また、今までの「空から見た沖縄」は、「沖縄戦戦術地図」として、当時の写真・地図を現在の地図(Google Maps)上で重ねて見比べることができるようになっています。

 航空写真は若干不鮮明なものもありますが、それでも非常に貴重な資料ですし、情報量がものすごいので、いろいろな発見があると思います。学校教材として、かなり活用できますね。修学旅行で沖縄に行く学校も多いですから、事前学習にも活用できます。

2021/12/26

岳南電車、土日祝日全線運賃無料‼

  昨日12月25日から来年の2月13日までの年末年始を除いて、岳南電車が土日祝日全線運賃無料となっています。

 7000形の25周年イベント開催にあわせた企画ですので、この期間中には「がくてつ感謝祭」や「謎解きクイズラリー」などのイベントが行われます。

 また、新春お正月企画として、明日12月27日からはお正月ヘッドマークを付けた車両の運行、1月1日からは干支柄1日フリー乗車券干支柄ヘッドマーク缶バッジ新春*岳鉄福袋2022の発売などがありますので、ぜひ岳鉄に来てみてください。なお、福袋はオンラインショップでも販売します。オンラインショップでは、この他に1月1日から「新春*岳鉄いにしえセット2022」と題して、岳南電車の運転士が実際に使用したモデルの仕業表(スタフ)のレプリカ(送料込み5,000円)や、なんと7002形の座席、背もたれ、網棚、つり革一式そろえて、「岳南電車7002形座席セット(1セットのみ、700,200円(税込))が販売されます。

 スタフは欲しいなぁ😄 座席セットもいいけど、ちょっと無理だなぁ😅

2021/12/25

年末年始も「転車台&鉄道歴史館見学ツアー」、「洗って!回って!列車でGO 乗車体験ツアー」開催

  天浜線の「転車台&鉄道歴史館見学ツアー」と「洗って!回って!列車でGO 乗車体験ツアー」が、年末年始にも開催されます。

 「洗って!回って!列車でGO 乗車体験ツアー」は、そもそも土日祝に開催なので、ちょうど1月1日、2日です。事前予約制なので、天浜線営業部(053-925-2276)へ電話での予約が必要です。定員50名、大人1人600円、小学生以下は半額です。電車に乗って、洗車機に入り、転車台に載って回れるので、かなりおもしろいと思います。

 「転車台&鉄道歴史館見学ツアー」の方は、12月29日から1月3日までは、午前・午後2回あります(12月27・28日、1月4・5日は午後のみです)。こちらは予約不要なので、10:50からと13:50までに天竜二俣駅待合室に集合すれば良いようです。大人350円、小人100円です。

2021/12/24

大井川鐵道、トーマス号冬の特別運転が始まりました。

 今日12月24日から大井川鐵道で、「DAY OUT WITH THOMAS 2021 冬の特別運転」が始まりました。今年は年明け1月10日までの運転です。


 同じ日程でバスのバーティーも運行されます。Twitterの投稿のように、トーマスとバーディーの2ショットが撮れると最高なんですけど、この場所ってどこですかね?

2021/12/23

天浜線『クラウドファンディング』実施中!

   天竜浜名湖鉄道で、12月18日から「転車台・洗車機修理&車両基地VRプロジェクト」が始まっています。

 クラウドファンディングの目的は、「国の有形文化財にも登録され、またアニメ作品のモデル地の一つとなり人気のある「転車台」」「「洗車機」を末永く保存し、活用していくための修繕費用、これらの天竜二俣駅にある情緒ある施設等を、ネット上でVRコンテンツを公開し、更に広く知ってもらい誘客につなげるとともに、後世に記録として残すためのVR制作費用」です。

 寄付は1,000円からありますが、1,000円でも「天竜浜名湖鉄道 TH9200形『スローライフトレイン』の鉄カード」と、「通常は立ち入ることができない扇型車庫と一部車両内部が閲覧できるVRの特別版」(これは支援者全員ですが)を見ることができる特典があります。
 ただ、個人的には22,000円の寄付でもらえる、限定300セットの「無人駅を含む天浜線の全39駅硬券入場券セット」がツボですね。今日の時点ですでに8人の方がこれに寄付していますが、まだ大丈夫😁子どもたちにお年玉をあげなければ、寄付できそうですが…😅
 ちなみに、VRデータ通常版は、誰でも見れるようになるとのことです。

2021/12/22

来年度の小学校教科担任制、まずは950人増員。

  今日12月22日、来年度の予算折衝の結果について、文科大臣の会見がありました。

 来年度から小学5、6年生の一部授業で始まる「教科担任制」について、来年度予算案で、950人の教員の増員ということになりました。今後4年間かけて、3,800人を増員する予定とのことです。

 ただ元々は全体で14,300人が必要とのことでしたが、既存の専科の加配が5,500あるので、それを引いた8,800を概算要求していたために、今年度の要求は2,000人だったのですが、小規模中学校の教員の活用で800だとか、中規模大規模小学校での授業交換を臨機応変に対応して4,000人だとかで、最終的に今回の数字になったということですが、結局教員に何らかの負担を強いて、数を減らしていったということなわけです。

 これって、おかしくありません?本当に必要なら、そこはきちんと増やさないと意味が無いと思うのですが。理解しろといわれても、納得できませんよね!だいたい、免許更新制廃止による研修の充実の話題が最後に出てきましたが、結局その部分の負担は減らないようなニュアンスなので、教員の働き方改革が本当に実現できるか、はなはだ疑問な感じがします。

2021/12/21

琉球王国交流史・近代沖縄史料デジタルアーカイブが公開になっています。

  沖縄県教育委員会が「琉球王国交流史・近代沖縄史料デジタルアーカイブ」を公開しました。

 「琉球王国交流史」では、琉球王国の交流を物語る「歴代宝案(れきだいほうあん)」を中心とした交流史料が公開されています。校訂本と訳注本の両方が公開されており、また「歴代宝案編集参考資料」も公開されていたり、シンポジウム論文集や研究雑誌までも公開されていますので、非常に勉強になります。

 「近代沖縄史料」では、近代新聞を公開しています。沖縄初の新聞である「琉球新報」や、沖縄における平民派の機関紙である「沖縄毎日新聞」などが検索できますが、現在はいつの新聞があるかと、記事見出しの検索ができるだけで、残念ながら画像はありません。内容は今後も順次拡充していく予定とのことなので、新聞はぜひ画像を公開してもらいたいですね。まぁ、今は「琉球王国交流史」の方だけでも十分すぎるぐらいの情報がありますので、これだけでも申し分ありませんが、人間どうしても欲が出てしまうので😅

2021/12/20

中電は、もう浜岡原発の再稼働はあきらめた方がいい!

  12月18日の朝日新聞DIGITALに、11月29日にコメントした「想定する最大の津波の高さが、防波壁(高さ22メートル)を超える」という想定を、17日の原子力規制委員会の審査会合で正式に提示したとの記事が出ています。

 これで、審査の長期化は必至で、再稼働はさらに不透明となります。さらに原子炉の耐用期限が3号機は2027年、4号機は2033年に迫っていますので、再稼働を目指していろいろと対策をしても、経済的にペイできないでしょうから、中電はもう浜岡の再稼働はあきらめて、別の発電に資金と技術と人材を回すべきでしょう。

2021/12/19

12月25日に浜松城跡43次調査現地説明会が開催されます。

  12月17日の中日新聞に、浜松城跡二の丸奥御殿跡で枯山水遺構が確認されたとの記事がでていました。

 奥御殿は、城主の私的空間であり、そこに枯山水の庭園があったというのは、かなり珍しいですね。「現存する浜松城の絵図には庭園を描いたものはなかった」ということですから、発掘によってはじめてその存在が明らかになったわけで、これは大変貴重な成果です。

 浜松城跡本丸・二の丸の発掘では、この他にもいろいろな成果が出ているので、12月25日(土曜日)に、現地説明会が開催されます。時間は10時00分~11時00分と、13時30分~14時30分の2回、申込は不要で、直接集合場所の旧元城小学校正門前に行けばいいようです(現地説明会のチラシはこちら)。

 今回確認された庭園遺構だけでもかなり価値があるうえ、それ以外の成果もありますので、見ごたえは十分にあると思います。

2021/12/18

「北条氏・源氏ゆかりの地 駿豆線沿線散策 MAP」、今日18日から配架

  伊豆箱根鉄道駿豆線沿線の自治体(三島市、函南町、伊豆の国市、伊豆市)と伊豆箱根鉄道株式会社で組織する「駿豆線沿線地域活性化協議会観光部会」により、来年1月から放送の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」に合わせて、 「北条氏・源氏ゆかりの地 駿豆線沿線散策 MAP」が作成され、今日18日から各市町観光案内所、駿豆線有人駅 などに配架されます。

 マップには、伊豆ゆかりの歴史上の人物のストーリーに沿った4つの散策コースが載っていて、

マップ1:源頼朝・北条政子コース(三島二日町駅~三島田町駅)
      頼朝の旗挙げ ~三嶋大社百日祈願の伝承を辿る~
マップ2:源頼家コース(修善寺駅)
     悲劇の将軍 源頼家 ~修禅寺幽閉と源氏将軍興亡の歴史~
マップ3:北条義時コース(韮山駅~伊豆長岡駅)
     北条の里・江間の里 ~北条義時生誕の地を訪ねて~
マップ4:北条時政コース(函南駅・伊豆仁田駅)
             頼朝と北条氏の足跡 ~源氏再興ゆかりの地~
となっています。

 12月1日から「北条氏・源氏ゆかり13の地を巡るデジタルスタンプラリー」も開催されていますので、「北条氏・源氏ゆかりの地 駿豆線沿線散策 MAP」を入手して、スタンプラリーにも参加するという楽しみ方ができますね。スタンプラリーのポイントは13か所あり、5つ集めるとプレゼントがもらえるとのことですが、13か所ならコンプリート賞(抽選で「沿線の名産品」が20名に当たるもの)狙いもありですね。プレゼントは交換場所によって異なり、

三島広小路駅は三嶋柄手ぬぐい、
大場駅は丹那高原トマトジュース180㎖、
伊豆長岡駅は、なぎの葉お守り(縁結び)もしくは 入浴剤「伊豆の湯 伊豆長岡」、
修善寺駅は修善寺温泉筥湯入浴セット(入浴券、タオル、石けん)

となっています。

 スタンプラリーで、修善寺温泉筥湯入浴セットをもらって温泉に入っちゃったら、日帰りでは済ませられなくなるだろうなぁ😁

 

2021/12/17

京都大学桂図書館に「長尾文庫」が設置されました。

  今年5月にお亡くなりになられた長尾真氏から寄贈を受けた蔵書約5,000点で、「長尾文庫」が設置されました。

 長尾氏は京都大学総長を務められた後、国立国会図書館長に就任されるなど、いろいろと要職を歴任されていますが、個人的には日本図書館協会会長としてお名前を拝見する機会が多く、また電子図書館システムの研究に関する部分で、書籍や論文などでよく目にするお名前でした。その長尾氏の蔵書ということで、どんなものがあるのか大変興味があります。

 「長尾文庫目録」をざっと見たところ、ご専門の情報学や言語学の書籍が多いのは当然なのですが、宗教や哲学、歴史、古典の書籍が案外多いように見受けられました。時代の最先端を行く自動翻訳やAIにつながる技術の原理を開発をされていたとはいえ、そこにはいわゆるリベラル・アーツが基礎になっているということなのでしょう。

 「長尾文庫目録」でおもしろいのは、「長尾先生の思索の痕跡を記録するために、受入時に書込・付箋・頁カドの折の有無」が確認され、示されていることです。目録を検索したところ書き込みは245冊に見受けられるようですが、どんな書き込みがされているのか、非常に興味があります。

 京都大学桂図書館は現在、新型コロナウィルス感染症拡大防止対応のため、学外の人間は事前予約申込のみ、滞在時間2時間までということなので、そうそう気軽に見に行くことはできませんが、目録の中にある書籍を読んでみようかと思います。

2021/12/16

「渋沢栄一フォトグラフ」β版が公開されています。

  公益財団法人渋沢栄一記念財団情報資源センターが、ウェブサイト「渋沢栄一フォトグラフ」β版の公開を発表しています。

 『渋沢栄一伝記資料』全68巻の本編(索引を除く57巻)、 別巻第1、第2のテキスト・ページ画像は、既にこちらで公開されているのですが、別巻第3~第10及び本編の索引巻である第58巻はまだ公開されていません。今回は、渋沢栄一に関する写真を収めた『渋沢栄一伝記資料』別巻第10が公開されたわけです。

 そもそも『渋沢栄一伝記資料』は膨大なもので、今までも利用価値は大変高く、渋沢が色々な分野に関係していたこともあり、渋沢本人以外のことを調べるのにも重宝していましたが、写真資料が公開になったことで、写真はとにかく情報量が多いですから、ますます利用価値が高まりますので、利用頻度も多くなることと思います。

 おもしろいのは、「みんなで古写真」ですね。『渋沢栄一伝記資料』別巻第10に収録された700点の写真を対象にして、撮影場所や登場人物の特定、関連文献の登録などをおこない、学術資料としての価値向上をめざすプロジェクトということですが、既に追加されている情報を見ると、位置情報や参考資料、人物タグなどが多いようですが、翻刻があったり、コメントが追加されたりしています。写真は700点もあるので、もしかすると、何か情報を追加できるものがあるかもしれませんね。

2021/12/15

静岡市、今度は松平忠吉の書状を60万5,000円で購入

  昨日12月14日の中日新聞に、今度は徳川家康の四男で、尾張の清洲城主だった松平忠吉の書状を購入した記事が出ていました。購入先、時期が12月12日にコメントした徳川忠長の書状と同じなので、静岡市からのプレスリリースは同じタイミングで、中日新聞が記事の掲載をずらしただけだと思いますが。

 10月12日付、大和の五条城主だった松倉重政宛の書状で、「来春者駿州為御普請御下之由(来春は駿州ご普請のため来られるとのこと)」の記述から、1607年から始まった駿府城の大改修の前年にあたるものと推定されるとのことです。書状の出だしには、酒にもち米のこうじを浮かせた「みぞれの柳」を送られたことへのお礼が述べられているのですが、逆に言えば、それだけの書状で、60万もするんですね。忠長の書状は約38万なんですが、この価格差ってなんなんでしょうか?

 忠吉は2代将軍徳川秀忠の同母弟で、徳川四天王の一人である井伊直政の娘婿という立場ですが、この書状の翌年には亡くなるので、正直いって大した業績は無く、それほどメジャーでもありません。「家康の居城づくりに全国の大名が動員される過程を示す史料として貴重だ」とされていますが、そういわれても正直いって、❓❓❓って感じですね。

 このようなものの価値ってよくわかりませんけど、どうしても値段につられてしまいますが、忠長の方が有名ですし、駿府城主だったという点では静岡にゆかりが深い人物なわけで、12日の時には批判的なコメントを書きましたが、あえて比べるならば、静岡的には忠長の書状の方が意味があるような気がします。

 話がかわりますが、「みぞれの柳」って風流ですね。今のお酒に慣れている我々からすれば、おそらく味はたいしたことが無いでしょうが、ネーミングセンスが素晴らしいですね。

追記:家康研究で名高い静岡大学名誉教授の本多隆成先生によると、やはり忠吉書状の駿府城改修に触れている点が価値があるようです。


2021/12/14

国立情報学研究所(NII)のディジタル・シルクロード・プロジェクト、新たな「シルクロード遺跡データベース」を公開

  国立情報学研究所(NII)で、新たな「シルクロード遺跡データベース」が公開されました。

 シルクロードって聞くだけで、ロマンを感じるのは、自分が子どもの頃に、NHKでやっていた番組を見ていたせいでしょうか。頭のなかで喜多郎作曲のシンセサイザーの音楽が流れちゃいます😁

 ただ、現実のシルクロードはかなり過酷で、特に今は中国のウイグル政策の関係でさらにひどい状況になっていると思いますから、今回のデーターベースのようなものが、自宅のパソコンで手軽に見れるということは素晴らしいことです。

 以前、知り合いの保存処理の専門の方に、敦煌の莫高窟での壁画の保存処理の話を聞いたことがあります。莫高窟は有名ですので、御存じの方も多いでしょうが、塩害により壁画が傷んでしまうので、それを修復する作業が世界中の専門家により定期的に行われています。壁画が描かれた壁の中の塩分が壁画の絵具との間に浮きでてきてしまい、塩の結晶ができることで絵具が浮いてしまって、ボロッと落ちてしまうらしく、脱塩処理をすることで壁画が浮き上がるのを抑えてから、修復をするという大変手間のかかる作業です。

 情報はカード形式になっていて、何せ砂漠の中ですから衛星画像を使って地図が示されているので、それだけでもかなりの情報がわかりますが、カード関係グラフによりいろいろな関係性がわかって、のめりこんでしまいました。

2021/12/13

東京大学史料編纂所のデジタルアーカイブで、滋賀県立琵琶湖博物館所蔵の「東寺文書」が公開されました。

  滋賀県立琵琶湖博物館所蔵の「東寺文書」(107通、重要文化財)が、東京大学史料編纂所のデジタルアーカイブズで公開されました(プレスリリースはこちら)。

 今回公開された「東寺文書」は、「東寺百合文書」(国宝、ユネスコ「世界の記憶」)と元来一体のものであるとのことですから、「東寺百合文書」が京都府立京都学・歴彩館により「東寺百合文書WEB」として公開されているので、滋賀県立琵琶湖博物館所蔵の「東寺文書」がデジタルアーカイブで公開されたことで、同じように調査研究に使いやすくなったわけです。

 史料編纂所の「データーベース検索」の中の、「Hi-CAT Plus」と「日本古文書ユニオンカタログ」から検索できますが、「Hi-CAT Plus」の方には、 「公開史料と利用の案内」に飛べるリンクが貼ってあります。

 プレスリリースの方に「本取組の意義について」が書かれていますので詳細はそちらに譲りますが、「東寺百合文書」を補う「東寺文書」がデジタルで簡単に見れるようになったことは、大変素晴らしいことです。これにより、より様々なことがわかるようになることが期待されます。

2021/12/12

静岡市が購入した徳川忠長の書状は、37万8,000円!

 12月11日の中日新聞に、2023年1月に旧青葉小学校跡地に開館する市歴史博物館で展示するために、3代将軍徳川家光の弟で、駿府城主だった徳川忠長の、新たに発見された書状を入手したとの記事が出ています。

 今年11月に37万8,000円で購入し、市歴史文化課の担当者は「「静岡の歴史を語る上で欠かせない史料」と強調」したと書かれていますが、書状は、「カモを送られたことへのお礼を述べた後、「相国様弥御快御膳被召上候由承、目出珍重奉存候」(相国様もいよいよ快く御膳を召し上がられたとのこと、めでたく珍重に思います)と記し」、「父秀忠の健康を喜ぶ内容」なので、これのどこか「静岡の歴史に欠かせない」というのでしょうか?

 確かに忠長の書状はほとんど残ってない(確認されていないだけかもしれませんが)ですので、忠長の書状であるということが貴重ですし、この書状が書かれたと推測される1626年以降の時期、忠長は駿府城主でしたので、駿府に在住していたと思われ、この書状は駿府で書かれた可能性が高いと思われますが、駿府のことを書いているわけでもないですし、このような内容ならば、どこにいてもありえる日常的なものですから、これのどこか静岡の歴史に欠かせないというのでしょうか?この書状をきっかけに何か新しいことが分かるというのならば欠かせないものと言えますが、「忠長が駿府城主だった時に書かれたと思われる書状」というだけに過ぎないと思ってしまうのですが…。それでも、なかなかいいお値段ですので、この前の浜松市と違って、きっと桐の箱などに入れて、特別収蔵庫に入れて保管されるんですよね。


 

2021/12/11

2018年の西日本豪雨で浸水被害を受けた「古学堂」修復のため、クラウドファンディングが実施されています。

  2018年の西日本豪雨で被災した「古学堂」を修復するためにクラウドファンディングが開始されています。少しでも多くの方の目に留まることを期待して、コメントします。

 愛媛県大洲市にある「古学堂(こがくどう)」は、「約320年前の江戸時代に神職師弟養成のための私塾として開かれ、後に広く庶民向けの教育施設となった建物で、学舎である学室と、図書館である2階建ての文庫で構成され、中でも築270年の文庫は「伊予最古の図書館」と言われ、大洲市の史跡」となっているものだそうです。

 この古学堂からは、「日本初の西洋式城郭の函館・五稜郭を設計し、日本人のみの洋式航海を日本で初めて実現した武田斐三郎や、シーボルトの弟子として知られ、後に大阪大学医学部の前身にあたる大阪医学校兼病院設立に携わった蘭学者の三瀬諸淵、尊王攘夷の志士である巣内式部、大洲大参事を務めた山本尚徳など」が出ているということですから、これが保存されることは歴史的に大変重要なことだと思います。

 クラウドファンディングの募集ページでは、古学堂に関することや、西日本豪雨での被災状況についてが、写真や絵図を多用して大変詳細に説明されています。このページを見るだけでもかなり勉強になります。

 一番低い金額が5,000円、その次が1万円で、その程度ならば、オジサンの小遣いでもなんとかなります😅目標は300万円で、来年1月24日までの募集です。

2021/12/10

「平安京跡データベース」が一般公開されました。

  立命館大学が、立命館大学アート・リサーチセンターおよび立命館大学歴史都市防災研究所が京都市生涯学習総合センターと連携して研究を進めてきた、平安京跡の発掘調査結果をまとめた「平安京跡データベース」と「平安京跡ストーリーマップ」を一般向けに公開しました。

 「平安京跡データベース」は、地図上に発掘調査地点を表示させていて、クリックすると約5,000件の調査概要資料の閲覧が可能となっていて、そのうち、約400件の発掘調査地点は、発掘調査平面図を現在の地図と重ね合わせて閲覧することができるようになっています。また、発掘調査地点、発掘調査平面図、復元図などの地理情報システム(GIS)データは、オープンデータとしてダウンロードが可能とのことです。クリックする点が少し小さいですが、調査資料として報告書等のPDFがついているので、その地点での発掘調査結果の詳細がよくわかります。

 「平安京跡ストーリーマップ」は、「第1 京都市平安京創生館「平安京復元模型」」、「第2 平安京跡内発掘調査地紹介」、「第3 調査区紹介」の3つの画像と地図のコンテンツがあります。

 「第1 京都市平安京創生館「平安京復元模型」」は、平安京復元模型の詳細を紹介した『平安京百景ー京都市平安京創生館展示図録ー』掲載の写真の一部が掲載されています。写真の場所が地図上で確認できます。『平安京百景-京都市平安京創生館展示図録-』の書籍紹介ページ・購入案内も出ています。

 「第2 平安京跡内発掘調査地紹介」は、平安京跡内で行われた発掘調査を調査地点単位で紹介するもので、平安京右京三条一坊二町地点が紹介されています。

 「第3 調査区紹介」は、一つの発掘調査区における発見を紹介するもので、平安京右京三条一坊二町地点での遺構、遺物が紹介されています。

 「平安京跡ストーリーマップ」は、まだ一部の情報しか出ていませんが、今後増えていく予定のようなので期待したいです。このデーターベースを駆使すれば、平安京についてかなり詳しくなれると思います。

 現在、「平安京跡調査平面図や復元図を用いた長宗繁一氏(京都アスニー)の論考「平安宮中央部の新復元案」を本サイト公開記念として公開しています」とされていますが、私が先ほど試したところ、リンクのプッシュボタンを押すと「Invalid Token」のエラーが出てしまうので、これに関しては直していただきたいのですが、もしかして気がついていないかな?

2021/12/09

日米開戦80年に思う

  昨日12月8日は、日米開戦80年でした。80年前の昨日から約3年8カ月の歴史的出来事は、その後の日本にとっては決して忘れてはならない日々です。

 さすがに昨日を中心に新聞では戦争に関するニュースが出ていました。例えば、朝日新聞DIGITALでは「日米開戦80年」の特設ページが設けられたり、各社社説でとり上げたり、関連するニュースがでていました。80年も経っているので、直接戦争に従軍した人の記事はわずかになってしまい、子ども時代に空襲を体験したり、その他の形で戦争を経験した人の話でさえもかなり少なくなっています。おそらく、直接語るその姿を見ることができるのも、あと数年ということになってしまうでしょうが、そうなると我々は残された資料から、戦争を経験した人たちの言葉を受け止めて、それを教訓とし、次の世代に伝えることが必要になります。戦争がこの世から無くなる時代が来るまでは、戦争のことを次の世代へ伝える行為を決してやめてはいけないと思います。

 幸か不幸か、戦争に関する資料は、文字資料にとどまらず、写真、映像などの資料もたくさんあります。これをうまく使っていけば、少なくとも次世代へ伝えることはできますが、体験者が「戦争は二度としてはいけない」と語るその思いとともに次世代に伝えることが必要なのですが、これはなかなか難しいことです。私自身も、戦争の事実は伝えることができても、体験者の思いをどう伝えれば良いのか、いいアイデアを持ち合わせているわけではありませんが、ただ少なくとも思いを伝えることの大切さだけは、決して忘れてはいけないと思っていますし、歴史を学んでいる人間として、何とかしてそれを伝えていけるように、試行錯誤していきたいと思っています。今日のこのブログでのコメントも、ささやかながら、それを伝えることの一助になればという思いで書いています。

2021/12/08

電子取引のデータ保存、22年1月から義務化

  今週の『週刊エコノミスト』(12月14日号)に、元国税調査官の松嶋洋氏による、電子取引のデータ保存の義務化についての論考が出ています。

 2021年度の法改正により、22年1月から電子データをプリントアウトして保存することが認められなくなることについて、問題点を指摘されています。簡単にいえば、これにより、事務の手間が確実に増えコストが増える可能性があるとしています。また、この改正が広く周知されているとは言い難く、対応が間に合わないといった事態もあるとも指摘しています。

 一昨日の公文書管理の「施行令」および「ガイドライン案」の時にもコメントしましたが、そもそも電子データの取り扱いは、一見簡単そうですが実際にはいろいろと気をつけなければならないことがあるわけです。松嶋氏の指摘もそういったことに類する内容で、チェックする側の国にとっては従来よりも手間がかからないかもしれないのですが、それをやる側にとっては、大変な手間がかかるということが、国はわかっていない、あるいはあえてそれは問題にしていないわけですが、本当はこのようなことはもっと問題視して、いろいろな場面で議論するべきことではないかと思います。ただ残念ながら実際には、公文書の時もそうだったわけですが、何か問題が起きた時にだけ世論が盛り上がり、今度はそれゆえ、にわか専門家が出てきて議論をかき回し、結局大事な核心部分はなし崩しのままで過ぎていき、国の都合の良いようになっていくというのが、現在のこの国の姿なわけです。

2021/12/07

東京大学地震火山史料連携研究機構が、「地震史料集テキストデータベース」を正式公開

  先週、地震が相次ぎ、特に和歌山での地震は、南海トラフか?!って少し慌てましたが、9月30日に試験公開が行われていた、東京大学地震火山史料連携研究機構の「地震史料集テキストデータベース」が、12月1日に正式公開されました。

 今回正式公開されたデータベースは、「[古代・中世] 地震・噴火史料データベース(β版)」、「古地震・津波等の史資料データベース」、「史資料データベース」のデータと、新たにテキスト化したデータを統合し、横断的に検索できるようにしたものとのことです。

 東京大学地震研究所図書室の特別資料データベース内に地震史料集のPDFがありますが、膨大な分量なので、どこから見ればよいのか分かりにくいのですが、今回のデーターベースで検索することで、地震史料が探しやすくなるわけです。検索窓があるだけの非常にシンプルな作りになっていますので、とにかくキーワードを入力するだけで、何らかの地震史料のリストが出てきて、史料全文へ飛ぶことができます。

2021/12/06

「公文書等の管理に関する法律施行令」等の一部改正案と、「行政文書の管理に関するガイドライン」の改正案についての意見募集

  今日12月6日の朝日新聞DIGITALに、「「公文書等の管理に関する法律施行令」等の一部改正案」と、「「行政文書の管理に関するガイドライン」の改正案」についてのパブコメに関する記事が出ていて、「文書管理の基本を紙媒体から電子媒体に改める」ことに関しての懸念を指摘しています。

 確かに、「「電子媒体による文書の作成・取得」や「電子文書による保存」を基本」とし、「紙で入手した文書も、スキャナーなどでデジタル化したものを「正本」とし、もとの紙は1年未満で廃棄できる」という新しいガイドライン案は問題があります。利便性のみの観点で電子文書中心にしようとしているとしか思えません。そもそも電子文書は、保存性や安定性の点で問題があり、長期保存のためには適宜媒体変換を行い、正副を用意して、1つはまったく違う安全な場所で保存しておく必要があり、そうしなければ長期的に保存できるか分からない、非常に不安定なものなわけです。また、電子文書が裁判などの際の証拠として採用になるのかどうかは裁判所の判断次第で、近年は発信履歴がわかるメールなどが証拠として採用されてはいますが、Wordなどで作成する文書などは作成日などその気になれば簡単に改ざんできるので、果たして証拠として採用になるのか、今のところ明確になってはいないのに…。このようなデジタル化への対応がきちんとできているのかというそもそも論の部分を見ることが重要なのではないかと思うのですが、朝日新聞の記事での懸念の観点は、私が問題視しているのとはやや見方が違っています。某准教授のコメントも、問題視しているポイントがややずれている気がしますが…。

 だいたい、11月9日に受付を開始している「施工令」と、11月20日に受付を開始している「ガイドライン案」のパブコメのことを、締切2日前に報道するって、どういうことでしょう?

2021/12/05

伊豆急行線、開業60周年記念イベント

  2021年12月10日、伊豆急行線が開業 60 周年なんだそうです。「伊豆急行の歩み」を見ると、会社の設立登記は1959年4月11日ですが(その時点では「伊東下田電気鉄道」という会社名で、1961年2月20日に現在の社名となっていますが)、1961年12月10日に営業運転が開始されていますので、それで60周年ということのようですが、それを記念していくつかイベントが開催されます。

 1つ目は、JR 東日本209系を被写体とした車両撮影会です。209系が装飾前の無ラッピング状態になっているとのことで、この状態を見れることはかなり珍しいので、注目です。これは、12月11日の土曜日に開催されるとのことです。撮影会は伊豆高原駅構内で開催され、時間は①10:15~10:35、②10:45~11:05、③11:15~11:35、④11:45~12:05の4回、各回参加上限100名、撮影会参加時には乗車券類の提示が必要です。

 2つ目は、「ぽすくま 伊豆高原駅長任命式」×「いずきゅん 4周年ぬりえイベント」です。9月18日から 2022年3月25日(金)まで、日本郵便と伊豆テディベア・ミュージアムのコラボ企画で、「ぽすくまのラッピング電車」が運行されているのですが、このコラボ企画に合わせて、日本郵便株式会社のキャラクターであるぽすくまが、12月10日、11日の2日間伊豆高原駅長に就任するんだそうです。

 鉄道ファンとしては、もちろん209系ですが、父ちゃんだけ出かけると家族に不評でしょうから😅カワイイぽすぐまやいずきゅんをダシに使って、209系の撮影会に行くという作戦でどうでしょう👍

2021/12/04

歴史に出会う~ 富士地域歴史散策ガイドマップが出ました!

  一般社団法人富士山観光交流ビューローのFacebookで、来年の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」にちなんで、富士地域で起きた出来事や、源頼朝や北条義時などの歴史上の人物に関連するスポットを紹介する新しい歴史散策ガイドマップの完成が発表されています。

 現在の富士・富士宮地域は、源平合戦や富士の巻狩りが行われるなど、鎌倉幕府成立前後の時代に関わりが深いので、いろいろと関係する場所がありますが、このガイドマップには20か所が紹介されています。

 ガイドマップは新富士駅観光案内所や富士地域の観光施設等に配架しているとのことですが、上記FacebookにはPDF版のリンク先も載っていますので、そちらからダウンロードすればOKです。

 20か所の中に、日本五大桜の1つである「狩宿の下馬桜」が入っているので、理想をいえば、春に訪れるのが良いかと思います。富士・富士宮周辺は自然豊かな土地なので、「狩宿の下馬桜」以外にも花のきれいな場所が多いですから。富士市の岩本山公園なんかも桜がきれいですよ。

2021/12/03

シーチキンの「キン肉マン」コラボ缶発売!

  はごろもフーズのシーチキンに「キン肉マン」のコラボ缶が出たようです。オイル不使用の「マイルド」と「Lフレーク」の2種類ですが、「マイルド」と「Lフレーク」それぞれ12人ずつ、24人の超人がデザインされた24種のパッケージがあります。

 キン肉マン世代の我々にとっては、高たんぱく低脂肪で、まさにうってつけの食材ですね😋

 「マイルド」が、キン肉マン、テリーマン、ブロッケンjr、ジェロニモ、ロビンマスク、ウォーズマン、バッファローマン、ミート、ラーメンマン、ウルフマン、アシュラマンと、魚マークのキン肉マンのレア缶の12種類。

 「Lフレーク」が、ブラックホール、ザ・魔雲天、ザ・ニンジャ、スニゲータ、スプリングマン、ステカセキング、サンシャイン、プラネットマン、アトランティス、ミスターカーメン、ジャックマン、悪魔将軍の12種類。

 これ、全部を目にするとなると相当大変でしょうけど、地元ですし、もしかすると、もしかするかもですね。こういうの、集めるの好きなんですよ(そういえば、キン消しも集めたっけなぁ)。シーチキンなら、子どもも大好きですし、買いあさっても妻に怒られないと思うので😅探してみようかな。そうすれば、キャンペーンにも応募できますしね😆

2021/12/02

新居関所史料館で、「保存整備の いま・むかし -写真と映像でたどる新居関所のあゆみー」開催中

 11月30日の中日新聞で、「新居関所「面番所」保存整備の記録 湖西の史料館で」という記事を見たので、新居関所史料館の企画展情報を見たら、10月5日から開催されていました。企画展は12月25日までなので、もう1か月ありません。熱海市に続き、また遅い紹介になってしまいました(アンテナが低くかったですね😅)。

 上記企画展情報によると、「関所の中心建物である面番所の解体修理から今年で50年。日本で唯一現存する面番所はいつ建てられ、その後どのように保存されてきたのか。面番所の建築について、昭和46年の解体修理を記録した貴重な8mm映像と関所の資料や写真を中心にその周辺の整備の変遷を紹介します。」ということです。

 修理記録の映像は重要ですね。昭和46年の修理工事は、「柱や屋根など傷んだ箇所の修復だけでなく、学校や役場として変更していた間取りを江戸時代の姿に戻す作業も並行して進められた」とのことで、映像によって具体的な修理箇所や修理方法がわかりますし、当時工事を担当した職員のインタビューもあるとのことなので、それらの記録自体を適切に保管しておくことが必要ですね。

2021/12/01

浜松市博物館、所蔵史料紛失!

  11月29日に発表された情報ですが、絵図や古文書など6点もなくなるとは!!

 「浜松城二の丸絵図」、「東海道名所図会」、暦師の佐藤伊織による四十五冊組の「伊勢暦」のうちの一冊、絵図「遠州五千石御替地図(川東領)」、絵図「遠州浜名五千石図(浜名領)」、「金原明善書簡」の6点、購入総額は約369万円で、中でも「浜松城二の丸絵図」は206万円で重要物品に指定されているということです。

 ただ、問題なのは、この6点のうち、絵図3点は、資料約2万点を保管している博物館第一収蔵庫に、まとめて風呂敷に包んで保管していたということですね。少なくとも重要物品に指定されている「浜松城二の丸絵図」などは、桐の箱に入れて、他の史料とは別に、本来はそのような重要な史料用に特別収蔵庫を用意して、そこで保管するのが正しいやり方なのですが、かなり雑な保管方法ですので、逆にびっくりしました。正直いって、その程度の管理では紛失するのもやむを得ないかと思います。

 紛失といっても実際は盗難にあったということでしょうが、「金原明善書簡」以外は近世のものなので、その辺の知識がある人間の可能性がありますね。まぁ、金原明善も近代といっても初期のころの人ですし、書簡ですから崩し字で書かれているはずで、近世文書に慣れている人なら読めますから、やはり近世の知識がある人間がかかわっている可能性が高い気がします。所在が確認されているのは昨年度の定期調査ということですから、かなり時間が経ってしまっているので、もうすでに古美術商とかに流れてしまっているかもしれませんね。

2021/11/30

熱海市立図書館で、「丹那トンネル開通の記録展」を開催中

  11月28日の中日新聞に、熱海市立図書館で「幻の「擬造熱海富士」示す資料 丹那トンネル開通の記録展」という記事が出ていて、「十二月一日のトンネル開通日などに合わせて企画した」とあったので、最近始まったのかと思いきや、すでに10月30日から始まっていましたので、情報としてはだいぶ遅くなってしまいました。

 記事によると、タイトルになっている「擬造熱海富士」は、熱海に暮らした小説家坪内逍遥により提案されたとのことで、収録された「湯のかほり」は1930年発刊の雑誌で、この情報が掲載されているのは第1巻・第2号ですが、国立国会図書館の検索では出てこないですし、静岡県立中央図書館の横断検索でも熱海市立図書館にしかないようで、しかも熱海市立図書館にも第1巻・第1号と第2号しかなく、かなりレアな雑誌のようです(東京新聞の方には、「湯のかほり」第1巻・第2号の表紙の写真があります)。

 また、記事の中に出てくる「熱海市指定文化財の作業日誌「前田日誌」」という名前が、市の指定文化財一覧に出ていないのですが、これは熱海市図書館の展示写真から確認すると、おそらく「丹那隧道東口(熱海口)現場日誌」だと思われます。この資料は「鉄道省に勤めていた従業員の家族の方から、平成27年に熱海市に寄贈され、平成30年3月に熱海市指定有形文化財に指定された」ものとのことですから、その作業員の方もしくは寄贈されたご家族が「前田さん」で、通称「前田日誌」と呼んでいるのではないかと想像します。

 「湯のかほり」もなかなかおもしろそうですし、「丹那隧道東口(熱海口)現場日誌」は20冊あり、文化財に指定されていますが、熱海市立図書館で閲覧できるそうなので、一度見てみたいですね。

2021/11/29

浜岡原発での巨大地震による津波が、現在の「防波壁」の高さを超える可能性!

  今日11月29日のNHKの社会ニュースで、「浜岡原発の津波想定見直し「防波壁」超える最大22.5mの可能性」という記事が出ています(朝日新聞にも同様の記事が出てます)。

 中部電力はこれまで、マグニチュード8や9の地震が起きた場合に想定される最大の津波の高さを20.3メートルとしてきましたが、より厳しい条件で検討した結果、最大22.5メートルに達する可能性があるとして、これまでの想定を見直し、次回の審査会合で規制委員会に報告することを決めたということなのです。

 しかし、これに対してのコメントが、「現時点では追加対策などを検討する段階ではない。まずは審査に真摯(しんし)に対応し、基準津波の高さをきちんと策定することに全力を尽くしたい」ということなのですが、想定だけして、どう対応するのか何も考えていないということですね。一体、どの段階になれば、追加対策を検討するというのでしょうか?津波の前に、マグニチュード8や9の地震で、原子炉が壊れることは想定していないのでしょうか?

 原発が停止して以降、電力不足という状況にはないのですから、原発はいらないはずです。中部電力には、有能な人材がいるはずなのですから、人間がコントロールできない原発を放棄して、それ以外の自然に優しい発電方法に力を注ぐという発想はないのでしょうか?

2021/11/28

奈良文化財研究所の全国遺跡報告総覧、47都道府県分の書誌情報登録完了!

  11月24日に、奈良文化財研究所が「なぶんけんブログ」で、全国遺跡報告総覧に、所蔵する愛知県・三重県・滋賀県・鹿児島県の発掘調査報告書等の書誌情報4,248件を一括登録したと発表しており、これで47都道府県分の書誌情報登録が完了し、戦前からの発掘調査報告書の刊行状況のほぼ全容を把握可能になりました。11月24日時点の書誌登録数は、発掘調査報告書以外の刊行物も含んで、112,484 件だそうです。

 これで主だった遺跡の報告書については、だいたいわかるようになったわけです。全国遺跡報告総覧は都道府県別になっていて、さらに発行機関ごとに分類されていて、中には報告書がPDFになっているものもあるので大変便利です。

 ちなみに、静岡県分は、3,176件あり、そのうち677件にPDFがついています
(欲をいえば、PDFがもう少し増えてくれるとうれしいのですが…)。

2021/11/27

中部横断道開通『ゆるキャン△』スタンプラリー2021、スタート!

  中部横断道の全通を記念して『ゆるキャン△』スタンプラリー2021が、昨日11月26日から開催されています。スタンプはデジタルスタンプです。

 スタンプラリースポットは、静岡・山梨両県にかけて28か所ですが、来年2月27日までとはいえ、これを全部回るのはかなり大変ですね。中部横断道全線開通記念ということなんですけど、中部横断道を使うと、国道52号線周辺のスポットにはかえって寄りにくくなってしまうような…😅 むしろ、52号線と国道139号線をぐるっと回って、アニメ『ゆるキャン△』のモデル地+αの場所をめぐる感じの方が、スポットを多く回れますね。

 同時開催の「キャンプごはんをSAで!!」の方は、対象エリアが、東名高速道路のEXPASA富士川(上り)、富士川SA(下り)と、 新東名高速道路のNEOPASA駿河湾沼津(上り)、清水PA(上下集約)、中央高速道路の双葉SA(下り)なので、こちらは高速道路を使って回る方が良いですね。個人的には、NEOPASA駿河湾沼津(上り)で食べられる「なでしこの餃子坦々鍋」がおいしそうだなぁと思いました。コラボメニュー購入者には、先着でオリジナルコースター(無くなり次第終了)が付いてくるので、こちら狙いでも楽しそうです。

2021/11/26

慶應義塾大学メディアセンターデジタルコレクションで、「荒俣宏旧蔵博物誌コレクション」が公開されています。

  慶應義塾大学メディアセンターデジタルコレクション は、慶應義塾大学メディアセンターが所蔵する貴重資料や特殊コレクションを公開するサイトなのですが、ここで荒俣宏氏『世界大博物図鑑』全5巻・別巻2巻(平凡社、1987-1994年)の執筆のために収集した博物誌関係資料のうち、慶應義塾に譲られた200余点のコレクション(「荒俣宏旧蔵博物誌コレクション」)を、デジタルで見ることができるようになりました。

 『世界大博物図鑑』は日本に博物学を復興させたと言われる名作で、これを作った荒俣博氏のことを、個人的には南方熊楠の再来だと思っています。この『世界大博物図鑑』の資料のために博物学の古書を購入し、1億4,000万円の借金を背負うも、『帝都物語』により得た印税1億5,000万円で返済したという話は有名だと思います。また、荒俣博氏の博識ぶりは他の追随を許さないものがあり、現代の「生き字引」といっても過言ではありません。

 今回のデジタルコレクションには、とてもしっかりした目録が作成されています。この目録には「図版篇」のページがあり、大変綺麗な目録で、これだけも素晴らしいですが、デジタルコレクションではとても美しいコレクションの原書を見ることができます。こんなに素晴らしいものを、気軽に見ることができるのは、とても幸せなことだと思います。ものすご~~~く、おススメします!!

2021/11/25

東京大学総合図書館の「デジタル源氏物語」「挿絵画像の比較」ページ

  東京大学総合図書館の「デジタル源氏物語」に、「挿絵画像の比較」ページが追加されています。

 「絵入源氏物語の挿絵比較」と「源氏百人一首(パタパタ顔比較)」の2つのページがありますが、「絵入源氏物語の挿絵比較」は、「大本:国文学研究資料館所蔵 」、「小本:国立国会図書館所蔵 」、「横本:国立国会図書館所蔵」 の3つの本の比較になっています。「源氏百人一首(パタパタ顔比較)」は、「大阪府立大学学術情報センター所蔵」本と、 「奈良女子大学学術情報センター所蔵」本の2つの比較になっていますが、2つの本を重ねた状態の画像があり、違いがよくわかるようになっています。

 この「デジタル源氏物語」は、 東京大学総合図書館所蔵『源氏物語』、九州大学文学部所蔵『源氏物語』(古活字版)、個人蔵『源氏物語』(無跋無刊記整版本, 九州大学附属図書館による画像公開)、国文学研究資料館所蔵『湖月抄』の画像が利用されていて、デジタルで画像とテキストを一緒に見ることができるという、大変素晴らしいものです。

 人文学オープンデータ共同利用センター(CODH)開発のくずし字OCRを利用した、複数の写本・版本の全冊画像から該当箇所と思われる画像を横断的に検索できる「AI画像検索」なんてものがあったりして、「源氏物語本文研究プラットフォームを目指して」公開されたものですが、研究じゃなくても、比較的簡単に源氏物語を堪能できますので、学校の教材としても十分に利用できそうですね。

2021/11/24

伊豆の国市の守山登頂で登頂証明書がもらえます。

  今日11月24日の中日新聞に、「鎌倉北条家、歴史ロマン一望 伊豆の国の守山登頂で証明書」という記事が出ていて、来年のNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の主人公北条義時ら北条家ゆかりの史跡が数多く残る守山山頂の展望台で「登頂証明書」の配布を始めたことが紹介されています。

 守山は標高101.8mと低山ですが、史跡願成就院跡、史跡伝堀越御所跡、史跡北条氏邸跡(円成寺跡)が立地しており、「守山」周辺が伊豆の政治、経済、文化の中心地でした。鎌倉~室町時代の約 300 年にわたって、各時代の政治・社会的中心を担ってきた場所ですから、大変重要な土地なのですが、中日新聞の記事にもあるように、伊豆箱根鉄道の伊豆長岡駅からは徒歩約二十分と交通アクセスの悪さから観光客数は決して多くないのですが、前述したように、鎌倉時代の館跡、寺院跡(北条氏邸跡、願成就院跡)、ならびに室町時代の館跡、寺院跡(伝堀越御所跡、円成寺跡)が重層的に存在している、歴史的に大変重要な場所で、伊豆の国市では『日本中世の “ はじまり ” と “ おわり ” を語る守山』のスローガンで整備しています。

 上述した証明書には、表面に山頂の展望台から望む絶景のパノラマ写真が載り、裏面には義時が長男のために建立し、義時夫妻の墓もある北條寺義時館跡の江間公園、鎌倉幕府初代将軍源頼朝が旗揚げした地とされる「堤信遠(つつみのぶとお)の館」(推定地)など北条家ゆかりの6つのスポットが掲載されています。市内には「世界遺産韮山反射炉」もありますので、歴史好きな方は、きっと楽しめると思いますよ。

 また、伊豆箱根鉄道、通称「いずっぱこ」も、ローカル線として、いい味を出していますので、鉄道好きな方にもおススメします。駿豆線では、「ラブライブ!サンシャイン!!」とのコラボラッピング電車が運行されていたり、「イケメン戦国◆時をかける恋」「イケメン革命◆アリスと恋の魔法」「イケメンヴァンパイア◆偉人たちと恋の誘惑」「イケメン源氏伝 あやかし恋えにし」「イケメン王子 美女と野獣の最後の恋」の「イケメンシリーズ」5タイトルとのコラボ企画があったり、「いずっぱこオリジナルキャラクター」があったりと、アニメ好きの方にも喜んでもらえるのではないかと思います。

 つまり、伊豆の国市は歴史好き、鉄道好き、アニメ好きが満足できる、知る人ぞ知る名所なのです!!

2021/11/23

遠州鉄道新浜松駅の発車メロディーが、1か月だけ変わります。

  昨日22日から、1か月間だけ、新浜松駅の発車メロデイーが、作曲家向谷実さんが制作したものに変わっています。これは、12月11、12日に開催される「サウンドデザインフェスティバル」とのコラボ企画です。

 タイトルは、「Windy Town(ウィンディ タウン)」で、「浜松まつりで奏でられているラッパのメロディをモチーフに、楽器のまちを意識したピアノやストリングスの音を、風のように絡ませて制作し」たということです。向谷実さんといえば、もとカシオペアで活躍していた方ですが、大の鉄道好きで、あちこちの発車音楽や車内音楽を制作されています。

 上記の「サウンドデザインフェスティバル」リンク先の動画で、いちおう流れていますが、かなり小さくて、正直よくわからないので、聞くのならば、直接現地に行くしかないですね。

2021/11/22

英国国立公文書館で、「デジタル記録の選別においてAIの活用可能性を調査するプロジェクト」の成果物を公開

  英国国立公文書館(TNA)で、2021年10月付けの報告書“Using AI for Digital Records Selection in Government”が公開されています(こちらに概要がでています)。

 ここで、注目すべきなのは、”AI cannot replace the expertise of Records Managers”(AIがレコードマネージャーの専門知識に取って代わることはできません)と、はっきり述べていることです。

 現状でAIでは、”commercially available AI tools and pipelines can be successfully applied to aid the task of records selection in semi-structured and unstructured collections”(市販のAIツールとパイプラインをうまく適用して、半構造化および非構造化コレクションでのレコード選択のタスクを支援できる)に過ぎないということなのです。

 当然、まだこれからどんどん進化していくはずですので、いつかはAIがレコードマネージャーの専門知識にとって代わる日が来るかもしれませんが、まだしばらくは専門家の力が必要だということです。

 我が国においては、AIなどの新しい技術が進んでくると、すべて新技術でクリアできると思われがちで、専門知識はいらないという風潮になりがちなのですが、今回の報告書は、逆に言うと専門知識を持った人間がいなければ、公文書の適切な管理はできないということを言っているわけです。国立公文書館の「認証アーキビスト」ができて今年は2年目ですが、「認証アーキビスト」またはこれに類する専門知識を持った人間がもっと増えないと、国だけに限らず地方でも導入の検討が加速している公文書のデジタル化に、管理が追いつけなくなってしまう可能性がないとは言い切れません。国だけではなく地方にも、文書管理の専門職をどんどん導入することが必要だと思います。

2021/11/21

「全部見せます!浜松城プレミアム講座&見学ツアー」及び「家康の散歩道フォトウォーキング」

 浜松市で「家康公浜松城築城450年事業」として、12月11日(土)、12日(日)「全部見せます!浜松城プレミアム講座&見学ツアー」及び「家康の散歩道フォトウォーキング」が開催されます。

 「浜松城プレミアム講座」は、「発掘調査で判明した新発見など浜松城の貴重な遺構を様々な角度から見学したり、普段は入ることができない浜松城の裏側を解説付きで巡ったりするプレミアムな講座&見学ツアー」で、「昼食には戦国時代の文献をもとにホテルコンコルド浜松の総料理長が監修した「歴史御膳」」を食べることができます。定員60名、参加費は1名3,000円(税込み)ということです。募集はもう始まっています(参加申し込みの詳細はこちら)。講師は文化財課の課長さんということですから、かなり詳しい話が聞けるはずです。

 同時開催の「家康の散歩道フォトウォーキング」は、城内・城下ルートを巡り、お気に入りのスポットで写真を撮影するものです。「#家康の散歩道」を付けてSNSなどに投稿したら、記念品がもらえるそうです。こちらについても、上記「浜松城プレミアム講座」参加申し込みのリンク先に詳細が出ていますので、そちらで確認してください。

2021/11/20

国立国会図書館、第32回保存フォーラム「図書館における資料防災―「その日」に備える」

  2021年12月21日から2022年1月17日まで、国立国会図書館(NDL)で、第32回保存フォーラム「図書館における資料防災―「その日」に備える」が、参加登録者限定のオンライン配信で開催されます。

 内容は以下のようになっています。
・報告1「文化財防災センターとネットワークを通じた多様な文化財の救済」
  小谷竜介氏(国立文化財機構文化財防災センター文化財防災統括リーダー)
・報告2「米国の大学図書館における所蔵資料の防災の取組」
  日沖和子氏(ハワイ州立大学マノア校図書館資料保存司書)
・報告3「東北大学附属図書館における所蔵資料の防災について」
  真籠元子氏(東北大学附属図書館情報管理課専門員)
・報告4「東京都立図書館における所蔵資料の防災の取組」
  佐々木紫乃氏(東京都立中央図書館サービス部資料管理課資料修復専門員)
・報告5「国立国会図書館における所蔵資料の防災の取組―概要と資料防災研修事例」
  吉井伶奈(国立国会図書館収集書誌部資料保存課保存企画係長)
  廣川明日菜(国立国会図書館収集書誌部資料保存課洋装本保存係副主査)

 災害は、いつ、どこで起こるかわかりませんので、被災をできる限り軽減し(減災)、被災後の迅速な対応、復旧を可能とするために、日頃から「予防」「準備」に取り組むことがとても重要なことです。今回のフォーラムは、「予防」「準備」の具体的な取組が報告されるとのことですから、ぜひ見ておいて方が良いでしょう。
 期間内ならば、いつでも動画を見ることができるとのことですから、年末年始の休みの間に(と言っても、来年は1月4日が火曜日なので、12月29日から1月3日までの6日間しかありませんが…。有給を使って27、28日を休みにするしかないかな?)、見ることができますね。

2021/11/19

岳鉄クリスマス2021と3周年&25周年

  岳南電車で、今年もクリスマスイベントが行われます。今年のクリスマスラッピング電車は、7003形がサンタクロースとトナカイに変身しています。なかなかかわいいです😊11月17日(水)から運行されていて、12月25日(土)までです(今週末20、21日の時刻表)。20日からは、吉原駅にクリスマスプラレールツリーも展示されます。

 3周年は、9000形導入記念のクリアファイルの発売です。1枚300円です。車輪周りのパーツの写真が載っていて、良いです😁

 25周年は、7000形導入記念です。記念ロゴをヘッドマークにした記念列車が運転されます。7000形導入25周年ということで、2022年の卓上カレンダーは、季節ごとに表情の違う7000形の写真です。

 岳鉄は、今岳南電車まつり月間でもあるので、いろいろあって、おもしろいですよ!!静岡県内は現在コロナの新規感染がほとんどないので、昨日紹介した遠鉄&天浜もありますし、遊びに来てみてはいかがですか?

2021/11/18

天浜線、「エヴァンゲリオン ラッピング列車」運行開始!

  昨日11月17日、天竜浜名湖鉄道の天竜二俣駅で、初号機および13号機を模した「エヴァンゲリオンのラッピング列車」記念出発式と「転車台&鉄道歴史館見学ツアー」が行われました。通常の営業運転は19日からです(2週間分の時刻表はこちら(19日~21日22日~28日)。

 このブログの11月9日に、遠州鉄道でのエヴァンゲリオンの企画について書きましたが、天浜線のこの企画と合わせて、「人類乗車計画」と名付けられています。遠州電車では17日から2号機と8号機を模したラッピング電車が運行されています(今日18日~20日の時刻表はこちら。遠州電車の時刻表は、随時「赤電ブログ」に掲載されますので、要チェック!)。

 遠州鉄道では新浜松駅が「シン・ハママツ」駅になりましたが、天浜線では天竜二俣駅が「第3村」表記になります。

 天浜線と遠州鉄道は西鹿島駅で接続していますので、それぞれの時刻をきちんと確認していけば、両方楽しめるはずです。

2021/11/17

「図書館」(仮称)年表のアプリ誕生!

  11月9日、「図書館」(仮称)リ・デザイン会議が、「『図書館』(仮称)年表」のアプリを公開したと発表しました。

 日本地図に、全国の図書館が記されており、国及び都道府県立図書館の主だった出来事の年表がまとめられています。また、図書館に関連する全国的な出来事の年表は、公共、世界の動き、日本の動き、学校、政策・法令などの項目ごとに分けられています。

 ただ、図書館が多い都市は、マップ上に図書館の名称がごちゃごちゃと重ねってしまい、見にくい状態になってしまっているのは、少し残念です。

 このウェブアプリ、現在、情報が特に記述されていない市町村立図書館のところにも、今後何かしらの情報が入っていくとおもしろいのではないかと思います(かなり大変ですけどね)。

2021/11/16

「令和の日本型学校教育」を担う新たな教師の学びの姿の実現に向けて

  11月15日に、「中央教育審議会「令和の日本型学校教育」を担う教師の在り方特別部会(第5回)・初等中等教育分科会教員養成部会(第126回)の合同会議」が開催され、「「令和の日本型学校教育」を担う新たな教師の学びの姿の実現に向けて」と題した提言が、文科大臣に提出されました。

 教員免許更新制が廃止となるのは間違いなく、来年の通常国会で必要な法改正を行い、2022年度末までに廃止して、2023年度に新しい研修制度を始める予定という方向です。

 上記提言のリンク先に、別紙1「教員免許更新制の評価と課題」という資料がついていますが、
1.教員免許更新制の評価について ~ 制度創設時の狙いが達成できているか ~」について、
教員免許更新制、とりわけ免許状更新講習の受講による最新の知識技能の修得の効果については、一定の評価を受けている側面もある。しかし、講習内容が必ずしも評価されておらず、教師の時間的・金銭的負担等を考慮すると、最新の知識技能の修得という成果が効率的に上がっていると判断することには慎重にならざるを得ない。また、現代の社会の急激な変化に即応するという観点に立てば、10 年に1度限られた期間に講習を受講することで得られる成果は、研修と比してより限定的になってきている。」と述べられています。つまり、時間とともにこの制度は意味があまりないということが分かったからこそ、発展的に解消するということになったということが分かります。また、教師、管理職等、講習開設者等の関係者すべてに負担が大きく、教師の確保にもマイナスの影響が出てしまうようになり、結局ダメダメだったわけです。
 また、別紙2「改善方策とその限界 」では、「改善策その他の改善策を講ずることによって、教師の資質能力の確保を図るとともに、教師や管理職等の負担が軽減され、教師の確保を妨げない教員免許更新制とすることが可能かという観点で、検討を行ったが、直ちに教員免許更新制の有する課題の抜本的改善につながるとは評価できなかった。」ということで、やはりこの制度はどうにもならないということなわけです。
 ただ、どうしても教師の研修を管理するというところは無くなっていないのですが、今日の大臣会見で大臣自らが「公立学校の教師の研修を考えるにあたり、一番大事なのは意欲と主体性を尊重するということが基本である」と述べているのですから、そうすれば良いじゃないですか!教師の主体性に任せて研修をさせて、どのようなことをやったのか報告だけはさせるということで良いのではないでしょうか!!

2021/11/15

仙台市が東日本大震災にかかわる公文書を選別

  11月13日の朝日新聞デジタルに、「「震災公文書」一部廃棄へ 仙台市が選別開始、24年から公文書館に」と題した記事が出ています。

 記事よると、当初は「東日本大震災と復興の記録は、すべて歴史的公文書になりうる」としていたとのことですが、全量を残すのは現実的に難しいため、保存する文書と廃棄する文書の選別が、文書法制課と各課の協議により始まっているとのことです。

 今年の1月25日に開催された「第3回 (仮称)仙台市公文書館運営検討会議」で、具体的にどんな公文書を残すのかを示した資料(資料3「東日本大震災に関する文書の選別について」)が提出されていて、それを見ると具体的な文書名が表にまとめられています。また、「留意事項」として、
1 個人情報が主体で、同種のものが大量に存在する文書については、一部を資料として収集したうえで、残りの文書については廃棄する。
2 以下の文書については,収集選別を行わないこととする。
(1)事業の執行に伴い義務的に発生する業務に係るもの
(2)簡易な手続に関するもの

とされています(第3回会議の会議録はこちら。資料3は上記「(仮称)仙台市公文書館運営検討会議」のリンク先から参照してください)。

 何を保存するのかはもちろん難しいのですが、特に何を廃棄するのかの判断は、廃棄してしまえばこの世に存在しなくなるのですから、より一層判断が難しいわけですが、上記「留意事項」に示された廃棄および収集選別しないものの判断は適切だと思います。同種で大量にあるものは、仮に全部残せば、煩雑になり、かえって整理がしづらく、そのすべてが閲覧されることも想像しがたいですので、サンプルがあれば十分だと考えられるからです。また、「事業の執行に伴い義務的に発生する業務に係るもの」というとわかりにくいですが、例えば公金を支出する際の「支出票」のようなものがそれにあたると思われますので、当然残す必要はありません。「簡易な手続きに関するもの」も、簡易な手続きで済むような案件は、おそらく簡易なことですので、当然いらないでしょう。逆にこれらのものが残っていても、将来的に閲覧されることはないでしょう。将来の参考資料となるものを残すわけですから、参考になりそうもないものは残す必要はないわけです。

 そうはいっても、実際現場では、できる限り将来のために役立つ文書を残そうと、非常に悩みながら選別していると想像されます。東北の被災市町村では初の公文書館となる仙台市公文書館ですので、今後も注目していきましょう。

2021/11/14

トランスユーラシア言語は、農耕と共に新石器時代に拡散した!

  昨日11月13日の毎日新聞に、「日本語の原郷は「中国東北部の農耕民」 国際研究チームが発表」という記事が出ていましたが、元ネタは、11月10日にNatureに掲載された、”Triangulation supports agricultural spread of the Transeurasian languagesという論文です。

 この論文は、ドイツのマックス・プランク人類史科学研究所を中心にした、中国、日本、韓国、ヨーロッパ、ニュージーランド、ロシア、米国の研究者を含む国際チームが発表したものです。歴史言語学、考古学および遺伝学の「三角測量」分析によって、言語拡散の「農耕仮説」を学際的に支持し、トランスユーラシア言語の最初の拡散が、東北アジアにおける新石器時代前期のキビ・アワ農耕民の移住と関連すると結論しています。

 この論文、なかなかおもしろいです。韓国の欲知島(ヨグ ジ ド)遺跡出土の女性人骨のDNAが95%縄文という結果が得られたり(韓国がこれをどう受け止めるのか、多少物議になりそうですが)、宮古島の南嶺の長墓遺跡(ながぱかいせき)から出土した人骨(近世および先史時代の2つの時期)から、グスク時代に九州からたくさんの「本土日本人」が農耕と琉球語を持ちながら、琉球列島へ移住したと推定できるなど、従来の説とまったく異なる結論になっています。

 ただ、これは「最初の拡散は新石器時代にあった」ということが言えるというだけで、歴史的にはその後もいろいろと複雑な動きがあります。確かにいろいろと新しいことがわかった一方で、今後の課題も数多く残っていると言えます。これらの課題が今度さらに明らかにされることが期待されます。

2021/11/13

大井川鐵道、合格駅改称・門出駅開業1周年

  昨年、新東名高速の島田金谷インターチェンジ近くにオープンした商業施設「KADODE OOIGAWA」に合わせて、35年ぶりとなる新駅として開業した「門出(かどで)駅」と、隣駅の「五和(ごか)駅」から改名した「合格(ごうかく)駅」の1周年を記念して、昨日12日から23日まで、新金谷駅と千頭駅の間を走るSL列車「かわね路号」に、門出駅開業1周年記念ヘッドマーク・合格駅改称1周年記念ヘッドマークを1日ずつ日替わりで装着して運転が行われます。偶数日(12日・14日・16日・18日・20日・22日)が門出駅開業1周年記念ヘッドマーク、奇数日(13日・15日・17日・19日・21日・23日)が合格駅改称1周年記念ヘッドマークとのことです(詳細はこちら)。

 昨年の開業の際には「門出駅」や「合格駅」の記念切符やお守りが発売されましたが、今年は前面に「合格駅」、背面に「大井川鐵道」の文字が入っただるま、「大井川鐵道 合格駅達磨」(高さ15cm)が、4,651円(税込・よろこび)で販売されます。100個限定だそうですので、欲しい方はお早めに。

2021/11/12

須賀川特撮アーカイブセンター、公式ホームページを開設

  11月8日に、福島県須賀川市が、「須賀川特撮アーカイブセンターの公式ウェブサイトの開設」を発表しています(ホームページ自体は11月3日から公開されています)。

 「須賀川特撮アーカイブセンター」とは、あの円谷英二監督が須賀川市出身ということで、「特撮技術を後世に伝えていく役割を担い、特撮に関連する貴重な資料等を収集・保存・修復・調査研究を行うほか、特撮文化を顕彰、推進」することを目的に、昨年の11月3日に開館したものです。センターが開館一周年となることから、ホームページが開設されたということです。

 開設されたばかりということもあり、コンテンツはまだ少ないですが、現在は映画監督・特技監督の樋口真嗣氏による館内ガイドマップがダウンロードできるようになっているのがポイントですね。

 円谷英二監督が最後に特撮監督を務めた長編映画『日本海大海戦』で使用された「戦艦三笠」のミニチュアについても、詳しい資料紹介があります。ミニチュアといっても、高さ1,000㎜(マスト含2,800㎜)、幅1,100㎜、長さ5,750㎜もあるので、写真で見てもなかなかですが、本物はかなりの迫力だろうと思います。

 静岡からはちょっと遠いので簡単には行けませんから、ホームページのコンテンツが増えてくれることを期待しています。

2021/11/11

岳南電車の「ビール電車」、予約始まっています。

  富士市内の吉原駅と岳南江尾駅とを結ぶ岳南電車は、2013年3月までは岳南鉄道によって運営されていましたが、貨物輸送の廃止に伴う収益悪化を背景に、同年4月より岳南鉄道の鉄道部門が岳南電車として分社化しましたが、もともと貨物輸送のために作られたものですから、旅客だけでは経営は厳しいものとならざるを得ません。それでも地元の足として、がんばっているわけです。それゆえ、様々な企画で集客を図っていて、「ビール電車」もその1つです。今週月曜日11月8日から、事前予約が始まっています。

 12月11日(土)に運行されるビール電車、今年は地元富士市の新しいクラフトビール「富岳麦酒」と、吉原商店街の唐揚げ屋さん「唐揚げ十四番」の唐揚げ、ご当地グルメ「富士つけナポリタン」が出るようです(詳細はこちらで確認ください)。

 吉原駅17:25⇒岳南江尾駅17:57(52分間停車)⇒吉原駅19:10で運行されるのですが、岳南電車と言えば、2014年7月に鉄道本体としては初めて日本夜景遺産に認定されていて、この時間帯ですと、工場夜景も楽しめます。ビール飲みながら、唐揚げとつけナポリタンを食べながら、工場夜景を見れるなんて、素晴らしいです😍

 岳南電車は車両もおもしろく、京王電鉄井の頭線旧3000系の中間車を譲り受け、両端に運転台を取付けて1両で走行できるように改造した「7000形」、同じく京王電鉄井の頭線で使用されていた3000型電車の中間車改造車両の「8000形」は、7000形と同様に京王3100型の岳南江尾方に運転台を増設した「8001」号車、京王3050型の付随車化(T車化)、吉原寄りに運転台を増設した「8101」号車、また両車両とも運転台増設に際して京王3000型と同時期に廃車となった京王電鉄本線用車両6000型で使用されていた運転機器を搭載した、ワンハンドルマスコン搭載車両です。イベント列車にはこの「8000形」が使用されるので、今回の「ビール電車」もおそらく「8000形」でしょう。そして、富士急行株式会社の1000系車両を譲り受け、岳南電車仕様に改造された「新型車両9000形」。オールド車両ファンにとって忘れてはならないのが、「ED291」、ED501」、ED402」、「ED403」の電気機関車です。「ED291」は1927年製、「ED501」は1928年製、「ED402」と「ED403」は1965年製です。岳南富士岡駅構内の「がくてつ機関車ひろば」で見ることができます。

 ちなみに、今日11月11日夜9時から「BS日テレ」で放送される「バカリズムの大人のたしなみズム」は、モデルの市川紗椰さんが「ローカル鉄道のたしなみ〜岳南電車編〜」を紹介します。上述したように、いろいろな魅力を持つ岳南電車ですので、鉄道マニアとして有名な市川紗椰さんですから(ドアの開閉音が好きなのだとか)、きっとマニアックな放送になるのではと期待しています。こちらは晩酌しながら楽しみます😆

2021/11/10

御殿場馬車鉄道の車両を復元

  11月8日、テレビ静岡で、御殿場市を走っていた馬車鉄道の車両復元を、御殿場馬車鉄道研究会の方々が市長に報告する様子が報道されました(ニュースはこちら)。

 1898年3月に地元の有力者により御殿場馬車鉄道株式会社が設立され、東海道線の御殿場駅が開設された新橋村(1898年4月に駿東郡御厨町、御殿場市の前身)から、富士山の登山口の1つとなっていた須走村まで敷設しようという計画で、会社の本社は御厨町西田中に置かれます。同年11月11日に、馬車鉄道が駅前の新橋停留場から御殿場停留場まで開通、現在も御殿場駅北側に「馬車道」と呼ばれる細い道が御殿場市役所前まで伸びていますが、この区間はおおむねこの馬車道部分だと想定できます。同年12月に柴怒田停留場まで延伸、翌1899年1月には須走停留場まで延伸し、御殿場駅前と須走を結ぶ全長5マイル28チェーン(約8.61キロメートル)の馬車鉄道が全通しました。

 しかし、他の鉄道との競争により経営に行き詰まり、1905年9月に会社は解散しますが、馬車鉄道は個人の野中到が買収し、「野中御殿場馬車鉄道」となりますが、1909年4月8日、再び地元の有力者により御殿場馬車鉄道株式会社が設立され、野中から馬車鉄道の経営が移管されます。事故が多かったことから、1910年2月に人車軌道への変更を申請しますが実現せず、路線は徐々に縮小され、1928年に全線が休止し、1929年1月に会社は解散、御殿場馬車鉄道は消滅しました。

 このように約30年にわたり運行されていたのですが、1929年に無くなってしまったゆえにあまり資料も多く残ってないため、研究会の方々はかなりご苦労されたことと思います。客車は幅5尺(約1.5m)、長さ7尺(約2.1m)で、定員は12人くらいだったとされていますが、ニュースでの写真を見ると、まさにそのくらいの感じに見えますので、かなりしっかりと復元できているのではないかと思います。復元した車両は12月12日に披露される予定だそうです。

2021/11/09

遠州鉄道新浜松駅が、「シン・ハママツ」駅に!

  昨日11月8日から、遠州鉄道と天竜浜名湖鉄道が『シン・エヴァンゲリオン劇場版』とコラボする企画が始まりました。

 「天竜浜名湖鉄道 天竜二俣駅」が、『シン・エヴァンゲリオン劇場版』に登場する「第3村」のモデル地の1つとなったことから行われる企画ですが、具体的な内容は、以下の4つです。

・新浜松駅の装飾および「シン・ハママツ」駅名表示。

・西鹿島駅構内の天竜浜名湖鉄道連絡通路への装飾。

・エヴァンゲリオン2号機、8号機を模した電車1編成のラッピング。

・オリジナル商品の販売 11月17日(水)販売開始。
  
 新浜松駅や西鹿島駅構内の装飾や、ラッピング電車は昨日から始まっていて、ラッピング電車は、11月16日(火)までは新浜松駅に停車し、11月17日(水)から運行を開始する予定とのことです(イメージはこちら)。
 オリジナル商品は、赤電1日フリー切符(2種)、クリアファイル(2種)、キーホルダー(3種)で、販売場所は遠州鉄道/新浜松駅・西鹿島駅・鉄道営業所(西ヶ崎駅隣り)・浜松駅前バスターミナル乗車券センターとなっています。また、天竜浜名湖鉄道のイベント等での販売も予定しているようです(ちなみに「赤電」とは、遠州鉄道の愛称なのですが、車両が赤いから、こう呼ばれています)。
 ただ今日9日、耳より情報が飛び込んできました。なんと、「エヴァンゲリオン×遠州鉄道」オリジナルグッズ先行販売! 11月12日(金)・13日(土)・14日(日)の3日間限定で、新浜松駅コンコース(券売機付近)に特設コーナーが設置されます。また、オリジナルグッズの購入で、特典として新浜松駅2番線に停車中の「エヴァンゲリオン ラッピング電車」を見学できる「見学券」が配布されます。

 これはもう、ファンは、浜松行き確定ですね。

2021/11/08

埼玉県北本市が、「北本デジタルアーカイブズ」のため、クラウドファンディングを実施中!

  11月2日に埼玉県の北本市が、「北本デジタルアーカイブズ」プロジェクトのため、ふるさと納税を活用したクラウドファンディングを実施していると発表しています(クラウドファンディングのページはこちら)。

 このプロジェクトを通して以下の課題を解決したいとしています。
課題1:多くの貴重な歴史的な資料が散逸し、経年劣化により失われようとしている。
目標1:収集整理して、デジタル化し、長期保存に耐えるものとする。
課題2:どのような資料が存在するかが判りにくく、仮に所在が確認できても、書籍の為に利用しにくい。
目標2:存在する資料が体系的に把握でき、ネット活用によりいつでもどこでもアクセス可能な環境をつくる。
課題3:貴重で膨大な情報が、どこにあるのか判らない。探せない。
目標3:デジタルならではの方法で、老若男女問わず辿り着ける仕組みを構築する。
課題4:視覚障害の方、高齢により視力の衰えた方々には閲覧等が困難になっている。
目標4:デジタル化して、ブラウザーの読み上げソフトなどを活用できるようにする。

 また、上記の問題を解決する事で、デジタル資産を以下の様な需要に応えられる物とする事が目標としています。
1. 自分のまちのことを知りたい市民
2. ふるさと学習(調べ学習)に活用する小中学生
3. 視覚障害の方、高齢により視力の衰えた方々
4. 後世の社会学者・歴史学者・文化人類学者の方々

 この試みの場合、ふるさと納税をしても特に何かもらえるわけではないので、協力してくれる可能性があるのは現役の北本市民及び元市民と、周辺自治体の人たちだと思うのですが、2015年時点で、人口67,409人の埼玉県北本市の現役市民がどれくらい協力してくれるかが勝負ではないかと思います。若い人は歴史的なことにはあまり関心が無いでしょうし、歴史的なことに関心のある年配の方は「デジタルアーカイブズ」にあまりなじみが無いでしょうから、課題を解決したいという気持ちは痛いほど分かるのですが、正直言ってかなり厳しい気がします。これらの課題はおそらくどこの自治体も抱えていると思いますので、うまくいってくれると良い事例になるのですが…。

 市のホームページを見ると、「北本ブランド」と称する、トマトをはじめとする各種の特産品があるようですので、もし自分でしたら、その中の何か1つでももらえると、ふるさと納税をしようという気も起るのですが…。それと、「ふるさと納税を活用したクラウドファンディングを実施している」ということを、SNSなどを活用して広くPRすることも必要でしょう。そう思って、少しでもお手伝いになればと、今回この話題を取り上げた次第です。

2021/11/07

「新石川県立図書館」のプレサイトがオープン!

  2022年前半に開館を予定している「新石川県立図書館」のプレサイトが公開されています。Twitterも開設されていて(新石川県立図書館@開館準備中)、現在は新館の工事の様子や引っ越しの準備の様子がアップされています。

 新館は約30万冊を開架予定していて、伝統文化や里山里海に関する資料「石川コレクション(仮)」を形成するとされています。館内は円形劇場のような作りでなかなかおもしろいですね。読書スペース以外にも、子ども向けの遊び場エリアや、キッチン付きのイベントスペース、カフェスペースなども予定されています。

 石川県は現在の県立図書館の老朽化・狭小な閲覧スペース・書庫の分散・駐車場の不足・耐震性の不足などの問題を解決させることを目的に新館を建設しているわけですが、同じような理由で静岡県でも新館建設の準備を進めているので、石川県の動きは依然から気になっていました。今回、このようにプレサイトとTwitterが始まり、徐々に具体的になっていくのが見えるのはワクワクしますね。来年には開館する予定の石川県、少しうらやましいですね。静岡県も早くできないかなぁと思うのですが、予定では令和8年度後半に施設完成ですので、まだ先だなぁ😓

2021/11/06

県立兵庫津ミュージアム・初代県庁館が11月3日に開館!

  兵庫県立兵庫津ミュージアムは、最初の県庁舎を復元した「初代県庁館」と、博物館施設である「ひょうごはじまり館」の2館からなるミュージアムで、そのうち「初代県庁館」が11月3日にオープンしています(「ひょうごはじまり館」は2022年度下期に開館予定だそうです)。

 兵庫津(ひょうごのつ)は、平清盛が修築したことで有名な大輪田泊(おおわだのとまり)が、鎌倉時代以降にこのように呼ばれるようになったもので、「一遍上人絵伝」にも描かれています。日宋貿易、日明貿易で栄え、江戸時代には西回り航路の要衝となり、1858年の日米修好通商条約で、新潟、長崎、神奈川(横浜)とともに開港場に指定されます。慶応4年5月23日(1868年7月12日)に兵庫県が設置され、初代知事に伊藤博文が任命されます。県庁は元の大坂町奉行所管轄の兵庫勤番所に置かれますが、「初代県庁館」はこの兵庫勤番所の建物を復元したとのことですので、県庁舎以外にも長屋門や勤番所同心の屋敷なども復元されていて、実際は「勤番所館」なんですが、誰でも聞いたことのある伊藤博文が初代知事だったという方がインパクトがあるので「初代県庁館」にしたのではないかと、勝手に😁想像しています。

 なかなかすごいのは、MR(複合現実)体験ができるということです。映像の世界(仮想現実)に実際に入り込んだかのような体験ができるVR(仮想現実)、現実の世界に仮想の世界を重ねて「拡張」するAR(拡張現実)とは違い、ARをさらに発展させた新しい技術で、現実世界と仮想世界をより密接に融合させ、バーチャルな世界をよりリアルに感じることができるものです。今開発が進んでいて、今後成長していく分野なのですが、説明してもよくわからないと思いますので、実際に体験した方が良いでしょう。

 ミュージアム周辺の史跡をめぐるガイドツアーもあり、今行っても十分おもしろそうですが、個人的には博物館施設である「ひょうごはじまり館」が出来たら、行ってみたいですね。

2021/11/05

宮城県図書館、「遠隔研修」を公開

  10月31日、宮城県図書館がウェブページ「遠隔研修」の公開を発表しています。

 主に県内の公共図書館・公民館読書施設職員、学校図書担当職員等を対象に実施した研修動画とのことですが、「全国に適用できる内容もあります。」とのことでしたので見てみたら、確かに良い内容です。図書館司書の勉強をしている人にも有用だと思います。

 「資料構成に関する研修」、「レファレンスに関する研修」、「著作権に関する研修」、「障害者サービスに関する研修」、「資料保存に関する研修」のテーマ別のYouTube動画で、かなり充実しています。配布資料もダウンロードできます。各テーマの詳細は以下のとおりです。

 「資料構成に関する研修」:「資料構成概説-収集と廃棄-」、「分類・排架の基礎と資料の基本的な取り扱い方」

 「レファレンスに関する研修」:「レファレンス概説」(ワンコがクレームつけてくる!)、「レファレンスに役立つ国立国会図書館のデータベース 前半/後半」(宮城県図書館の宇野さん、国立国会図書館に行ってしまったんですね。)

 「著作権に関する研修」:「著作権概説」、「図書館等の業務に係わる著作権支分権」、「公立図書館における複写」(宮城県図書館ではワンコが複写の受付をしているの?)、「令和3年度著作権法改正」(ワンコも著作権者の権利保護と著作物の適正利用を訴えてます!)

 「障害者サービスに関する研修」:「図書館利用に障害のある人々への接遇」、「図書館利用に障害のある人々のための資料概観」

 「資料保存に関する研修」:「資料保存の基礎知識」(何もしないのにこわれましたって、首を突っ込んでるじゃん!)、「資料補修実演」(ワンコも自分が壊したものを補修するんですね。)

 ちょこちょこ何をつぶやいているのかとお思いの方、動画を見ればわかります。

2021/11/04

御前埼灯台に重文指定書伝達

  11月1日に、御前崎市で初めての重要文化財になった御前埼灯台の指定書伝達式が現地で開かれたとの記事が、一昨日11月2日の中日新聞に出ていました(該当ページはこちら)。

 5月21日に、国の文化審議会が重要文化財(建造物)への指定を答申していたのですが(その際の資料はこちら。御前埼灯台は2ページ目です)、実はその時に見過ごしていまして😅、この指定書伝達の記事で重文指定を知りました。

 御前埼灯台は1874年に設立されました。イギリス人技師ブラントンの指導により、大型のレンズを使用した回転灯を採用する洋式灯台です。日本の灯台50選にも選ばれている、真っ白で非常にきれいな灯台です。静岡県の最南端に位置しているのでロケーションは抜群で、映画『喜びも悲しみも幾歳月』の舞台の一つにもなっていますが、近年では「ゆるキャン△」で知られているかもしれません。この灯台下の海岸は岩礁地帯で、干潮時には磯遊びも楽しめます。とにかく、観光には申し分ない場所で、デートスポットとしても良いのではないかと思います。

2021/11/03

相模原市教育委員会によるデジタル教科書を中心とした学習履歴データ活用に関する共同研究の実施について

  神奈川県の相模原市教育委員会が、「GIGA スクール等オンライン学習環境の活用」に関する事業の一環として、「デジタル教科書を中心とした新たな授業方法による国語科の学習活動に取り組み、そこで得られた学習履歴データの活用に関する研究を開始します」と、10月29日にプレスリリースしています。

 ネットワンシステムズ株式会社、大日本印刷株式会社(DNP)、Sky 株式会社、光村図書出版株式会社及び放送大学(教授:中川一史)との共同で行われるとのことで、令和3年11月からデジタル教科書を活用した授業、データ収集、分析等を行い、令和4年 1月以降、本研究に関する授業の公開を行う予定だそうです。

 この研究はおもしろいですね。「デジタルよりも紙の方が記憶の想起に対する脳活動が定量的に高くなる」との実験結果が発表されているわけですが、その実験は大人が書き留めたスケジュールをどのくらい覚えているかといったものでしたが、今回の研究は子どもの学習効果のデータを収集するものですから、より直接的な学習への影響が分かるものになると思われます。コロナ禍の影響でいっきに進めた「一人一台端末」ですが、学習への影響によっては今後の使い方も変わらざるを得ないわけですから、その結果は大変注目されるものになるわけです。どのような結果が出るのか、とても気になるところです。

2021/11/02

11月1日は「琉球歴史文化の日」

  今年の3月31日付けで制定、施行された「琉球歴史文化の日条例」により、昨日11月1日は、「琉球歴史文化の日」とされたことで、記念式典が開催されました。記念式典では、東京オリンピックでも話題になった空手の演舞が披露されています。

 沖縄の先人たちは、長い歴史の中で、祖先への敬い、自然への畏敬の念、他者の痛みに寄り添うチムグクルを育むとともに、古来、アジア諸国との交易を通じて多様な文化を受け入れ、組踊を始めとする芸能や漆器などの工芸、琉球料理や泡盛などの食文化、空手や染物など、多岐にわたり洗練された独自の多様な伝統文化を創り上げてきた。そして、これらの文化を支えに、幾多の世変わりの中にあっても、その都度困難を克服してきた。

 令和元年の首里城焼失は、県民のみならず国内外のウチナーンチュに、先人たちが歩んできた歴史と築き上げてきた文化が心のよりどころとして深く根付いていることを改めて気付かせることとなった。

 こうした認識のもと、琉球歴史文化の日を定め、先人たちが創り上げてきた沖縄の歴史と文化への理解を深め、故郷への誇りや愛着を感じられる地域社会の形成に取り組むとともに、新たな歴史と文化を自らの手で創造することを図るため、この条例を制定する。

 条例では、第1条の目的の前に、上記のような前文がついており、この条例制定の思いがここに込められています。沖縄は、長い間日本とは別の国で、独自の歴史と文化を持っているため、今回のような条例が制定されたわけですが、ただ、ここで述べられている「歴史と文化への理解を深め、故郷への誇りや愛着を感じられる地域社会の形成に取り組むとともに、自らの手で創造する」ことや「長い歴史の中で、祖先への敬い、自然への畏敬の念、他者の痛みに寄り添うチムグクルを育む」ことは、沖縄に限らず、内地でも同じだと思います。ちなみに「チムグクル」とは、「心からの思いやり」を意味している言葉です。内地でも地域によっては、歴史や文化に力を入れているところもありますが、多くの人が歴史や文化的なことに関して、もう少し身近なものとして感じてくれるようになってくれると良いなぁと思います。

 

2021/11/01

東京大学理学図書館が「東京大学理学図書館所蔵田代安定資料」を公開

  10月25日から東京大学理学図書館の「東京大学理学図書館所蔵田代安定資料」が公開されています。

 明治時代に、当時ほとんど情報がなかった八重山諸島などの南西諸島で、動植物の調査や旧慣調査を行い、植物学や民俗学の発展に貢献した田代安定なのですが、その業績はほとんど忘れられているので、今回の資料の公開は、田代の業績が広く知られる良い材料になるでしょう。

 デジタル化された資料は、1886年に、東京帝国大学(現在の東京大学)により八重山の植物、旧慣の調査を嘱託され、南西諸島などを調査し、帝国大学総長および人類学研究室に直接届けた手書きの報告書類です。全部で14件ですが、数学、地理、言語、文学、芸能、祭祀、風俗習慣に関わるものなどの幅広い内容を含む資料ですので、かなりおもしろい資料だと思います。ネット環境にもよりますが、コマ送りや拡大縮小もスムーズですので、オンラインでも十分ですが、全コマのダウンロードもできます。

 「海南諸島姓氏録」という姓氏名字を調べた資料があるのですが、我が家のご先祖様の姓氏もちゃんと出ていました。

2021/10/31

ハロウィーンって、なじみがないんですよね。

  今日10月31日は「ハロウィーン」なので、ニュースを見ると、一昨日の金曜日の夜には、東京渋谷などは仮装した若者がいたり、昨日には県内でもハロウィーンにちなんだイベントが各地で行われていたようです。Googleのトップページもハロウィーン仕様ですね。

 我が家でも高校生の子は、昨日ハロウィーンのイベントに出かけていましたが、私にはどうもハロウィーンって、なじみがないんですよね。思えば、上の子が幼稚園だったころに、幼稚園でハロウィーンをやっていたようですので、子どもたちにとっては年中イベントの1つとして定着しているようです。楽しみ方を見ると、メインは仮装を楽しむもののようですので、基本的には若者のイベントってことなんでしょうけど、ハロウィーンって、いつごろから日本でもやるようになったんでしょうか?

 この手の年中イベントは、子どものころに経験しないと、なじみを感じないようですね。私などの世代では、1年でもっとも大きなイベントはクリスマスではないかと思います。これはおそらく現在でも日本で一番なじみのあるイベントだろうと思いますが、クリスマスは老いも若きも、何らかの形でかかわり、楽しむことができるイベントですが、それに比べるとハロウィーンはやはり若者中心のイメージですが、ハロウィーンになじみを感じている若い世代がもう少し年齢を重ねるころには、楽しむ世代が広がるのかなぁと、興味があります。

 

2021/10/30

『都田白昭満州開拓村物語』が刊行されました。

  中国東北部の旧満州からの引き揚げ者が開拓した浜松市北区都田白昭(はくしょう)の歴史を伝える「白昭の歴史を語る会」が、『都田白昭満州開拓村物語』を刊行したとの記事が、10月14日付けの中日新聞に出ています。また、昨日10月29日に浜松市長に書籍の刊行を報告したようです。

 静岡県下では単独・混成・義勇開拓団など、さまざまな形態による旧満州開拓団が編成されています。浜松開拓団は、昭和 17 年 3 月 10 日に移住しましたが、大戦中の統制経済導入により職業を失った小売商・会社員・職人などが多数を占めたことにより、営農経験のない都市商業者を中心にして編成が行われた転業開拓団 です。

 旧満州で終戦を迎えた浜松開拓団は、新京(長春)で約 1 年間の難民生活を経験し、日本へ帰国したのは、昭和 21 年の 8 月下旬から 9 月上旬にかけてで、大戦中までは軍用地として使用されていた白昭に、経済的およびその他の理由で市街地で生活することのできなかった団員が、旧満州開拓での経験を活かして集団で入植したものです。

 令和になり、昭和はますます遠い時代になりました。戦争経験者も本当に少なくなり、満州の開拓などに関しても、経験者が少なくなってしまっていますので、直接の経験者の証言をもとに編集されたこのような書籍は大変重要です。戦争やそれに関連することは、日本の歴史において、純粋に大変大きな出来事であったわけですから、戦争自体の評価はともかく、戦争とそれに関連する歴史について知ることは、日本人として必要なことです。さらに白昭は、戦後開拓の歴史を語る場所ですから、『都田白昭満州開拓村物語』の刊行は、大変意味のあることだと思います。

2021/10/29

日本民族学協会附属民族学博物館(保谷民博)人物/資料データベース

  10月21日に、国立民族学博物館から「日本民族学協会附属民族学博物館(保谷民博)人物/資料データベース」が公開されました。

 今回公開されたデータベースの資料は、民博で「保谷民博コレクション」と呼ばれているとのことです。このコレクションは、1975年に国文学研究資料館史料館から受けいれた約2万1000点の標本資料で、今話題の渋沢栄一の孫である渋沢敬三らが1910年代に集めはじめ、渋沢が主宰するアチックミューゼアム(神奈川大学日本常民文化研究所の前身)や、日本民族学会(のちの日本民族学協会、現在日本文化人類学会)などの団体の手に渡るなかで成長していったもので、コレクションが最終的なかたちになった日本民族学協会の時代に、その附属博物館が保谷市(現在西東京市)にあったとのことで、こう呼んでいるそうです。

 このデータベースは、保谷民博コレクションに含まれる標本資料と、それらを収集した人物から検索できるようになっていますが、個人的には人物から検索した方が使いやすいと思います。人物一覧を見ると、私でも知っているような、かなり有名どころの名前が散見されます。あ行の方から見て、目についた人物を上げると、石黒忠篤、伊波普猷、上原専禄、江上波夫、折口信夫など。こう見ていると、民族資料よりは人物検索の方がおもしろくなってしまいそうです。でも、人物紹介が意外と充実しているので、民博側もそういう向きの利用も想定しているのではないかと思われますので、私のような利用もOKだと思います。

2021/10/28

近代教科書デジタルアーカイブ

  10月19日に、国立教育政策研究所教育図書館の「近代教科書デジタルアーカイブ」に、「教師用国定教科書」と、第二次世界大戦終戦(昭和20年8月)後、昭和21年度に使用された「暫定教科書」、昭和22年度以降戦後検定教科書開始までに使用された「文部省著作教科書」など、約1,500冊の本文画像が追加されたと発表されています。

 「近代教科書デジタルアーカイブ」には既に、明治検定制度以前の「明治初年教科書」、1886年5月「教科用図書検定条例」以降の「明治検定教科書」、1903年4月「小学校令」の改正より始まった教科書国定制度による「国定教科書」、「旧制中学校教科書」「高等女学校教科書」のPDFがアップされています。

 今回追加された「教師用国定教科書」は、今日で言う「教師用指導書」なわけで、指導の目的や指導内容が注書きされ、備考として解説が付けられています。「暫定教科書」にも教師用があり、こちらはかなり詳細に、教育の目的、指導方針、指導法が示されています。それまでの価値観が180度変わった状態の中で、教育の使命は非常に大きかったことは想像できますが、教師用の「暫定教科書」を使って授業をやるとなると、かなりきっちり読み込まないと授業ができないのではないかと思うほど詳細です。

 話が代わりますが、「旧制中学校教科書」って案外難しいです。旧制中学校は今日の高校ですが、歴史は、日本史、東洋史、西洋史と3つですし、地理も日本地理、世界地理、郷土地理があります。「高等女学校教科書」は中等学校と言っても、中学校の教科書よりは簡便な感じです。歴史で言えば、高等女学校がA科目、中学校がB科目と言ったイメージのように思います。

 中学校の教科書で時代性を感じるのが、「軍事科学」とか、「支那語」があるところですね。「軍事科学」って、どこの中学校でも普通に授業が行われていたのでしょうか?大学時代、特に深く考えずに第二外国語を中国語にして、大いに後悔した経験のある者としては、中学校、現在の高校相当で英語以外に中国語をやるなんて…と思ってしまいましたが、みなさん、あの四声や軽声をうまく発音できたんでしょうか?

2021/10/27

高知こどもの図書館、クラウドファンディングを実施中!

  10月16日、高知こどもの図書館が「「行けなくても訪ねられる図書館! 子どもの本の世界を拓くWebサイト」クラウドファンディング挑戦中!」と発表しています(クラウドファンディングの応募先はこちら)。

 「毎日見たくなる図書館の子ども向けのサイトをつくる」ことを目的に、「発見や楽しさがあるウェブサイトをイメージしています。 」ということで、具体的には、以下の視点を含めて制作する計画だそうです。

・「図書館で過す=遊ぶ」「読む=心躍らせる」体験のドアを子どもたちに届ける。

・司書を配置した児童書専門図書館として、きめ細やかな児童サービスをウェブ上で提供する。

・誰にもやさしく、わかりやすいウェブサイトにする。

・こどもの図書館の対象者(保護者、こども、こどもの本に関わる大人)をきちんと意識して、コンテンツを厳選する。

・高知県下広域にくまなく情報を届け、出張講座等で対面のサービスを補完する。 

 高知県のことですが、ここで取り上げようと思ったのは、「今回のリニューアルで得られたノウハウを積極的に発信・公開することで、日本中の図書館や協働団体に成果を還元・共有します。」という言葉があったからです。静岡県立中央図書館にも、「子どもの読書活動推進のため、研究用として多くの子ども図書や参考図書を収集し、「子どもと本とを結ぶ活動」に関わる方々を支援し、子どもの読書活動推進に関する情報の収集・発信、情報交換・交流の場の提供」を行う、「子ども図書研究室」があるので、確かに高知こどもの図書館の知見は利用できると思ったからです。

 今回のコロナ禍により、図書館を始め様々な施設で非来館者向け(来館不要)のサービスの充実が図られています。特に「一人一台端末」の実施により、子ども向けのコンテンツやサービスが急がれていますから、高知こどもの図書館の挑戦は今まさに必要なことです。12月11日まで、とのことですが、一番安いのが3,000円ですから、単に応援しようと思うだけでもこの金額ならと思いますし、ノウハウを還元してもらうと考えれば、安いのではないでしょうか。


2021/10/26

唐古・鍵 考古学ミュージアム、日本初のNFT博物館へ!

  10月25日、株式会社H.S.Pが唐古・鍵遺跡の考古資料の1921点の重要文化財をNFT化するとプレスリリースしています(概要はこちら)。

 「NFT」とは、「Non-Fungible Token:非代替性トークン」のことで、「偽造不可な鑑定書・所有証明書付きのデジタルデータ」です。ブロックチェーンを活用することで、これまでコピーが容易であったデジタルデータに対し、唯一無二な資産的価値を付与する技術で、近年、デジタル絵画が非常に高値で取引されるなどして話題になっているものです。

 デジタル絵画は、正直言っていまいちよくわかりませんが、「NFT鳴門美術館」の文化財バージョンが今回の企画であると考えれば、なんとなくわかると思います。

 NFTは、「唯一無二ということを証明できる技術」ですので、電子化の方向に向かっている公文書などに利用できると考えています。公文書の電子化は国をあげて進められており、地方もそれに追従する動きが見受けられますが、原本性と保存性がネックになっていると思われます。近年は電子メールが裁判などの証拠資料とされるようになっていますが、文書はデジタルでは原本性が担保されず、あくまでも紙でないと証拠資料としては利用できないのとの認識があるわけですが、この技術を使えばおそらくそれをクリアできると思われます。

 あらゆるものが電子化されることに対しては、必ずしも100パーセント賛成できませんが、電子化されたものは利便性が良いことは事実ですので、うまく使い分ければ、今までよりも便利になる部分は必ずあります。その匙加減が難しいですが、NFTのような技術が普及することで、その利用方法が検討され、もっと広がっていくことは、おそらく良いことなのではないかと思います。

2021/10/25

ブラックが6色も!「エナージェルブラックカラーズコレクション」

  昨日10月24日に、子どもがノートが欲しいと言うので、文房具屋に行ったら、見ちゃったんです、ぺんてるの「エナージェル ブラックカラーズコレクション」を。10月13日から全国発売が始まったばかりのようですが、いきつけの文房具屋は、県内でもちょっと名の知れた有名店ですので、新製品の展示も早いんです(ここが近いので、私の財布はいつも寂しいのです😅)

 エナージェルですから、そもそもペンとしてのポテンシャルは高いです。しかし、ブラックが6色あるって、どういうことって思いますよね。近年の万年筆ブームで、インクの種類も多くなりましたが、それがボールペンでも楽しめるのが、今回の「エナージェルブラックカラーズコレクション」といったところでしょうか。ブラック、クリムソンブラック、オリーブブラック、チャコールブラック、インディゴブラック、ボルドーブラックの6色ですが、ブルーブラックを日常的に愛用している自分としては、インディゴブラックは外せないですね。あと、オリーブブラックは、なんとなく往年のモンブランのレーシンググリーンっぽく見えるのは老眼の性でしょうか、個人的には好きです。

 ペン自体もオールブラックボディにマットな質感でカッコいいですよ。0.5mmと0.7mmがあって、1本税込み330円、6色セットが税込み1,980円です。ただ、正直言ってどれかを選ぶのは難しいですし、おまけに6色セットの紙ケースがこれまたいい感じなんで、結局6色セットをセレクトするはめになります😅

2021/10/24

東急電鉄が8500系電車を販売!

  今日10月24日のYahooニュース見て、びっくりしました。8500系が買える!!

  詳細は東急電鉄の10月15日付けのお知らせページにあります。

 販売価格は「車両1両」が176万円、「車両の先頭部分のカットモデル」が2,420万円、「運転台」が85万円です。また、販売価格の他に下記の費用が別途必要としています。

1.トレーラー等での輸送費用
2.設置場所での車両降ろし用クレーンチャーター費用
3.設置場所の整備費用(レール・枕木・砂利・屋根の設置など)
4.設置費用
5.組み立て費用(「運転台」をご購入の場合)
6.購入後、継続的に必要なメンテナンス費用

 合わせて、いくらになるのかわかりませんが、車両1両まるまる買えちゃうなんて!!もちろん買えませんが、でも欲しい!!!😍
 東急電鉄に限らず、首都圏の私鉄の電車は各会社で引退した後、地方のローカル線あたりか、海外に行って第二の人生を送ることがほとんどで、一般向けに売り出すことはかなり珍しいです。
 「8522号、8622号」の申し込みは10月20日で締め切られてしまっているようですが、「8530号、8630号」は11月20日まで受け付けているとのことです。また、10月20日現在、問い合わせを含めて、車両1両全体については8件、車両一部分カットについては2件、運転台に9件のメールが来ているということです。

 まぁ、車両の購入は無理でも、「車体側面のコルゲート部カットの販売」があるんですね。😤
①車体側面コルゲート部カット
・販売価格 55,000円(消費税等含む)
・販売数 300個
・8500系車両の車体側面のコルゲート部分を縦横約 30cm 程度でカットしたもの。
②特別記念セット
・販売85,00,000円(消費税等含む)
・販売数 50セット
・「車体側面コルゲート部カット」に車号板・製造所銘板をセットにし、座席シートの生地で梱包した特別セットとなります。(車号板の車号、製造所銘板の字体や年代などの指定はできません)
・WEB販売サイト「TOKYU STYLE」での販売となります。
 ・2期にわけて販売いたします
 第1期販売 2021年11月下旬予定
 第2期販売 2022年 1月下旬予定
 ※各期の販売数等は、準備ができ次第、「TOKYU STYLE」(tokyu.com)にてご案内いたします。

 車両に比べれば、なんとお安い!販売開始もこれからですし、これなら…。「車体側面コルゲート部カット」が55,000円かぁ…。車号板や製造所銘板、セットにしないで、バラで安く売ってくれれれば…。あぁ、やっぱりこっちも無理かぁ…😭

2021/10/23

藤枝市の田中城の「御城印」完成

  今日10月23日のYahooニュースに出ていましたので、紹介します。

 記事にもあるように「田中城は家康が鷹狩りの際に立ち寄った城として知られ」ていますが、「この田中城でタイの天ぷらを食べ、それがあたって亡くなった」という俗説は、良く知られていると思います。元和2年(1616年)1月21日、鷹狩に出て田中城に立ち寄り、夕食でタイの天ぷらを食べ(京都で流行っている料理だということで、茶屋四郎次郎が出したタイの天ぷらは、タイをごま油であげ、にんにくをすりかけたもので、衣はついていないようなので、今でいう唐揚げらしいのですが。)、その夜、腹痛と食あたりをおこしましたが、薬の服用により小康を得て、25日駿府城に帰っています。実際に亡くなったのは4月17日なので、食中毒が原因で亡くなったとしたら、時間が空きすぎています。現在では死因は胃がん説が主流となっています。

 御城印が販売される「田中城下屋敷」は、田中藩主・本多家の庭園であった別荘で、現在は本丸にあった物見櫓、茶室、仲間部屋・厩、長楽寺村郷蔵が移設されています。ここで、「田中城跡散策ガイド」が入手できます。「田中城下屋敷」は入場無料なので、立ち寄ってこのガイドを入手すると良いと思います。

 今回の「御城印」の企画は、来年創立150年の西益津小学校と、60周年を迎える藤枝ライオンズクラブによるものですが、この西益津小学校は田中城旧本丸跡にあります。ちなみに旧三の丸跡には西益津中学校が建っています。「円郭式」の縄張をした珍しい城である田中城跡は、周辺にいろいろと痕跡が残っているので城好きにとっては大変おもしろいと思います。ただ、本丸跡や三の丸跡をカメラを持ってウロウロしていると、怪しく思われるかもしれませんが😅 

 

2021/10/22

Amazonで紙書籍の出版が可能となる!

  10月20日、アマゾンジャパンが、個人著者がKindleストアで本を出版できるサービス「Kindle ダイレクト・パブリッシング」(KDP)において、電子書籍に加え紙の書籍での出版も選択可能となったことを発表しています(該当ページはこちら)。紙書籍での出版サービス自体は10月19日(火)より開始されているようです。

 マンガを含むすべてのジャンルの電子書籍と紙書籍を、初期費用なしで出版でき、注文に応じて印刷を行うので在庫を抱える必要がなく、さらに、著者は販売価格を自分で設定でき紙書籍で60%、電子書籍で最大70%のロイヤリティを受け取ることができるとのこと。ただし、印刷にかかるコストは、ロイヤリティから差し引かれるようですが。

 ついに、こういう時代が来ました!!従来からある自費出版とはまったく別物ですね。私も共著ならいくつか出していますが、自分の単著を出すなんて、夢のまた夢、もし出せるとしたら、それは宝くじに当たるよりも難しいと思ってましたが、ちゃんとコンテンツさえあれば(これが最大の問題ではありますが…)、単著を出せるわけです。まぁ、今までよりは単著を出すことの価値が下がることにはなるわけですが、自分の本を出すことが人生最大の夢だと思っていた、昭和生まれの人文社会系学徒にとっては、この上なく素晴らしいことなのです。これを励みに、もう一度書き物をすることができるかな?(もう徹夜はできませんが…)。

2021/10/21

「朝日地球会議2021」に、台湾デジタル担当政務委員のオードリー・タン氏登壇

  昨日10月20日、「朝日地球会議2021」の対談「台湾、デジタル、民主主義」に、台湾デジタル担当政務委員のオードリー・タン氏がリモートで登壇しました。今日21日にも再配信されましたが、先日ブログに書いたマイケル・サンデル教授の時と同じように、朝日新聞デジタルに紹介文とともに、動画を見ることができます(該当ページはこちら)。

 話の中で印象的だったのは、視聴者からの「政治には無関係だったのに、何故うまくいったのか」という質問に対して、「信頼しなければ信頼されない。伝統的な政治家ならば、私を信用してください、私はベストを知っていますからというが、私は逆で私は何も知らない、市民の方が良く知っている。市民に良いアイデアがあれば、あなたを信頼します。そしてそのアイデアを社会に役立つように育てていきます。私は人にインスピレーションを与える、詩人のような役割なんです。市民が自ら対策を考えることが絶対に失敗しないんです」と言っていることです。今、衆議院議員選挙期間中ですが、おそらく立候補者の中には、このような発想の持ち主はいないでしょう。まさにタン氏の言う「伝統的な政治家」だらけのように思われます。

 動画の中には選挙の話も出てきていて、「投票率が低くて、国民が選挙権を放棄しているような状態で、果たして民主主義とは何なのか」という質問が出てきているのですが、「場ということを強調します」、「民主的な参加をさせる」、「人々が理解することが大事」、「民主主義は投票行為だけではない、公共が何を望んでいるのか、社会的なことでこういうことを議論しようということがあれば、それが民主主義なんです」と言っています。現役の大臣がこのような発言をするという、我が国では考えられないことが実現していることが、台湾のコロナ対策がうまくいった要因だと思いますし、台湾が独立を維持できている要因なのだと感じます。

2021/10/20

高校「1人1台端末」、配備2割

  昨日10月19日付けの朝日新聞EduAに、「高校「1人1台端末」、配備2割で大丈夫? 小中学校は9割以上配備」というタイトルの記事が掲載されています。

 「来年4月までに整えないと、中学校で端末を使って学んできた生徒が、高校に進学した途端、紙と鉛筆の世界に戻ることになります。」と述べられていますが、別にそれでもいいのではないかと思うのですが。この記事の中にも出ていますが、小中学校は国の予算がついたので、「1人1台端末」が実現したのですが、高校は対象外だったので、まだ進んでいないわけです。ただ、学校での授業はデジタル一辺倒ではありません。「紙と鉛筆」が」基本であることは、「1人1台端末」が実現した小中学校でも同じことです。デジタル端末はあくまでも道具の一つに過ぎないわけです。もちろん徐々にデジタルの部分が増えていく可能性は高いですが、直ぐにすべてがそうなるわけではないわけですから、それほど急ぐ必要はありません。デジタル教科書やドリルの類が出てきてはいますが、コンテンツがまだ十分ではありません。

 この記事の中で、来年から高校で「情報Ⅰ」が必修になるので、端末整備の遅れや地域によるばらつきは影響しないかということを問題にしていますが、小中学校でもデジタル端末1人に1台行きわたりましたが、それが実際に活用できているかは別の問題ですから、端末整備の遅れや地域によるばらつきを問題するだけでは十分ではありません。10月11日のブログに書いたように、『全国学力・学習状況調査』の中の、「2020年4月以降の臨時休校中、家庭でのICT(情報通信技術)学習に際して支障となったことについての質問」で、家庭の通信環境(無線LAN等)の問題などが上がっていますから、実は端末を配備するだけではダメで、実は他にもいろいろと問題はあるわけです。おそらくすべてを一度に解決することはできないですが、いちおうメジャーなメディアで問題提起をするのならば、総点検したうえで書くべきですね。私と同じように感じている方は他にもいらっしゃることと思います。

2021/10/19

「”猪(しし)の満水”(令和元年東日本台風)災害デジタルアーカイブ 」公開

  長野県で、2019年10月に発生した台風災害について、信州大学との共同事業として、「"猪の満水"(令和元年東日本台風)災害デジタルアーカイブ」が公開されています。

  「猪(しし)の満水」って何だ?と思ったのですが、1742年(寛保2年)8月に千曲川と犀川流域で発生した大洪水である「戌(いぬ)の満水」、寛保2年が壬戌(みずのえいぬ)の年にあたるとのことでこのように呼ばれているそうなのですが、2019年が亥(いのしし)年であることから、「戌の満水」になぞらえて、「猪(しし)の満水」と呼称したそうです。

 千曲川流域では、平安時代前期の 888 年(仁和 4 年)5 月の「仁和大水災」をはじめ、数々の洪水が起きており、「戌の満水」は既往最大洪水であったといわれているそうで、信州地域史料アーカイブでは「寛保二年 戌の満水の史実を歩く」という映像コンテンツが作成されていて、現在でもその被害に関してはある程度認知されているようですので、「戌の満水」になぞらえるということになったようです。

 「”猪(しし)の満水”(令和元年東日本台風)災害デジタルアーカイブ 」では、「デジタルアーカイブマップ」、「写真アーカイブ」、「資料アーカイブ」、「災害アーカイブ展特設サイト」、「住民へのインタビュー動画」が公開されています。
 「デジタルアーカイブマップ」は、地図上の印をクリックすると、地点情報とともに災害状況の写真を見ることができるようになっています。「写真アーカイブ」には、災害調査、被災状況、救助・復旧の様子、復興の様子の写真が公開されています。「資料アーカイブ」には、災害発生時、復興、復旧の、行政の資料が公開されています。「住民へのインタビュー動画」には、災害発生、復旧、子育て世代、その他の各テーマでのインタビュー動画がアップされています。「写真アーカイブ」はかなり多くの写真があって充実しています。デジタル時代ならではですね。「資料アーカイブ」の資料は行政の資料だけなのですが、できれば民間資料も入れるべきだと思いますが、どうなるのでしょうか。「住民へのインタビュー動画」、これはいまいちですね。災害発生については2名の方のインタビューがあるのですが、それ以外は災害発生でお話されているお一人の方のインタビューだけです。写真の提供やインタビューの協力を呼び掛けていますが、体験者の生の声は大変貴重かつ重要ですので、これはもっとインタビューを行って欲しいですね。もっとインタビューを行えば、先ほどあげたテーマも、さらに充実していくことでしょう。

2021/10/18

「朝日地球会議2021」がオンラインで開催中

  国際シンポジウム「朝日地球会議2021」(朝日新聞社主催)が昨日10月17日からオンラインで開催されています。

 昨日17日は第1日目だったのですが、目玉は何と言っても、米ハーバード大のマイケル・サンデル教授と青山学院大の福岡伸一教授のパネル討論「ポストコロナ時代の人類と社会~いま考える『新しい知』」でしょう。今日18日も再配信されていましたが、朝日新聞デジタルでも、17日の紹介とともに、動画が公開されています(該当ページはこちら)。

 サンデル教授の話は、多少想像がつきましたが、最近出版された『実力も運のうち 能力主義は正義か?』に基づいたものですが、福岡教授とのやりとりは、というか福岡教授の話はかなり良かったです。

 第4日目の20日には、台湾政府のデジタル担当政務委員オードリー・タン氏が登場します。



2021/10/17

「登録無形文化財」制度について

   10月15日の重要文化財(美術工芸品)の指定答申と同時に、文化審議会では「登録無形文化財の登録及び保持団体の認定」の答申が行われ、登録無形文化財の認定が2件、保持団体が2団体となっています。この「登録無形文化財」は今年の6月14日に文化財保護法が一部改正されて新設された制度で、建築物等の有形文化財を「登録有形文化財」としているのと同じで、その無形文化財版といったものになり、今回初めての登録です。

 「書道」と「日本文化書道協会」、「伝統的酒造り」と「日本の伝統的なこうじ菌を使った酒造り技術の保存会」がそれぞれ登録答申されたわけですが、この手の無形文化財は他にもいろいろありますから、おそらくこれからいろいろと登録申請がされるものと想像されます。ただ、「日本文化書道協会」も「日本の伝統的なこうじ菌を使った酒造り技術の保存会」も今年度(令和3年度)になってから組織化されているのですが、これって「登録有形文化財」制度が、「技を有する個人についての認定」、「技を有する人たちを主たる構成員とした保持団体の認定」を行う制度だから、それに合わせてということなんでしょうか。

 勝手な想像ですが、「書道」は「ユネスコ無形文化遺産」への登録を目指して「日本書道ユネスコ登録推進協議会」が設立されていますから、ユネスコ登録への後押しとしての登録かなと思ったり、「伝統的酒造り」も近年日本酒が海外での評判が上々なうえ、「和食;日本人の伝統的な食文化」が「ユネスコ無形文化遺産」に登録されているので、その相方である日本酒もといった感じなのか、などと思ったりするのですが。

 「ユネスコ無形文化遺産」も、「世界遺産」が有形文化遺産を対象にしていることから、無形文化遺産についても国際的保護を推進するということで作られたわけですが、どちらも本来はグローバリゼーションの進展や社会の変容などに伴い、有形・無形文化遺産に衰退や消滅などの脅威がもたらされるとの認識から、有形・無形文化遺産の保護を目的としたもののはずなのですが、特に世界遺産は観光対象になっていて衰退や消滅などの脅威から保護しているようには見えません。確かに有形・無形文化遺産の保護にはお金がかかるのはわかるのですが、こういう制度に登録されてしまうとただ商業主義に走るだけになってしまうような気がして、本来の目的からずれていくように感じるのですが…。

2021/10/16

重要文化財(美術工芸品)に、キハ四二〇五五号気動車(キハ〇七形四一号気動車)指定答申

  10月15日、国の文化審議会で、重要文化財(美術工芸品)の指定の答申が出され、彫刻の部で3件、古文書の部で1件、歴史資料の部で3件が、有形文化財から重要文化財にと答申されました(具体的内容はこちら)。

 個人的には、九州鉄道記念館に保管されている1937年製造の「キハ四二〇五五号気動車(キハ〇七形四一号気動車)」ですね。何と言っても、この車両、「機械式」なんですよ、変速装置が。つまりクラッチで変速するんですね。流線型の車体もいいですね。

 同形の気動車は計62両造られたそうですが、旧国鉄系で原形が現存するのはこの車両のみです。気動車が重文指定されるのは初めてとのことですが、遅いくらいですよ。毎日新聞で見たのですが、この車両、現在屋外展示のため、潮風で腐食しないよう、同館の宇都宮照信副館長が2日に1回、車体に油を塗っているんだそうです。だからこそ、維持できていたわけです。もしこの副館長さんがメンテナンスをしてなければ、とっくにダメになってしまっていたはずです。ただ、この副館長さんも71歳とのことですから、重文指定を期に、屋内に移動させるか、逆に現在の場所をしっかり囲むかして、この状態を維持できるようにしないと。

 同時に答申されたリニア・鉄道館で保管されている「鉄道省営乗合自動車」も、クラシックな外観がたまらないですね。1930年に鉄道省が初めて岡崎(愛知県)~多治見(岐阜県)間に運行した「国鉄バス」です。最初に導入された7両のうち現存する唯一の車両とのことで、現いすゞ自動車株式会社の前身である東京瓦斯電気工業株式会社が製造したものです。

 キハ07形41号気動車といい、国鉄バスといい、やはり戦前の車両は全体的に丸みがあり、愛嬌のあるイメージで、スリスリしたい!

2021/10/15

牧之原市の「牧之原市IC北側地区整備事業」に関する懸念

  衆議院が解散され、今月19日告示、31日投開票となりましたが、静岡県ではその一週間前の24日に参議院補欠選挙があり、また県内牧之原市では市長選、市議選が17日告示、投開票が参院補欠選と同じ24日という日程で行われます。10月14日付けの「中日新聞」ではその牧之原市の課題の1つとして、「牧之原市IC北側土地区画整理事業」を取り上げています。

 この整備事業計画は、標高約180メートルの牧之原台地の一角、東名高速道路・相良牧之原インターチェンジ(IC)の北側に、新たな住宅地と商業施設の整備を計画しているもので、計画の通称は「高台開発」ということなのですが、この場所は全国ニュースでも取り上げられたので御存じの方も多いと思いますが、今年5月1日に突風被害があった場所なのです。高台開発を担う市新拠点整備室は「牧之原台地は津波の心配がなく、地盤は強固。ICや静岡空港、御前崎港も近い」と、利便性と将来性をアピールしているようですが、確かに台地なので地盤が強固で津波の心配はないですが、7月29日にもこの付近は大雨が降り、被害がありました。平らな台地の上は何もさえぎるものがありませんので、近年の気象状況を考えると(必ずしもこの場所だけに限りませんが)、今後も台風や突風、大雨の被害はありえます。

 台地の上ですので、車が無いとまったく移動はできません。静岡空港は近いですが、一山向こうですので車で10分くらい、貿易港である御前崎港は台地を下ったかなり先にあります。住宅地が計画されているのですが、空港や貿易港が近いことが日常生活において特にメリットがあるとも思えません。商業施設の面ではICが近いということは物流上のメリットがありますが、空港や港から商業施設向けに商品がバンバン運ばれてくるというほどでもないでしょう。大和ハウス工業(株)が事業を委託されています。確かに実績がある企業ではありますが、現状では周りはお茶畑ばかりで他に何もないところに、人々が集まってくるような街をつくることができるのでしょうか。

 何故このようなことを気にしているのかというと、かつて静岡空港ができることになった際に、地元では「人がいっぱい来て、商業施設もたくさんできて、便利でにぎやかな町になる」からみんなで協力しようと盛り上がり、非常に大きな期待が持たれていました。結果的に空港周辺の整備として道路が広くなったりはしましたが、現在空港のある地域は特別にぎやかにもなっていませんし、商業施設どころか住宅もあまり増えていません。ある意味、昔ながらの田舎で、空港ができたことが地元にどれだけのメリットを与えたのか、具体的に目に見えてわかることはありません。

 この事業は、県の“ふじのくに”のフロンティア(旧「内陸のフロンティア」)推進地域に指定されています。ただ、これって要するに今まで不便で開発されてこなかった地域にテコ入れするものですから、よほど魅力のある場所にならないと、人々が定住するのは難しいのではないでしょうか。ましてや、価値観が多様化している現在、より多くの人が魅力を感じる場所って、いったいどんな場所なのか、その答えは、なかなか難しいのではないでしょうか。

2021/10/14

デジタル庁創設オンラインセミナーに袋井市が登壇します。

 10月20日(水)、21日(木)に、学校法人先端教育機構 事業構想大学院大学の主催で開催される「デジタル庁創設オンラインセミナー 自治体DXの政策と実例~官民連携で進めるDX~」に、袋井市が登壇します。

 具体的には、10月21日(木)13:30~13:45から、第1部~自治体DX全国首長アンケート回答結果に関するトークセッション~「デジタルでつながるHappyな"まち"~自治体DX推進計画の策定に向けて~」と題して、袋井市 企画財政部 ICT政策課 小柳津 和彦 氏が報告されます。「自治体DX全国首長アンケート」とは今年の8月~9月に行ったもので、14:00〜14:35に、福島市の報告者者とともに、NTTドコモや事業構想研究所の方と「自治体DX全国首長アンケート回答結果に関するトークセッション」にも登場します。

 袋井市は第2次総合計画の「後期総合計画」でも「デジタル化の進展に対応したまちづくりの推進」をうたっていて、教育分野などでのICTの積極活用が進められていますので、今回のセミナーでも具体的な事例の話が聞けるのではないかと思います。

 参加には事前申し込みが必要ですが、Zoomによるリアルタイムオンライン視聴 と、10月22日(金)から11月30日(火)までアーカイブ視聴が可能です。袋井市以外にも自治体DX推進に向けた取り組みにおける行政業務の具体策と先進事例を聞くことができますので、個人的にリアルタイムは時間的に不可能ですが、アーカイブで見ようと思います。

 実は事業構想大学院大学の主催のデジタル庁創設オンラインセミナーは、今までも関連する内容のセミナーがいくつか開催されてきていて、またこの後も関連するセミナーが予定されていますので、今後開催予定のセミナーの申し込みも可能です。

2021/10/13

2020年の余暇活動状況、『レジャー白書2021』

  公益財団法人日本生産性本部余暇創研から、『レジャー白書2021』が発行されました。巻頭要約が公表されていますので、そちらでざっくりと見てみます。

 余暇活動アンケート調査は、2021年1~2月にインターネットを通じて実施し、全国の15~79歳男女、3,246人から有効回答を得た結果とのことですが、2020年はコロナ禍の影響で従来とは様相が違っています。

 外出や移動を伴う多くの活動が順位、参加人口ともに前年を下回り、在宅や近場で行える活動の順位が上昇しています。余暇活動の参加人口は、「動画鑑賞(レンタル、配信を含む)」が3,900万人で最も多く、それに次いで「読書(仕事、勉強などを除く娯楽としての)」が3,650万人、「音楽鑑賞(配信、CD、レコード、テープ、FMなど)」が3,410万人となっています。昨年5,400万人で首位だった「国内観光旅行(避暑、避寒、温泉など)」は、約2,000万人少ない3,390万人で4位です。昨年4,350万人で2位だった「外食(日常的なものは除く)」は、約1,000万人減らして3,330万人で6位です。この2つはコロナという特殊な状況により大幅に数を減らしたわけですが、今年首位の「動画鑑賞(レンタル、配信を含む)」は首位になったとは言っても、390万人増えているだけですし、2位の「読書(仕事、勉強などを除く娯楽としての)」は昨年は4,110万人でしたから逆に減っていますので、「巣ごもり需要」という言葉がよく聞かれましたが、外出や移動を伴う活動が、単純に在宅レジャーに移行したわけではないようです。余暇活動の参加人口上位 20 位の参加人口を足していくと、2019年は63,940万人、2020年は54,640万人ですので、余暇活動に参加している人口が9,300万人も減っていて、それが余暇関連市場規模が55兆2,040億円、前年比23.7%減という数字になっているわけです。コロナにより余暇関連市場は非常に大きなダメージを受けたということが言えるわけですし、多くの人々が余暇に参加できなかったということです。これだけを見ても、やはりコロナは世の中に非常に暗い影を落としたということがわかります。

2021/10/12

スポーツ庁で、運動部活動の地域移行に関する検討会議(第1回)

  10月7日、スポーツ庁で、学校の運動部活動の民間委託を、2023年度から全国で段階的に進めるため、関係団体が課題を話し合う「運動部活動の地域移行に関する検討会議」の初会合が開かれました。

 正直言って今までの部活動の在り方は異常だったと思います。「部活動未亡人」なる表現があるくらい、部活動に時間を取られて、家庭を顧みない(顧みれない)教員が多くいたわけです。教員の「働き方改革」を考えるうえで、部活動を学校から切り話すことは、かなり大きなポイントになるわけですが、それに関する話し合いがやっと始まったといったところです。

 今回の検討会議資料、「運動部活動の地域移行に関する検討会議における検討事項(案)」の中でも、「2.地域移行する前の運動部活動の在り方」の2つ目のポイントとして、以下のような表現があります。 

○学校の働き方改革に対応するとともに、適切な指導体制を整えるため、教師が運動部活動の指導や大会等の引率をするという現行の在り方を抜本的に改めていく必要があるが、運動部活動の指導や大会等の引率の体制はどのようにしていくべきか。特に部活動の指導を望まない教師が部活動に従事する必要のない体制をどのように整備していくか。

 ただし、課題が多いのも事実です。資料にも、
4.運動部活動の地域での受け皿
○運動部活動を地域に移行する際の受け皿として、都市部と地方部では状況が異なることや生徒のニーズが多様であること等も踏まえ、どのような組織・団体等が考えられるか。

5.指導者
○指導者として、どのような人材が考えられるか。
○それらの指導者をどのように確保、育成していくか。
○指導者資格や審判資格を有するなど専門的な知識や経験があり指導を希望する現職の教師が兼職兼業の許可を得て円滑に地域でスポーツ活動を指導できるようにするためにどうすべきか。また、その際に所属校での教師としての本来業務へ影響が生じないようにし、また心身に過重な負担とならないようにするため、どのようなことに留意すべきか。

6.施設
○地域スポーツ活動を実施する場をどのように確保していくか。

などと指摘されています。
 ただし、「5.指導者」の3つ目にある「専門的な知識や経験があり指導を希望する現職の教師」については、そもそも教員である必要があるのか、受け皿側の指導者となる方が良いのではないかという気がします。事実、知り合いの教員の中には、本人が昔そこそこ活躍をしていて、部活動で指導したいから教員になったと公言していた人がいました(運動部に限らず、文化部にもそういう方はいましたが)。そういう方は別に教員にならなくても、部活動が地域に移行した際に、スポーツ指導者として部活動に関われば良いのではないでしょうか。部活動が学校から切り離されれば、部活動目当ての方は教員を目指す必要が無くなります。そうすると、教員を目指す人は、純粋に子どもたちに勉強を教えることを希望する人だけになるのではないでしょうか。私はそうなるのが良いと思っています。

2021/10/11

オンライン授業の拡大を妨げる家庭のIT環境格差(『ニューズウィーク日本版』より)

  10月7日付けの『ニューズウィーク日本版』に、教育社会学者舞田敏彦氏の上記タイトルの論考が載っています。元ネタは、御本人の9月1日付のブログのようです。

 今年の『全国学力・学習状況調査』の中の、「2020年4月以降の臨時休校中、家庭でのICT(情報通信技術)学習に際して支障となったことについての質問」への回答結果をもとに、「全国的に各家庭でのPC端末、通信環境の不足がオンライン授業の支障となっていて、都市部と地方での格差も大きい」としています。具体的には「家庭の端末(PC等)の不足、家庭の周辺機器(カメラ等)の不足、家庭の通信環境(無線LAN等)の不足」が、公立・国立・私立に分けると、公立が多く都道府県別による地域による差も大きく、特に地方で高い傾向にあり、地方の郡部では、オンライン学習に必要なリソースの普及率も低そうというものです。

 ある意味、想像通りなのですが、これでは文部科学省のGIGAスクール構想も、それを受けとめる家庭環境が不十分な状況では、どの程度うまくいっているのか疑問ですね。

 おそらくスマホならば、PCよりは保有率も高い可能性があるのではないかと思うのですが、本格的なオンライン学習となると、ある程度画面が大きい方が良いですから、タブレットやノートPCの方が良いですので、そうなるとやはりそれを使いこなす技術が必要ですし、Wi-fiがしっかりしていないとうまく授業が受けられないですし、いろいろと問題が出てくるわけです。また子ども専用にできる端末が家庭にあるかということもあります。私の場合は昔からPCをいじってきましたから、家には数台のPCがあり、メシュWi-fiを導入してあって、普通に使用するには全く困らない程度の知識はありますが(逆に私以外の家族は、子どもも含めてほとんど分からず、100%父任せなのですが)、すべての家庭がそうではありませんから、ちょっとしたことで、学習ができないと状況になってしまうのでしょう。問題を解決することはなかなか難しいですが、岸田首相の言っていた「中間層の所得拡大」が実現しないとその対応は厳しいでしょう。ただ、その方法が「分配機能の強化による」ものではダメですね。「稼いで所得が拡大する」のでなければ、そもそも資本主義ではないですから。国全体が豊かになって、中間層の所得が拡大するようにするのが、「新しい資本主義」なんじゃないのかなぁ。


2021/10/10

10月10日-11日は、”デジタルの日“

  今日10月10日は、今年初めて創設された“デジタルの日”ということで、お昼からニコ動で動画が配信されていたり、radikoで特設サイトが設けられたり、その他にもイベントが用意されていて、デジタル庁創設記念の動画もありますが、正直言って、どのくらいの知名度があるのかなぁ?

 本来は、「体育の日」改め「スポーツの日」なのですが、オリンピックの関係で無くなっているし(そのせいで連休でもないし)、ただの日曜日にすぎないって感じですけどね。ラジオファンなら、TOKYO FMの12:30からの『CHINTAI presents きゃりーぱみゅぱみゅ Chapter #0(チャプターゼロ) ~Touch Your Heart~』で、きゃりーちゃんが「今日は”デジタルの日“!」って話してので、ふ~んって思った方もいるでしょうね。

 とにかく、この後まだニコ動画で配信もありますし、関連イベントもありますので、これに気がづかれた方は、そちらを覗いてみると良いですね。私は16:00~の「未来の教室 教育DXで、子どもたちの学びはどう変わる?」を視聴する予定です。

 ただデジタル庁は、来年はもう少しPRをして、認知度を上げた方が良いでしょうね。

2021/10/09

沖縄「鉄軌道」導入に向けたプロモーションビデオ公開

  沖縄県では、平成26年度から既存のゆいレールとは違う、一般的な線路と鉄道車両による鉄道を建設する「鉄軌道」計画に関する取り組みが進められています。

 「鉄軌道」計画は、沖縄本島の全体的な交通ネットワークに関する計画で、現在の沖縄に欠けている都市間交通について、複数の構想計画ルートがあるなか、ざっくりと描かれているのは、那覇と名護を結ぶ65km前後の軌道の構想で、肝心の鉄軌道がどんなものなのか、はっきりわかりませんが、鉄軌道に関心をもってもらえるようにと、平成27年11月発行の「おきなわ鉄軌道ニュース」特別号には、1914年12月1日に開業し、1945年3月まであった「沖縄県軽便鉄道」を取り上げていますから、LRTとかを前提にしているのかと思うと、路面電車好きにとっては、とても楽しみな計画なのです。

 今回公開されたプロモーションビデオは、「鉄軌道」計画の基本的な考え方についてをまとめたもので、「30秒バージョン」と「ロングバージョン」の2種類用意されたのですが、「30秒バージョン」はイメージPVって感じなので、計画の概要を知るには「ロングバージョン」を見ないとわかりません。この計画が実現すれば、沖縄県は「鉄道の無い唯一の県」ではなくなることになるのかと思います。同時に鉄道好きにとっては、乗りに行くべき鉄道が増えることになるので、非常に喜ばしいことなのです。

2021/10/08

渋沢栄一顕彰講演会「静岡の明治維新」のお知らせ

  11月11日(木)13:30~16:00に、静岡商工会議所が主催で、渋沢栄一顕彰講演会「静岡の明治維新」が開催されます。

 本来の会場は、浮月楼 本館2階「月光の間」なのですが、「定員に達しましたので、今後「来場」でお申込みの方は同じく浮月楼内の本館3階「高砂の間」にて、講演会の様子を動画でご視聴いただく形となります(10/8 10:33追記)」ということですが、Youtubeでも視聴できますので、オンラインならば、まだ申し込んでも十分間に合うと思います。

 講師は、国立歴史民俗博物館教授の樋口雄彦氏豊橋市図書館学芸員の岡村龍男氏です。樋口氏が「渋沢栄一と静岡藩の群像」、岡村氏が「渋沢栄一と静岡-偉業を支えた静岡の人々」と題して講演されます。

 二人とも知り合いなので本当ならば講演を聞きたいのですが、ウィークデーの日中なので、完全に仕事中で無理ですが、時間に融通が利くという方がいらっしゃいましたら、ぜひどうぞ。

2021/10/07

灰被天目の完形品が出土

  昨日10月6日、島根県埋蔵文化財調査センターから、江津市松川町八神に所在する森原下ノ原遺跡から中国の明代初頭(14世紀後半~15世紀初頭)に作られた灰被天目の完形品が出土したとの発表がありました。

 「静岡県のあなたが、何故島根県の話を?」とお思いでしょうが、何を隠そう(いや別に隠しているわけではありませんが)、茶碗系、大好きなんです!

 この灰被天目(はいかつぎてんもく)は、中国の明代(14世紀~15世紀)に福建省で作られた黒釉の茶碗で、完全な形で見つかる例は極めてまれで、完形品で見つかった例は今回の出土例を含めて全国で8例しかないんです。薄く灰をかぶったような、くすんだ色をしている釉薬がかかっているので、灰被天目と呼ばれているのですが、公開されている写真(PDFの3ページ目)は、横から移したものですが、落ち着いた感じで、まさに侘茶向きな感じですね。下の方までは釉薬がかかっていないのも味わいがあっていいです。

 本当はもっとじっくり観察したいのですが、さすがに島根県にまでは見に行けませんが、しばらくすれば詳細な情報とともに、写真もいろいろ出てくると思いますので、それを楽しみにしようと思います。

2021/10/06

大牟田市三池炭鉱歴史資料デジタルアーカイブ

  「大牟田市三池炭鉱歴史資料デジタルアーカイブ」が公開されています。

 かつて日本一の出炭量を誇った三池炭鉱ですが、同時に戦後日本における最大規模の労使紛争「三池争議」が起こったことでも知られています。その三池争議関係史料や社史『三井鉱山五十年史稿』、三池炭鉱の写真絵はがき、大正後期から昭和初期の市街図や実測図・職業明細地図などを見ることができます。

 ただし、「「三池争議関係史料」、「人物」、「地図」の一部資料の画像については、プライバシー保護の観点で「閲覧」」が制限されています。1回目が1953年、2回目が1959~60年に起こった三池争議ですが、実際に確認しましたら、「三池争議関係資料」は2回目の1960年のものが多いのですが、結構見ることができないものが多いです。いちおう大牟田市立図書館に制限コンテンツ閲覧申請をすれば、閲覧用のID・パスワードを発行してくれますが、今回の資料はビラが多くかなり過激なものが多いのは事実ですが、もう60年経っているので、せめて部分的に黒塗りにして、もう少し公開してくれれば良かったのですが…。

2021/10/05

経産省、中学・高校のデジタル部活を支援

 昨日10月4日の共同通信のニュースですが、経産省のホームページには、9月24日付でリリースされてました。

 正確に言うと、「デジタル関連部活を産業界が中心となって支援することの在り方等について議論をはじめます」ということで、「デジタル関連部活支援の在り方に関する検討会」を新たに設置するということらしいです。

 ただ、以前から言っていますが、部活動は学校から切り離すべきです。特に、産業界と直結するようなデジタル関連の部活動、具体的にはパソコン部、プログラミング部、ロボット部、AI部等になるのでしょうが、中学はともかく、工業系高校ならばそのまま会社の実験室とか、開発部と言っても良いようなところもあるでしょう(逆に、幽霊部員のみのところもあるでしょうが)。

 部活動を支援するのではなく、デジタル関連の部活動に所属している生徒を受け入れる、別の場所を各地に準備して、そこで専門家が指導するという場所を作る方が良いと思います。その方が、若い優秀な生徒を早めに見出すことができて、産業界にもプラスになるはずですし、本当に興味を持って活動している生徒にとっても、その能力を引き出してあげられる可能性があります。ぜひ、そのような方向を検討してみていただきたい。

2021/10/04

萩生田文科相の退任会見について

  今日10月4日午前の大臣の退任会見で、やっぱり今後も学校現場、教員は振り回されるだろうなぁと思わされるような発言が見受けられました。

 その中でも気になったのが、民間が教育に参入することについての記者の質問に、
「公教育に足らざるところがあって、それを民が補わなきゃならないという今の教育がもし課題があるんだとすれば、ここはもう1回原点に戻ってですね、公教育を強くしていかなきゃいけないんじゃないかなと思っています。日本は世界に稀に見るですね、この義務教育制度っていうのはあの皆さんが憧れる制度です。どこの街に生まれてもの、どこの街で育っても等しく教育を受けることができる、そして同じレベルの教育を受けることができるって言うのは公教育の魅力だと思いますし、あのまあ今まさに先生方の働き方改革を緒に就いたばかりでありますけれども、もう少し先生たちに余裕が出ればですね、公教育はもっと強みを発揮するんじゃないかと、学校でもう少し解決することっていうのは勉強の部分で、勉強以外のことで、あまりにも力をそがれてしまうってますから、そうじゃなくてまさに子供たちの勉強教育の部分で、先生たちが向き合う時間を作ることができれば、私は公教育はさらに力をつけることができて、結果として民間のですね、その塾へ行かなくてもきちんと高校受験ができる学力は身につけられることができるようになっているはずですから、あのそこは私なくなってもぜひ文科省の皆さんにしっかり踏ん張っていただいてですね、あの時代から公教育は大きな力をつけてきたね、取り戻したねと言ってもらえるように頑張ってほしいなと思っています。」
と答えておきながら、次の質問の答えとして、
「ややもすると学校は勉強するところですから、その授業のことばかりがクローズアップされるんですけど、いつも申し上げているように集団活動をしたり好きなことも苦手なこともをお付き合いをしたり自分がやりたいことをやりたくない事もお当番が回ってくればやったりする、そういう中でやっぱり人は磨かれていくんだと思うので、そういうことをあの大切にしてほしいということを呼びかけてですね、あの修学旅行はあきらめないでほしいなんていうことをお願いしてきたことは私なりにあの良かったのではないかなというふうに思っています。」
と、勉強以外のことを呼びかけたのが良かったという話をしていて、なんか矛盾しているんです。
 
 ただ、この発言に引き続き語っている内容は、現在の教育行政の実態に問題があるとの、次のような指摘で、今回の会見で大事なのはここだと思うのですが。
「残念ながら私が思ってた以上にですね、あの教育行政というのは地方に大きな部分がもう移行してますから、文科大臣はもちろん大きな大方針は決めることができますけれど、やっぱり地方のを自治体の皆さんが公教育の大切さってのを共有していただくことが大事だなということを再認識いたしました。あの誤解がなく申し上げれば、やっぱり教育行政熱心な首長の自治体とそうじゃないところではどうしてもその中身に、ここで格差と言うとまた怒られてしまうかもしれませんけど、内容がまばらになってるなっていうのはあの肌で感じたところなので、あのここはぜひあの文科省としても、しっかり全国に目配りをしてスタンダードをどんどん上げていくということが大事だと思いますので、まぁそんな点をこれからもがんばっていきたいなと思います。」
 
 さらに地方財政措置について、
「本当に誤解を恐れず申し上げます。地財措置じゃなくてですね、やっぱり義務教育に必要な経費っていうのは、国が責任を持ってダイレクトに補助をしていくということをしないと、今回のようなGIGAのようなものは済まないんじゃないかと。日本中どこの小学校に行っても図書館には最低限この本はありますよ、子どもたちの理科の実験はですね、こういう器具を使って実験ができますよってことは、残念ながら今まで何十年にもわたって地財措置をしてきましたけれども、それぞれの自治体の様々な行政事情の中で優先順位が変わってしまって、お金にはそれは理科室の実験代って書いてないですから、実験用具代って書いてないから、結局違うものに使われてしまうということは今までもずっとあったんだと思います。で、その事を知らない子供たちは声を上げることができないわけですから、まさに私たちこそがですね、そういう環境を整えていくためには、今までのように全体的な予算を増やしていく、マンパワーを増やしていくと同時に、令和の時代の新しい時代の学校っていうものはスタンダードはこれだってものを決めたらそこまでやっぱり国が伴走してあげるような仕組みをですね、作っていく必要があるかなというふうに思っているすので、あのぜひ文科省の職員にそれ引き継ぎをして踏ん張ってもらいたいなと。地財措置だとやっぱりすみませんよね、だってパソコンだって二十何年間やってきてるわけだから、最低でも3人に1台は使えるようにしてあげてって言ってそのお金は計算上は出てるわけじゃないですか国から、だけど正しく、正しくというと怒られちゃうけど、その通りには使われてないっていうのが地財措置の弱みなんで、これ私地方政治もやってきたからわかるんです。その向こう側の事情もあって、今年はこれよりこっちが大事だとか、これを急がなきゃならないっていうのあるから、その裁量権が地方自治体にあることは百もわかってるんだけど、少なくとも小学校中学校の義務教育はこれは買ってねといったものは買ってもらわないと困りますということですね、あのこの間も声をからしてきたつもりでいますけど、改めてあの買ってくれないんだったら直接買って渡した方がいいかなというふうに思ってますので、こんなことも今後の予算の上では大事なことかなと思います。」
「もう一回言いますけど、その義務教育ですから、これは最終責任は国にありますから、どこの学校に行っても同じ環境で学べる環境を、やっぱり国の責任で作るべきかなと今回のGIGAスクールを経験してそう強く感じた次第です。」

 もう、これは文科省だけの問題ではなく、国全体で考えなければならない問題で、国民全体が共有すべき問題だと思いますが、マスコミがこの会見の内容をもとにしたニュースは、先週の残業代の判決について、「司法からも改善を求められていることは重く受け止める」とのコメントなんですが、こんなのは当たり前のコメントなのでニュースにする必要はないと思います。結局、本当に重要なことはあまり共有されず闇に葬り去れらてしまい、気がついた時には取り返しのつかないことになっている、ってことが無いようにするために、ささやかながら、このような形で指摘しておきます。